ECサイト構築のAtoZ全28回

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Lesson8 決済サービス編

25ECサイトにおける決済方法の種類未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約10分で読めます


「ECサイトを構築したいけど、どんな決済方法を導入すべきなんだろう…」
と思っている方。

お店であれば現金での支払いだけでもよいかもしれませんが、ECサイトであれば複数の決済方法に対応しておきたいところです。これにより、どんなお客様にも利用してもらいやすいECサイトができあがります。

とはいえ、ECサイトの決済方法は数多くあり、どんなものがあるのか把握しにくいですよね。

そこで、この記事では

  • 支払いがインターネット上で完結する決済方法5つ
  • 支払いがインターネット上で完結しない決済方法

の順に、ECサイトでの決済方法について解説します。

把握しきれないほどの決済方法があると思ってしまうかもしれませんが、整理してみると意外と多くありません。
まずはこの記事で、ECサイトの決済方法について大まかにつかみましょう!

支払いがインターネット上で完結する決済方法5つ

ここでは、支払いがインターネット上で完結する決済方法を

  1. クレジットカード
  2. 自動引き落とし
  3. ネットバンク
  4. 携帯キャリア
  5. 電子マネー

の順にお伝えします。

1. クレジットカード

日本のECサイトにおいて、最もよく使われる決済方法がクレジットカードです。住所などの情報とともにカード番号を入力して、支払いを完了させる方法は、経験がある方も多いかと思います。

クレジットカードのメリット

クレジットカードのメリットは、

  • 24時間いつでも、購入してすぐに決済が完了する
  • ECサイト運営者は購入の決済を待つことなく発送でき、在庫リスクが下がる
  • 代金を回収しそこねることが少ない

です。

クレジットカードのデメリット

それに対して、クレジットカードのデメリットは、

  • クレジットカードを誰もが使えるわけではない
  • 悪意のある第三者によって、不正に使われることもある
  • 不正に使われた際は、ECサイトにチャージバック(返金の義務)が発生する

です。

2. 自動引き落とし

自動引き落としは、定期購入サービスなどにおいてECサイトがクレジットカード番号を預かり、定期的に代金を引き落とす方法です。

自動引き落としのメリット

自動引き落としのメリットは、

  • お客様が支払いをする手間が少ない(最初の1回だけで済む)
  • 代金を回収しそこねることや途中での解約が少ない
  • 支払いを案内する手間を減らすことができる

です。定期購入をする場合は、ECサイトにとってもお客様にとってもメリットが大きい方法ですね。

自動引き落としのデメリット

自動引き落としのデメリットは、

  • 口座の残高不足による未払いリスクがある
  • 対応している決済サービスが少ない

です。

3. ネットバンク

ネットバンクは、インターネット上で銀行振込をすることができる方法です。

ネットバンクのメリット

ネットバンクのメリットは、

  • ネットバンクにログインすれば支払いできるので、カード番号などを確認する手間がない
  • 商品の金額や口座の番号も確認する必要がない
  • 支払いの金額や、口座を間違えることがない

です。
ネットバンクのデメリット

ネットバンクのデメリットは、

  • 銀行口座だけではなく、ネットバンキングに登録している人しか利用できない
  • インターネットに慣れていないお客様には、ハードルが高い

です。

4. 携帯キャリア

携帯キャリアでの決済は、電話の料金と一緒に支払いを済ませる決済方法です。「ドコモ ケータイ払い」「まとめてau払い」など、キャリア独自のサービスが展開されています。

携帯キャリアのメリット

携帯キャリアのメリットは、

  • 支払いには4桁のパスワードを入力するだけ
  • スマートフォンや携帯電話を持っていれば、誰でも決済できる
  • クレジットカードを持てない、高校生などでもネット上で支払いができる

です。

携帯キャリアのデメリット

携帯キャリアのデメリットは、

  • 限度額が小さく、高額の支払いは難しい
  • 手数料が高額で、導入のバードルは高い

です。

5. 電子マネー

電子マネーとは、楽天EdyやiDなどの電子決済サービスを指します。例えるなら、「形のない商品券」ですね。

電子マネーはその中でも、

  • 事前に一定の額を入金(チャージ)する:プリペイド方式
  • 入金の必要がなく、後で支払う:ポストペイ方式

の2つに分かれています。

電子マネーのメリット
電子マネーのメリットは、

  • (プリペイド方式の場合)未回収リスクが少ない
  • クレジットカードを持てない人でも利用できる

です。

電子マネーのデメリット
電子マネーのデメリットは、

  • (プリペイド方式の場合)利用額が「チャージした分だけ」なので、限度額が小さくなりがち
  • (ポストペイ方式の場合)不正利用の可能性がある

です。

トピックまとめ:支払いがインターネット上で完結する決済方法

ここまで、支払いがインターネット上で完結する決済方法をご紹介しました。

便利な支払い方法が多いですが、その反面、インターネットに慣れていないお客様には難しかったり、不正利用のリスクがあったりします。

若年層など、もともとインターネットをよく利用する方がお客様のECサイトであれば、これらの決済方法を取り入れることで便利なECサイトだと思ってもらえるはずです。

〈ここをチェック!〉決済方法ごとの特徴
決済方法ごとの特徴をざっくり振り返ります。

ここでは、

  1. 簡単に決済ができ、利用率ナンバーワンの「クレジットカード」
  2. 定期購入サービスを考えているのであれば「自動引き落とし」
  3. カード番号を入力する必要がなく、簡単で安心の「ネットバンク」
  4. 誰でも使えるが、限度額が安く、手数料が高めの「携帯キャリア」
  5. プリペイド方式とポストペイ方式がある「電子マネー」
についてお伝えしました。
支払いがインターネット上で完結する決済方法について、大まかな概要がお分かりいただけたかと思います。

支払いがインターネット上で完結しない決済方法

次は、支払いがインターネット上で完結しない決済方法を、

  1. コンビニ
  2. ATM
  3. 払込票
  4. 銀行振込
  5. 代金引換

の順に紹介します。

コンビニ

ECサイトで商品を購入するさいにもらえる支払い番号を使って、コンビニで支払う方法です。

コンビニのメリット

コンビニのメリットは、

  • 支払い番号に取引の情報や金額が書かれており、間違いがない
  • 24時間いつでも、だれでも支払いができる
  • ECサイト運営者は、払込票を印刷して送る手間がない

です。

コンビニのデメリット
コンビニのデメリットは、

  • 対応するコンビニが少ない地方では使うのが難しい
  • コンビニ独自の端末(ローソンのLoppiなど)を操作する必要がある

です。

ATM

コンビニと同じく支払い番号を使って、銀行ATMから入金、支払いを済ませる方法です。

ATMのメリット

ATMのメリットは、

  • 支払い番号に取引の情報や金額が書かれており、間違いがない
  • 誰でも支払いができる
  • ECサイト運営者は、払込票を印刷して送る手間がない

です。
ATMのデメリット

ATMのデメリットは、

  • 利用時間が限られているので、決まった時間でしか支払いができない

です。コンビニと比べると、時間の制限があるのはATMの短所ですね。

払込票

払込票は、ECサイトで商品を購入した時点で送られたり、もしくはお客様がプリントアウトしたりして、コンビニや郵便局などで支払う方法です。

払込票のメリット

払込票のメリットは、

  • かなり広まっている支払い方法なので、誰でも使うことができる
  • 商品と一緒に払込票を送って、後払いの方法としても使える
  • コンビニでも郵便局でも支払えるので、どこの地域でも使える

です。

払込票のデメリット

払込票のデメリットは、

  • お客様が払込票を印刷する手間がかかる
  • ECサイト運営者が払込票を送る手間がかかる
  • 払込票を無くしたさいは、再び印刷や送付をしなければならない

です。

銀行振込

銀行振込はその名の通り、銀行から代金を振り込む方法です。取引ごとに専用の口座番号を作る「仮想口座方式」が広く使われています。

銀行振込のメリット

銀行振込のメリットは、

  • ふだんの銀行振り込みと同じように支払いできる
  • 入金者の特定ができるため、BtoB ECなど高額の決済に向いている

です。

銀行振込のデメリット

銀行振込のデメリットは、

  • ECサイトにシステムを導入する時間がかかりがち

です。

代金引換

代金引換は、ECサイトで購入した商品がお客様の自宅などに届く際に、宅配業者を通じて代金を支払う方法です。

代金引換のメリット

代金引換のメリットは、

  • お客様がカード番号の入力や振込の手続きをしなくてよい
  • 商品が届いたことを確認してから支払いできるため、お客様は安心できる
  • ECサイトは代金が未回収になるリスクを減らすことができる

です。

代金引換のデメリット

代金引換のデメリットは、

  • お客様の気が変わるなどで、受け取りを拒否される場合がある
  • お客様が自宅に不在で、商品の受け渡しと代金の回収に時間がかかることがある

です。

トピックまとめ:支払いがインターネット上で完結しない決済方法

ふだんからECサイトをよく使う方にとっては、支払いがインターネット上で完結しない決済方法は必要ないと思うかもしれません。

しかし、お客様の中には、クレジットカードを持っていなかったり、インターネット上での支払いに慣れていなかったりする方もいます。

さまざまな方に利用してもらえるECサイトにするためにも、現金などで直接支払うことができる方法も導入しておきたいところです。

〈ここをチェック!〉決済方法ごとの特徴
ここまで、
  1. 24時間いつでも支払いができ、手間も少ない「コンビニ」
  2. 比較的だれでも使い慣れており、間違いも少ない「ATM」
  3. 広く使われている方法で、後払いとしても利用できる「払込票」
  4. 高額の決済にも向いているが、システム導入に時間がかかる「銀行振込」
  5. お客様の手間が少なく、代金の未回収リスクも少ない「代金引換」
の順に、決済方法をお伝えしました。
支払いがインターネット上で完結しない決済方法について、大まかな概要がお分かりいただけたかと思います。

決済方法の種類を把握して、誰でも使いやすいECサイト構築を!

ここまで、決済方法の種類についてお伝えしました。
おさらいすると、

【支払いがインターネット上で完結する決済方法】

  1. 簡単に決済ができ、利用率ナンバーワンの「クレジットカード」
  2. 定期購入サービスを考えているのであれば「自動引き落とし」
  3. カード番号を入力する必要がなく、簡単で安心の「ネットバンク」
  4. 誰でも使えるが、限度額が安く、手数料が高めの「携帯キャリア」
  5. プリペイド方式とポストペイ方式がある「電子マネー」

【支払いがインターネット上で完結しない決済方法】

  1. 24時間いつでも支払いができ、手間も少ない「コンビニ」
  2. 比較的だれでも使い慣れており、間違いも少ない「ATM」
  3. 広く使われている方法で、後払いとしても利用できる「払込票」
  4. 高額の決済にも向いているが、システム導入に時間がかかる「銀行振込」
  5. お客様の手間が少なく、代金の未回収リスクも少ない「代金引換」

の順に、さまざまな決済方法を紹介しましたね。

これで決済方法の種類について、大まかな概要をつかめたかと思います。
まずは、自社のECサイトにはどのようなお客様が訪れて、決済方法はどれが適切か考えるところからはじめてみてください。

小テスト:決済方法の種類
では、最後にこの記事のトピックをつかむための小テストをします。
【問題】:決済方法の種類について、正しいものを選びなさい。


【正解】2:払込票は広く使われている支払いの方法で、後払いとしても利用できる
払込票は広く使われている支払いの方法です。また、後払いとしても利用できるので、お客様の利便性もアップします。