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携帯スクリーンを「見る」から「スワイプする」時代へ

最近ではEコマースでのショッピングは普通のショッピングモールなどで買い物をするのと変わらないくらいに簡単なものとなっています。そして今後はモバイルコマースが一般化することになるとみられ、それに伴ってスクリーンを「スワイプする」動作が主流となってきます。


一般的には、映画の戦闘シーンなどでもカメラは左から右へとロールするのが普通で、英語を読むときも同様に左から右へ読みます。また時系列を考える際にも左から右へ向かって時間が経過していき、右へ行くほど最近の出来事であるという感覚を持つ場合がほとんどだと思います。

しかし、これは西洋的な考え方で、アラブ諸国では右から左に読むため、基本的にはモノの見方や感じ方が全く逆だとも言えるのです。もしかしたら世の中の見方としてのこの点における決定的な差が、イスラム教とキリスト教がなかなか相容れない一つの大きな要因となっているのかも知れません。





さて、デート専用アプリTinderを利用する際にも、誰かを「好き」と登録する際には左から右にスワイプしますが、これも感覚的にそうすることが我々の体の中に染み込んでいる事実に基づいています。つまり、このアプリを使ってデート相手を見つける際に、ユーザーが感覚的に違和感なく利用できれば、実際のデートも上手くいくような気になるという訳です。


近年Eコマースを凌ぐスピードで急成長を続けるモバイルコマースは小売業界においてその存在感を増しており、Tinderなどで採用されているこの「感覚を大切にしたアプローチ」は、モバイルショッピングの成功の上で欠かすことが出来ません。

例えばロンドンに本拠を置くファッションサイトStylokoのアプリでは、複数のデバイスを通してこれでに検索・購入された商品を記憶した上で、従来のようにひたすらページ上のボタンをクリックしながら自分が欲しい商品を探すのではなく、スクリーン上に以前興味を持ったり実際に購入した商品に近いスタイルが紹介されるたびに、右(自分のお気に入りとしてセーブする)または左(興味なしとしてゴミ箱行き)にスワイプしながら自分オリジナルのデータベースを作り上げることが出来るのです。

「現代社会で暮らす我々は、1日の半分以上モバイル機器を使用しているのが現状です。従って、モバイル機器には素早く簡単に使えるインターフェイスを採用しその場でデータをセーブしておき、最終的な決断は後で行うような仕組みが現実的なのです。」とはStylokoのCEO、シャノン・エドワーズの弁です。

ところが、このシステムにはただ単にスワイプして欲しい製品を見つけるというだけではなく、顧客データの収集を可能にするというところにポイントがあるのです。

このように顧客データの収集に力を入れている例としては、同じくロンドンに本拠を置くOmetria社が挙げられます。2013年に設立された同社は、Eコマースの分析を専門とし、オンライン小売業者がより質の高いカスタマーサービスの提供とセールス向上を実現させるためのビジネスモデル構築をサポートしています。
Ometria社のCEOイバン・マゾール氏も「Tinderのスワイプ機能のような最新のユーザーインターフェースは、ただ単にユーザーの利用しやすさのみを追求している訳ではありません。実は消費者の貴重なデータを収集する上で大変有効なのです。こうして得られたデータを活用することで、企業としては各個人消費者の嗜好を統計として把握することが出来、それぞれに適した商品のみを表示していくことが出来るのです。」と話します。
これらをまとめると、デート専門アプリから始まった「スクリーン・スワイプ」システムは、ユーザーの行動傾向に関するデータ収集における利便性から注目を受け、今後も幅広い分野で普及していくことになるとみられており、その結果、ショッピングやデート相手探しなどを携帯で簡単便利に行える時代になるのです。


この記事はFashion apps continue the trend for mobile swipingの記事を海外小売最前線が日本向けに編集したものです。