BtoB EC、相談すべき相手の見極めるポイントとは
経産省の発表によると、平成30年の時点でBtoB ECの市場規模は約317兆円です。この市場規模はBtoC ECの約20倍にも上ります。
この記事を読んでいる方の中にも、自社のBtoB ECを構築したいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
その場合、社内でシステムを内製できる企業でなければ外部のECサイトベンダーに声をかける必要があるわけですが、いざとなると、どういった基準でパートナーを選定すべきか、悩ましいところだと思います。
今回は、BtoC ECとの違いなどを踏まえ、ITコンサルタントの視点でBtoB EC構築のパートナー選びのポイントをお伝えします。
目次:
企業間の取引を紙ベースからデジタルに置き換えたいというのは、時代の流れとして自然なことだと思います。
BtoB ECというと、業務システムに近いものとして特定の型にはめることができるというイメージを持つ方も多いのですが、実はBtoB ECもBtoC ECと同様、相談する相手次第で「いいシステム開発」になるか、失敗するかが大きく左右されます。なぜなら、業界によって商慣習が全く違うだけでなく、たとえ同じ業界の中でもシステムを構築しようとする各社ごとに業務フローが変わってくるからです。
極端な言い方をすれば、本当に使い勝手のいい、理想のBtoB ECは、各社ごとに全く違うものになるのです。もちろん、様々な条件を考慮して、それをどこまで追求するかは、また別の話になりますが。
■特集:BtoB ECサイト■
よく、「時代に適した売り場を作って欲しい」という要望をいただきますが、それがまさにこのタイプですね。こちらは、中小規模の企業に多い傾向にあります。
また、例えばこれからフランチャイズでの多店舗展開を推進していく企業などでは、受発注システムの使い勝手の良さがフランチャイズに対するアピールポイントにもなります。
機能面に関して言えば、BtoBに特化したベンダーであれば、大概のものは標準装備されていると思いますが、この目的部分が明確でないと、いくら機能が充実していても、本当に要件にフィットしたサイトは構築できません。
それからもう一点、社内におけるプロジェクトの推進体制(プロジェクトオーナーや承認フローなど)はベンダーに声をかける前に決めきってコンセンサスを取っておくべきでしょう。BtoBシステムの場合、どちらの目的にしても、関係者が全社横断的になります。
プロジェクトを進行する中で、関係各所でどんなプロセスを経て現状があるのかを常に可視化しておき、三歩進んで二歩下がる(時には二歩進んで三歩下がるということも)ようなことが起こらないようにしておきたいところです。
BtoC ECとの違い、例えば小数点対応や荷姿対応など、細かい要件は色々あるのですが、基幹システムや他の業務システムとの連携が発生する場合がほとんどなので、そのような連携に対してノウハウを持っているベンダー、しかも幅広い業界でその経験があるベンダーじゃないと、的外れな提案をされてしまう可能性があります。
例えば、発注に対してリアルタイム在庫を表示するとか、リピート購入や大量購入が多いBtoBならではのUIとして、本当に発注者に取って使い勝手の良いものは何か(画像購入、履歴購入などのパターンを作って検証したり、緊急発注に備えるためマルチデバイスへの対応などのカスタマイズは、必要性が高いけれど開発難易度も高いものも多いので、ここもベンダーの経験値が問われる部分と言えるでしょう。
例えば、これまで属人的に対応するしかなかった問い合わせ対応のために接客用のチャットボットを活用したり、発注された部材が欠品していた場合、サイズなどが合って換えが利く別品番をレコメンドで表示するなど、主にフロント側のデジタルマーケティング領域の機能は、BtoB ECでも活かせるシーンが多いのです。
これらの機能に精通し、時代の潮流も踏まえて自社のシステムにフィットする提案をしてくれるベンダーなら、より使い勝手の良いシステムを構築してくれる可能性があります。
しかし、ローンチの時期はそれぞれの企業にとって様々な事情が絡んだ上で決まってくるものなので、望まれたスケジュールにおいてローンチ時期のプライオリティが高いのであれば、できるかぎりそのオーダーに応えられるよう動くのがベンダーの務めです。
その際、クオリティ担保を無視したり、金額をいたずらに吊り上げたりするのではなく、時期を優先した場合、何ができて、何を諦めることになるのか、その取捨選択を明示して納得のできる説明をしてくれるベンダーは信頼するに足るのではないでしょうか。
ちなみに、手前味噌になりますが、エスキュービズムのBtoB EC構築の場合、既存のパッケージに当てはめる訳ではなく、各業界、各社の要望を正確に汲み取りながら、これまでの幅広い経験で培った知見を案件に還元し、他社が追随できないようなオンリーワンで最適なシステムを提供させていただきますよ。
この記事を読んでいる方の中にも、自社のBtoB ECを構築したいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
その場合、社内でシステムを内製できる企業でなければ外部のECサイトベンダーに声をかける必要があるわけですが、いざとなると、どういった基準でパートナーを選定すべきか、悩ましいところだと思います。
今回は、BtoC ECとの違いなどを踏まえ、ITコンサルタントの視点でBtoB EC構築のパートナー選びのポイントをお伝えします。
目次:
- 本当に使い勝手のいいBtoB ECは、各社ごとに違う
- ECサイトベンダーに相談する前に「目的」と「体制」を明確にしておく
- -相談先を見極めるポイント1:幅広い業界、システム連携の経験値が豊富か
- -相談先を見極めるポイント2:カスタマイズに積極的に応じてくれるか
- -相談先を見極めるポイント3:システム導入後の業務フローまで提案してくれるか
- -相談先を見極めるポイント4:デジタルマーケティング領域まで対応できるか
- -相談先を見極めるポイント5:短納期に対応してくれるか
- さいごに
本当に使い勝手のいいBtoB ECは、各社ごとに違う
最近では、弊社でもBtoB ECのお問い合わせが増えている傾向にあります。これは、特に何かの業界に限ったことではなく、どの分野においても分け隔てなく問い合わせがあります。企業間の取引を紙ベースからデジタルに置き換えたいというのは、時代の流れとして自然なことだと思います。
BtoB ECというと、業務システムに近いものとして特定の型にはめることができるというイメージを持つ方も多いのですが、実はBtoB ECもBtoC ECと同様、相談する相手次第で「いいシステム開発」になるか、失敗するかが大きく左右されます。なぜなら、業界によって商慣習が全く違うだけでなく、たとえ同じ業界の中でもシステムを構築しようとする各社ごとに業務フローが変わってくるからです。
極端な言い方をすれば、本当に使い勝手のいい、理想のBtoB ECは、各社ごとに全く違うものになるのです。もちろん、様々な条件を考慮して、それをどこまで追求するかは、また別の話になりますが。
■特集:BtoB ECサイト■
ECサイトベンダーに相談する前に「目的」と「体制」を明確にしておく
一口にBtoB ECと言っても、その目的は大きく分けて二つの方向性が存在します。目的1、販路拡大・売上アップ
一つは、販路拡大・売上アップです。こちらの目的では、紙のカタログをウェブ化したECを外部公開サイトとして構築し、デジタルマーケティングとの組み合わせで新規顧客への認知や集客を図ったり、現状リーチできていない遠方での新規開拓のために活用するというものです。よく、「時代に適した売り場を作って欲しい」という要望をいただきますが、それがまさにこのタイプですね。こちらは、中小規模の企業に多い傾向にあります。
目的2、業務効率化の仕組みを作る
もう一つは、業務効率化の仕組みを作るというものです。こちらは比較的規模の大きな企業に多い傾向で、クローズドなECサイトを構築し、これまで紙やファックスで行っていた大量の受発注業務をデジタル化することでコスト削減を図ったり、手作業しているものをシステム化して入力ミスを防止するなど、業務状況を可視化することが目的となります。また、例えばこれからフランチャイズでの多店舗展開を推進していく企業などでは、受発注システムの使い勝手の良さがフランチャイズに対するアピールポイントにもなります。
社内コンセンサスをしっかりと取ることも重要
自社でBtoB ECサイトを構築する際に、まず決めるべきなのは、この目的を明確にし、社内でコンセンサスを取ることです。機能面に関して言えば、BtoBに特化したベンダーであれば、大概のものは標準装備されていると思いますが、この目的部分が明確でないと、いくら機能が充実していても、本当に要件にフィットしたサイトは構築できません。
それからもう一点、社内におけるプロジェクトの推進体制(プロジェクトオーナーや承認フローなど)はベンダーに声をかける前に決めきってコンセンサスを取っておくべきでしょう。BtoBシステムの場合、どちらの目的にしても、関係者が全社横断的になります。
プロジェクトを進行する中で、関係各所でどんなプロセスを経て現状があるのかを常に可視化しておき、三歩進んで二歩下がる(時には二歩進んで三歩下がるということも)ようなことが起こらないようにしておきたいところです。
相談先を見極めるポイント5つ
相談先を見極めるポイント1:幅広い業界、システム連携の経験値が豊富か
冒頭でも述べた通り、一口にBtoB ECと言っても、業界ごとに商慣習は違うので、必要な機能も変わります。BtoC ECとの違い、例えば小数点対応や荷姿対応など、細かい要件は色々あるのですが、基幹システムや他の業務システムとの連携が発生する場合がほとんどなので、そのような連携に対してノウハウを持っているベンダー、しかも幅広い業界でその経験があるベンダーじゃないと、的外れな提案をされてしまう可能性があります。
相談先を見極めるポイント2:カスタマイズに積極的に応じてくれるか
BtoB ECの場合、購入側としての必要な機能と、管理側として必要な機能を理解した上で、「各社の強み」が出るようなカスタマイズが可能かどうかは、ベンダーを決めるにあたり非常に大きな選定ポイントになるのではないかと思います。例えば、発注に対してリアルタイム在庫を表示するとか、リピート購入や大量購入が多いBtoBならではのUIとして、本当に発注者に取って使い勝手の良いものは何か(画像購入、履歴購入などのパターンを作って検証したり、緊急発注に備えるためマルチデバイスへの対応などのカスタマイズは、必要性が高いけれど開発難易度も高いものも多いので、ここもベンダーの経験値が問われる部分と言えるでしょう。
相談先を見極めるポイント3:システム導入後の業務フローまで提案してくれるか
システム構築だけでなく、導入後の業務フローの定義、例えば多店舗展開している場合は、まずテスト店舗のみで導入するのか、あるいはプロジェクト担当者が旗を振っていっぺんに導入を進めるのか、そういったことまでを決め切って提案してくれるベンダーと組まないと、現場が混乱してしまう恐れがあります。相談先を見極めるポイント4:デジタルマーケティング領域まで対応できるか
BtoB ECと言いつつ、実はBtoC EC向けの機能も結構活用できるものがあります。これは、販路拡大のためのECも業務効率化のためのECも同様です。例えば、これまで属人的に対応するしかなかった問い合わせ対応のために接客用のチャットボットを活用したり、発注された部材が欠品していた場合、サイズなどが合って換えが利く別品番をレコメンドで表示するなど、主にフロント側のデジタルマーケティング領域の機能は、BtoB ECでも活かせるシーンが多いのです。
これらの機能に精通し、時代の潮流も踏まえて自社のシステムにフィットする提案をしてくれるベンダーなら、より使い勝手の良いシステムを構築してくれる可能性があります。
相談先を見極めるポイント5:短納期に対応してくれるか
案件の規模にもよりますが、実質的な納期で考えると、全てのプロセスで万全な状態を確保しながらプロジェクトを進めた場合、やはり最短でも1年から1年半の期間を想定しておくことが望ましい、というのが正直なところです。しかし、ローンチの時期はそれぞれの企業にとって様々な事情が絡んだ上で決まってくるものなので、望まれたスケジュールにおいてローンチ時期のプライオリティが高いのであれば、できるかぎりそのオーダーに応えられるよう動くのがベンダーの務めです。
その際、クオリティ担保を無視したり、金額をいたずらに吊り上げたりするのではなく、時期を優先した場合、何ができて、何を諦めることになるのか、その取捨選択を明示して納得のできる説明をしてくれるベンダーは信頼するに足るのではないでしょうか。
さいごに
総合的に見ると、業務系のシステムに詳しく(もしくは自社で持っている)、特殊な商慣習に精通しているベンダーと組むというのが成功への近道、という道筋が見えてきますが、それに加えて、案件の事情を汲み取った上でどれだけ柔軟に(カスタマイズ、予算感、納期など)対応してくれるかどうかを正面からぶつけてみるべきだと思います。ちなみに、手前味噌になりますが、エスキュービズムのBtoB EC構築の場合、既存のパッケージに当てはめる訳ではなく、各業界、各社の要望を正確に汲み取りながら、これまでの幅広い経験で培った知見を案件に還元し、他社が追随できないようなオンリーワンで最適なシステムを提供させていただきますよ。