Bitcoinによってスマホ1つで食料品の買い物が出来る時代に
国際デジタル通貨「Bitcoin」は昨日過去2年間での最低値を記録したものの、ここに来てメディアの注目を少しずつ集めてきており、本日、本格流通化に向け更なる一歩を踏み出しました。
サンフランシスコに本拠を置きiPadを利用したPOSシステムを開発しているRevel Systems社は、今日、同社の提供する決済システムサービスをBitcoinに対応させることを発表しました。サンフランシスコの24番通りにある食料雑貨店Five Marketsはこの新型POSを採用した最初のビジネスの一つで、共同経営者の一人エベリン・フォング氏はBitcoinでの支払いが出来るこのRevel SystemsのPOSに早くから注目していました。
Revel Systemsの技術部門責任者のクリス・チバラ氏は、このシステムのプロセス自体は至ってシンプルであると話します。基本的には、利用する側とお店側の両方がBitcoinの「オンライン財布機能」であるCoinbaseにアカウントを開くだけで準備完了です。
実際に店舗で使用する際には、Bitcoinでの支払いを選択するとPOSシステム上にQRコードが現れ、利用者はこれをスキャンすることでCoinbaseのアカウントから支払い分が引き落とされて、そのまま販売側のアカウントに振り込まれるという形になります。このシステムでの支払いには1分もかからず、利用後には支払い確認のEメールが利用者、販売者双方に送られてきます。
このBitcoinは、同じくサンフランシスコのThe Cup and Cakes bakeryなどの一部の小売店舗でもすでに導入されており、システム自体は「Bitpay」のような決済用ゲートウェイによって作られたアプリによって作動する仕組みとなっています。
チバラ氏によると、同社のサービスを利用する企業およそ30社とオンライン上でのBitcoin利用者の一部からの強い要望を受ける形で、約1ヶ月をかけてこの店舗用POSシステムの開発・導入を実現させたということです。この他にもサンフランシスコ内ではピザ屋をチェーン展開するPizza Patronがこのシステムを採用しています。
Bitcoinをオンライン財布機能を使って支払いに利用する方法は他にもありますが(請求書をEメールで送るなど)、チバラ氏は現行のテクノロジーを活用したQRコードが最も素早くシンプルな方法であるとし、「このシステムでは他の方法に比べて支払いにおける処理段階が少なくて済み、処理スピードも格段に早くなっています。」と述べています。
この処理スピードはBitcoinシステムでは直接「データ処理費用」に反映されてくるため特に重要です。
またチバラ氏によると、Bitcoinを使用する際に100万ドル以内の支払いであればサービス利用料は無料ということになり、例えばクレジットカードなどでは支払いの度に利用総額の一定の割合が使用料としてチャージされることを考えると、これは特筆すべき大きな違いです。
またチバラ氏はBitcoinのセキュリティは大変充実しており使用環境内での悪用が難しいことを考慮しても、このデジタル通貨での買い物をさらに一般化させていきたいと話します。
そのためにも、スマホを使った支払いが可能であるという点は大きなプラスです。前述のFive Markets経営者フォング氏も、利用客のうち90%以上がスマホ利用者であるため、Bitcoinがスマホ対応であるということでより手軽にこのシステムを利用できるようになっていると話します。
さらにここで注目したいのは、Five Marketsは取り扱い商品の数も限られた、顧客の離反率も高いごく一般的な食料雑貨店だという点です。
BitcoinとしてはTarget や Walmartといった業界大手との提携を視野に入れた展開を念頭に置いていますが、Bitcoin自体がまだ比較的歴史の浅いこれからのデジタル通貨ということもあり、まずは小規模ビジネスへの進出から始めているのが現状です。
加えて、過去2年間の間には市場価値が飛躍的に上昇したこともありましたが、最近は下降の一途をたどる価値変動の流れを見る限り、Bitcoinにおいてはその通貨価値の上下変動の大きさが不安材料となっています。
これに関しては先述した通り、Bitcoinは昨日過去2年間の最安値を記録しましたが、これには東京に本拠を構える最大規模のBitcoin 取引所、Mt. Goxの詐欺疑惑問題に関連しています。
また双子のウィンクルボス兄弟などの投機家の一部グループもBitcoinを取り巻く環境を複雑なものにしています。Bitcoinマーケットに参戦した同兄弟は積極的な勢力拡大を展開し通貨の需要を急速に高めており、流通量の少ないBitcoinにおいて価格高騰の原因となる平均決済数もすでに上昇を始めています。しかしながら、実際のところこれらの決済内容のほとんどはこのデジタル通貨の購入・売却といった投機活動に限られているのです。
それでも今回のRevel Systems参入という事実は、このBitcoinが本物の通貨同様に見なされているという状況の確固たる裏付けとして考えることができます。前出のチバラ氏は今日の発表を機に決済利用数もさらに上昇すると予想しており、その理由として最新のテクノロジーを利用して食料品の買い物が出来るという「目新しさ」を挙げています。
ただこの「目新しい」システムにも留意すべき点がいくつかあり、例えば決済の流れはシンプルでも実際の仕組みはかなり複雑なものになっているのです。
具体的にはBitcoinは公的機関よるバックアップが得られないため、利用する販売者側としては売り上げとして得たBitcoinをドルに換える際に、利益を最大限にまで増やしたりリスクを減らしたりする工夫を凝らすことになります。Five MarketsのケースではRevel POSシステムがCoinbaseを通してBitcoinをその場でドルに変換するように設定されていますが、設定を変えることで特定の時間帯に変換させることも可能で、これによって投機的な利用の仕方も可能になるのです。
この場合は、システム自体が「サーキットブレーカー(投資者を急激な価格変動から守る取引一時中断措置)内蔵のデイトレードシステム」のような形で機能することになります。
したがって、チバラ氏の言葉を借りると「ドルへの変換時にさらなる利益を求めてどれほどリスクを取るかは各経営者の判断によるところ」となります。
サンフランシスコに本拠を置きiPadを利用したPOSシステムを開発しているRevel Systems社は、今日、同社の提供する決済システムサービスをBitcoinに対応させることを発表しました。サンフランシスコの24番通りにある食料雑貨店Five Marketsはこの新型POSを採用した最初のビジネスの一つで、共同経営者の一人エベリン・フォング氏はBitcoinでの支払いが出来るこのRevel SystemsのPOSに早くから注目していました。
Revel Systemsの技術部門責任者のクリス・チバラ氏は、このシステムのプロセス自体は至ってシンプルであると話します。基本的には、利用する側とお店側の両方がBitcoinの「オンライン財布機能」であるCoinbaseにアカウントを開くだけで準備完了です。
実際に店舗で使用する際には、Bitcoinでの支払いを選択するとPOSシステム上にQRコードが現れ、利用者はこれをスキャンすることでCoinbaseのアカウントから支払い分が引き落とされて、そのまま販売側のアカウントに振り込まれるという形になります。このシステムでの支払いには1分もかからず、利用後には支払い確認のEメールが利用者、販売者双方に送られてきます。
このBitcoinは、同じくサンフランシスコのThe Cup and Cakes bakeryなどの一部の小売店舗でもすでに導入されており、システム自体は「Bitpay」のような決済用ゲートウェイによって作られたアプリによって作動する仕組みとなっています。
チバラ氏によると、同社のサービスを利用する企業およそ30社とオンライン上でのBitcoin利用者の一部からの強い要望を受ける形で、約1ヶ月をかけてこの店舗用POSシステムの開発・導入を実現させたということです。この他にもサンフランシスコ内ではピザ屋をチェーン展開するPizza Patronがこのシステムを採用しています。
Bitcoinをオンライン財布機能を使って支払いに利用する方法は他にもありますが(請求書をEメールで送るなど)、チバラ氏は現行のテクノロジーを活用したQRコードが最も素早くシンプルな方法であるとし、「このシステムでは他の方法に比べて支払いにおける処理段階が少なくて済み、処理スピードも格段に早くなっています。」と述べています。
この処理スピードはBitcoinシステムでは直接「データ処理費用」に反映されてくるため特に重要です。
またチバラ氏によると、Bitcoinを使用する際に100万ドル以内の支払いであればサービス利用料は無料ということになり、例えばクレジットカードなどでは支払いの度に利用総額の一定の割合が使用料としてチャージされることを考えると、これは特筆すべき大きな違いです。
またチバラ氏はBitcoinのセキュリティは大変充実しており使用環境内での悪用が難しいことを考慮しても、このデジタル通貨での買い物をさらに一般化させていきたいと話します。
そのためにも、スマホを使った支払いが可能であるという点は大きなプラスです。前述のFive Markets経営者フォング氏も、利用客のうち90%以上がスマホ利用者であるため、Bitcoinがスマホ対応であるということでより手軽にこのシステムを利用できるようになっていると話します。
さらにここで注目したいのは、Five Marketsは取り扱い商品の数も限られた、顧客の離反率も高いごく一般的な食料雑貨店だという点です。
BitcoinとしてはTarget や Walmartといった業界大手との提携を視野に入れた展開を念頭に置いていますが、Bitcoin自体がまだ比較的歴史の浅いこれからのデジタル通貨ということもあり、まずは小規模ビジネスへの進出から始めているのが現状です。
加えて、過去2年間の間には市場価値が飛躍的に上昇したこともありましたが、最近は下降の一途をたどる価値変動の流れを見る限り、Bitcoinにおいてはその通貨価値の上下変動の大きさが不安材料となっています。
これに関しては先述した通り、Bitcoinは昨日過去2年間の最安値を記録しましたが、これには東京に本拠を構える最大規模のBitcoin 取引所、Mt. Goxの詐欺疑惑問題に関連しています。
また双子のウィンクルボス兄弟などの投機家の一部グループもBitcoinを取り巻く環境を複雑なものにしています。Bitcoinマーケットに参戦した同兄弟は積極的な勢力拡大を展開し通貨の需要を急速に高めており、流通量の少ないBitcoinにおいて価格高騰の原因となる平均決済数もすでに上昇を始めています。しかしながら、実際のところこれらの決済内容のほとんどはこのデジタル通貨の購入・売却といった投機活動に限られているのです。
それでも今回のRevel Systems参入という事実は、このBitcoinが本物の通貨同様に見なされているという状況の確固たる裏付けとして考えることができます。前出のチバラ氏は今日の発表を機に決済利用数もさらに上昇すると予想しており、その理由として最新のテクノロジーを利用して食料品の買い物が出来るという「目新しさ」を挙げています。
ただこの「目新しい」システムにも留意すべき点がいくつかあり、例えば決済の流れはシンプルでも実際の仕組みはかなり複雑なものになっているのです。
具体的にはBitcoinは公的機関よるバックアップが得られないため、利用する販売者側としては売り上げとして得たBitcoinをドルに換える際に、利益を最大限にまで増やしたりリスクを減らしたりする工夫を凝らすことになります。Five MarketsのケースではRevel POSシステムがCoinbaseを通してBitcoinをその場でドルに変換するように設定されていますが、設定を変えることで特定の時間帯に変換させることも可能で、これによって投機的な利用の仕方も可能になるのです。
この場合は、システム自体が「サーキットブレーカー(投資者を急激な価格変動から守る取引一時中断措置)内蔵のデイトレードシステム」のような形で機能することになります。
したがって、チバラ氏の言葉を借りると「ドルへの変換時にさらなる利益を求めてどれほどリスクを取るかは各経営者の判断によるところ」となります。
この記事はUse Your Smartphone To Buy Groceries. In Bitcoins.をOrange Blogが日本向けに編集したものです。