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オムニチャネル化が進まない高級ブランド

ニューヨークを拠点とする数ある高級ブランドは、いち早くウェブサイトやショップアプリを開発し、最新のテクノロジーを店舗へと導入してきました。ところが、それらを統合し、一貫性を持たせたオムニチャネル経験の提供に成功したブランドはないと、高級ブランド・マーケティング・コンサルタントであるTony King氏は語っています。

「顧客はほとんどの場合において、いくつかのデバイスを使用してショッピング情報を集めています。実際に購入に至るまで、平均で7、8回はオンラインでチェックしています。したがって、ショッピングの機会はデバイスを横断し提供しなくてはなりません」

さらに、高級ブランドのマーケッターは本流とは外れたマーケティングを行っているとも指摘。「高級ブランドの顧客はプロモーションよりも入手方法にこだわりを示します。彼らは、まだ他の人が入手していない商品、つまり独占的な商品を知りたがるのです」
King氏は、優れたセールスパーソンの条件は、顧客が気に入りそうな商品が入荷したタイミングで、すばやく顧客に電話をかけることだとしています。そこがEコマースにおいて欠けている部分であり、さらに改良の余地がある点であると指摘します。



ほとんどのウェブサイトは、すでに必要な顧客データを入手してはいるが、それを有効に利用しきれていないとKing氏は述べています。
「ウェブサイトは、リアルな人々が情報を素早くやり取りできるデジタル・ツールでなくてはならず、高級ブランドのような排他的なクラブを築き上げるにはベストな方法といえます」と揶揄します。
またKing氏は、高級ブランド業界に存在する俗物根性やエリート意識も業界の足を引っ張る要因であると指摘。つまり高級ブランドは顧客に足を運んでもらいたいと思いながらも、必死にアピールしていると思われたくないというのです。
そしてKing氏は、高級ブランドがいかにデジタル的に失敗しているかについてAlexander McQueenを例として挙げて、以下のように語っています。

「Alexander McQueenは店舗において『劇的で、ドラマチックで素晴らしいブランド』なのは確かですが、ウェブサイトにおいてはそれらの要素が完全に抜けています。ウェブサイトは、ほとんど別のブランドでないかと思わせるほどでがっかりさせるもの。高級ブランドとは既存のルールを破壊するものであるはずだ」と語っています。

この記事はLuxury brands fail omnichannel testをOrange Blogが日本向けに編集したものです。