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中国とアメリカが先導するグローバルEコマース

この2か月間で、世界のEコマースは歴史に残る大変重要な動きをみせました。

(引用元:ecommerce / melenita2012
これまでに、過去30年間における3大トレンドとして「グローバル化+中国の台頭」、「インターネット+Eコマース」、「世界規模での小売業に全ての面で影響を与えた供給チェーンにおけるテクノロジー進化」が挙げられ、またAmazonの創設者ジェフ・ベソスと、同じくAlibabaのジャック・マの両氏がこの動きに大きく関わっているという点はよく知られているところです。
AmazonとAlibabaはどちらも精巧に構築されたインターフェイスを活用している供給チェーン業者であり、商品展開・販売ターゲットとして中国に重きをおいて展開しており、
両社とも「多国籍企業」が市場と労働力を求めることによって、世界がグローバル化した「グローバライゼーション2.0」の申し子と言える存在なのです。

これ以外にも、今や中国の消費者は中国国内に留まらず、世界各国に出ていった上で海外の不動産へ投資をし、子供へ教育を受けさせ、世界規模でビジネスを展開しているといった傾向も見逃すことが出来ません。

従って、世界規模で事業を行う企業が中国市場において商品やサービスの販売を考える際には、マーケティングや販売を一体化した戦略を中国国内だけでなく世界規模において実施することが必要不可欠であり、この際にEコマースが中心的役割を担うのです。

ここ最近では「グローバライゼーション2.0」や、中国人をはじめとする世界的規模でのEコマースのグローバル化の影響を受け、小売業界や消費者傾向は大きく様変わりしてきています。まずはアメリカの百貨店チェーンMacy’sのニュースから見ていきましょう。

1)Macy’sはAlipay-Epassの採用により、全世界の小売業者ならびに販売業者が中国の消費者に対して商品販売、送品、さらにマーケティングまでも可能にしています。
現在Macy’sの他にもNeiman Marcus、Saks 5th Avenue、Bloomingdale’s、Ann Taylorをはじめとする多くの企業が中国市場へ直接参入しビジネスを展開しています。
2)中国の消費者へのセールス実績が上昇の一途をたどるMacy’sでは、今年の感謝祭パレードに中国をテーマとした山車を登場させています。

3)アメリカでは感謝祭の週末におけるEコマースセールス販売額が過去最高を記録しました。

4)中国最大のショッピング・デーである11月11日の「シングルズ・デー(Singles Day)」におけるオンラインセールス額は93億ドルを記録しましたが、これは2013年のアメリカのブラックフライデーとサイバーマンデーにおけるセールス総額を合わせた以上の数字です。

5)Alibabaは9月にテクノロジー分野における過去最大規模の株式新規公開を実施し、これにアメリカの小売関連業者が素早く反応を見せました。
このままいくとAlibabaの影響を受けて中国オリジナルのシングルズ・デー(Singles Day)の文化がアメリカ社会に持ち込まれる日も遠くないかも知れません。
6)インドのEコマース分野は販売総額150億ドルに達するなど急成長を遂げており、アフリカもEコマース市場として注目を浴びてきています。

AlibabaはじめとしてEPASS、TMALL、TaoBaoなどに代表される新興企業は、この先も世界規模のEコマースにおいて重要な役割を果たすことになるとみられ、まさにAlibabaを中心としたトレンドが世界のEコマースを大きく動かすという構図になりつつあるのです。
それでもアメリカは依然世界のEコマース勢力の半分を占めていることに変わりはありません。Facebook、Amazon、Google、Ebay、また国境の垣根を越えて商品の販売を可能にしたサイトBorderfreeなど、多くのアメリカの大手テクノロジー・小売販売業者が世界のEコマースにおいて躍進を遂げています。

従って、ここにきて中国とアメリカ両国におけるテクノロジー、消費者文化、人の流れといった要素が複雑に入り組んだ形で小売業界に変革をもたらしているのです。

将来的な世界規模でのEコマースの発展要素とは

1)中国が最新アイデアを駆使してオンラインビジネスに旋風を起こし続ける

2)アメリカは引き続き経済面とテクノロジー分野において世界最先端をリードする

3)ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、そしてその他のアジア諸国においてEコマースへの移行が継続される

4)「手ごろな価格で手に入る高級品」への需要はこの先も継続され、中国とアメリカを中心として国境を越えた大規模なオンライン商品販売が展開される

5)中国の消費者において、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパへの旅行、買い物、移住の嗜好は高まる一方となる

6)従来からのヨーロッパ製高級製品に加え、新たにアメリカ製品に対する人気度の向上

7)先ごろ発表された、中国・アメリカ間における10年間入国ビザの発給の影響

ここ数か月の出来事に加え、世界規模で活動をする中国人消費者やAlibabaの目覚ましい台頭、そして変わらぬ人気を誇るAmazonをはじめとするEコマース専門企業の勢いといったところを考えると、現在の状況というのは後々「Eコマースが本当の意味で国境を越えた」時期として振り返ることが出来るのかもしれません。そしてその背後には中国とアメリカという、世界有数の消費大国が大きく関係しているのです。
この記事はChina, U.S. Fuel The Rise Of Borderless E-Commerceを海外小売最前線が日本向けに編集したものです。