ZOZOTOWNに「しまむら」初のネットショップ開設。しまむらEC参入の狙いと背景とは
「ZOZOTOWNにしまむらが出店したらしいけど、狙いはなんなんだろう…」
と思っている方。
2018年7月9日、衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営する株式会社しまむらは、初のオンラインショップ「ファッションセンターしまむら ZOZOTOWN店」をオープンしました。
しまむらが経営する「ファッションセンターしまむら」は、8,000世帯の小さな商圏で約3億3,000万円を売り上げる店作りを推進。
アパレル専門店として国内では「ユニクロ(UNIQLO)」のファーストリテイングに次ぐ売上高5,651億円(2018年2月期)の事業規模でありながら、EC(オンラインショップ)への参入には二の足を踏んでいました。
なぜこのタイミングでEC事業に進出したのでしょうか。
この記事では、
アパレルやEC市場は変化が激しくハードルが高く感じるかもしれませんが、概要を押さえるだけなら難しくありません。
まずはこの記事で、しまむらのEC参入について大まかにおさえましょう!
その理由は、
しまむらの経営上の強みは、
また、ECを導入することで出荷や宅配のコストが発生し、店舗で商品を販売するよりも高コストになってしまう可能性があります。
ECを導入すれば、お客さま1人ずつへの個別配送が必要ですが、しまむらの配送を担う商品センターにはその機能がありません。
なぜなら、しまむらでは商品の仕分けや値札付けなどをコストの安い海外で実施しています。海外で船積みされたコンテナは、国内の商品センターでお店ごとに商品を振り分けて配送するという、シンプルな仕組みで低コストの配送を実現してきました。
ECを導入するには、その配送システムを根本から見直す必要があったのです。
しまむらは商品の仕入れに関して、各メーカーの不良在庫を格安で仕入れてきて低価格で販売する手法をとっています。このやり方は、商品が売切れても追加仕入れをしない「ひとまき投入型」と呼ばれており、必要以上にお店が在庫を抱える必要がない点がメリットです。
しかし、ECの注文を想定して在庫を抱え込むことになると、この仕入れスタイルが機能しなくなる恐れがあります。
続いては、しまむらがZOZOTOWNへ参入した目的と背景についてお伝えします。
これまで、地方のロードサイドを中心に店舗を展開していたしまむらは、
今回ZOZOTOWNへ参入することで、顧客に場所と時間の制限を受けずにショッピングを楽しんでもらうことが可能です。
これまでしまむらは、20代~50代の主婦やファミリー層をターゲットとしていました。
今回のZOZOTOWNへの参入は「広告宣伝の一環という意味合いもある(しまむら企画室より)」としており、「都心部で働く女性」など新たな客層を開拓する狙いがあります。
ZOZOTOWNのストアでは、新たなターゲットに合わせた高品質・高機能のプライベートブランド「CLOSSHIシリーズ」をリリースし、最新のトレンドファッションアイテムを販売中です。
しまむらは2020年2月期までに、自社ECサイトの開設を計画しています。まずはECモールに出店することで、自社ECサイトを運営するためのノウハウを獲得する狙いです。
次は、しまむらが持っているこれからのEC戦略についてお伝えします。
「店舗受け取り型のEC」とは、顧客がスマホからアプリを使って、気になった商品を最寄りの店舗へ取り寄せできるもの。通常の取り寄せは2週間程度かかりますが、アプリを使えば1週間以内に取り寄せができます。
このECが一定のボリュームに達すれば、本格的な自社ECサイトの運営も検討していくとのことです。
また、しまむらは2012年から中国を中心とした海外展開も進めており、上海では「飾夢楽」の店名で45店舗、台湾では「思夢樂」の店名で11店舗を展開。2017年から中国の大手通販モール「天猫(Tモール)」に出店し、認知拡大を図っています。
しまむらは事業規模で考えると「もっと早くからECへ参入してもおかしくない」レベルでしたが、参入をためらっていた理由は
しまむらはこれまで徹底した低コスト経営を実践してきたため、新たなECシステムに対応するうえでのコスト増が懸念となっていました。
しかし、「新たな客層を開拓していくためにもECの導入は必要」との考えからZOZOTOWNへの参入を決めています。今後はZOZOTOWNでの出店からECサイトのノウハウを学び、自社ECサイトの運営を実現するはずです。
しまむらのEC市場における今後の動向に、注目が集まっています。
と思っている方。
2018年7月9日、衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営する株式会社しまむらは、初のオンラインショップ「ファッションセンターしまむら ZOZOTOWN店」をオープンしました。
しまむらが経営する「ファッションセンターしまむら」は、8,000世帯の小さな商圏で約3億3,000万円を売り上げる店作りを推進。
アパレル専門店として国内では「ユニクロ(UNIQLO)」のファーストリテイングに次ぐ売上高5,651億円(2018年2月期)の事業規模でありながら、EC(オンラインショップ)への参入には二の足を踏んでいました。
なぜこのタイミングでEC事業に進出したのでしょうか。
この記事では、
- しまむらがこれまでECへ参入しなかった理由
- しまむらがZOZOTOWNへ参入した目的と背景
- EC化に対するしまむらの取り組み
アパレルやEC市場は変化が激しくハードルが高く感じるかもしれませんが、概要を押さえるだけなら難しくありません。
まずはこの記事で、しまむらのEC参入について大まかにおさえましょう!
しまむらがこれまでECへ参入しなかった理由
先にお伝えした通り、これまでしまむらは十分な事業規模がありながらもECを導入していませんでした。その理由は、
- 低コスト経営との相性が悪い
- ECに対応した配送システムが整っていない
- 強みとしている仕入れスタイルを失う恐れがある
1. 低コスト経営との相性が悪い
1つ目の理由が、しまむらが強みとする低コスト経営との相性が悪いことです。しまむらの経営上の強みは、
- 安い商品をたくさん売る「薄利多売」の戦略をとっている
- パート主体で運営しているため、人件費の負担が軽い
- 土地の値段が安い地方に店舗を構えているため、固定費が安い
また、ECを導入することで出荷や宅配のコストが発生し、店舗で商品を販売するよりも高コストになってしまう可能性があります。
2. ECに対応した配送システムが整っていない
2つ目の理由が、ECに対応した配送システムが整っていないことです。ECを導入すれば、お客さま1人ずつへの個別配送が必要ですが、しまむらの配送を担う商品センターにはその機能がありません。
なぜなら、しまむらでは商品の仕分けや値札付けなどをコストの安い海外で実施しています。海外で船積みされたコンテナは、国内の商品センターでお店ごとに商品を振り分けて配送するという、シンプルな仕組みで低コストの配送を実現してきました。
ECを導入するには、その配送システムを根本から見直す必要があったのです。
3. 強みとしている仕入れスタイルを失う恐れがある
3つ目の理由が、強みとしている仕入れスタイルを失う恐れがあることです。しまむらは商品の仕入れに関して、各メーカーの不良在庫を格安で仕入れてきて低価格で販売する手法をとっています。このやり方は、商品が売切れても追加仕入れをしない「ひとまき投入型」と呼ばれており、必要以上にお店が在庫を抱える必要がない点がメリットです。
しかし、ECの注文を想定して在庫を抱え込むことになると、この仕入れスタイルが機能しなくなる恐れがあります。
続いては、しまむらがZOZOTOWNへ参入した目的と背景についてお伝えします。
しまむらがZOZOTOWNへ参入した目的と背景
しまむらがZOZOTOWNへ参入した目的は、- 店舗に来たくても来ることができない顧客へ対応するため
- 新たな顧客層を開拓するため
- ECに関するノウハウを獲得するため
1. 店舗に来たくても来ることができない顧客へ対応するため
1つ目の目的が、店舗に来たくても来ることができない顧客へ対応することです。これまで、地方のロードサイドを中心に店舗を展開していたしまむらは、
- 都心部に住む顧客
- 営業時間内に来店できない働く女性
今回ZOZOTOWNへ参入することで、顧客に場所と時間の制限を受けずにショッピングを楽しんでもらうことが可能です。
2. 新たな顧客層を開拓するため
2つ目の目的が、新たな顧客層を開拓することです。これまでしまむらは、20代~50代の主婦やファミリー層をターゲットとしていました。
今回のZOZOTOWNへの参入は「広告宣伝の一環という意味合いもある(しまむら企画室より)」としており、「都心部で働く女性」など新たな客層を開拓する狙いがあります。
ZOZOTOWNのストアでは、新たなターゲットに合わせた高品質・高機能のプライベートブランド「CLOSSHIシリーズ」をリリースし、最新のトレンドファッションアイテムを販売中です。
3. ECに関するノウハウを獲得するため
3つ目の目的が、ECに関するノウハウを獲得することです。しまむらは2020年2月期までに、自社ECサイトの開設を計画しています。まずはECモールに出店することで、自社ECサイトを運営するためのノウハウを獲得する狙いです。
次は、しまむらが持っているこれからのEC戦略についてお伝えします。
2018年夏に「店舗受け取り型のEC」をスタート予定、中国ではすでにECモールへ出店
しまむらは、2018年8~9月をめどに「店舗受け取り型のEC」をスタートする予定です。「店舗受け取り型のEC」とは、顧客がスマホからアプリを使って、気になった商品を最寄りの店舗へ取り寄せできるもの。通常の取り寄せは2週間程度かかりますが、アプリを使えば1週間以内に取り寄せができます。
このECが一定のボリュームに達すれば、本格的な自社ECサイトの運営も検討していくとのことです。
また、しまむらは2012年から中国を中心とした海外展開も進めており、上海では「飾夢楽」の店名で45店舗、台湾では「思夢樂」の店名で11店舗を展開。2017年から中国の大手通販モール「天猫(Tモール)」に出店し、認知拡大を図っています。
自社EC展開を見すえた国内ECモール進出で課題をクリアできるか
ここまで、ZOZOTOWNへのしまむら出店についてお伝えしました。しまむらは事業規模で考えると「もっと早くからECへ参入してもおかしくない」レベルでしたが、参入をためらっていた理由は
- 低コスト経営との相性が悪い
- ECに対応した配送システムが整っていない
- 強みとしている仕入れスタイルを失う恐れがある
しまむらはこれまで徹底した低コスト経営を実践してきたため、新たなECシステムに対応するうえでのコスト増が懸念となっていました。
しかし、「新たな客層を開拓していくためにもECの導入は必要」との考えからZOZOTOWNへの参入を決めています。今後はZOZOTOWNでの出店からECサイトのノウハウを学び、自社ECサイトの運営を実現するはずです。
しまむらのEC市場における今後の動向に、注目が集まっています。
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