ECサイト構築のAtoZ全28回
Lesson2 RFP編
8制作会社に伝わるRFPを書くためのポイント4つ未学習
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「RFPを書くのにどんな項目が必要なのかわからない…」
「制作会社にきちんと伝わるRFPの書き方がわからない…」
と思っている方。
RFPはECサイトを構築してもらう製作会社に対して、ECサイト構築の背景や目的、予算、スケジュールなどを伝える書類です。
とはいえ、RFPをいざ書くとなると、どのように書けば伝わるのか悩んでしまいますよね。
そこで、この記事では、
- RFPを書くポイント4つ
- RFPでトラブルを起こさないためのチェックポイント4つ
について、お伝えします。
RFPで書くべき項目はたくさんありますが、書くためのポイントは多くありません。
この記事で、RFPの書き方について概要をつかみましょう!
RFPを書くポイント4つ
RFPの書き方は、それだけで本が1冊できるほど、たくさんの書き方や項目があります。
しかし、どんなRFPでも最低でも押さえておくべきポイントに、それほど大きな違いはありません。
具体的には、
- 客観的かつ具体的に伝える
- 最低でも必要な項目を押さえる
- 制作会社に何をしてほしいか、具体的に伝える
- 決まっていない事項もはっきり書く
という4つ。
以上のポイントを意識すれば、必要な情報が制作会社に伝わるRFPができます。
1. 客観的かつ具体的に伝える
RFPではあいまいな表現はさけ、具体的な表現を使いましょう。
客観的な事実や統計的なデータを使うことこそ、自社が作りたいECサイトをRFPで伝えるための第一歩です。
これに対して、あいまいな表現を使うと、相手との認識がズレてしまいます。場合によっては、後々のトラブルや要望から外れた提案につながることも。
RFPでは、制作会社に求めているものを客観的かつ具体的にしましょう。
2. 最低でも必要な項目を押さえる
RFPには様々なフォーマットがあります。しかし、どんなフォーマットを使う場合でも必要なことはほぼ同じです。
その項目は、
- 業務を依頼する背景
- 業務を依頼する目的
- この業務で達成したい目標や成果
- スケジュール
- 法務関係
などです。
特に法務関係は、
- 契約条件
- 守秘義務
- 提案依頼書の取り扱いについて
- 情報漏洩時の対策
などを押さえておきましょう。
法務事項を明記していない場合、制作会社との間でトラブルに発展することもあります。
3. 制作会社に何をしてほしいか、具体的に伝える
RFPを書く目的は、ECサイトを作って解決したい課題や達成したい目的・目標を正しく制作会社へ伝えることです。
そのポイントは、
- 客観的なデータ・統計
- 間違いない事実
- 締め切りの日時が細かく、はっきりしている
です。
このポイントを押さえることで、制作会社に対して情報を正しく伝えることができます。これにより、制作会社からの提案が自社の要望とマッチしやすくなります。
ポイント4:決まっていない事項もはっきり書く
RFPを作るときは、わからないことや検討していることなど、具体的に決まっていない事項も書きましょう。
例えば、
- 今決まっていない事項
- なぜ決まっていないのか
- 最低でも搭載してほしい機能
などです。
これにより、制作会社が決まっていないことの解決案を提案してくれます。
- 〈ここをチェック!〉RFPで大切なのは、正しく・具体的に書くこと
- ここでは、自社の要望を制作会社に正しく伝えるための、ポイントを4つお伝えしました。
具体的なポイントは -
- 客観的かつ具体的に伝える
- 最低でも必要な項目を押さえる
- 制作会社に何をしてほしいか、具体的に伝える
- 決まっていない事項もはっきり書く
- でした。
特に、以下の2点には気をつける必要があります。
-
- 必要事項を具体的かつ客観的に伝えること
- 決まっていない事項もはっきり書く
- これにより、制作会社からの提案が、要望を押さえたものになります。
RFPでトラブルを起こさないための「4つのチェックポイント」
ここでは、RFPの不備によってトラブルを起こさないためのチェックポイントを
- 必要な項目が具体的になっているか
- 自社と制作会社の役割がはっきり分かれているか
- 判断に迷っていること・よくわからないことがはっきりしているか
- 参考になる情報・資料がついているか
の順に紹介します。
1.必要な項目が具体的になっているか
RFPは決まったフォーマットはありません。それぞれのフォーマットで項目もさまざまです。
とはいえ、絶対に外せない要件はあります。
最低でも、
- ECサイト制作の背景・目的
- 達成したい目標
- スケジュール
が書かれているか確認しましょう。
これらがあいまいになっていると、制作会社からの提案が自社の要望と大きくずれたものになる恐れがあります。
さらに、ECサイトを制作している途中に裁判などのトラブルが発生することも。
完璧なRFPを作るのは難しいですが、最低でも必要な情報は具体的にできているか、確認しておきましょう。
2. 自社と制作会社の役割がはっきり分かれているか
RFPでは、自社と制作会社の役割をはっきりさせましょう。
役割をあいまいにすると、「ここは相手がやってくれるだろう」とお互いに考えてしまい、実は誰も手をつけていない作業が出ることも。
これにより、
- スケジュールの変更を余儀なくされる
- 大きな手直しが発生する
のような、トラブルが発生することもあります。
3. 判断に迷っていること・よくわからないことがはっきりしているか
判断に迷っていること・よくわからないことは、正直に書いておきましょう。
ECサイトのシステムの要件を理解し、制作会社にとって完璧なRFPを作ることがゴールではありません。
ECサイトを作って欲しい側(自社)と作る側(制作会社)の認識を合わせて、望みのECサイトをスムーズに制作することが目的です。
そのため、何がわからないのか、何と何で迷っているのかは書いておきましょう。
これにより制作会社は、迷っている点やわからない点を踏まえた提案ができます。
4. 参考になる情報・資料がついているか
これまでのチェックポイント以外の項目で、役に立ちそうな情報は、どんどん提供していきましょう。
自社にとっては当たり前なことも、制作会社からすれば初めて目にする情報かもしれません。
例えば、競合会社はどこなのか、完成のイメージに近いサイトなどを書くことで、制作会社により正しいイメージを伝えることができます。
- 〈ここをチェック!〉RFPでトラブルを起こさないためのチェックポイント4つ
- ここではRFPでトラブルにならないために、チェックするべきポイントを紹介しました。
ポイントは -
- 最低限必要な項目が具体的になっているか
- 発注企業と、制作会社の役割分担ははっきりしているか
- 判断に迷っていること・よくわからないことははっきりしているか
- 参考になる情報・資料は可能な限りつけておく
- の4つでしたね。
これらが、RFPで最低でも伝えるべきことです。
このポイントを抑えることで、自社の要望を適切に押さえた提案をもらいやすくなります。
RFPで大切なことは「具体的に、正確に」書いていくこと
ここまでRFPの書き方と、トラブルにならないためのポイントについてお伝えしました。
最初は、
- 客観的かつ具体的に伝える
- 最低でも必要な項目を押さえる
- 制作会社に何をしてほしいか、具体的に伝える
- 決まっていない事項もはっきり書く
というポイントがありました。
次に、RFPでトラブルを起こさないためのチェックポイントを
- 必要な項目が具体的になっているか
- 自社と制作会社の役割がはっきり分かれているか
- 判断に迷っていること・よくわからないことがはっきりしているか
- 参考になる情報・資料がついているか
の順に紹介しました。
これらのポイントを押さえることで、
- 発注者の要望を制作会社に対して、正確に伝えることができる
- 適切なECサイト制作会社を選ぶことができる
- RFPを提出したあとの行程をスムーズに進めることができる
という効果が期待できます。
最後に小テストをして、RFPの書き方をもう一度チェックしてみましょう!
- 小テスト:RFPの書き方
- 【問題】RFPの書き方で正しいものはどれか、次の中から選びなさい。
-
- 【正解】1:制作会社に情報を伝えるため、過去のデータをRFPに書いた
RFPには過去のデータなど、客観的な情報を必ず書くようにします。口頭で説明しようとすると、制作会社と意思のズレが出てしまい、後々のトラブルの原因になります。
ここまでRFPの書き方や注意するポイントについて説明しました。
まずは、RFPに盛り込む客観的なデータや統計の情報を、整理することからはじめてみてください。