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セミナーレポート:IoTで実現する、お客さまに選ばれるオムニチャネル時代のお店づくりとは

スーパーマーケットを中心とした食品流通・小売業をターゲットにしたスーパーマーケットトレードショーが幕張メッセにて2017/2/15(水)~2/17(金)まで開催されました。
2/16(木)にFuture Store “NOW” セミナーステージで開催されたディスカッションセミナーの様子をお伝えします。

登壇者:田河毅宜氏 (共同印刷株式会社)
真田幹己氏 (株式会社エスキュービズム)
小泉領雄南氏 (GMOフィナンシャルゲート株式会社)
※文中敬称略

1.オムニチャネルの成功ポイントとは?

最初のテーマは「オムニチャネル」。
スーパーマーケットでオムニチャネル化を推進している例として有名なのはアメリカのウォルマートでしょう。日本ではイオンがオムニチャネル化に向けた取り組みを始めています。
ネットスーパーも利用拡大しつつあり、高齢者が日用品や食品はネットで購入する割合も増加しているという調査結果もあります。
こうした背景を受け、今後オムニチャネル化を推進し、成功させるポイントとして三つの観点を挙げ、事例を交えてディスカッションが行われました。

1-1 深い顧客理解を行う

真田「オムニチャネル化を進める上で、重要なのは統合データベースの活用です。購買履歴だけでなく、様々な事象、要因、感情を集約して構築されたデータベースを実店舗、ECサイト他多様なチャネルで活用していくことが重要です。4年前、エスキュービズムでは大手書店のオムニチャネル化を支援しました。店舗在庫はAmazonをしのぐと言われていて、その在庫情報をECサイトにも表示するシステムにしたところ、ECサイトで先に購入して仕事帰りに店舗で受け取るというような買い方をされる方が増えました。そういった効果が出たことを受けて、Orange ECのパッケージに在庫情報表示を標準搭載するようになりました。
4年前はオムニチャネルという概念はまだ浸透していませんでしたが、プラットフォームの整備が進み、小売業でどうやって利益化するかというフェーズに入ってきたと感じます」

小泉「決済の面からいうと、CLO(Card Linked Offer=クレジットカード連携型特典)があります。クレジットカードやポイントカードを利用した場合の購買動向や顧客が持つ属性を分析して、個々の顧客に適していると思われるクーポン情報などを付与する仕組みです。
外部連携しているカード情報、たとえばTカードや楽天ポイントカードでは重要な情報は深堀できませんが、自社のハウスポイントカードやハウスマネーカードであれば顧客理解を深めることができます。
ハウスポイントやハウスマネーの問題点は、自社でしか使えないことではありますが、地域で共通化するなどして囲い込むことでクリアできるでしょう」

田河「日本のスーパーマーケット業界は最新のテクノロジーを導入してオムニチャネル化している事例は少ないですね。先進国であるアメリカのMacy’s、ウォルマートでは顧客理解は非常に進んでいると思います。そうした先例をベンチマークしている企業は多いと思いますが、日本はまだまだ数年遅れています。
顧客側のチャネルが増えすぎて、店舗側で他のチャネルを認識できていないのが問題です。そこを統合データベースやハウスポイント、ハウスマネーカードなどで認識すればオムニチャネルは成功に一歩近づくのではないでしょうか」

1-2 サービスプラットフォーム

小泉「クレジットカードの仕組みというのは、VISAやMasterなどのカード会社、我々GMOのような提携会社、小売店や飲食店などの加盟店、そして消費者で成り立っています。決済手数料が乗っかっている分をポイントで還元したりしていますが、最近低コストなハウスマネーを導入する企業が増えてきました。ZOZOTOWNのツケ払いはGMOペイメントサービスの「GMO後払い」で、クレジットカードを持っていなくても使える支払い方法です。ただし審査があり、与信がある人が使える方法です。
この後払いは製品が届いてから後日銀行やコンビニから支払うため、日本だからできる決済方法なのではないかと思いますが、この決済方法だとカード会社を経由しないため低コストで導入できるという利点があります」

真田「決済のプラットフォームでいえば、今後は指紋認証など新しい決済方法に進んでいくかもしれませんね。スーパーマーケットで使える日常使いの少額決済に向いた決済方法なんじゃないかと思います。
システム開発領域では、欧米の先人たちがやってきたことを、追いつくために少しでも早く粛々と実行していくしかないと思います」

1-3 パーソナル提案

田河「【マーケティング・オートメーション】がバズワードになりつつあります。顧客分析の手法、考え方を変えていく必要があると思います」

真田「その通りですね。毎月買ってくれる人が優良顧客である、という認識も改めた方がいいと思います。今後はマーケティング・オートメーションはディープラーニングを使って未来予知をするようになります。無意識下の欲求を想起して細かくレコメンドするとかですね。商品DNAのベースを整えていかなくてはなりませんし、基幹システムとの連携も必要になってきます」

2.お客さまを待たせないお店を実現!

田河「お客様を待たせないお店を実現するには?ということで、いくつか考えてみました。レジ台数を増やす、会計スピードの向上、ピーク時間の差配、決済インフラの見直し、など…。しかし、そもそも「レジは必要なんでしょうか?」という疑問が生まれました。昨年末に発表されたAmazon GOや、ディスカウントショップのTargetのオーダー・ピックアップなど、新しい買い物の仕方がどんどん提案されています」


参考:アメリカのディスカウントショップ「TARGET」のECサイト。配送かオーダーピックアップが選択できるようになっています。

真田「私たちはECサイトのシステム構築からスタートして、タブレットPOSレジアプリも販売しているのですが(笑)、正直レジは必要ないというのが個人的な感想です。
売上を増やすには顧客の回転数を上げるか、新規顧客を増やす…今後は外国人観光客を呼び込むことが必要になってくるでしょう。セルフレジも普及していくでしょうが、一般の人がやるとスキャンと袋詰めに時間がかかって、回転率が下がるんです。そうするとやはりオーダーピックアップのような仕組みの方が現実的な気がします。あとはクレジットカード決済でもウェアラブルデバイスでの決済が増えるのではないでしょうか」

小泉「Amazon GOは実店舗で決済処理をなくしているのがすごいですね。もし日本で実現させるなら、100均の店舗のような、均一金額の商品を販売する小売店で、前払いさせておくような手法ならできるかもしれません。
セミセルフレジは今のところマグストライプという従来の磁気式のクレジットカードにしか対応していないため、今後は国家的なセキュリティホールとみなされる恐れがあります。早急にIC対応していくべきですね」

まとめ

田河「時代のトレンドに対応するにはコストがかかりますが、その先にあるもの、顧客とどんなコミュニケーションを取りたいのかを考え、逆算してコストを考えつつ選択していくべきだと思います。決済は徐々に小売の現場からなくなっていき、サービスに融和されていくと考えられます」

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