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アリババとは?中国のAmazon”Alibaba”徹底解説します。

「アリババって通販サイトの名前をよく聞くけど、実際なんなのかはよくわかっていない…」

と思っている方のために記事を書きました。

アリババは中国のEコマース企業「Alibaba Group(阿里巴巴集団)」が運営するECサイトです。BtoBのECサイトでは世界有数のシェアで、Amazonと並ぶとされています。

この記事では、

  • アリババとはどんな企業か、提供するサービス
  • Amazonとアリババの違い
  • アリババの使い方

の順に、アリババについて概要を説明していきます。

記事を読めばアリババをざっくりと知ることが可能です。まずはこの記事で大まかにアリババについて知っていきましょう!


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アリババとはどんな企業か

阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding Limited)は、ジャック・マー(馬雲)氏が設立した中国のEコマース企業です。

複数の業態のECサイトを運営しており、中でもBtoB ECは世界でトップクラスのシェアを獲得しています。

ジャック・マー(馬雲)氏は1999年にアリババを創業し、現在ではBtoBEC以外にも天猫国際をはじめとした様々な事業を展開しています。

  • BtoB ECサイト「アリババドットコム」
  • BtoC ECサイト「天猫 Tmall」
  • 越境ECサイト「天猫国際 Tmall Global」
  • CtoC ECサイト「タオバオマーケットプレイス」
  • 決済サービス「アリペイ」
  • クラウド・コンピューティング「アリババクラウドコンピューティング」

このように、さまざまなサービスを提供しています。どれも中国EC市場のなかで大きなシェアがあり、中国のECといえばアリババと言っても過言ではありません。


また、「独身の日」に行った巨大なセールでは、1日で約2.8兆円もの売上があがり、最高記録を更新したことで有名になりました。

楽天の2016年の流通額が約4兆円なので、その半分以上の額をアリババはたった1日で売り上げてしまったのです。

グループ全体で見れば、AmazonやeBayの取引額を合計した額よりも大きな金額がアリババで取引されています。

日本にはAmazonや楽天があり、ふだんからアリババを使う方は少ないかもしれませんが、こうして見ていくとアリババは超巨大なEC企業だとおわかりいただけたかと思います。


ジャック・マーのニューリテール構想

アリババの現会長のジャック・マー氏は、2016年にニューリテール構想を提唱したことでも有名です。オンラインとオフライン、物流はそれぞれUX(ユーザー・エクスペリエンス)が限られていますが、それらをシームレスに融合することによって新しいUXを提供するのがニューリテール戦略です。

ジャック・マー氏の提唱するニューリテールはオンラインだけでなくオフライン、つまり実店舗や物流に関しても新しい構想を持ち、次々と事業展開を行っています。


オムニチャネルや無人店舗、次世代スーパーマーケットといった施策を実現し、中国ではますますアリババの存在感は大きくなっています。

ジャック・マー氏は中国の小売全体がアリババのプラットフォームで行われることを構想しているようです。
小さな個人商店や露店でもアリペイのQRコードが使われ、キャッシュレス化の進む中国。いつかジャック・マー氏の構想も実現しそうな勢いです。

続いては、Amazonとアリババの違いを具体的に見ていきましょう!

Amazonとアリババの違いとは

「じゃあ、Amazonとアリババって具体的に何が違うの?」

と思っているかたのために、Amazonとアリババの違いをお伝えしますね。

ざっくりと違いをまとめると

【Amazon】

  • UIの改善など、どんなユーザーでも使いやすいサイトに
  • 同じ業態(インターネット書店)の企業を中心に買収
  • 出店料・成約手数料が収益源

【アリババ】

  • 世界中の国にいる中国人をユーザーとする
  • さまざまな業態の企業(スナップチャットなど)を買収
  • サイト内の広告が収入源

です。

Amazonは登録時や取引ごとに手数料がかかりますが、アリババは登録を無料にしています。アリババの場合は、マーケティングのサポートなどがある、有料会員による収益がメインです。

また、決済の方法もアリババとAmazonでは異なります。というのもアリババでは出品者に代金が渡るのは商品が届いたあとで、それまではアリババに預けられている形なのです。

日本であればお客さまが決済ボタンを押せば決済されてしまいますが、アリババはちゃんと商品が届いた時点で出品者にお金が払われるシステムなので安心できます。

他にも、アリババの場合はソフトバンクの孫正義社長が創業したてのころに約200万ドルもの出資をしています。

Amazonとアリババは同じECサイトのように見えますが、詳しく見ると違うポイントがいくつもあるのです。

以下では、アリババの使い方を紹介しますね。

アリババはどうやって使うのか

ここからはアリババの使い方を、

  • 商品を売りたいとき
  • 商品を買いたいとき

に分けてお伝えします。

これからアリババを利用してみたいかたはぜひ参考にしてみてください。

アリババでの販売方法

アリババで中国の消費者へ商品を売るためには、天猫(Tmall) や天猫国際(Tmall Global)に出品する必要があります。

とはいえ、海外のサイトを使って自社で1から手続きをするのは骨がおれますよね。

そのような場合に使いたいのがアリババジャパンの出店サービスです。

自社の状況に応じてオーダーメイドでサービスを提供してくれるので、中国のEC市場での事業をスタートからサポートしてもらうことができます。

チャイナパスポート
http://www.alibaba.co.jp/service/chinapassport/


アリババでの購入方法

アリババの通販サイトで商品を買うためには、まずアカウントを作る必要があります。

アリババはBtoBサイトなので、大ロットで購入できたり、工場から直送できたりといったメリットがあります。
BtoCサイトの天猫国際などで買うよりも当然単価も下がります。

日本語表記がされていてUIもいわゆる普通のECサイトなので、使い勝手もよいですね。通貨や送り先は、複数から選ぶことができます。

通常のBtoCECサイトと違うのは、価格交渉や最小ロット数、納期などについて交渉ができることです。

商品ページには、問い合わせのリンクがいくつもついています。

画像出典:http://japanese.alibaba.com


たとえば価格を問い合わせる場合、次のような問い合わせフォームが表示されますので、簡単に見積を依頼することができます。

画像出典:http://japanese.alibaba.com


貿易業務になりますので、価格や納期交渉も重要になってきます。

また、個人で購入するのであれば、楽天やAmazonと同じ使用感のAliExpressがおすすめです。

ところどころ日本語翻訳の表現が気になるところもありますが、難なく買いものができるはずです。

aliexpress Japan
https://ja.aliexpress.com/


勢力を増すアリババ、Amazon。これからEC企業はどう戦うか

アリババについて、大まかに概要をお伝えしました。

あらためておさらいすると、アリババは中国のEC企業で

  • BtoB ECサイト「アリババドットコム」
  • BtoC ECサイト「天猫 Tmall」
  • 越境ECサイト「天猫国際 Tmall Global」
  • CtoC ECサイト「タオバオマーケットプレイス」
  • 決済サービス「アリペイ」
  • クラウド・コンピューティング「アリババクラウドコンピューティング」

など、ECをはじめとした幅広いサービスを提供しています。

ジャック・マー氏が1999年に創業したアリババは、ソフトバンク社長の孫氏などから出資を受け、現在の大きさにまで成長しました。
余談ですがジャック・マー氏はソフトバンクの取締役にも就任しており、ソフトバンクとのジョイントベンチャーSBクラウドでアリババクラウドを日本向けに提供しています。

セール時には、楽天の年間取引額にせまる勢いの額を、たった1日で売り上げてしまうほどの勢いがあるECサイトです。

もはやAmazonに迫るほどの規模があるアリババですが、Amazonとの違いは

【アリババ】

  • 世界中の国にいる中国人をユーザーとする
  • さまざまな業態の企業(スナップチャットなど)を買収
  • サイト内の広告が収入源

【Amazon】

  • UIの改善など、どんなユーザーでも使いやすいサイトに
  • 同じ業態(インターネット書店)の企業を中心に買収
  • 出店料・成約手数料が収益源

と紹介しました。アリババは世界じゅうに住む中国人向けのECサイトとして誕生しましたが、今後は他の国へ広げていくはずです。

かといって、他のEC企業に勝ち目がないわけではありません。

確かに企業の時価総額で見れば、アリババとAmazonはどちらも4000億ドルを超えています。しかしながら、細かく丁寧に市場を見ていくと戦える場所は少なくありません。

例えば、

などのようにニッチな分野を攻める方法があります。日本で言えば「北欧暮らしの道具店」のように、ストーリ性や実際の使用感がわかるメディアとともに販売するECサイトもアリババ・Amazonとの差別化になりますね。

つまり、アリババやAmazonのように「買いたいものがあるお客さま」を想定するのではなく、「お客さまの”買いたい”をつくる意識」が大切です。

これからはニーズを満たすECサイトではなく、ニーズをつくるECサイトを作ることが求められるに違いありません。


この記事を書いた人
黒田剛司

大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。