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世界各国におけるデジタル経済の成長スピードを比較

2014年におけるデジタル経済の発達を見る際に、成長の度合いや勢いといった点は国によって大きな違いがあったことが

分かります。成長度上位7か国は、購買能力においてはG7諸国を上回る規模であり、アジア太平洋地域におけるオンライン購入額は今後アメリカ・カナダを凌ぐものになると予想されています。つまりEコマースで成功するには、現在どの地域や国が最も勢いがあるかといったところをしっかりと見極める必要があるのです。

最近ではEコマースにおける変化の波は中国やアジア諸国に留まりません。例えばドイツの企業であるRocket Internetは様々な最先端のマーケットに対応するべくEコマース用スタートアップの開発を進めており、「アメリカと中国でのマーケット以外で世界最大のインターネットプラットフォームを構築する」を合言葉に急速に成長を遂げています。この他にもJumiaはアフリカ大陸9か国で、Namshiは中東、LazadaとZaloraはアセアン諸国、Jabongはインド、Kaymuはアフリカ、アジア、ヨーロッパ、中東の33か国のマーケットを対象に、中国のAlibabaや アメリカのAmazonのような存在となるべく積極的に事業を展開しています。

Rocket Internet logo
Alibaba

またEコマースに対する投資状況は、アメリカ・カリフォルニアのシリコンバレーにおいてテクノロジー業界が急成長を遂げた時代を思わせる勢いで、例えばインドのEコマース業界には2014年夏季だけで30億ドルが投資されました。ちなみにインドにおいてはFlipkartやSnapdealといったローカル企業に加え、200社近くに及ぶデジタルスタートアップ企業が参入しています。

また、インド国内でのオンライン販売はCOD(現金着払い)での決算が大半を占めており、クレジットカードやPayPalはほとんど利用されていません。インド中央銀行の発表によると、商品購入時に現金が使われる割合は実に90%にも上るという事が分かっています。

インドに限らずインドネシアやコロンビアでも商品購入時にこのように現金での支払いを行う頻度は高くなっており、この状況を受けて、Amazonも現金着払いによる販売サービスを開始しています。

ところが、こういった国においてもデジタル小売販売の流れは着実に押し寄せており、Nimbleに代表されるようにEコマース企業の多くが「現金支払い」の主流に加えてその他の支払い方法にも対応したシステムの開発普及を行っています。

このような世界規模での変化を把握するために、先ごろ各国におけるデジタル経済発達度を示すインデックス(指標)が開発されました。

アメリカのタフツ大学がクレジットカード会社の協力を得て作成したこのインデックスは以下の4つの要因から構成されています。

1.供給サイド(交通アクセス、管理倉庫、インフラなど)
2.需要サイド(消費者行動の傾向やトレンド、インターネットやソーシャルメディアに対する熟練度など)
3.イノベーション関連(テクノロジーや資金繰りシステム、ネガティブ要因の有無、新興企業マインドの実践など)
4.法令・制度(ビジネスと政府との関係、デジタル販売の宣伝システムならびに各種法律)

このインデックスには、インターネットユーザーの数で現在世界有数の主要国であるか、もしくはこの先ユーザー数が大幅に伸びてくる国であると予想される50か国のランキングが掲載されています。

今回のインデックス作成に伴うリサーチでは、デジタル販売マーケットへの対応を迅速に実施できている地域とそうでない地域を把握することを目指しました。その結果、予想通りアジアやラテンアメリカ諸国といった途上国において、社会全体の経済発展に伴う形でデジタルマーケット対応の動きが活発化していることが分かっています。

その一方で、シンガポールとオランダのケースなどは注目に値する傾向を示しています。両国ともデジタル販売マーケットでは世界トップ10に入っているものの、2008から2013年の間での成長度合いを考える時にはこの2か国の間には大きな隔たりがあるのです。

まずシンガポールですが、この国では特に公共機関と一般企業がパートナーシップを結びながら着実にワールドクラスのデジタル販売システムが整備されてきており、その勢いはとどまるところを知りません。このように常に巨額の投資が実施されているシンガポールは、スタートアップやベンチャー企業にとっては大変魅力的な国と言えます。

その一方でオランダでは一時の勢いは完全に失われています。特に2010年下半期に政府が実施した財政緊縮政策のあおりを受けてデジタル小売業界への投資額が激減し、消費者の購買意欲も停滞する状況に見切りをつけた投資家が国外に目を向け始めた事が大きく響いています。

さて、2008年から2013年の間におけるインデックス値に基づいて、対象50か国を4つのカテゴリーにグループ分けすると以下の様になります。

カテゴリー1)デジタル小売販売において発展がめざましく、今後もコンスタントに成長が見込まれるグループ。

カテゴリー2)過去には大きな発展を見せたもののすでに現在は勢いが衰えており、この先も成長度合いは下降線をたどるとみられるグループ。

カテゴリー3)現在のインデックス値は低いものの、この先カテゴリー1への到達も見込まれるなど、将来的に大きな発展を遂げる可能性を秘めたグループ。

カテゴリー4)まだまだ多くの課題を抱えつつも可能性は感じさせる国。インデックス値は低いものの、一時しのぎ的な手段、もしくはより効率的なシステム開発などのちょっとしたきっかけで上昇気流に乗る可能性があるグループ

カテゴリー3に分類されるインド、中国、ブラジル、ベトナム、そしてフィリピンではデジタル化が急速に進んできていますが、この先さらに一段階上の成長を遂げるのは一筋縄ではいきません。具体的には供給ラインの効率を上げて、より洗練されたサービスを求める国内の消費者の需要に応えられるシステムを構築することが不可欠となってきます。

カテゴリー4に含まれるインドネシア、ロシア、ナイジェリア、エジプト、そしてケニアにおいては、関連制度全般の整備や業界自体が積極的な姿勢を持つことなどの基本的かつ重要な課題を克服する必要があります。

ただし、これらの国は比較的人口が多いといった注目すべき特徴があります。そのため企業や投資家にとっては魅力的なマーケットなのですが、まずは先ほど触れたように関連制度の確立やインフラの整備といった点を手掛けることから始めなくてはなりません。

言い換えれば、これらの課題を克服出来ればこういった国々では様々なリソースを活かして生産性を大きく向上させることも可能になってくるのです。

一方、成長が滞っているカテゴリー2グループには北西部ヨーロッパ諸国、オーストラリア、そして日本が含まれます。これらの国が再び勢いを取り戻すにはカテゴリー1の国が実践しているポイントを参考にして、最新テクノロジーへの投資を強化しながら常に国外のマーケットに目を向けるということがカギとなります。また、カテゴリー2グループ諸国にとっては、若くて才能あふれる移民を積極的に受け入れることで最新システム発達において一時期の勢いを取り戻すことも期待できます。

最後に将来的な見通しについて考えると、この先新しくオンライン小売販売を利用し始める消費者はモバイル機器を通して商品購入をするケースが大半になると予想されますが、こういった動きはEコマース業界の基盤を築き上げた初期段階の状況とは大きく異なります。

また、引き続き国境を越えたマーケティング競争はますます盛んになり、経済の勢いが衰えてきているヨーロッパにおいても、Rocket Internetの例にみられるように企業レベルでは世界規模で成長著しいマーケットに照準を絞る事でこの先も成長を続けることは十分可能です。

そして新興国において立ち上げられたAlibabaなどの大手企業は、これまでとは違ったマーケットにターゲットを変えて新しくブランド戦略を展開し、老舗のAmazonやGoogleは新規マーケットの開拓と新商品の発掘に活路を見出すことになるとみられます。

世界経済はこの先も我々の想像を超えた形で発展を遂げることになるのは間違いなく、オンライン販売を利用する消費者もそれに大きく影響を受けることになります。従って企業としてはこの変化のスピードに取り残されることなく、新規マーケットとして開拓しようとする国における関連制度やインフラにおける問題点などを速やかに解決してくことが求められてきます。

確かにこれからは全てがデジタル化されていく世の中ですが、発展のスピードは地域によって異なってくるため、それぞれの状況に合わせて対応していくことが大切であるという事を忘れないようにしたいものです。

この記事はWhere the Digital Economy Is Moving the Fastestの記事を海外小売最前線が日本向けに編集したものです。

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