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デジタルテクノロジーと実店舗の共存を目指して

最近ではEコマースの成長のスピードは目覚ましいものがありますが、実店舗はこれによって淘汰されてしまうのかというと必ず

しもそうではなく、むしろ適切なテクノロジーを利用して分析などをしっかりと行う事で、Eコマースと共存しながら互いにセールスアップ向上の効果をもたらすことも期待できるのです。

しかし、Saks Fifth AvenueやLord & Taylorなどのブランドをはじめ、カナダには自社デパートも展開しているHudson's Bay Companyのデジタルテクノロジー部門を取り扱うHBC Digitalの取締役マイケル・バーガス氏によると、その際には「買い物客が実際にお店を訪れる前の段階で携帯デバイスを使ってどのようなリサーチなどを行っているかを慎重に見極めることが必要になる」との事です。

現在では消費者の多くがオンラインで品定めや買い物をする時代になっており、実店舗側としては実際に店に足を運んでもらう事自体が難しくなっている状況です。前出のバーガス氏は最近行われた小売業界関連の会議の中で、The saks.comのサイト訪問者の数は同社の実店舗チェーン店全てを合わせた来店客数の10倍にも上るとも発表しています。

一方で、モバイル機器やサイトを閲覧してから店舗を訪れる買い物客は、そうでない通常の買い物客に比べて2~4倍ほど多くの額を買い物するというデータが出ています。

従って、小売業者としてはこの先「デジタルチャネル」と「人対人」の両方におけるカスタマーサービスを上手にミックスしたマーケティングが求められてくるのです。事実、バーガス氏は「オムニチャネルを通して消費者を取り込むことが出来ればより効果的なブランド戦略を行うことが出来るのです」と話しています。

実例として、SaksOFFfifth.comというディスカウントサイトが稼働してから1か月以内に、Saks OFF Fifthのアウトレット店舗においてサイトでプロモーションされた商品の売り上げが大幅にアップしたとの結果も出ています。つまり消費者がデジタルテクノロジーを通してブランドと初めに接点を持つことで、ひいては店舗でのセールスに好影響をもたらすということが分かっているのです。

また、Hudson's Bay Companyではサプライヤーと提携して商品情報の基準統一化などを実施するなど、データ収集・分析システムの改善に力を入れています。

最近のテストからは、スタッフが直接店内において口頭で情報を伝えていく場合に比べて、自動的にリアルタイムでおススメ情報をデバイスなどに送信する形で情報伝達を行った方が、より高額のセールスに結び付くという事が分かっています。つまり「アルゴリズム対人間」ではアルゴリズムに軍配が上がると言った構図です。

これらの事実を踏まえると、実店舗とデジタルショップの効果的な共存を実現するカギとなるのは、スタッフの意識をどのように導いていくかという点になります。例えば実店舗のあるエリアでオンラインショップを通して商品が購入された場合はその一部を実店舗の売り上げとして換算したり、会計で新規の顧客Eメールアドレスを入手するごとにスタッフに特別手当を支給するなどの工夫を凝らすなどといったアイデアも検討されているのです。

この記事はPhysical Stores Benefit from Digital-First Strategyの記事を海外小売最前線が日本向けに編集したものです。

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