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小売店舗にテクノロジーが融合する新時代の幕開け

ここ数年、最新テクノロジーがファッション小売業界のあり方を大きく変えてきているのが見て取れます。オンラインショッピングが可能なウェブサイトの台頭に伴い、これを有効利用することで販売側としてはより消費者に近く個人レベルに対応した顧客サービスを展開できるようになっているのです。

実際に、今こそファッション業界はオンライン革命が必要であるという点を取り上げた記事がすでにThe Guardian誌に掲載されていたりもしていますが、ではこの「オンライン革命」は実店舗にはどのような影響を与えることになるのでしょうか?

昨年10月、CloudTags社はロンドンの有名高級デパートにおいて、アパレル販売のセールススタッフの持つ一般的な販売技術にテクノロジーを融合させる初のプロジェクトを導入させました。結果としてこのプロジェクトは大成功を収めたのですが、当初は当然のことながら販売スタッフ側はすんなり納得して全面協力という姿勢にはならず、彼らの理解と協力を得ることが一番の重要ポイントとなりました。

それでもこのプロジェクトが成功した要因としては、テクノロジーが人間のスタッフに取って代わるのではなく、むしろ「便利で手助けとなるもの」であるのだという理解を浸透させることが出来たことにあります。

事実、実店舗でのタブレット端末の果たす役割は「ビジネスに遊びゴコロを加えるものである」という言い方もよく耳にします。

まず「ビジネス」の観点から見ると、店舗内の商品情報が提供されるデバイスを使用できるということは消費者と長きにわたる関係を築いていく上で大変有効です。

例えば、人気商品などはすぐに売り切れてしまい、消費者が店内において購入することが出来る可能性は低くなってしまいます。しかし、後日Eメールでその消費者が店舗で興味を持ったり実際に試着してみた商品の入荷情報などを送ることができれば、そのままオンラインでの購入へ結びつけることも出来ますし、また改めて店舗へ足を運んでもらうきっかけにもなり得るのです。

さらに商品の画像付き説明文が準備できるというのも、ただ単に紙に書いた情報や携帯で撮ったあまりパッと見栄えのしない写真を使うのに比べれば通常業務に大きなプラスとなるのは間違いありません。

このようにタブレット端末を活用することでデザインやブランド、色などを検索しながらお客様一人ひとりにマッチした商品を提案することができるため、販売スタッフにとっては新しい業務アイデアを生み出すためのインスピレーション源として重宝がられているのです。

現場のスタッフの声としても「我々は実際にはお店にどの商品の在庫がどれだけあるかとか、たくさんあるブランドの中からそれぞれのお客様にどちらの商品をお勧めしたら良いのかというのは判断しづらいので、このようなシステムは大変役に立っています。」という意見が挙がっています。

さらにセールス担当者がデバイスの持つ機能を使いこなせるようになるのはもちろんのこと、最近ではアプリ自体にどのような機能を追加して欲しいかというリクエストも出てくるようになり、このような事から実店舗における最新テクノロジーの活用がもたらす効果に対する現場での理解・関心度がより深まっていることが見て取れます。

例えば、新作が入荷した際のお知らせや入荷予定の商品に関する情報をEメールで流したり、先行予約の受付なども取り扱うといったアイデアも現場スタッフから上がってきたものです。

一方で「遊びゴコロ」の観点では、タブレットを実際にお客様の前で楽しみながら積極的に活用してもらうために、スタッフ間でタブレットの使用に関するちょっとした競争をさせてみたり、スタッフ参加型の使用法説明会を実施したりとCloudTags社は早い段階から様々な工夫を凝らしてきました。これに対しては「Eメールが送られてきたり競争に勝って景品がもらえたりというのは、ただ単にジーンズを一日中きれいに畳みなおしているよりはずっと刺激的です。」との声がスタッフ全員の気持ちを代弁していると言えるでしょう。

2014年を境に、これからの時代はテクロジーの進歩が実店舗においてもたらす影響力の大きさに目を向けて行く必要があります。そしてこのテクノロジーは必ずしも扱いづらい上に業務の妨げになったりするようなものではなく、むしろ仕事を円滑に楽しく進めていくことができるものであるという「未来型の思考」が持てるようになりたいものです。

この記事はIn-store retail technology – the future is nowをOrange Blogが日本向けに編集したものです。