S-cubism TOP 第1部:バーチャルコマース構想のご紹介 第2部:大討論会 ~ バーチャルコマースのある世界について ~

VRコマース機能 リリース記念

バーチャルコマースが実現する
次世代の購買体験セミナーレポート

2017.09.08 Fri.

13:30~ @東京カルチャーカルチャー(cocoti SHIBUYA 4階)

セミナー概要はこちら

2017年7月24日にリリースされたVRコマース機能は、次世代オムニチャネルを実現するバーチャルコマースパッケージと銘打たれてはいるものの、まだまだ世間一般ではイメージがつかめていないと感じます。

そこで、エスキュービズムでは「VR(バーチャルリアリティー・仮想現実)」のEコマース、「VRコマース機能を使ったバーチャルコマース」がどのようなものなのか実際に体験してもらうため、『バーチャルコマースが実現する次世代の購買体験セミナー』と題したセミナーを開催いたしました。

開発の経緯や、VRコマース機能で活用されている技術の紹介、VRコマース機能のデモ体験、大手小売の経営者や現場責任者のトークセッションなどで盛り上がりました。

セミナー当日のレポートをお送りいたします。

バーチャルコマース構想のご紹介

第1部は株式会社エスキュービズムの代表取締役、薮崎敬祐によるバーチャルコマース構想のご紹介でスタートしました。

ECサイト構築パッケージOrange ECを導入される企業からは、「店舗在庫や会員情報など、ネットと実店舗をつなげていかなければならない」という経営課題について、相談を受けることが多くあります。そうした相談を受けて生まれたのが「Orange Operation」、iPadやSurfaceのようなタブレットを活用し、店舗オペレーションをサポートするシステムです。

このOrange ECとOrange Operation、ネットとリアルを1つのデータベースで連携することで、いつでもどこでも買い物ができる仕組みを作ったのです。

しかし、こうした「いつでもどこでも買える」オムニチャネルの仕組み、手段は出来たけれど、実際のところ何が起こっているかというと、ネットと店舗では、購買体験が全く違っていて、客層や購買商品も違っている。ネットとリアルは断絶したままで、何も解決していないというのが現状です。

の課題は今に始まったことではありません。Eコマースのサイトは検索しづらい、商品が見つけづらいといった理由で購買意欲が下がってしまいます。これが実店舗と大きく違い、Eコマースの課題となっています。エスキュービズムでは2008年に脳科学を活用した検索エンジン「クラウドマップ」を開発、10年以上前からこの課題に取り組んできました。

また、同時期にGoogleが発表したGoogleストリートビューを見た時に、「これをECサイトに取り入れたらどうか」と考え、構想を練ってきました。

ただ、ストリートビューの実現には、何台ものカメラを車に積んで走り回って撮影して解析し、膨大なデータが必要でした。また、ネットワーク、通信環境も整っていないと、表示も遅いというところで、テクノロジーの制約が多くてなかなか普及しないという時代でした。 ご記憶にある方もいらっしゃるかと思いますが、「セカンドライフ」というインターネット上の仮想世界が2007年にブームとなりました。3Dポリゴンで街を創り、その中で自由に生活できるというものでした。

このように、2007年~2008年というのは、3Dやバーチャルテクノロジーの元年だといえます。このころから、ECサイトと3D技術をなんとか融合できないかと研究を行ってきました。

近年、ようやくテクノロジーが追い付いてきました。リコーさんのシータ(RICOH THETA、全天球カメラ https://theta360.com )のような、360度撮影できるカメラが発売になりますし、ネットワーク環境が整い、通信も早くなりましたし、マシンスペックが上がって簡単にオーサリングができるようになるなど、ようやく使用者がストレスなく体験できるVRの環境が整ってきたため、VRコマース機能の発表に至りました。

の課題は今に始まったことではありません。Eコマースのサイトは検索しづらい、商品が見つけづらいといった理由で購買意欲が下がってしまいます。これが実店舗と大きく違い、Eコマースの課題となっています。エスキュービズムでは2008年に脳科学を活用した検索エンジン「クラウドマップ」を開発、10年以上前からこの課題に取り組んできました。

また、同時期にGoogleが発表したGoogleストリートビューを見た時に、「これをECサイトに取り入れたらどうか」と考え、構想を練ってきました。

ただ、ストリートビューの実現には、何台ものカメラを車に積んで走り回って撮影して解析し、膨大なデータが必要でした。また、ネットワーク、通信環境も整っていないと、表示も遅いというところで、テクノロジーの制約が多くてなかなか普及しないという時代でした。 ご記憶にある方もいらっしゃるかと思いますが、「セカンドライフ」というインターネット上の仮想世界が2007年にブームとなりました。3Dポリゴンで街を創り、その中で自由に生活できるというものでした。

このように、2007年~2008年というのは、3Dやバーチャルテクノロジーの元年だといえます。このころから、ECサイトと3D技術をなんとか融合できないかと研究を行ってきました。

近年、ようやくテクノロジーが追い付いてきました。リコーさんのシータ(RICOH THETA、全天球カメラ https://theta360.com )のような、360度撮影できるカメラが発売になりますし、ネットワーク環境が整い、通信も早くなりましたし、マシンスペックが上がって簡単にオーサリングができるようになるなど、ようやく使用者がストレスなく体験できるVRの環境が整ってきたため、VRコマース機能の発表に至りました。

VRコマースで第三の購買体験を実現するというコンセプトで7/24に発表しております。

このVR、「ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)を使っての体験」に対してVRであると考えられている方がほとんどではないでしょうか。しかし、HMDの性能のよいものはまだまだ高価で、10万円以上するものもあります。日本ではまだ30~40万台しか売れておらず、そのレベルの市場に対して対応するシステムを発売しても、なかなか一般には馴染みにくいだろうと思います。もちろん店頭に配備して、お客様に装着してもらうことも考えられますが、その場合はどこかのお店に実際に行かなくてはならず、実店舗でのショッピングと変わらなくなってしまいます。

いかにEコマースの良さである「家にいながら」「移動せずに」「ストレスフリーで」買い物ができるかということに結びつけるかを考え、ブラウザベースで同じような購買体験を実現しております。

元々Googleストリートビューをヒントにしており、よりユーザーフレンドリーなシステムにしたいというところから、ブラウザベースでの提供という形にいたしました。

使い方としては、主に二つあると思っています。

一つは店舗の拡張化。VRコマースは今のECサイトを否定しているわけではないため、ネット上にもう一店舗作るというコンセプトで考えています。既存ECサイトの横に、実際の店舗と同じような店舗を構築し、お客様が自由に選べるようにします。自由に店内を歩き回って商品を選びたいお客様には、VRの店舗を選んでもらえるようにするのです。

もう一つは空想の現実化、CGによる仮想世界の構築です。今メーカーではショールームの問題をお持ちだと思います。自社製品を紹介し、ブランドイメージを表現できるショールームは持ちたいが、コストを投資できないメーカーが増えています。そこで、VRコマース機能の技術を使って、実店舗を構えるよりは低コストでネット上にショールームを構築することもできるのではないかと考えています。

今後の展開は、インバウンド、訪日外国人4000万人に向け、POSレジやサイネージ、CMSなどの情報発信を多言語化する、町全体をIT化する取り組みを行っています。これにVRコマースを取り入れ、外国人観光客が来日前や帰国後に観光地を仮想体験できるようなアイデアを考えています。

使い方としては、主に二つあると思っています。

一つは店舗の拡張化。VRコマースは今のECサイトを否定しているわけではないため、ネット上にもう一店舗作るというコンセプトで考えています。既存ECサイトの横に、実際の店舗と同じような店舗を構築し、お客様が自由に選べるようにします。自由に店内を歩き回って商品を選びたいお客様には、VRの店舗を選んでもらえるようにするのです。

もう一つは空想の現実化、CGによる仮想世界の構築です。今メーカーではショールームの問題をお持ちだと思います。自社製品を紹介し、ブランドイメージを表現できるショールームは持ちたいが、コストを投資できないメーカーが増えています。そこで、VRコマース機能の技術を使って、実店舗を構えるよりは低コストでネット上にショールームを構築することもできるのではないかと考えています。

今後の展開は、インバウンド、訪日外国人4000万人に向け、POSレジやサイネージ、CMSなどの情報発信を多言語化する、町全体をIT化する取り組みを行っています。これにVRコマースを取り入れ、外国人観光客が来日前や帰国後に観光地を仮想体験できるようなアイデアを考えています。

術的な展開をお話ししますと、VRコマースは、実際にアクションできないと意味がないと考えています。

VRでぐるぐるお店を歩き回って、目の前に欲しいものが現れても、その場で買えなければ意味がありません。カートに商品を入れて買える、ということが必要になりますが、商品一つ一つを登録することは非常にオペレーションが大変です。これを自動化できると最後の制約条件が解けると思っています。

この自動化をAIでできないかと考えており、こちらの研究も進めております。AIの画像認識で自動的にECの商品と一致させて紐づける、そんなことができればコストをかけずにネットの空間に実際に買い物ができるバーチャルリアリティーな店舗ができると思います。

バーチャルコマースについての技術的なご説明

続いて、技術面の詳しい説明が行われました。

VRコマース機能とは、「次世代のオムニチャネルを実現する、マルチテナント型のVR-ECシステム」です。ECと店舗の課題を解決するソリューションであり、ECと店舗の双方を盛り上げるサービスとして構築しております。エスキュービズムでは2014年よりオムニチャネルを推進しており、この中で様々な課題に直面してまいりました。

ECの課題としては、Amazonや楽天などの大規模モールに人が集まり、どのように差別化を図り、売り上げに結びつけていけるかが挙げられます。

店舗の課題としては、WEBやECにおける実店舗の紹介や連携が弱いこと、実店舗その場でなければ魅力を伝えきることができず、再来訪の施策などもWEBを通じては少ないことが挙げられます。

VRコマース機能では、店舗の力でECの売上を上げたい、ECの力で店舗の売上を上げたい、という双方向の効果が出せると考えています。

具体例を挙げますと、ECの課題として、大手ショッピングモールに出店していた場合は、モールが提供する決められたデザインの中でECのショップを展開するしかありませんでした。VRであれば、自社のブランドイメージ、自社のMDを活かしたECサイトを表現することができます。自分たちのブランドが持つイメージ、伝えたいことを伝えることができる、これが一つの特徴です。

実店舗の課題、店舗のリアルなPRが、VRを通じて可能になります。これまでのECサイトでは、店舗のイメージ写真を数枚掲載するくらいしかできませんでしたが、VRであれば、お店の中を余すことなくユーザーの皆様に伝えることができます。さらに再来店施策と組み合わせることによって、今までとは違った再来店の機会を創出できると考えています。

これまでは旗艦店や新店を360度画像で紹介することはありましたが、ブランドショップであれば全店規模で展開していただきたいと思っています。

当社はマルチテナント型のECサイト構築も得意としておりますし、実店舗とECサイトを繋げるテクノロジーも持っております。VRを通じて在庫を管理したり、情報の共通化をしたり、店舗受取を実現したり、これまでの無味乾燥なECサイトだけではなく、お店のリアルを伝えることができるVR空間上でぜひ展開していただきたいと思います。

具体例を挙げますと、ECの課題として、大手ショッピングモールに出店していた場合は、モールが提供する決められたデザインの中でECのショップを展開するしかありませんでした。VRであれば、自社のブランドイメージ、自社のMDを活かしたECサイトを表現することができます。自分たちのブランドが持つイメージ、伝えたいことを伝えることができる、これが一つの特徴です。

実店舗の課題、店舗のリアルなPRが、VRを通じて可能になります。店舗のイメージ写真を数枚掲載するくらいしかできませんでしたが、VRであれば、お店の中を余すことなくユーザーの皆様に伝えることができます。さらに再来店施策と組み合わせることによって、今までとは違った再来店の機会を創出できると考えています。

これまでは旗艦店や新店を360度画像で紹介することはありましたが、ブランドショップであれば全店規模で展開していただきたいと思っています。

マルチテナント型のECサイト構築も得意としておりますし、実店舗とECサイトを繋げるテクノロジーも持っております。VRを通じて在庫を管理したり、情報の共通化をしたり、店舗受取を実現したり、これまでの無味乾燥なECサイトだけではなく、お店のリアルを伝えることができるVR空間上でぜひ展開していただきたいと思います。

ここで、デモ画面についての解説が行われました。

最大の特色は、最大4000倍までズームできる撮影方法です。今まで一般的なVRや360度パノラマでは解像度が非常に低く、拡大することができませんでした。現在1台のカメラで50Kの画像を実現することはできず、1台で撮影できる最大解像度は8Kまでです。誰でも、明日からバーチャルコマースを始められる、というところまでは機材が充実していないのが現状です。

タッグ様の持つ技術により、解像度50Kレベルの高解像度でのご提供が可能になっています。

また、これまで小売で使われていたVRでは、商品紹介や、ショールームのVR化といった「見る」だけのものでした。VRコマース機能では実際に「カートに入れる」動作が可能で、VR画面上で商品を購入して、配送まで指定することができます。

店舗の中の写真を撮って、その写真と商品を紐づけることが出来なければ、ECサイトとして成立しません。そのECサイトに登録した商品マスターと、商品との紐づけが技術的な課題となっています。 この部分を、共同印刷様の「FullScanCode®」の技術を使って商品の紐づけを自動化しております。

50Kという超高解像度撮影を可能にしたTUGの技術とは

TUGグループでは、創業以来40年、実店舗の設計施工を一貫して行ってきました。携帯電話の直営店舗や、保険ショップ、化粧品ショップなど、様々な実績があります。

VRは店舗づくりを行う上で、お客様の視点、従業員の視点で見え方を提案できるため、プレゼンテーションのツールとして始めました。また、店舗オペレーションを実証してみるにも、仮想体験ができるVRは非常に有効なツールだと考えています。

クライアント様に対して「分かりやすさ」を追求した結果、ご紹介いただいたような、高クオリティになりました。実店舗もECサイトも、同じ「店舗」というカテゴリー。これまでの経験と実績を元に、新サービスとして提供できるのでは?と考え、今回VRコマース機能の共同開発に至ったというものです。

これまでのECサイトというのは、「XY軸」で構成された紙面閲覧型といえます。VRを取り入れたバーチャルコマースでは、「XYZ軸」で構成された空間体感型のサイトになります。リアルな店舗に誘導することも可能になります。

VRコマース機能は、GIGAサイズ画像を利用した、次世代型のECサイトなのです。

50Kという超高解像度撮影を可能にしたTUGの技術とは

TUGグループでは、創業以来40年、実店舗の設計施工を一貫して行ってきました。携帯電話の直営店舗や、保険ショップ、化粧品ショップなど、様々な実績があります。

VRは店舗づくりを行う上で、お客様の視点、従業員の視点で見え方を提案できるため、プレゼンテーションのツールとして始めました。また、店舗オペレーションを実証してみるにも、仮想体験ができるVRは非常に有効なツールだと考えています。

クライアント様に対して「分かりやすさ」を追求した結果、ご紹介いただいたような、高クオリティになりました。実店舗もECサイトも、同じ「店舗」というカテゴリー。これまでの経験と実績を元に、新サービスとして提供できるのでは?と考え、今回VRコマース機能の共同開発に至ったというものです。

これまでのECサイトというのは、「XY軸」で構成された紙面閲覧型といえます。VRを取り入れたバーチャルコマースでは、「XYZ軸」で構成された空間体感型のサイトになります。リアルな店舗に誘導することも可能になります。

VRコマース機能は、GIGAサイズ画像を利用した、次世代型のECサイトなのです。

VRコマース機能のインターフェースエンジン「VR lab.」の性能について

いつでも、どこでも、誰でもストレスフリーな閲覧ができます。

1画像のサイズが大きく、詳細まで表示できますので、画像がボケず、ストレスのない拡大表示ができ、画像の差し替えにかかるランニングコストも抑えることができます。

もちろん高解像度であれば売上がアップするわけではありません。魅力的な企画、見る人がワクワクするような仕掛けも非常に重要です。隠しアイテムを探すことで実店舗で使えるクーポン券がもらえたり、予約システムと連携したり、神社のおみくじがひけたりなど、様々なアタッチメントを用意しています。

VR lab.の詳細はこちら

商品の紐づけを自動化した共同印刷のフルスキャンコード®

共同印刷は今年で創業120年を迎える総合印刷会社です。紙とインクだけでなく、様々な製品やソリューションも提供しています。

VRコマース機能では、画像中の商品の自動紐づけを行うのが、FullScanCode®(フルスキャンコード)、物流や工場内での効率化の仕組みとして開発されました。フルスキャンコードは、簡単な操作で複数のコードを一括で素早く読み取ることができる二次元コードです。

商品の紐づけを自動化した共同印刷のフルスキャンコード®

共同印刷は今年で創業120年を迎える総合印刷会社です。紙とインクだけでなく、様々な製品やソリューションも提供しています。

VRコマース機能では、画像中の商品の自動紐づけを行うのが、FullScanCode®(フルスキャンコード)、物流や工場内での効率化の仕組みとして開発されました。FSコードは、簡単な操作で複数のコードを一括で素早く読み取ることができる二次元コードです。

たとえば500個のコードをアプリで一気に読み込むことができたり、歪んだコードや汚れ、ボケ、向きが不揃いであっても読み取ることができるのが特長です。

VRコマース機能は、天球画像と呼ばれる1枚の画像でできており、歪んだ画像が材料となっています。歪んだ画像にフルスキャンコードを貼り付けて、認識実験を行いました。歪みがあっても読み取れるフルスキャンコードの特性が発揮され、9割以上認識が可能であると実証されました。フルスキャンコードと、商品マスターを紐づければ自動化できそうだ、というところまできています。

これを実際に運用するには、商品1点ずつにフルスキャンコードを貼るのは手間ですので、棚札や値札にフルスキャンコードを含ませることを想定しています。VR画像とフルスキャンコードに含ませた商品情報、座標情報によって商品の紐づけを行い、HTML作業効率を上げることができます。

フルスキャンコード®の詳細はこちら

大討論会 ~ バーチャルコマースのある世界について ~

登壇者

真田「これまで、VRコマースについて50社以上とディスカッションを行ってきましたが、本質を突いていると感じた方をお招きしました」

上林「僕は決済代行の会社にいて、ネットの世界ばかり見ているので、そういった観点からお話しできればと思います」

桑田「Francfrancはインテリアと雑貨を販売しているのですが、僕が入社した頃はIT環境は弱い会社だなという印象が強くて、少し(IT化までは)時間がかかるのかなと思っていました。最近ようやく、他社さんに追いついて、競えたりするところまできたかな、というところで、今回セミナーのお誘いを受けまして、参加させて頂くことにしました。」

工藤「丸善ジュンク堂書店というブランドの書店をやっています。会社の中ではシステムも含めた店舗統括の立場にいます。(販売しているものが)少し特殊な書籍というものなので、どんなお話ができるか分かりませんが、よろしくお願いいたします」

真田「これまで、VRコマースについて50社以上とディスカッションを行ってきましたが、本質を突いていると感じた方をお招きしました」

上林「僕は決済代行の会社にいて、ネットの世界ばかり見ているので、そういった観点からお話しできればと思います」

桑田「Francfrancはインテリアと雑貨を販売しているのですが、僕が入社した頃はIT環境は弱い会社なという印象が強くて、少し(IT化までは)時間がかかるのかなと思っていました。最近ようやく、他社さんに追いついて、競えたりするところまできたかな、というところで、今回セミナーのお誘いを受けまして、参加させて頂くことにしました。」

工藤「丸善ジュンク堂書店というブランドの書店をやっています。会社の中ではシステムも含めた店舗統括の立場にいます。(販売しているものが)少し特殊な書籍というものなので、どんなお話ができるか分かりませんが、よろしくお願いいたします」

『バーチャルコマースはECの進化形?実店舗の未来?』

真田「アリババやeBayもバーチャルコマースやります、と言ったり、いろいろな企業が発表しています。第一部でご説明したように、CGを使った新しいお店、または実店舗の写真をバーチャル空間にあげて、お店に行く感覚で買えるVRをエスキュービズムではバーチャルコマースと言っています。このバーチャルコマースは、そもそもECの進化形なのか、実店舗の売上を1.5倍に上げる未来なのか、どちらか?という質問をしてみたいと思います。僕のところに来ている相談も、半々なんです。皆さんはどうお考えでしょうか」

桑田「Francfrancでは実はあまりどちらかというのは気にしていなくて、「お客様」次第なんですよね。お客様にとって一番都合のいい買い方、便利な買い方ができるのであれば、ECでも店舗でも、どちらが上がってくれても嬉しいです。」

真田「Francfrancさんの場合は、お店づくりのデザインやMDの設計が良くて、歩いていて楽しい店舗ですよね。店舗のデザイン力が強いブランドだと思うんですけど、そういった場合はCGでわざわざ作る必要もないと思いますが」

桑田「商品単体ひとつひとつで見たいか、シーンで見たいかで変わるのではないかと思っています。今、大阪の梅田の店舗では、HMDで見るタイプの、VRを活用した商品のコーディネートサービスを導入しています。こちらはフルCGで、家やテーブルなどの家具、スプーンやナイフなどの小物まで全部CGで作りました」

真田「お客様の反応はどうですか?」

桑田「結構ご利用頂いているようです。今までパソコンの画面でシミュレーションができるサービスもやっていたんですが、どっちも使ってみる方が多いみたいで。(VR体験に)並んでるとも聞きますね。今度、青山店(9/29リニューアルオープン)でも導入予定です」

真田「書籍はどうですか?バーチャルコマースはECの売上を1.5倍にする施策なのか、実店舗100店の売上を、店単位で1.2倍にして全体をボトムアップする施策なのかという比較」

工藤「そういう観点で言うと、個人的にはバーチャルコマースはEC寄りな気がしますが、やっぱりリアルをどう巻き込んでいくかが鍵になってくると思うので、ECと実店舗、どこに売り上げをつけるかという、オムニチャネルの問題になってきますね」

真田「今日、小売業の方がたくさんいらっしゃっていますので、共感してくださる方も多いのではないでしょうか。では、事業会社側、決済からするといかがですか?」

上林「決済というか、ネットの世界から見ますと、ECの進化かなと思いますね。今までのECは便利な方へ進化してきました。検索していろいろな商品が買える、モバイルコマースになると「いつでも買える」、そうした便利系の進化はありましたが、このバーチャルコマースは面白い、ワクワクするような進化なのではないかと。横浜スタジアムのベイスターズのオフィシャルショップへ行って、ユニフォームを買うとすごくワクワクするんです。もちろんユニフォームはネットショップでも買えるんですが、そのワクワク感はネットに来るとがくっと落ちちゃう。便利なECもみんなそろそろ飽きてきた時に、バーチャルコマースって面白いんじゃないかなと思います」

真田「ECの決済のところで勝負していたのが、INFOX端末などで実店舗の領域に進出して伸びる可能性はありますよね」

上林「世の中からキャッシュをなくしたいと思っているので、可能性は感じますね。実店舗はどうしても現金が残ってしまいますが、店舗という「売るところ」をネットに持ってくることで、決済もネット経由で行われる。これは面白いところですね」

真田「アリババやeBayもバーチャルコマースやります、と言ったり、いろいろな企業が発表しています。第一部でご説明したように、CGを使った新しいお店、または実店舗の写真をバーチャル空間にあげて、お店に行く感覚で買えるVRをエスキュービズムではバーチャルコマースと言っています。このバーチャルコマースは、そもそもECの進化形なのか、実店舗の売上を1.5倍に上げる未来なのか、どちらか?という質問をしてみたいと思います。僕のところに来ている相談も、半々なんです。皆さんはどうお考えでしょうか」

桑田「Francfrancでは実はあまりどちらかというのは気にしていなくて、「お客様」次第なんですよね。お客様にとって一番都合のいい買い方、便利な買い方ができるのであれば、ECでも店舗でも、どちらが上がってくれても嬉しいです。」

真田「Francfrancさんの場合は、お店づくりのデザインやMDの設計が良くて、歩いていて楽しい店舗ですよね。店舗のデザイン力が強いブランドだと思うんですけど、そういった場合はCGでわざわざ作る必要もないと思いますが」

桑田「商品単体ひとつひとつで見たいか、シーンで見たいかで変わるのではないかと思っています。今、大阪の梅田の店舗では、HMDで見るタイプの、VRを活用した商品のコーディネートサービスを導入しています。こちらはフルCGで、家やテーブルなどの家具、スプーンやナイフなどの小物まで全部CGで作りました」

真田「お客様の反応はどうですか?」

桑田「結構ご利用頂いているようです。今までパソコンの画面でシミュレーションができるサービスもやっていたんですが、どっちも使ってみる方が多いみたいで。(VR体験に)並んでるとも聞きますね。今度、青山店(9/29リニューアルオープン)でも導入予定です」

真田「書籍はどうですか?ECの売上を1.5倍にする施策なのか、実店舗100店の売上を、店単位で1.2倍にして全体をボトムアップする施策なのかという比較」

工藤「そういう観点で言うと、個人的にはバーチャルコマースはEC寄りな気がしますが、やっぱりリアルをどう巻き込んでいくかが鍵になってくると思うので、ECと実店舗、どこに売り上げをつけるかという、オムニチャネルの問題になってきますね」

真田「今日、小売業の方がたくさんいらっしゃっていますので、共感してくださる方も多いのではないでしょうか。では、事業会社側、決済からするといかがですか?」

上林「決済というか、ネットの世界から見ますと、ECの進化かなと思いますね。今までのECは便利な方へ進化してきました。検索していろいろな商品が買える、モバイルコマースになると「いつでも買える」、そうした便利系の進化はありましたが、このバーチャルコマースは面白い、ワクワクするような進化なのではないかと。横浜スタジアムのベイスターズのオフィシャルショップへ行って、ユニフォームを買うとすごくワクワクするんです。もちろんユニフォームはネットショップでも買えるんですが、そのワクワク感はネットに来るとがくっと落ちちゃう。便利なECもみんなそろそろ飽きてきた時に、バーチャルコマースって面白いんじゃないかなと思います」

真田「ECの決済のところで勝負していたのが、INFOX端末などで実店舗の領域に進出して伸びる可能性はありますよね」

上林「世の中からキャッシュをなくしたいと思っているので、可能性は感じますね。実店舗はどうしても現金が残ってしまいますが、店舗という「売るところ」をネットに持ってくることで、決済もネット経由で行われる。これは面白いところですね」

『バーチャルコマースはリアルにどう影響する?』

真田「桑田さんとお話しした時に印象に残っているのが、『実店舗でやれることって結構やってきたなって思っているんです』ということ。その次に何をやるかというと、「買わない理由を、(バーチャルコマースのようなテクノロジーを使って)1つずつ丁寧につぶしていきたい、そうしたらお客様に喜んで頂けるから」とおっしゃったんですよね」

桑田「商材的に、雑貨のようなすぐに購入を決められるものと、家具のような相談、検討して買うものが、同じ店に並んでいるので、どっちの商材にバーチャルコマースが合うのか、考えました。ブラウザで買えるのはとてもよくて、お店にいなくてもお店にいる感覚で選べるし、もしくは悩んでいる時に家族やパートナーに相談しながら買えるというか…」

真田「検討はしやすくなりますよね」

桑田「一回見たけどもう一回見たい、そんな時にバーチャル店舗ならもう一回交通費をかけて行かなくてもよくなりますから、アリですよね」

工藤「書籍の場合は、店舗でやれることはまだまだあるな、という感じです。書籍の特徴は新しいものが出たからといって、古いものがなくなっていくわけではないこと、アイテム数が1店舗でも相当数あること。書籍はその本単体というよりも、関連する書籍の集合知で売り場が完成してくるんです。その組み合わせが無限に近くあるなかで、書店は人件費を抑えられているので、まだまだ工夫が必要だなと思います。バーチャルコマースは刺激になるかもしれません」

上林「レコメンドや、SNSで紹介されている本を買う目的買いと、無目的に書店に行って買うのとは違いますね。バーチャルコマースはその中間で、棚に並んでいる本を「あ、これいいな」と買うような、キュレーションされている書店で買うような感じがしますね」

桑田「バーチャルコマースでいいなと思ったのは、フルラインナップなど、夢の店舗を作れるんじゃないかと思ったんです。全部の商品を置きたいけど、実店舗ではスペースの問題で並べられないといった制約がない。あったらうれしいな、でも実際には作れないだろうなという店でも、バーチャル店舗(空間)なら作れるのがいいなと思います」

工藤「ベストセラー本の隣に売れていない本を置くと売れる、という現象があります。こうしたトライアルが簡単にできそうだなと思います」

桑田「立ち読みもできそうですね」

工藤「書店の棚というのは、カテゴリー、ジャンル別に並べるのがセオリーと言われてますが、今流行りなのがレコメンド型。あるテーマで区切って、出会いを意識した棚づくりをすることもあるのですが、レコメンド型だけの店舗ってすごく本が探しにくいんです。でもVRなら、探しやすいレコメンド型ができるのではないかと思ったりもしています」

真田「桑田さんとお話しした時に印象に残っているのが、『実店舗でやれることって結構やってきたなって思っているんです』ということ。その次に何をやるかというと、「買わない理由を、(バーチャルコマースのようなテクノロジーを使って)1つずつ丁寧につぶしていきたい、そうしたらお客様に喜んで頂けるから」とおっしゃったんですよね」

桑田「商材的に、雑貨のようなすぐに購入を決められるものと、家具のような相談、検討して買うものが、同じ店に並んでいるので、どっちの商材にバーチャルコマースが合うのか、考えました。ブラウザで買えるのはとてもよくて、お店にいなくてもお店にいる感覚で選べるし、もしくは悩んでいる時に家族やパートナーに相談しながら買えるというか…」

真田「検討はしやすくなりますよね」

桑田「一回見たけどもう一回見たい、そんな時にバーチャル店舗ならもう一回交通費をかけて行かなくてもよくなりますから、アリですよね」

工藤「書籍の場合は、店舗でやれることはまだまだあるな、という感じです。書籍の特徴は新しいものが出たからといって、古いものがなくなっていくわけではないこと、アイテム数が1店舗でも相当数あること。書籍はその本単体というよりも、関連する書籍の集合知で売り場が完成してくるんです。その組み合わせが無限に近くあるなかで、書店は人件費を抑えられているので、まだまだ工夫が必要だなと思います。バーチャルコマースは刺激になるかもしれません」

上林「レコメンドや、SNSで紹介されている本買う目的買いと、無目的に書店に行って買うのとは違いますね。バーチャルコマースはその中間で、棚に並んでいる本を「あ、これいいな」と買うような、キュレーションされている書店で買うような感じがしますね」

桑田「バーチャルコマースでいいなと思ったのは、フルラインナップなど、夢の店舗を作れるんじゃないかと思ったんです。全部の商品を置きたいけど、実店舗ではスペースの問題で並べられないといった制約がない。あったらうれしいな、でも実際には作れないだろうなという店でも、バーチャル店舗(空間)なら作れるのがいいなと思います」

工藤「ベストセラー本の隣に売れていない本を置くと売れる、という現象があります。こうしたトライアルが簡単にできそうだなと思います」

桑田「立ち読みもできそうですね」

工藤「書店の棚というのは、カテゴリー、ジャンル別に並べるのがセオリーと言われてますが、今流行りなのがレコメンド型。あるテーマで区切って、出会いを意識した棚づくりをすることもあるのですが、レコメンド型だけの店舗ってすごく本が探しにくいんです。でもVRなら、探しやすいレコメンド型ができるのではないかと思ったりもしています」

『結局オムニって進んでないよね?』

真田「オムニチャネルの仕組みと戦略はやってみたものの、想像よりは結果が出ないな、という感想を、百貨店の方や量販店の方からもらうんですが、上林さんはどうですか」

上林「僕は決済側、事業会社からオムニチャネルを見ているんですが、リアル側の事業会社って分断されているなという印象です。リアル店舗になるとマーケティングのオムニ施策、ロジスティクスのオムニ施策、デリバリーのオムニ施策、と分かれているような気がします。買う側からすると、バーチャルコマースというのはオムニチャネルを繋ぐパーツが一つ入ってきたな、という感じがします」

真田「DB統合はできたけど、その後のアクションが繋がらないというイメージがあります」

上林「ユーザー側の目線でなく、供給側の目線になっている気がしますね」

桑田「そもそもオムニチャネルというのは概念的で、完成した姿というのは各社によって違うのではないかと思います。会社によっては、八割がた完成している、と思っている会社様もいらっしゃるのではないかなと。各社様がどこにゴールを設定しているのかによって、目指している最終形が違うんじゃないかな、と、ちょっと感じています」

真田「便利になったからといって、その企業、ブランドに1.5倍お金を払っているかと言うと、そうではないのでは?と思います。そうするとゴールが違ってきますよね」

真田「オムニチャネルの仕組みと戦略はやってみたものの、想像よりは結果が出ないな、という感想を、百貨店の方や量販店の方からもらうんですが、上林さんどうですか」

上林「僕は決済側、事業会社からオムニチャネルを見ているんですが、リアル側の事業会社って分断されているなという印象です。リアル店舗になるとマーケティングのオムニ施策、ロジスティクスのオムニ施策、デリバリーのオムニ施策、と分かれているような気がします。買う側からすると、バーチャルコマースというのはオムチャネルを繋ぐパーツが一つ入ってきたな、という感じがします」

真田「DB統合はできたけど、その後のアクションが繋がらないというイメージがあります」

上林「ユーザー側の目線でなく、供給側の目線になっている気がしますね」

桑田「そもそもオムチャネルというのは概念的で、完成した姿というのは各社によって違うのではないかと思います。会社によっては、八割がた完成している、と思っている会社様もいらっしゃるのではないかなと。各社様がどこにゴール設定しているのかによって、目指している最終形が違うんじゃないかな、と、ちょっと感じています」

真田「便利になったからといって、その企業、ブランドに1.5倍お金を払っているかと言うと、そうではないのでは?と思います。そうするとゴールが違ってきますよね」

『そもそも日本人の国民性に合わない?』

真田「オムニチャネルはもともとアメリカのウォルマートやメイシーズが始めたもので、アメリカの国民性に合っていたから普及したのかなと」

桑田「商材にもよるかもしれませんね。自分で使う消耗品と、ギフト用品では買い方が違いますから」

工藤「僕は逆に、日本人には合ってると思うんです。日本は領土が狭いので、購買方法にもいろいろな選択肢があっていいと思うので。ただ、僕の中で思っているのは、リアル店舗が(オムニチャネルを)真剣に進める気がないな、というのが一番根幹にある気がします。オムニチャネルという文化を作って、どう根付かせていくかを、真剣にやるかどうかの違いかなと思います」

真田「合理的な仕組みに、国民全員が食いつくかというと、日本人はそうじゃないので、いきなりは浸透しないですね」

桑田「地方などで、店舗がない地域のECの売上はどうですか」

工藤「これは我々の力不足で、店舗がないところはECの売上も低いんです。丸善ジュンク堂としてのブランドが浸透してないのかもしれません。そういう点では、沖縄などは2000坪の大規模店舗を出店しているのですが、最初は「無謀だ、沖縄の人は本を読まない」と言われましたが売上はとてもいいです。これは選択肢が増えたからだと考えています。ECの書店、Amazonなどある上で、プラスの選択肢をどう提供できているかだと思います」

真田「オムニチャネルはもともとアメリカのウォルマートやメイシーズが始めたもので、アメリカの国民性に合っていたから普及したのかなと」

桑田「商材にもよるかもしれませんね。自分で使う消耗品と、ギフト用品では買い方が違いますから」

工藤「僕は逆に、日本人には合ってると思うんです。日本は領土が狭いので、購買方法にもいろいろな選択肢があっていいと思うので。ただ、僕の中で思っているのは、リアル店舗が(オムニチャネルを)真剣に進める気がないな、というのが一番根幹な気がします。オムニチャネルという文化を作って、どう根付かせていくかを、真剣にやるかどうかの違いかなと思います」

真田「合理的な仕組みに、国民全員が食いつくかというと、日本人はそうじゃないので、いきなりは浸透しないですね」

桑田「地方などで、店舗がない地域のECの売上はどうですか」

工藤「これは我々の力不足で、店舗がないところはECの売上も低いんです。丸善ジュンク堂としてのブランドが浸透してないのかもしれません。そういう点では、沖縄などは2000坪の大規模店舗を出店しているのですが、最初は「無謀だ、沖縄の人は本を読まない」と言われましたが売上はとてもいいです。これは選択肢が増えたからだと考えています。ECの書店、Amazonなどある上で、プラスの選択肢をどう提供できているかだと思います」

『VRは越境ECを成功させる?』

真田「ここ数年ずっと越境ECがテーマなんですが、なかなか成功しているところがないですよね。お店と商品を全面に打ち出した越境ECならいけるんじゃないかという気がしているんです」

上林「インバウンドで、一回お店に来た方を再訪させる、一度訪問したお店を思い出してもらうというのはイメージが沸きますね」

桑田「Francfrancでも、博多店などでは韓国からのお客様が多いと聞きますが、バーチャルコマースなら、Francfrancを知ってもらいやすいのではないかなと思います。言語の壁も、お店の中の商品を見て頂ければ低くなりますし、認知して頂くための道具として使うのもありかなと思います」

上林「ツアー客などは、時間が決まっているので、買いたいものがあっても時間がなくて買えないこともあると言いますね。それなのに夜は時間が余ってしょうがない、テレビを見ても日本語だから分からない。そういう時に、昼間に買えなかったものをバーチャルコマースでもう一度ゆっくり見て回って、何日後に空港に届けて持ち帰るなど、そんな可能性もありそうです」

真田「買い忘れたものを、後からそのお店のECサイト行ってわざわざ買うかというと、多分僕は買わないんですよね。でも、バーチャルコマースならお店のどこに商品があるか分かっているから、もう一回行く気がするんです。店舗に年間20回行っていたところを、バーチャルコマースがあることによって25回訪問する、こういう仮説は事例が出てくれば面白いのではないかと思います」

真田「ここ数年ずっと越境がテーマなんですが、なかなか成功しているところがないですよね。お店と商品を全面に打ち出した越境ECならいけるんじゃないかという気がしているんです」

上林「インバウンドで、一回お店に来た方を再訪させる、一度訪問したお店を思い出してもらうというのはイメージが沸きますね」

桑田「Francfrancでも、博多店などでは韓国からのお客様が多いと聞きますが、バーチャルコマースなら、Francfrancを知ってもらいやすいのではないかなと思います。言語の壁も、お店の中の商品を見て頂ければ低くなりますし、認知して頂くための道具として使うのもありかなと思います」

上林「ツアー客などは、時間が決まっているので、買いたいものがあっても時間がなくて買えないこともあると言いますね。それなのに夜は時間が余ってしょうがない、テレビを見ても日本語だから分からない。そういう時に、昼間に買えなかったものをバーチャルコマースでもう一度ゆっくり見て回って、何日後に空港に届けて持ち帰るなど、そんな可能性もありそうです」

真田「買い忘れたものを、後からそのお店のECサイト行ってわざわざ買うかというと、多分僕は買わないんですよね。でも、バーチャルコマースならお店のどこに商品があるか分かっているから、もう一回行く気がするんです。店舗に年間20回行っていたところを、バーチャルコマースがあることによって25回訪問する、こういう仮説は事例が出てくれば面白いのではないかと思います」

『二人以上で、遠隔地でのバーチャルコマース共有はあるか』

上林「田舎のおばあちゃんと、お孫さんがバーチャルコマースでお買い物という感じですかね」

真田「アーキテクチャーの話しでいうと、それこそHMDを使って仮想空間に行かなくてはいけないですね。でもここ5年くらいはHMDはまだまだ普及しないのではないかと思います。ITの進化というのはスマートデバイスの進化がとても大きかったですから、まだVRはデバイス側が追い付いていないですね。ハードの技術革新、普及が必要な気がします」

桑田「スマートフォンのように、一人一台にはならなさそうですよね。ですので(VRコマース機能の)WEBでVRをやるというアイデアは、どのデバイスでもいいということですからすごくカジュアルでいいなと思います」

真田「VR、HMDというとどうしてもエンタメ系になりますよね」

上林「HMDでVR体験もしてみましたが、そんなにびっくりしなかった。カートのゲームを子供とやる方が没入感がありましたね。VRも一つ間違うと、単なるツールになってしまうんじゃないかと思います」

真田「ハードがこれから進化していけば、きっとバーチャルコマースを共有できる未来も来るでしょうし、高齢者がVRを使って、買い物に行く喜びを得るというのはアリなんじゃないかと思います」

上林「田舎のおばあちゃんと、お孫さんがバーチャルコマースでお買い物という感じですかね」

真田「アーキテクチャーの話しでいうと、それこそHMDを使って仮想空間に行かなくてはいけないですね。でもここ5年くらいはHMDはまだまだ普及しないのではないかと思います。ITの進化というのはスマートデバイスの進化がとても大きかったですから、まだVRはデバイス側が追い付いていないですね。ハードの技術革新、普及が必要な気がします」

桑田「スマートフォンのように、一人一台にはならなさそうですよね。ですので(VRコマース機能の)WEBでVRをやるというアイデアは、どのデバイスでもいいということですからすごくカジュアルでいいなと思います」

真田「VR、HMDというとどうしてもエンタメ系になりますよね」

上林「HMDでVR体験もしてみましたが、そんなにびっくりしなかった。カートのゲームを子供とやる方が没入感がありましたね。VRも一つ間違うと、単なるツールになってしまうんじゃないかと思います」

真田「ハードがこれから進化していけば、きっとバーチャルコマースを共有できる未来も来るでしょうし、高齢者がVRを使って、買い物に行く喜びを得るというのはアリなんじゃないかと思います」

『監視カメラでVR撮影?』

真田「監視カメラ的な使い方もありでしょうか?」

工藤「ちゃんと棚が出来ているかとか、エリア長を作らずに確認することはできそうですが、そうなると毎日更新する必要がありますよね」

桑田「360度でリアルタイムで確認できて、指示が出せるならいいかもしれません」

真田「監視カメラが高品質になって、常に撮ってる状況で最新の情報が上げられるなら無敵だなと思いますね。セキュリティ強化兼、バーチャルコマース店舗の最新化ができる…もしかしたら今後監視カメラ売ってるかもしれません(笑)」

真田「監視カメラ的な使い方もありでしょうか?」

工藤「ちゃんと棚が出来ているかとか、エリア長を作らずに確認することはできそうですが、そうなると毎日更新する必要がありますよね」

桑田「360度でリアルタイムで確認できて、指示が出せるならいいかもしれません」

真田「監視カメラが高品質になって、常に撮ってる状況で最新の情報が上げられるなら無敵だなと思いますね。セキュリティ強化兼、バーチャルコマース店舗の最新化ができる…もしかしたら今後監視カメラ売ってるかもしれません(笑)」

『Amazonは敵か、味方か?』

真田「では最後のテーマにいきましょう。ちょっとベタなテーマですが、Amazonは敵か、味方か。上林さんいかがですか」

上林「僕は味方だと思ってるんですが…Amazonが敵かというよりは、現金が敵なんですね。日本は現金比率が高いので、それをネットの世界に持ってくるというのはリアルはなかなか難しくて。スマホの普及率が上がっているので、ネット決済の比率も上がってきてはいますが、Amazon GOの無人店舗では決済はすべてネット上になっていますから、そういう意味でAmazonは味方かもしれないと思っています」

真田「インフラとして市場が盛り上がらないと話になりませんからね」

工藤「書籍業界の活性化と言う意味では味方ですが、決まったパイ(市場)の取り合いという意味では敵ですね。一番食われたなと感じたのは、コアでマニアックな書籍の客注が減ってきていることですね。間違いなく、ネットの検索バーに書籍名を打ち込んで、結果からすぐ買える文化を作ったところだと思います」

桑田「小売業のIT部門としては敵でも味方でもなく、すごいなと思っているので真似したい、憧れの対象ですね。技術的な面でも参考になります」

真田「では最後のテーマいきましょう。ちょっとベタなテーマですが、Amazonは敵か、味方か。上林さんいかがですか」

上林「僕は味方だと思ってるんですが…Amazonが敵かというよりは、現金が敵なんですね。日本は現金比率が高いので、それをネットの世界に持ってくるというのはリアルはなかなか難しくて。スマホの普及率が上がっているので、ネット決済の比率も上がってきてはいますが、Amazon GOの無人店舗では決済はすべてネット上になっていますから、そういう意味でAmazonは味方かもしれないと思っています」

真田「インフラとして市場が盛り上がらないと話になりませんからね」

工藤「書籍業界の活性化と言う意味では味方ですが、決まったパイ(市場)の取り合いという意味では敵ですね。一番食われたなと感じたのは、コアでマニアックな書籍の客注が減ってきていることですね。間違いなく、ネットの検索バーに書籍名を打ち込んで、結果からすぐ買える文化を作ったところだと思います」

桑田「小売業のIT部門としては敵でも味方でもなく、すごいなと思っているので真似したい、憧れの対象ですね。技術的な面でも参考になります」

『様々なテーマで語られた討論会のまとめ』

上林「バーチャルコマースにかけていうと、ネット決済の世界ももっと変わらなければならないと思いました。クレカ番号、IDとパスワードを入力して認証しているので、ワクワクする、フラストレーションレスになるところがまだまだだなと感じています。決済サービスの新しい形を考えていかなければならないなと思います」

桑田「我々もようやくいろいろとIT領域に取り組めるようになってきました。バーチャルコマースもその一つの可能性なので、テクノロジーチャレンジはしていきたいです。また、防犯カメラという使い方も面白いなと思いましたので、ぜひ検討してみたいです」

工藤「小売は利便性か共感性のどちらかを追求するものだと思っています。うちの会社でいえば間違いなく共感性を突き詰めていかなくてはならないのですが、バーチャルコマースはまさしく共感性を喚起するものなので、必要な過程なのかなと思いました」

上林「バーチャルコマースにかけていうと、ネット決済の世界ももっと変わらなければならないと思いました。クレカ番号、IDとパスワードを入力して認証しているので、ワクワクする、フラストレーションレスになるところがまだまだだなと感じています。決済サービスの新しい形を考えていかなければならないなと思います」

桑田「我々もようやくいろいろとIT領域に取り組めるようになってきました。バーチャルコマースもその一つの可能性なので、テクノロジーチャレンジはしていきたいです。また、防犯カメラという使い方も面白いなと思いましたので、ぜひ検討してみたいです」

工藤「小売は利便性か共感性のどちらかを追求するものだと思っています。うちの会社でいえば間違いなく共感性を突き詰めていかなくてはならないのですが、バーチャルコマースはまさしく共感性を喚起するものなので、必要な過程なのかなと思いました」