ECサイト構築のAtoZ全28回

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Lesson7 サーバ編

20ECサイトに欠かせない「サーバー」の概要や種類未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約8分で読めます


「ECサイトのイメージはなんとなくあるけど、具体的な作りかたはわからない…」
と思っている方。

ECサイトには、「サーバー」と呼ばれるものが必要で、サーバーがあることで初めてECサイトを構築できます。

とはいえ、サーバーがどのようなものか、具体的なイメージはつきにくいですよね。

そこで、この記事では

  • そもそもサーバーとは?
  • サーバーの種類

について紹介します。

「サーバーは難しい」というイメージを持っているかたもいるかもしれませんが、概要だけならハードルは高くありません。
まずはこの記事で、サーバーについてざっくり知っていきましょう!

そもそもサーバーとは?

サーバーとは、データやファイルを置いておくことができる、コンピューターの1種です。そのデータやファイルは、私たちが持っているパソコンやスマートフォンなどに、ネットワークを通じて送ります。

私たちがふだん使っているWebサイトやスマホアプリは、サーバーと情報をやりとりすることで、さまざまな機能を実現しているのです。

また、サーバーの使い方は、

  • Webサーバー
  • メールサーバー
  • ファイルサーバー
  • データベースサーバー
  • プリントサーバー

などさまざまでです。
名前は扱う情報によって変わりますが、基本的には「パソコンやスマートフォンなど、ふだん使っているデバイスと情報をやりとりするもの」をサーバーと呼びます。

例えば、今のようにWebサイトで記事を読んでいるとき。サイトのデザインや文章は、Webサーバーが送っています。そして送られた情報は、パソコンやスマホ上のブラウザに表示されているのです。

トピックまとめ:サーバーは「データやファイルを置いておける、ネットワーク上の箱」

まとめると、サーバーは「データやファイルを置いておける、ネットワーク上の箱」です。

ふだん使っているWebサイトやスマホアプリは、インターネットを通じてサーバーから送られる情報によって、さまざまな機能を実現しています。

ECサイトを構築するさいも、サーバー上に商品の情報や決済サービスなどを置くことをイメージできていれば、このトピックの内容はバッチリです。

〈ここをチェック!〉サーバー = データやファイルを置くことができるコンピューター
ここまで、
  • サーバー = データやファイルを置くことができる、コンピューターの1種
  • サーバー上のデータやファイルは、ネットワークを通じてやりとりする
という内容をお伝えしました。このトピックの要点は「サーバー = データやファイルを置くことができるコンピューター」です。

サーバーの種類

ECサイトを構築するサーバーの種類は、大まかに分けると

  • 自社にサーバーを含むインフラ全般を置いて管理する:オンプレミス
  • インフラを自社に置かず、ネットワーク経由で利用する:クラウド
  • 通信事業者にサーバーを預けて、管理してもらう:ハウジング
  • サーバー事業者からサーバーを借りる:ホスティング

の4つがあります。概要やメリット、デメリットについては以下で詳しくお伝えしますね。

オンプレミスとは

オンプレミスとは「自社にサーバーを含むインフラ全般を置いて管理する」ことで、

  • サーバー
  • ネットワーク
  • ソフトウェア

などの設備を自社で導入して、運用します。

メリットは、

  1. カスタマイズが自由
  2. 社内システムとの連携もしやすい
  3. 自社ネットワークなので、セキュリティも万全

の3つ。

オンプレミスは社内の閉じたシステム内にサーバーを置くので、望みの環境を作りやすいです。

とはいえデメリットもあります。それが、

  1. 初期コストが高い
  2. 開発の期間が長い
  3. トラブル時の対応は、自社で行わなければならない

の3つです。そのため、資金や時間に余裕をもつ必要があります。

クラウドとは

クラウドとは、「インフラを自社に置かず、ネットワーク経由で利用する」ことです。インフラまわりの管理を全て任せることができるので、自社はECサイトの運営に集中できます。

メリットは、

  1. すでに環境が用意されており、ECサイトをスピーディに構築できる
  2. トラフィックの増大にも柔軟に対応できる
  3. トラブルの対応を任せることができる

の3つです。

そのため、セール時の急なトラフィック増大でも、サイトが落ちることがありません。

しかしながら、

  1. サーバー自体のカスタマイズは難しい
  2. 社内システムとの連携が難しい
  3. 他社と同居するため、セキュリティが不安

の3つはデメリットですね。

ハウジングとは

ハウジングとは、「通信事業者にサーバーを預けて、管理してもらう」ことです。コロケーションと呼ばれることもあります。

ハウジングのメリットは、

  1. 地震や火事などがあっても、サーバーを守る設備がある
  2. 停電でも自家発電などでサーバーを止めることがない
  3. 回線が安定しており、トラフィックの増大にも対応できる
  4. データセンターのセキュリティが強く、第三者が入りにくい
  5. データセンターを自社で用意するよりも、コストがかからない

の5つです。

それに対してデメリットは、

  1. サーバーなどの機器を自社で用意する必要がある
  2. ホスティングと比べると、管理にかかるコストが高い

の2つです。特別な情報管理を自社でする必要がある場合は、ハウジング事業者にサーバー管理を任せるのがおすすめですね。

ホスティングとは

ホスティングとは、「サーバー事業者からサーバーを借りる」ことです。いわゆる、レンタルサーバーですね。

そのメリットは、

  1. サーバーの構築や設定、メンテナンスを任せることができる
  2. 万全なセキュリティ対策がされている
  3. 災害でもサーバーが落ちにくい
  4. サーバーを資産ではなく、経費として計上できる

の4つ。

デメリットは、

  1. サーバーのカスタマイズができない
  2. 共用のサーバーを使う場合、他ユーザーの影響を受けることがある
  3. トラフィックの増大に、クラウドほど柔軟に対応できない

の3つです。

ホスティングはサーバーの借り方によって

  • 1つのサーバーを1ユーザーで貸し切る:専用ホスティング
  • 1つのサーバーを複数のユーザーで借りる:共用ホスティング

の2つに分かれます。共用ホスティングであれば料金を安く抑えることができますが、他のユーザーからの影響を受けたり、セキュリティに問題があったりするので注意が必要です。

トピックまとめ:覚えておきたいサーバーの種類は4つ

「オンプレミス」「クラウド」「ハウジング」「ホスティング」という、4種類のサーバーについてお伝えしました。

どのサーバーを使ってECサイトを構築するか決めるためにも、

  • 自社でサーバーを持つのか
  • サーバーは自社で運用するのか

について考えることからはじめましょう。

〈ここをチェック!〉「オンプレミス」「クラウド」「ハウジング」「ホスティング」の違い
このトピックでチェックしておきたいのは、
  • 自社にサーバーを含むインフラ全般を置いて管理する:オンプレミス
  • インフラを自社に置かず、ネットワーク経由で利用する:クラウド
  • 通信事業者にサーバーを預けて、管理してもらう:ハウジング
  • サーバー事業者からサーバーを借りる:ホスティング
という4種類のサーバーがあることです。
どのサーバーを使うかによって、その運用コストや自由度は変わります。後で乗り換えるとなるとコストも時間もかかるので、ECサイト構築の前にサーバーについて考えておきましょう。

サーバーについて知って、自社に最適なECサイト運用を!

ここまで、サーバーについて、概要や種類をお伝えしました。
おさらいすると、まずサーバーの概要では

  • サーバー = データやファイルを置くことができる、コンピューターの1種
  • サーバー上のデータやファイルは、ネットワークを通じてやりとりする

を説明しました。サーバーは「データやファイルを置いておける、ネットワーク上の箱」です。

ECサイトを構築する際も、サーバー上に商品データやサイトそのものを置く必要があります。

そして、サーバーの種類では、

  • 自社にサーバーを含むインフラ全般を置いて管理する:オンプレミス
  • インフラを自社に置かず、ネットワーク経由で利用する:クラウド
  • 通信事業者にサーバーを預けて、管理してもらう:ハウジング
  • サーバー事業者からサーバーを借りる:ホスティング

を、お伝えしました。

これでサーバーについての概要を、お分かりいただけたかと思います。
まずは、

  • 自社でサーバーを持つのか
  • サーバーは自社で運用するのか

から、考えはじめてみてください。

小テスト:サーバーの種類
では、最後にこの記事のトピックをつかむための小テストをします。
【問題】:「クラウド」について、正しい説明を一つ選びなさい。



【正解】1:インフラを自社に置かず、ネットワーク経由で利用する
クラウドは、サーバーなどインフラを自社に置かずに、ネットワークを通じて使う方法でしたね。サイト構築のスピードとトラフィックに対する柔軟性、加えて初期費用の安さがクラウドの魅力です。