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知っておいて損はない!SaaSの基礎と考え方

普段私たちが実際に利用しているインターネット。
ついつい一枚岩のように思ってしまいがちですが、インターネットは無限のつながりを持っているわけではなく、小さなネットワークの集合体が、検索エンジンや各サービスを通じて結びついているだけに過ぎません。

そんな中、ここ10年ほどですっかり有名になった新しいネットワークのあり方であるクラウドは、一つの巨大なネットワークを構築し、その中で人がデバイスや時間・場所にとらわれず、通信回線さえ通っていればサービスを受けられる画期的なインターネットのあり方を提供してくれました。
そんなクラウドに付随するサービスの一つとしてよく耳にするのが、SaaS(サース)と呼ばれるものですが、他にも似たような単語を耳にすることは多いかと思います。

今回はそんなSaaSの概要と、それを理解することで見えてくる未来について、下記のポイントに沿ってご紹介します。

  • クラウドコンピューティングありきのSaaS
  • アプリを使うためのSaaS、開発のためのPaaSとIaaS
  • 小規模事業には効果的なSaaS

SaaSとクラウドコンピューティング

Software as a Service、通称SaaSはクラウドコンピューティング上で提供されるアプリケーションのことを指しています。
そのためクラウドありきのSaaSなのですが、SaaSの解説に直接行ってしまう前に、クラウドコンピューティングについても少し触れておきます。

クラウドコンピューティングとは

クラウドコンピューティングはコンピュータそのものの何かを言うのではなく、ネットワークの利用方法のことを指しています。
デスクトップやラップトップ、携帯電話などに設けられているアプリケーションを利用してサービスを受けるのではなく、ネットワークを介してサービスを利用するという点がクラウド最大の特徴です。

ネットワーク上にサービスを設けることで端末を問わずアクセスできる他、データも利用者のデバイスではなくサービスを提供する側が一元的に管理することで、いつでもどこでも同じデータを扱うことができるという状態を実現しました。

例としてはicloudやdropboxがクラウドコンピューティングを活用したサービスとしてあげることができます。
■関連記事:手軽にECサイトを構築するなら!パブリッククラウドがおすすめの理由

SaaSとは

SaaSはそんなクラウドコンピューティングの技術を利用した、「サービスとしてのソフトウェア」そのものを指しています。先ほど挙げたネットワークを介したサービスとは、SaaSのことです。

ネット回線さえ繋がっていればいつでもどこでもアクセスでき、オンラインストレージサービスでいつでも同じデータに触れられ、必要とあれば複数人でクラウド上で作業を進めることができます。
クラウドコンピューティングを活かした技術の中では、最も身近なのがSaaSと考えておいて間違いはないでしょう。

SaaSとIaaS、PaaSの違いは

SaaSの他にもクラウドコンピューティングを活用して生まれたものはいくつかあり、どれも名前が似ているためややこしいのですが、一つずつ整理しておきましょう。

IaaSについて

Infrastructure as a Service、通称IaaS(イァース、アイアース)は、従来ハードウェアに組み込まれていたメモリ、CPU、ストレージなどのITインフラを、クラウド上に設けてしまうことでユーザーにそれらを提供し、システムの開発やアプリケーションの開発を行ってもらえる環境を共有することを指しています。
取り扱いはSaaSに比べてやや難度は高いですが、開発環境を自前で用意しなくて良いというメリットはエンジニアにとって魅力的です。

具体的な例としてはGoogle Compute Engineといったものがあり、興味のある方は調べてみると面白いかもしれません。

PaaSについて

Platform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム)、PaaS(パース)はITインフラに加えて、開発基盤としてのミドルウェアなどを利用者に提供するサービスです。
OSのインストールやサーバーの設置の手間などをかけることなく、IaaSと同様、すぐに開発を行うことができる点で重宝するサービスであると言えるでしょう。IaaSに拡張性は劣りますが、使い勝手はPaaSが優っており、使用目的や使い勝手に合わせてIaaSとPaaSは使い分けられています。

SaaS、IaaS、PaaSはクラウドコンピューティングを用いて提供されるサービスではありますが、違いとしてはそれぞれの提供しているサービスの内容が大きく、利用者の対象は各サービスによって異なるのがポイントです。

まとめると、以下のようになります。

・SaaSはサービスとしてソフトウェアを提供している
・IaaSとPaaSは開発基盤を提供している
・IaaSはインフラのみの提供で高い拡張性を確保
・PaaSはインフラにミドルウェアを合わせて提供することで迅速なアプリケーション・システム開発環境を実現

SaaSを理解することで見えてくるもの

たとえプロダクトが同じであっても、SaaSで提供されるサービスとソフトウェアを直接デバイスに入れて運用するのとでは、得られるメリット・デメリットも微妙に異なります。
メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

SaaSのメリット

まずSaaSの利用で得られるメリットとして、導入コストが抑えられる点です。
ライセンス料を利用するだけで済むため、初期導入コストは安く、また利用も登録したその日から可能であることが多いため、時間的なコストもそれほどかからずにすみます。

初期コストが抑えられるということは、仮に事業が思うようにいかなかった場合でも、負担しなければならないコストが最少限で済むということです。
いきなりパッケージサービスを使うよりも、SaaSを利用して事業を始めれば、効率的に利益を上げることができるでしょう。

SaaSのデメリット

しかしSaaSは必ずしもメリットばかりとは限りません。デメリットとしては継続コストの問題がよく焦点になります。

SaaSは確かに初期費用を抑えるための魅力的なサービスではありますが、継続的にライセンス料がかかり、ランニングコストが発生する点は忘れてはいけません。
その点で言えば従来の導入型のソフトウェア(インハウス方式)は初期費用こそかかるものの、導入後は維持費以外のライセンス料などは発生しないわけですから、長期的に見ればソフトウェアを購入してしまう方が、コスト的にも良いと考えることもできるわけです。

また、SaaSは自社でアレンジを加え、カスタマイズして活用したい場合にも不向きです。
常にアプリケーションそのものはクラウド上で管理されているため、自由度や拡張性は、自己完結型であるインハウス方式に比べて劣ると言えるでしょう。

ただ長期の採算性を考えたり、自社の独自性の尊重はSaaSの時間的・金銭的コストの削減で得られるメリットを上回るかどうかは議論の余地のあるところです。
やはりSaaSの採用を考えているターゲット層にとってはコスト削減のメリットの方が大きく、結果的にインハウス方式よりもSaaSが優れていると言えるでしょう。

SaaSは今後どうなっていくのか

前項でも少し触れましたが、SaaSを採用することで得られるメリットは、特に個人や中小レベルの事業者にとって魅力的で、初期費用の安さは新規参入のハードルを大きく下げ、競争の活性化に大きく貢献することでしょう。

個人の力が大きくなり、仕事の役割分担が組織内ではなく組織間で行われるようになりつつある昨今ですが、SaaSの拡大はそんな時代の流れをより推し進めていくことになるのは間違いなさそうです。

大企業にとっては直接的に大きなメリットはないかもしれませんが、それでもSaaSに対してポジティブな姿勢をとることはそれだけ個人の領域を押し広げ、結果的に企業の負担を分担する相手が生まれることにも繋がります。
SaaSを長期的に見つめてみる必要性があることは大企業の方であるとも言えるでしょう。


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