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データ統合とは?方法からおすすめツール・プラットフォームまで解説

「データ統合ってなんだろう。わが社もやったほうがいいのかな。」

とお悩みの方。

データ統合とはツールやプラットフォームを使って社内のデータを「整えて・まとめる」ことです。

これによりデータを起点とした経営やマーケティングが実現し、確度の高い打ち手を生み出しやすくなります。

しかし、ITの分野は専門用語が多くて難しそうに感じますよね。

そこでこの記事では以下の順に、データ統合についてわかりやすく噛み砕いて解説します。
  • データ統合とは何か?
  • データ統合のメリット
  • データ統合の方法
  • データ統合の大まかな流れ
  • 導入事例があるデータ統合プラットフォーム
横文字はよくわからないと思っている方も、ざっくりと説明しますので、この記事でデータ統合の大まかな概要からつかんでいきましょう。

データ統合とは何か?

データ統合とは、複数のデータソースから収集したデータをまとめて、1つのデータベースにまとめることです。

これにより、データの見える化が進み、より正確な分析が可能になります。

データ統合の使用目的には、ビジネス上での意思決定や顧客関係管理(CRM)、企業のリソース管理(ERP)などがあります。

企業における複数のデータソースから収集した情報をまとめることで、より正確な情報を得ることが可能に。これにより、営業、マーケティング、経理など様々な部署でデータをもとにした改善が可能です。

データ統合のメリット

データ統合のメリットには、以下のようなものがあります。
  • セマンティック統合によって正確かつ効率的に情報を管理できる
  • データベースのサイズが小さくなり、情報を見つけやすくなる
  • 経営、マーケティングなど実務へのデータ活用が進む

セマンティック統合によって正確かつ効率的に情報を管理できる

セマンティック統合により、異なるデータソースから得られた情報の形式をそろえることができます。

セマンティック統合とは、別々のデータソースが持っている同じデータを1つにまとめることです。

例えば同じ「2023年1月1日」の問い合わせデータでも、部署によって「2023/01/01」「01/01/2023」「2023 – 01 – 01」と形式が違うと、それが同じデータであると判別しにくくなります。

そこでセマンティック統合によって情報をまとめることで、データが重複せずに済むのです。

データベースのサイズが小さくなり、情報を見つけやすくなる

データ統合により、データベースのサイズが小さくなり、情報を見つけやすくなるメリットもあります。

データの検索や分析の効率が向上するので、データを使った定量的な意思決定が進みやすくなるのです。

経営、マーケティングなど実務へのデータ活用が進む

データ統合により、顧客やビジネスに関する洞察力が向上して、より良い意思決定を下すことができます。

活用できるデータが多ければ多いほど、状況を正確に把握できるため、意思決定の質は向上します。

経営やマーケティングなど、異なる領域で同じデータを活用して、さらに実務からデータを得ることで、よりビジネスが発展しやすくなるのです。

データ統合の方法

データ統合の方法には、大まかに分けてETLやAPI、クラウドを使用する方法があります。

それぞれ以下で解説します。

ETLとは

ETLはExtract(抽出)、Transform(変換)、Load(読み込み)の略で、最も一般的なデータ統合手法です。
ETLは、異なるデータベースやアプリケーションからのデータを抽出し、変換し、最終的に別のデータベースに統合します。

ETLで統合されたデータはビジネスインテリジェンス(ビジネス上の意思決定)やデータウェアハウス(データが集まる倉庫のような場所)などによって使用され、ビジネスの課題を解決するために役立ちます。

実際にETLでデータ統合を実装する場合は、ETLツールを用いて行うことがほとんどです。

APIとは

API(Application Programming Interface)は、異なるシステム間をつないで、データをやり取りできるようにするためのものです。
APIは、アプリケーションやサービスの開発者が、それらを他のアプリケーションやサービスと連携させるために提供します。

APIを使用することで、異なるアプリケーションやサービスを統合し、データを共有したり、新しいアプリケーションを開発できます。


クラウドとは

最近では、クラウドサービスを使用したデータ統合も注目されています。

クラウドサービスは、インフラやアプリケーションを提供するプロバイダが管理し、利用者はインターネット経由でアクセスすることができるサービスです。

クラウドというと具体的にはAmazonのAWS(アマゾン ウェブ サービス)やMicrosoftのAzure(アズール)などがあります。

クラウドサービスは、低コストで最新のセキュリティが備わった環境が利用できるのがメリットです。

データ統合の大まかな流れ

ここからはデータ統合の大まかな流れを以下の順で紹介します。
  1. 今あるデータを評価する
  2. データを整形する
  3. データをまとめる

1. 今あるデータを評価する

データ統合を1から始める場合、まずは今あるデータを評価します。それぞれのデータの構造や内容を把握することが大切です。

データの構造とは、エクセルの表のように見出しがあるテーブルとして構造化されているかどうかを指します。

逆に動画や画像、音声データなどは非構造化データとして分類しましょう。

またデータの内容をチェックするさいは、複数のデータがそれぞれ同じ粒度に揃っているかなどを精査します。

具体的には「地域」という見出しに対して、以下のような状態ではデータとして活用しにくいです。
  • データAでは「北海道、東京、大阪…」のように都道府県が内容として入っている
  • データBでは「練馬区、渋谷区、多摩市」のように市区町村が内容として入っている

2. データを整形する

次に、データどうしが同じ内容、構造になるようにデータを整形します。

誤字脱字などちょっとしたミスも含めて、データの形式を整えます。

3. データをまとめる

最後にデータを1つのプラットフォームにまとめて、誰でも利用しやすい環境を用意します。

こうしてデータ統合が完了した後も、データの一貫性や信頼性を維持するためのメンテナンス作業を定期的に行うことが必要です。

データ統合の課題

データ統合の課題として、大きく分けて3つあります。

データの漏れやダブりを精査するコスト

データの漏れやダブりの解消は、データの品質を担保するために必要な作業です。

そこで不要なデータや重複したデータを取り除く「データクリーニング」をすることでデータベースのサイズを縮小し、データの信頼性を向上させます。

しかし、場合によっては手作業で確認や修正をする必要があるなど、コストがかかるのが課題です。

データ統合の専門知識を持つ人材の不足

データ統合では、異なるデータベース間でのデータのやり取りなど、専門知識を必要とする作業が少なくありません。

例えば、異なるデータベース間でのデータの構造を調整するような、社内のデータを広い目で見て統合していける人材が必要です。

プライバシーやセキュリティ上の問題

データ統合によって、プライバシーやセキュリティー上の問題が発生することもあります。

例えば、個人情報を含むデータを統合する際には、それらのデータが適切に取り扱われるようにするために、プライバシー保護に関するルールや規約を作ることが重要です。

また、データ統合の過程で発生するセキュリティー上の問題も慎重に取り扱う必要があります。

そのため、データ統合をする際には、プライバシーやセキュリティーに関する課題を適切に取り扱うために、必要な技術や知識、適切なツールを用いることが重要です。

また、法的な問題や制限にも十分に配慮しながら、データ統合を行うことが必要です。

導入事例があるデータ統合プラットフォーム

データ統合プラットフォームの中で導入事例があるものには、以下のようなサービスがあります。

【b→dash】
  • 特徴:コードを書かずに「データの取込・加工・統合・抽出・活用」を実現できる
  • 事例:ダスキン、松屋、キリンなど
【trocco】
  • 特徴:「日本発」の分析基盤向けデータ統合自動化サービス
  • 事例:メルカリ、大阪ガス、明光義塾など
【Amazon Redshift】
  • 特徴:機能と料金のバランスがよく、コストパフォマンスに優れている
  • 事例:NTTドコモ、ピエトロなど
さらに詳しくは「データウェアハウスとは。データマート、マイニングとの違いから製品まで」で紹介しているので、これからデータ統合を検討している方はぜひご一読ください。

データ統合を実現して、情報を活用した戦略づくりを

ここまでデータ統合について、概要から具体的なプラットフォームまで紹介しました。

データ統合は、ビジネスにおいて重要な役割を担うため、適切な手法やツールを選ぶことが大切です。

データはただ持っているだけでは使えません。適切な形式に整えて、1つにまとめることではじめて売上アップへの戦略につながるのです。

企業の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われていましたが、今では「情報」も企業にとって1つの大きな資源といえます。

これからデータ統合を進めていきたい方は、まず自社にはどのようなデータがあるのか洗い出すことからはじめてみてください。

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