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オムニチャネル・リテイリングにおけるデータ収集とプライバシー

ますます広がりを見せるオムニチャネル・リテイリングですが、今回はデータ収集とプライバシーの観点から見てい

きたいと思います。

オムニチャネル・リテイリングとは?

実店舗やテレビ、通販サイト、ウェブサイト、DM、ソーシャルメディア、携帯・モバイルデバイスなど多様化した販売チャネルを、「顧客目線」で再構築し、シームレスな買い物体験を提供することです。

詳しくは別記事 「オムニチャネル・リテイリング」で売上アップ を読んで頂ければと思います。

店舗とネットを統合的に運営し、顧客にアプローチ

オムニチャネルという観点からすると、実店舗を持つことで小売の可能性は広がります。
店舗とネットを組み合わせることにより、顧客の買い物経験をより充実したものにできるからです。実店舗を持つ小売はオンライン販売のみの競合相手に対し、実店舗を持っているという強みを認識し始めました。

もちろんそれが強みにはなるでしょうが、成功が保証されたわけではありません。
オムニチャネル・リテイリングで優位に立つために、小売はどんな規模であれ形態であれ、オンラインとオフラインの間のギャップを埋めていかなければなりません。

多くの小売は顧客データベースを統合的に活用しはじめています。顧客がオンラインで買ってもオフラインで買ってもその情報はひとりの顧客の情報として記録されるということです。これにより小売はマーケティングの質を向上させることができます。

しかし販売実績情報はともかく、顧客のオフラインでの買い物行動に関するデータはオンラインのそれに比べてると充実しているとは言えません。例えばオンラインでの買い物行動ではコンバージョン率などのデータが収集されています。つまりオムニチャネル・リテイリングを進めていく上で、オフラインでの顧客の買い物行動にフォーカスしていくのは自然な流れと言えるでしょう。

スマートフォンを利用して潜在顧客情報をCookie化

米国のソフトウェア開発のNomi社はスマートフォンをCookieに進化させようとしています。


(引用元:『NOMI』

Cookie【クッキー】

Webサイトの提供者が、Webブラウザを通じて訪問者のコンピュータに一時的にデータを書き込んで保存させるしくみ。Cookieにはユーザに関する情報や最後にサイトを訪れた日時、そのサイトの訪問回数などを記録しておくことができる。Cookieはユーザの識別に使われ、認証システムや、WWWによるサービスをユーザごとにカスタマイズするパーソナライズシステムの要素技術として利用される。

Nomi社はスマートフォンのWiFi機能を顧客や潜在的顧客の追跡に用いる仕組みを開発しました。スマートフォンを持った人が店の前を通りかかると、どれだけの割合の人が店に入ってきたかわかる、いわゆる「ウィンドウ・コンバージョン」機能などを有しています。下にその機能をまとめます。

◆ウィンドウ・コンバージョン
通りを歩いている人のうち、店に入ってきた人の割合

◆滞在時間
顧客が店で過ごした平均時間

◆入店頻度
顧客が店に入ってくる頻度

◆カスタマー・ロイヤリティ
以前に来たことのある顧客の割合

◆直帰率
すぐに立ち去る顧客としばらく滞在する顧客の割合

◆デバイスタイプ
顧客の使っている携帯電話のタイプ

このようにオフラインの顧客の行動分析に役立つデータを収集することが可能になります。
こうしたデータを活用すれば小売の可能性は広がると言っていいでしょう。多店舗を展開する小売は収益の高い店と低い店の顧客の行動を比較できます。それにより反省点や改善点を洗い出し、利益向上につなげることが可能になります。

ユーザーのプライバシーはどうなるか?

集めた情報と顧客の個人情報とを結びつけることはしないというのがNomi社のプライバシー・ポリシーです。しかし顧客が購入をするなりすればそれは決して難しいことではありません。

顧客がこのような情報収集に同意するかどうかの可能性について、Nomi社のCROであるBarrow氏はこう語っています。「将来的に顧客は自分の情報を開示することに積極的になる。そうすることで更なるサービスを企業から受けられるようになるからだ」実際にNomi社は顧客が情報を開示する見返りに、ディスカウントを受けられるサービスを準備しているとのことです。

しかし、顧客が店での一挙手一投足までを知られることに、本当に乗り気になるかどうかはわかりません。確かにそうすることでお金の節約になると信じる人にとっては歓迎すべきことでしょうが、プライバシー、セキュリティの面で危機感を持つ人もいると思われます。こうしたアイデアが人々に受け入れられるかどうか、もうしばらく時間が必要となるでしょう。

スマホユーザーのプライバシー意識


スマートフォン利用後のプライバシー情報公開頻度の増減
(引用元:NTTレゾナント『スマートフォンにおけるプライバシー意識に関する調査結果』

こちらは「gooリサーチ」を提供するNTTレゾナントが行ったスマートフォンユーザーのプライバシー意識についての調査結果です。調査の結果、スマートフォン所有後にプライバシー情報を公開する頻度が増えた割合は30.0%に達したことがわかりました。スマートフォンを持つとプライバシーを公開しやすくなるのであれば、Nomi社のような情報集のやり方は受け入れられる可能性が高いと言えます。しかし、長期的に見ればスマートフォンの利用は始まったばかりとも言え、ユーザーのプライバシー意識が今後変化していく可能性はあります。

オムニチャネル・リテイリングに求められること

オムニチャネルな買い物体験を追求する企業にとって、これは注意しておくべき問題と言えます。すなわち顧客の行動を分析することはオムニチャネル・リテイリングにとって重要なことですが、やりすぎによって顧客が離れてしまっては意味がないということです。

オムニチャネル・リテイリングの本質は顧客本位のチャネル構築にあります。企業が自らの信用を失わずにオムニチャネル化を推し進めるために、顧客のプライバシーやセキリュティとどのようにバランスをとっていくかの観点が求められていくと思われます。

この記事はEconsultancyの記事をOrange Blogが日本向けに編集したものです。

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