ZOZOTOWNがCtoC市場を取り込む理由【ECサイト運営企業の生き残り戦略】
YahooショッピングやLINE MALL、フリマアプリなどCtoC市場の動きが盛んです。個人が気軽に商品の売買をしやすくなる時代に、自社ブランドを展開しているメーカーや小売店は、どう売り上げを伸ばしていけばいいでしょうか。
ネットに躍り出る“個人店主” CtoC元年到来
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO65069900Z00C14A1000000/
家電ベンチャー躍進の秘密、プロの世界を「大衆化」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK26031_W4A220C1000000/
法人格であるだけで、ある程度の信頼力を稼ぐことができます。BtoCサイトのなかにCtoCサービスを取り込むことで、販売する個人にも購入する個人にも「安心して売買できる場所」を提供することができ、オリジナルのBtoCサービスのユーザーを増やすきっかけにもできるのではないでしょうか。
例えば、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは無料でECサイトを作成できるSTORES.jpを運営するブラケットと組み、個人が簡単に商品を売れる「ZOZOMARKET」を開設。個人、法人、新品、中古を問わず出品が可能となっています。
ECサイトのトップページから各カテゴリや特集商品ページにリンクを飛ばす構成が多いなか、ニトリではリビングルームやベッドルームなどのトータルコーディネートを提案し、商品が生活空間にある様子を購入者がイメージできるようにしています。
集めたデータの分析や実施した施策の効果測定には経験と知識が必要です。専用システムを活用することで、負担を減らしつつ効果的な施策を打つことができます。
目次
CtoC市場の動向と、消費者ニーズの変化
CtoC市場の動きが盛んになっています。スマートフォンの普及により、法人格をもたない個人でもモノやサービスの提供がしやすくなりました。手元のスマホで商品を撮影し、公開するだけで売買をスタートできる時代。購入する方の個人も、これまでの「よく知っているメーカーだから、大手ブランドだから」という購入理由から、「機能とデザインが良いから」「手ごろな価格だから」という理由にシフトしはじめています。また、新品へのこだわりも薄れ、中古でも品質と価格に納得すれば購入するという傾向がみられます。ネットに躍り出る“個人店主” CtoC元年到来
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO65069900Z00C14A1000000/
家電ベンチャー躍進の秘密、プロの世界を「大衆化」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK26031_W4A220C1000000/
CtoCサービスの事例
商品の売買からサービスの提供まで幅広いCtoCサービス。その一部をご紹介します。Yahoo!ショッピング
楽天市場、Amazonに次ぐ日本最大級のショッピングモール。2013年10月に出店料や販売手数料などの無料化を発表、2014年2月からは個人の出店申し込みの受付を開始。CtoC取引では「お金を支払ったのに商品が送られない」というトラブルが懸念されるが、Yahoo!ショッピングでは購入者が商品を受け取ってから代金が支払われるなど、安心して取引できるようなサービスが用意されています。LINE MALL (ラインモール)
無料通話・メールアプリで有名なLINEが展開するECモール。2014年3月から出品・販売に関する手数料の完全無料化を行ったことにより、個人が仕入れた商品や、自分で製作したハンドメイド商品などを販売しやすくなりました。coconala (ココナラ)
個人の「得意(経験・知識・スキル)」をオンライン上で売り買いできる、モノを売らないフリーマーケット。誰でも自分がオンライン上でできることを、1回500円のサービスとして出品でき、そのサービスを受けてみたい人は誰でも購入することができます。ロゴ作成・キャッチコピー作成などビジネス向けから、タロット占い・旅行プラン作成などプライベート向けなど幅広い内容を出品できるようになっています。TicketCamp (チケットキャンプ)
国内最大級のチケット売買サイト。個人間で音楽、フェス、スポーツなどの公演チケットを売買できます。チケットが届くまでチケット代金は事務局が預かるため、販売者も購入者もカード番号、金融機関口座情報を知らせたり管理したりする必要がなく安心です。mercari (メルカリ)
スマホで商品を撮影しすぐに出品できるフリマアプリ。ネットオークションに不安感を抱いているユーザーや、ブックオフやハードオフなどのリユース店を利用しているユーザー等をターゲットとし、路面のフリーマーケットのように手軽に個人間取引ができることを特徴としています。2014年3月末に14.5億円の増資を受けるなど、今後の期待値の高いサービスです。BtoCの小売業が取り組むべき戦略
盛り上がるCtoC市場に対し、ECサイトを展開する法人、小売はどのような手を打てばいいでしょうか。CtoCを自社サービスに取り込む
個人間取引の場合、「購入したのに商品が届かなかったらどうしよう」「不良品を買わされたら…」という不安を完全になくすことはできません。商品が手元に届くまで実物を見れないネットを介した売買ではなおさらです。法人格であるだけで、ある程度の信頼力を稼ぐことができます。BtoCサイトのなかにCtoCサービスを取り込むことで、販売する個人にも購入する個人にも「安心して売買できる場所」を提供することができ、オリジナルのBtoCサービスのユーザーを増やすきっかけにもできるのではないでしょうか。
例えば、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは無料でECサイトを作成できるSTORES.jpを運営するブラケットと組み、個人が簡単に商品を売れる「ZOZOMARKET」を開設。個人、法人、新品、中古を問わず出品が可能となっています。
複数商品を組み合わせた利用シーンを提案する
複数のブランド、多様な商品を一挙に取り扱えることが、自社でECサイトを展開する法人の強みの一つ。商品ごと、カテゴリごと、ブランドごとのページだけではなく、利用シーンに合わせて複数商品を組み合わせて提案してはどうでしょうか。ECサイトのトップページから各カテゴリや特集商品ページにリンクを飛ばす構成が多いなか、ニトリではリビングルームやベッドルームなどのトータルコーディネートを提案し、商品が生活空間にある様子を購入者がイメージできるようにしています。
リピーターを育てるシナリオを作成しPDCAを回す
CtoC向けサービスやASP型のショッピングモールでは、顧客属性の詳細情報を取得したり、パソコンやスマホなどチャネルを横断した消費者行動を追跡し分析することはできません。顧客を知るためのデータを収集し、データ分析に基づいて集客や客単価アップの施策を打つことができるのも、自社のECサイトを持っている企業にしかできない強みです。集めたデータの分析や実施した施策の効果測定には経験と知識が必要です。専用システムを活用することで、負担を減らしつつ効果的な施策を打つことができます。