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ユーザー登録の手間を減らすオープンIDの現状

2017年現在、人々の生活には多様なインターネットサービスが根付いています。元々インターネット空間は匿名による活動に価値がありましたが、サービス提供側はユーザー情報獲得のためにほとんどのサービスが会員登録必須となっています。

そのような状況からか、近年はオープンIDと呼ばれる新たな制度が登場し始めました。

  • オープンIDはひとつのIDとひとつのパスワードでたくさんのウェブサイトが利用できるアカウントもしくはその仕組みである
  • ユーザーはアカウント管理の手間が軽減され、企業はサービス促進に活かせる
  • オープンIDを利用するためにはオープンIDプロバイダのアカウントを持つ必要がある
  • オープンID利用により躍進したウォンテッドリー
  • 一般サイト、ECサイト共にオープンIDは利用され始めている
  • オープンIDの仕組みが浸透すれば、ウェブ市場はより拡大するかもしれない

オープンIDとは

オープンIDとは、ひとつのユーザーIDとパスワードでログインが必要なたくさんのウェブサービスを利用できるようにするユーザーアカウント、もしくは、その仕組みを言います。
アメリカではオープンIDが普及し始めているので、いずれ日本でもオープンIDを利用するウェブサービスが拡大していくでしょう。現在利用されているオープンIDは、ユーザーはどのサイトでもオープンIDを発行でき、かついくつでも発行できます。オープンIDは1人につき1つではなく、1人につき何個でも発行が可能なのです。

オープンIDが必要となった背景

日本でオープンIDが叫ばれるようになってまだ日が浅いですが、ウェブ市場が発達するにつれてオープンIDの価値が際立つようになりました。ユーザー側、企業側両方の立場でオープンIDの価値を考えてみます。

ユーザー側:ID管理の利便性向上

ユーザーにとってのオープンIDの価値はID管理のしやすさです。今現在、ウェブサービスを利用するためのアカウントを1つしか持っていないユーザーはほぼいません。たいていのユーザーはウェブサービスごとに異なるアカウントを持っているはずです。この管理が大変面倒です。特に最近ではセキュリティ対策のためにアカウント登録時に見破られにくいパスワードを設定するよう促されるため、複雑な文字列のパスワードを設定するハメになり、アカウント管理はかなり複雑になっております。しかし、オープンIDで横断的にウェブサービスが利用できるようなら1つのアカウント情報さえ覚えておけば、オープンIDを採用しているウェブサービスは新規登録なしで利用が可能になります。アカウントを新規作成する手間もアカウント情報を覚える手間もなくなるので、ID管理が楽になります。

企業側:自社サービスの利用促進

企業側にとってのオープンIDの価値は自社サービスの利用促進になります。
まずオープンIDを発行する企業(発行の仕組みは後述します)は、ユーザーが自社で作成したアカウントで他サービスにもログインするため、ユーザーは自社アカウントを使うたびに自社を思い出すはずです。時々は自社サービスを覗いてくれるかもしれません。
小さいメリットのように思われるかもしれませんが、目まぐるしいスピードで流行り廃りが変わるウェブの世界では、定期的に自社サービスを思い出してもらうだけで十分価値があります。

マーケティングでの活用が期待できる

それ以外の価値としてはユーザーがどのサービスに興味があるかを知ることができるということです。
オープンIDプロバイダはユーザーがどのウェブサイトでオープンIDを使うか知ることができるので、ユーザーの行動習性を把握できます。
オープンIDに関連した情報はマーケティングに役立てることができます。

オープンIDを利用する企業にとっても、自社サービスの促進が期待できます。サービスは使ってみたいけど会員登録が手間だから利用を諦めるユーザーは多いようです。
そのためオープンIDを活用すれば、ユーザーはいつものサービスにログインするようにアカウント情報を入力するだけなので、新しいサービスの利用がスムーズに行えます。
オープンIDは利用する企業にとってもメリットがあるのです。ユーザー、発行企業、利用企業すべてに価値のある仕組みがオープンIDです。

オープンIDの仕組み

では、実際にオープンIDはどのような仕組みで利用ができるのでしょうか。これはいたってシンプルです。
1:まず、ユーザーがすべきことは、オープンIDプロバイダのアカウントを持つということです。
2:ユーザーは利用したいウェブサイトのページにアクセスします。するとログイン画面にはオープンIDプロバイダ情報でログイン可能なリンクがありますので、ユーザーが持っているオープンIDプロバイダのリンクを押します。
3:オープンIDプロバイダのログイン画面に遷移しますので、そこでアカウント情報を入力します。

アカウント情報が間違っていなければ、本来利用したいウェブサイトのページに戻り、ログインができたことが確認され、サービスが利用できるようになります。
アカウント情報オープンID利用企業(提供企業ではない)に情報が渡ることがないため、セキュリティリスクが上がる心配もありません。

非営利団体OpenID財団がルールを策定

オープンIDは非営利団体のOpenID財団がルールを作っています。この団体は非営利でありますが、団体を組織する法人理事には野村総合研究所やグーグル、マイクロソフト、ヤフーなどの大手企業が名を連ねています。

オープンID提供企業の例

オープンIDプロバイダにはIT系大手企業が名を連ねております。GoogleやYahoo!、AmazonやFacebookなど、全国的に普及しているサービスの提供企業がプロバイダとなっています。
巨大サービス提供企業がプロバイダになるのは当然と言えば当然で、サービスが普及していない企業がオープンIDプロバイダになってもベースとなるサービスのユーザーが少ないので、オープンIDとしては成り立ちません。

シングルサインオンとは異なる

オープンIDと同じような仕組みとしてシングルサインオンがありますが、オープンIDとシングルサインオンは異なります。
紹介してきたようにオープンIDはウェブサービス間の共通IDで、インターネットにつながっているウェブサービス間を横断的に行き来するために利用されます。

一方でシングルサインオンは業務系システムなどのアプリケーション間の共通IDになります。複数アプリケーションを再ログインすることなく行き来するためのIDです。
オープンIDはウェブサービス、シングルサインオンはアプリケーションを中心に活用されているため、「再ログイン不要」という目的は同じでも利用されている場所が異なります。

オープンIDの活用:ウォンテッドリー

オープンIDを上手に活用し、一躍広まったサービスとしてウォンテッドリー(Wantedly)があります。ウォンテッドリーはビジネスSNS運営をする企業ですが、最初から当時多くのユーザーが利用していたfacebookのオープンIDを自社サービスのログイン機能に加えました。
そのため利用者のサービス利用ハードルが下がり、ユーザーは爆発的に増加しました。今ではビジネスSNSとして確固たる地位を獲得しています。

Wantedly
https://www.wantedly.com/

OpenIDに対応したECサイト

オープンIDはECサイトでも活用がされています。ユーザーにとってオープンIDの利便性は一般サイトもECサイトも同じです。実際の活用事例を紹介していきましょう。

「旬の美食・通販さっぽろ松前屋 北海道美食通信」

まずは北海道産の魚介類などをECで販売している北海道美食通信様。こちらはヤフージャパンやミクシィ、ライブドア、はてな、グーグルのアカウントでログインが可能なECサイトとなっています。多くのオープンIDプロバイダを整備することで様々なユーザーに対応できるようにしています。

旬の美食・通販さっぽろ松前屋 北海道美食通信
http://www.matsumaeya.jp/

Orange EC導入事例・NTTナレッジ・スクウェア株式会社様

eラーニング講座の運営を手掛けるNTTナレッジ・スクウェア様もオープンIDを活用したECサイトを運営していました。こちらのECサイトでは所属しているNTTグループ独自ID以外にもグーグル、ヤフー、ツイッター、ミクシィなどのオープンIDを活用することでアカウント登録の手間を省略しています。(※導入当時の情報です)

参考:https://ec-orange.jp/interview/ntt_ks/

オープンID利用の拡大はインターネット市場をより便利にする

ウェブサービスを利用する上で、1つの弊害でもあった新規アカウント作成の手間がオープンID導入によって軽減できます。
オープンIDがさらに市場に浸透すれば新規サービスを利用するハードルが下がるため、ウェブ市場はより大きく、そして快適な空間になるでしょう。成熟し始めているウェブ市場が今後も拡大するか否かはオープンIDの普及が大きく関係するかもしれません。

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