ECサイト構築のAtoZ全28回
Lesson2 RFP編
7RFPに必要な項目とは未学習
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「RFPに必要な項目が何かわからない!」
と思っている方。
RFPに必要な項目を理解することで、制作会社に正確に情報を伝えることができ、製作時のトラブルを回避することが可能です。
とはいえRFPで必要な項目はたくさんあるため、はじめから完璧なものを作るのは難しいですよね。
そこでこの記事では、押さえるべき項目を、
- RFPで最低でも押さえるべき要件
- 制作会社からより良い提案を受けるために決めておくべき要件
- 絶対必要ではないけれど、なるべくあったほうがよい要件
以上の3つに分けて、お伝えします。
RFPというと難しく考えてしまいがちですが、ハードルは高くありません。
まずはこの記事でRFPで必要な項目について、大まかにつかみましょう!
RFPで最低でも押さえるべき要件
RFPではまず、依頼するECサイトの全体像を伝えることが大切です。
「なぜECサイト制作を依頼したいのか」、「最終的な目標は何か」を具体的に示すことができなければ、想定外の提案を受けることになります。
制作会社が発注者の依頼の全体像を理解するためには、
- ECサイト制作を依頼する背景
- ECサイトを制作する目的
- ECサイトで達成したい目標
- ECサイトに求める品質・スケジュールについて
- トラブルを避けるための法務事項
という情報が必要です。
ECサイト制作を依頼する背景
発注者がECサイト制作を依頼するに至った状況や、解決したい問題点を明らかにしましょう。客観的な事実や統計上のデータなどがあると、課題がよりはっきりします。
背景を理解する上で、これまでのECサイトの売上データやアクセス数なども明らかにしておきたいところです。
ECサイトを制作する目的
「このECサイトを作ることで何を達成したいのか」という目的を、制作会社に伝えましょう。
具体的には、
- ECサイトから受注したものをコンビニで受け取れるようにするなど、ユーザーの利便性をアップさせたい
- ECサイトを作り、社員の負担を減らすことで業務の効率化とコストダウンをしたい
- FacebookなどのSNSと連携させて、広告効果を高めたい
などが考えられます。
ECサイトを作る目的が違えば、必要な機能も変わります。ゆえに、ECサイトを製作する目的は必ず書きましょう。
ECサイトで達成したい目標
制作したECサイトで、
- どのくらいの売上をあげたいのか
- 顧客満足度をどのくらい向上させたいか
などの達成したい目標は、必ず決めておきましょう。背景や目的と同じく客観的に集計できる目標を設定すると、完成したECサイトの良し悪しを判断できます。
ECサイトに求める品質・スケジュールについて
RFPにはECサイト完成までの実施スケジュールを、「細かく・具体的に」することが大切です。
例えば、制作物を提出したときに、会社で合意を得るのに1ヶ月必要であれば、その期間を行程に組みこみます。
発注者の会社における内部事情は、制作会社にとってわからないことが多いです。そうしたルールも記載しておくと、行程がスムーズに進みやすくなります。
また、委託した業務の品質をどこまで求めるのかもはっきりと決めておきましょう。
具体的には、
- それぞれの行程ごとで、必要なものを決めておく
- 行程ごとに満たしておく必要がある条件を決めておく
の2つです。
これらを決めておくことで、完成度の高いECサイトが、スケジュール通りにできやすくなります。
トラブルを避けるための法務事項
契約に対する法務事項は必ず書いておきましょう。
法務事項で書いておきたいものは、
- 契約条件
- 守秘義務
- 提案依頼書の取り扱いについて
- 情報漏洩時の対策
です。
裁判沙汰になるなど重大なトラブルは、法務事項を押さえていない場合がほとんどです。しっかりと書いておきくべきです。
- 〈ここをチェック!〉RFPで最低でも必要な項目
- ここまで、RFPを作る上で欠かせない要件について紹介してきました。
最低でも必要な項目は、 -
- ECサイト制作を依頼する背景
- ECサイトを制作する目的
- ECサイトで達成したい目標
- ECサイトに求める品質・スケジュールについて
- トラブルを避けるための法務事項
- でしたね。これらの項目ではあいまいな表現を避け、正しい情報を書きましょう。客観的なデータや資料を提示することで、解決したい課題がよりはっきりします。
また法務事項は書いていないと、重大なトラブルに発展することもあるので、記載漏れがないようにしましょう。
制作会社からより良い提案を受けるために決めておくべき要件
RFPは制作会社に対して「どんなECサイトを作りたいのか」を具体的に伝えるための書類です。
RFPに記載する要件も、客観的かつ正しいことが大切です。
しかし、RFPを作っている時点でECサイトの要望が全て具体的に決まっていることはほぼありません。
その場合でも、現時点で決まっていることと、これから製作会社と一緒に考えていくポイントだけは、はっきりさせておきましょう。
そのためには、
- この依頼で行う業務の範囲
- 予算
- 具体的な成果物の一覧表
の3点を押さえましょう。
この依頼で行う業務の範囲
ECサイトは作ったら終わりではありません。サイトを作ってからもやるべきことはあります。
例えば、
- 情報の更新
- サーバー・ドメインなどのメンテナンス
- ホームページのアクセスデータの解析や改善案の提案
- トラブルへの対応
などです。
それらの業務をどこまで行う範囲も、予算やスケジュールに関わる大切な事項です。
これを最初に確認しておくことで、トラブルを防ぐことができます。
これに対して、ECサイト制作の業務内容があいまいだと「やってくれると思っていた」と後からトラブルになることもあるので、注意しましょう。
予算
予算についてはあらかじめはっきりと決める場合と、設定しない場合があります。
予算を決めるメリットは、
- 複数の製作会社に依頼するときに、ECサイトの内容を比較しやすくなる
- 予算を超えない、現実的な提案を受けることができる
です。
それに対して、予算を決めるデメリットには、
- ECサイトを作る目的に対して、最適な提案を受けられない可能性
- ECサイトに求める内容と予算が大きく食い違うと、提案してもらえない可能性
があります。
予算を提示する場合としない場合で、一概にどちらがよいとは言えません。
この場合は、
- 予算を超えないことを優先する場合:予算を決める
- 要望を達成させることを優先する場合:予算を決めず、制作会社に任せる
のように、どちらの方が優先順位が高いかによって決めるのがおすすめです。
具体的な成果物の一覧表
ECサイトを制作する過程では、ECサイト本体のほかにも、もらうべき成果物があります。
具体的には、
- ECサイトの仕様書
- 業務のフローチャート
- ECサイト管理画面の操作マニュアル
などです。
業務フローにそって、時系列で必要な成果物を決めておきましょう。
制作会社とっても、それぞれの行程で作る必要があるものが分かり、スムーズに業務を進めやすくなります。
- 〈ここをチェック!〉制作会社からより良い提案を受けるために、決めておくべき要件
- ここでは制作会社からより良い提案を受けるために、決めておくべき要件をお伝えしました。
具体的には、 -
- この依頼で行う業務の範囲
- 予算
- 具体的な成果物の一覧表
- の3点を紹介しましたね。
ここで大切なのは現時点で決まっていることと、これから製作会社と一緒に考えていくこととを、分けておくことです。
この2つをはっきり分けておくことで、制作会社はより具体的な提案ができ、結果として望みのECサイトを作ることができますよ。
より良い提案を受けるために、あらかじめ準備しておきたい要件
ここでは、より良い提案を受けるために、あらかじめ準備しておきたい要件について説明していきます。
その内容としては、
- 制作会社を選ぶまでのスケジュール・選ぶ基準
- 競合の情報・目指しているサイトのURL
- その他、参考になりそうな資料
という項目があります。それでは、具体的に見ていきましょう。
制作会社を選ぶまでのスケジュール・選ぶ基準
まず、制作会社を選ぶ基準は決めておきたいところです。
これにより制作会社は、発注者が求めているECサイトのイメージがよりはっきりします。
制作会社を選ぶスケジュールを提示しておくことも大切です。これにより、ECサイトを完成させるための流れができます。
競合の情報などがあらかじめわかっていれば、その情報もできる限り提供しましょう。また、完成のイメージに近いサイトなどがあれば、共有しておきましょう。制作会社が完成サイトをイメージしやすくなります。
競合の情報・目指しているサイトのURL
競合の情報などがあらかじめわかっていれば、その情報もできる限り提供しましょう。また、完成のイメージに近いサイトなどがあれば、共有しておきましょう。制作会社が完成サイトをイメージしやすくなります。
その他、参考になりそうな資料
その他にも、参考になりそうな情報は記載しておきましょう。
自社では当たり前と思っていても、制作会社が知らなかったり理解できなかったりする情報もあります。
「こんな当たり前の情報をのせる必要があるのか」と、迷ったときは書いておくのがおすすめです。
- 〈ここをチェック!〉制作会社からより良い提案を受けるために、決めておくべき要件
- この章では制作会社からより良い提案を受けるために、決めておくべき要件について紹介しました。
具体的には、 -
- 制作会社を選ぶまでのスケジュール・選ぶ基準
- 競合の情報・目指しているサイトのURL
- その他、参考になりそうな資料
- があります。
ささいな情報だと思わずに、少しでも役に立ちそうな情報はのせておきましょう。
RFPの必要項目を満たして、より質の高い提案を受けよう
ここまでRFPを作るために必要な項目について、お伝えしてきました。
まず、RFPで最低限必要な要件について
- ECサイト制作を依頼する背景
- ECサイトを制作する目的
- ECサイトで達成したい目標
- ECサイトに求める品質・スケジュールについて
- トラブルを避けるための法務事項
を、お伝えしました。
次に、RFPで制作会社に提案してほしい要件について
- この依頼で行う業務の範囲
- 予算
- 具体的な成果物の一覧表
を紹介しました。
そして最後に、制作会社からより良い提案を受けるために決める要件については、
- 制作会社を選ぶまでのスケジュール・選ぶ基準
- 競合の情報・目指しているサイトのURL
- その他参考になりそうな資料
を見ていきましたね。
RFPを書くのに必要な項目は少なくありません。
今回ご紹介した項目を押さえることができれば、制作会社に正しく情報が伝わり、トラブルを回避できるRFPを作成できます。
最終的に仕上がったECサイトの完成度を高めるためにも、必要な項目をしっかりと押さえましょう。
- 小テスト:RFPの必要項目
- 【問題】この中でRFPに必ず盛り込まなければいけない要素を選びなさい。
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【正解】1:業務を依頼する背景と目的
業務を依頼する背景や目的は、ECサイトを構築するうえでなくてはならないものです。依頼の背景や目的をはっきりさせることで、制作会社もどんなECサイトを作るべきか理解できます。客観的な事実やデータを使って、できる限り具体的なRFPを作りましょう。
RFPで必要な項目について、お分かりいただけたと思います。