ECサイト構築のAtoZ全28回
Lesson2 RFP編
6RFPの概要やメリットを徹底解説未学習
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「ECサイトを作りたいけど、RFP(提案依頼書)って何?」
「ECサイトを作るためにRFPはどうして必要なの?」
と思っている方。
ECサイト構築を制作会社にお願いするときには、RFPと呼ばれる書類が欠かせません。これにより、ECサイトのイメージを制作会社とすり合わせることができ、望みのECサイトに近づきます。
とはいえ、RFPとはどんなものなのかは、イメージがつきづらいですよね。
そこで、この記事では、
- RFPとは
- RFPを使うメリット
の順に、RFPの概要を紹介します。
RFPというと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、理解に必要なポイントは少なくありません。
まずはこの記事で、RFPのさっくりとした概要をつかみましょう。
RFPとは
RFPは、ECサイトの発注者が準備する書類です。RFPを作ることで制作会社に、
- ECサイトを作る目的
- ECサイトで解決したい問題
を伝えることができます。
これらの情報を口頭で伝えようとすると、自社と制作会社との間で認識がずれやすくなります。
それを防ぐためにも、RFPをしっかりと準備しましょう。
以下では、
- RFPの定義
- RFPの書き方
をお伝えします。
RFPの定義とは?
RFP(Request for proposal)とは、発注者が制作会社に対して出す書類です。RFPにはどのような提案をして欲しいのかを書き、制作会社はこれを元にして提案書を作ります。
RFPに盛り込む情報には、
- ECサイトを作る目的や機能
- ECサイトの仕様
- 発注者と制作会社との責任関係
などがあります。
RFPをしっかりと作ることで、制作会社に対して要望を正確に伝えることが可能です。これにより、制作会社から理想に近い提案をもらいやすくなります。
その一方、RFPで必要な項目がはっきりしていないと、裁判などトラブルの原因になることもあります。
RFPの書き方とは?
では、RFPはどのように書けばよいのでしょうか。
RFPに盛り込むべき項目は、
- ECサイトを制作する背景
- ECサイトを作って達成したい目標
- 制作会社に依頼する業務の範囲
- 制作チーム体制・役割分担
- スケジュール
- コンプライアンスなどの法律関係について
などです。これらを書くことで、制作会社は「これからのECサイト制作について、どのように提案すべきか」を考えることができます。
RFPを書く目的は、
- 制作会社にECサイトで解決したい課題
- ECサイトを作る目的
- ECサイトを作って達成したい目標
を相手に伝えることです。制作会社と意見をすり合わせることで、理想に近い提案書をもらうことができます。
とはいえ、RFPを作りはじめた段階では必要事項が全て決まっていないこともあります。
この場合、
- どの事項が決まっていないのか
- 検討していることは何なのか
- 最低でも欲しい機能は何なのか
を具体的にしましょう。これにより制作会社も、また決まっていないことや検討していることを踏まえて、ECサイト制作を提案できます。
以上の情報を盛り込んだRFPを作ることができれば、制作会社の提案が大幅にずれることはないはずです。
- 〈ここをチェック!〉RFPとは、制作会社に「どのような提案をして欲しいのか」依頼する書類
- ここでは、
-
- RFPの定義
- RFPの書き方
- について、お伝えしました。
RFPとは、発注者が制作会社に「どのような提案をして欲しいのか」依頼する書類のことでした。 - またRFPの目的は、制作会社に、
-
- ECサイトを作ることで解決したい問題
- ECサイトを作ることで達成したい目的・目標
- を正確に伝えることでした。
「ITコーディネータ協会のRFPのフォーマット」が参考になるので、試してみてください。
RFPを使う3つのメリット
ここからは、RFPを使うによるメリットを、
- 制作会社に正しい情報を伝えることができる
- 全ての制作会社に、依頼したい内容を正確に伝えることができる
- 他社の提案と比べやすくなり、選ぶ負担が減る
の3つに分けて紹介します。
1. 制作会社に正しい情報を伝えることができる
発注者がRFPを使わず、ECサイトの要望を説明すると、
- 情報の伝え漏れが起こる
- 伝えるべきポイントや優先順位がずれる
- 勘違いによって内容がゆがみ、情報が正しく伝わらない
などのリスクがあります。
しっかりとしたRFPができていれば、情報を漏れなく正しく伝えることが可能です。
2. 全ての制作会社に、依頼したい内容を正確に伝えることができる
ECサイトを制作するときには、複数の会社に見積もりを取ることが多いです。
望んでいるECサイトの条件を、複数の会社に対して同じように伝えるのは難しく、手間もかかります。
ECサイトの要望を口頭で伝えると、
- 発注者が重視しているポイントと異なる提案
- 発注者が重視しているポイントが抜け落ちた提案
が増えてしまい、制作会社からの提案が要望からずれることが多いです。
RFPを作らないことで提案が難しくなり、実力がある制作会社を落としてしまうことも。
RFPを作ると、全ての制作会社に対して、依頼したい内容を正確に伝えることができます。これにより、ECサイト制作会社を正しく評価することが可能です。
3. 他社の提案と比べやすくなり、選ぶ負担が減る
RFPに正確な情報がまとまっていると、制作会社の提案内容が統一されやすくなり、結果として1つの制作会社を選びやすくなります。
RFPがないと、制作会社からの提案がばらつきます。制作会社の数によっては、提案書が10以上になることもあります。そのような状況で、提案書の内容がバラバラだと、比べにくいですよね。
その結果、制作会社を選ぶのが難しくなり、どのECサイト制作会社にお願いしてよいか迷ってしまいます。
RFPは最初に作るのは大変かもしれません。しかしながら、RFPで正確な情報を伝えることができれば、制作会社を選ぶ負担は減るはずです。
- 〈ここをチェック!〉RFPを使う3つのメリットとは?
- ここまで、RFPを実際に書くメリットについて、
-
- 制作会社に正しい情報を伝えることができる
- 全ての制作会社に、依頼したい内容を正確に伝えることができる
- 他社の提案と比べやすくなり、選ぶ負担が減る
- の3つを説明しました。
RFPは発注者が作るものであり、ECサイトを作る目的や背景を盛り込もうとすると、それなりの時間と労力が必要です。とはいえ、しっかりとしたRFPを準備できれば、その後のECサイト制作をスムーズに進めることができ、かつ望みのECサイトができあがりやすくなります。
RFPを作って、理想のECサイトを構築!
ここまで、RFPの概要とメリットについて、お伝えしました。
おさらいすると、まずは
- RFPの定義
- RFPの書き方
について紹介しました。
次に、RFPを使うことで得られる3つのメリットを
- 制作会社に正しい情報を伝えることができる
- 全ての制作会社に、依頼したい内容を正確に伝えることができる
- 他社の提案と比べやすくなり、選ぶ負担が減る
の順に解説しました。
RFPがあることで、ECサイトの方向性が整い、理想のEサイトに近い提案を受けやすくなります。
- 小テスト
- 【問題】RFPを作るメリットとして、正しいものはどれか。
-
-
【正解】3:全ての制作会社に、依頼したい内容を正確に伝えることができる
コンペなどで、提案書を複数の制作会社に対してお願いする場合、RFPはECサイトの方向性を伝える大切な書類になります。
RFPを作らず、口頭でやり取りをすると、情報の伝え漏れや解釈のずれが発生しやすいです。
ECサイトを制作会社に依頼するときは、RFPを書くために必要な情報を整理することからはじめてみてください。