ECサイト構築のAtoZ全28回

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Lesson1 基礎編

3ECサイト構築前に確認すべき3つのポイント未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約9分で読めます


「ECサイトを作りたいけど、どんな点に注意すればよいのかわからない」
と思っている方。
ECサイトを構築するには

  • ECサイトを構築する目的
  • ECサイトの課題
  • ECサイトの構築スケジュール

というポイントを押さえておくことは欠かせません。

とはいえ、どんな目的や課題を設定すれば、長期的に売り上げがアップするECサイトになるかは、正直わかりにくいですよね。
そこで、この記事では、

  • ポイント①目的を明確にする
  • ポイント②課題点を洗い出す
  • ポイント③スケジュール

この順番でECサイトを構築する前に確認すべきポイントを学びます。

「構築」というと専門的で難しいように思ってしまいますが、ポイントは「目的」「課題」「スケジュール」の3つだけです。
まずはこの記事で、ECサイト構築前のチェックポイントを理解しましょう。

ポイント①まずはECサイトの目的を明確にする

ECサイトを構築する際に、何よりも大事なのは「何のためにECサイトを作るのか」という目的です。

ECサイトの目的がはっきりしていると、ユーザーの理解が得られやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。

目的を明確にしたECサイトのメリットは、

  1. 「何をしたい企業なのか」を理解してもらいやすくなる
  2. 問題点がわかる
  3. 適切な改善アクションがとれる

の3つです。
以下で詳しくお伝えしますね。

1. 「何をしたい企業なのか」を理解してもらいやすくなる

目的がはっきりしていると、コンテンツを追加するときも目的に合ったものだけを足していくことが可能です。例えば、ファッションを販売するECサイトと食品を販売するECサイトとでは、入れるべきコンテンツも違えば、ターゲットも違います。
いろんな人に受け入れられるECサイトを目指すよりも、特定の人に向けたECサイトを目指しましょう。それによって、お客さまが「このECサイトは何をウリにしているのか」を判断することができ、結果として買いものがしやすくなります。

2. 問題点がわかる

本来のECサイトは「こういう結果を出したい」という、目的がはっきりしているべきです。それがあることでKPIの設定がしやすくなります。
KPIとはKey Performance Indicatorの略語で、訳すと「主要業績評価指標」です。つまるところ「目標にむけてうまくやっているか」が一目でわかる指標ですね。
ECサイトがちゃんと売上を伸ばしているかをチェックすることができ、問題点はないかを定期的にチェックすることができます。

3. 適切な改善アクションがとれる

ECサイトは、作ってただ放置しているだけでは、なかなか結果につながりません。目的に応じてアクセスを解析し、訪れたユーザーの声をもとに、新しい機能やキャンペーンを行うなどのアクションが必要です。
ECサイトの目的がはっきりしていれば「ECサイトのこの点は改善すべきかどうか、もしくは他の問題を優先するべきか」など、アクションを取るべきかどうか考える基準になります。

トピックまとめ:ECサイトの目的を明確にする

ECサイトを構築する上で、まず一番大切なことは「ECサイトの目的を明確にする」ということでした。
とはいえ、目的がないままとりあえずECサイトを作る方が少なくありません。目的をはっきりとさせることで、取るべきアクションが明確になることを理解して、ECサイト構築の前に目的を決めておきましょう。

〈ここをチェック!〉ECサイトの目的を明確にするメリット3つ
ECサイトの目的を明確にすると、
  1. 「何をしたい企業なのか」を理解してもらいやすくなる
  2. 問題点がわかる
  3. 適切な改善アクションがとれる
の、3つのメリットがあることを紹介しました。
長期的に売上が上がるECサイトを作るためにも、あらかじめECサイトの目的をはっきりとさせておくようにしましょう。

ポイント②ECサイトの課題点を具体的に洗い出す

ECサイトのリフォームや乗り換えの場合は、現状における「課題点の洗い出し」をしなければなりません。
ECサイトにおいてよく出てくる課題には、

  • システム障害が多くて、ユーザーが離れてしまう
  • ユーザーが増えたため、現在のシステムでのECサイト運用が難しい
  • ECサイトのコストが高すぎる
  • カスタマイズできないため、希望する施策が実行できない
  • ECサイトのデザインが良くないので、ブランディングができない

などがあります。

また、課題が具体的に出し切れていないと以前に解決したはずの問題が再発し、余計なコストがかさんでしまいます。

リフォームや乗り換え時の場合は、もちろんこれらの課題について考えるべきです。とはいえ、初めてECサイトを構築する方もこれらの課題に直面する時が来るので、この機会にしっかりと理解を深めておきましょう。

そして最も大事なのは、その課題が「自社側の課題」なのか、「ECシステム側の課題」なのかをはっきりとさせておくことです。
たとえば「カスタマイズできない」という課題の場合、その原因はいくつか考えられます。
そして、その原因は以下のように「自社側の課題」と「ECシステム側の課題」に分けることが可能です。

  • 予算上カスタマイズ費用が出せない場合・・・【自社側の課題】
  • ECサイトの仕様上カスタマイズできない場合・・・【ECシステム側の課題】
  • 手間がかかるのでカスタマイズをやりたくない場合・・・【自社側の課題】

この点を整理せず、すべての課題を「ECシステム側の課題」にしてしまうと、新しくシステムを導入しても課題が解決されないことも。
課題の本質がどこにあるのかを必ず明確にし、同じ課題が新しいECシステムでは生じないようにしましょう。

トピックまとめ:ECサイトの課題は具体的に洗い出す

ECサイトのリフォームや乗り換えの場合は、現状における「課題点の洗い出し」を具体的に行う必要がありました。課題が具体的に出し切れていないと、同じ問題が発生したり、余計なコストがかさんでしまうことがありますので注意しましょう。
新規でECサイトを構築するかたも、あらかじめ起こりうる課題について考えておくことで、その後の対応がスムーズになりますよ。

〈ここをチェック!〉課題が自社とシステムのどちらにあるかをはっきりさせる
洗い出された課題は、それが「自社側の課題」なのか、「ECシステム側の課題」なのかをはっきりさせることが大切でした。自社側の問題である場合、それを解決しないといくらECシステムを変えたところで課題は解決されません。

ポイント③ECサイト構築のスケジュールを考えよう!

ECサイトを構築する際には、スケジュールについて考えておく必要があります。
重要なのは「いつまでにECサイトを構築する」という短期的な視点だけでなく、「数年先に実現したい取り組み」という長期的な視点をもつことです。

具体的には、

  • ユーザー増が見込める半年後には、データベースとの連携を行いたい
  • 売上がいまの倍になったら、サーバー容量を増やしたい
  • 1年後には事業拡大するので、サイト数を増やしたい

など、売上やユーザー数の推移にあわせて将来の取り組みを計画しましょう。
ECサイトを構築してから「いま使用しているECシステムはデータベースと連携できるのか?」といった課題に向き合ってしまうと、問題が生じた場合はシステムから見直すなど、かなりのコストが発生してしまいます。
EC担当者の方は、目の前にある構築スケジュールを気にするだけでなく、ECサイトの長期的な運用まで気を配りましょう。

また「ECシステムの減価償却は会計上5年」と決められているので、EC構築スケジュールを立てるのであれば5年単位の計画が望ましいです。このように長い目でスケジュールを考えることで、無駄なコストの発生を防ぐことができます。

トピックまとめ:スケジュールは数年先を考えて立てる

ECサイトを構築する際は、「いつまでにECサイトを構築する」という短期的な視点だけでなく、「数年先に実現したい取り組み」という長期的な視点をふまえて考える必要があるとお伝えしました。
実現したいことは、可能なかぎり具体的に、期間を定めてリストアップしましょう。

〈ここをチェック!〉ECシステムの減価償却期間は5年間
ECシステムは会計上ではソフトウェアにあたります。そして、会計上で30万円以上するソフトウェアの減価償却期間は5年と定められています。なのでECシステムを新しく導入する場合は、5年以上使えるものを検討しましょう。減価償却できないうちに次のシステムを検討することは、無駄なコストの原因となります。

3つのポイントを理解して、長期的に売り上げがアップするECサイト構築を!

ここまで、ECサイトを構築する際に確認しておきたい、3つのポイントについてお伝えしました。
おさらいすると、まず1つ目のポイントは「目的の明確化」でしたね。
目的の明確化とは「何のためにECサイトを作るのか」をはっきりさせておくことであり、そのメリットでは

  1. 「何をしたい企業なのか」を理解してもらいやすくなる
  2. 問題点がわかる
  3. 適切な改善アクションがとれる

の3つをお伝えしました。
そして、2つ目のポイントは「課題点の洗い出し」でしたね。
課題がしっかり出し切れていないと、同じ問題が発生したり、余計な費用がかさんでしまうということがありました。
大切なのはその課題が「自社側の課題」なのか、「ECシステム側の課題」なのかをはっきりとさせておくことです。この点を整理しないまま、新しいECシステムを導入したところで、課題が解決されない場合があるので注意してください。
最後は、ECサイトを構築する際のスケジュールを考える際に注意すべきことをお伝えしました。
大切なことは、

  1. 「いつまでにECサイトを構築する」という短期的な視点
  2. 「数年先に実現したい取り組み」という長期的な視点
  3. 「ECシステムの減価償却期間は5年間」という会計上の視点

という、3つの視点を持つことでしたね。

この記事を通じて、ECサイト構築前に確認すべき3つのポイントがおわかりいただけたかと思います。
最後に小テストをして、ECサイト構築前に確認すべきことを再度チェックしてみましょう!

小テスト:ECサイト構築前に確認すべきポイント
では、最後にこの記事のトピックをつかむための小テストをします。
【問題】次のうち、ECサイトを構築するうえで「ECシステム側の課題」に該当するものを一つ選んでください。


【正解】3:ECサイトの仕様上カスタマイズできない場合
ECサイトの仕様が原因の場合は、ECシステム側の課題でしたね。このように、自社側の課題とECシステム側の課題は分けて考えるようにしましょう。
ECサイトを構築する前に確認すべきことを理解しておくと、スムーズにECサイトを運用しはじめることができます。
まずは、なぜECサイトを作るのかをはっきりさせ、将来のアクセスや売上など具体的なゴール設定をしましょう!