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ユニコーン企業とは?最新版、日本と海外のユニコーン企業リストを紹介!

ユニコーン企業は、評価額10億ドル以上の非上場、設立10年以内のベンチャー企業を指します。

ユニコーン企業の世界ランキングでは、中国と米国が多数を占めており、日本国内のユニコーン企業は「メルカリ」上場後に1社のみという状況です。
今後、成長が期待されているユニコーン企業について、4つの条件と国内外の企業一覧を紹介します。

ユニコーン企業とは?

ユニコーンは一角獣とも呼ばれる、伝説の幻獣ですが、ユニコーン企業といえば、起業してから年数が浅いにも関わらず多額の評価額を得ている企業をさします。現在は上場して名だたる大企業の仲間入りを果たしたFacebook社やツイッター社も、かつてはユニコーン企業のひとつでした。

この名称を最初に使い始めたのは、米国のベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リーといわれています。ベンチャーキャピタルとは、高いリターンを狙ったアグレッシブな投資をする投資会社や投資家のことです。
このワードを使いだした2013年頃、ハイリターンを狙えるベンチャー企業の存在は珍しいものでした。そのため、求める条件に合う企業のことを伝説の幻獣になぞらえたのです。

価値あるベンチャー「ユニコーン企業」の条件は4つ

ユニコーン企業とされる条件は4つあり、1つでも条件から外れるとユニコーン企業とは呼ばれなくなります。

では、具体的な条件についてチェックしてみましょう。

ユニコーン企業の条件1. 評価額10億ドル以上

1つの条件に、企業価値(評価額)が10億ドル以上というものがあります。
日本円の目安としてはおよそ1,100億円以上でしょうか。
ちなみに、ユニコーン企業には上位クラスがあり、

  • 100億ドル以上:デカコーン企業(decacorn)
  • 1,000億ドル以上:ヘクトコーン企業(hectocorn)
と呼ばれています。
デカコーンは、「10個単位」という意味の「deca」と、ユニコーン(unicorn)を組み合わせた造語、ヘクトコーンは、「100倍」を意味する「hecto」という接頭辞とユニコーンを組み合わせた造語です。ユニコーンの綴りには、単一という意味の「uni」が含まれているため、こうした造語が作りやすいのかもしれません。

ユニコーン企業の条件2. 起業10年以内

ユニコーン企業と認められるもう1つの条件は、起業してから10年が経過していないことです。
最初に、「かつてはFacebook社もツイッター社もユニコーン企業とされていた」という旨を書きましたが、Facebook社は2004年設立、ツイッター社は2006年設立。現在は、どちらも10年が経過しているためにユニコーン企業の条件から外れています。

これは、ユニコーン企業というワードが、ベンチャー企業を示す言葉であることによるものでもあります。設立から10年以上が経過していると、ベンチャー企業という枠組み自体からも離れるのが一般的な認識といえるのではないでしょうか。

ユニコーン企業の条件3. 非上場

上場していないというのも、ユニコーン企業の条件です。
ちなみにFacebook社とツイッター社はともに数年前から上場企業となっているため、この条件からも外れています。
なお、一度ユニコーン企業と認識されていても、上場をした時点で条件から外れます。直近の例では、LINE株式会社をユニコーン企業とみなすかどうかという動きが広まりつつあった頃に東証一部へ上場、条件から外れたことがありました。


ユニコーン企業の条件4. テクノロジー企業であること

4つめの条件は、必須というわけではありません。ですが、ユニコーン企業として成長するベンチャー企業の多くはテクノロジーに関連する企業であることが知られています。時代に即した業種がその価値を高く評価されやすいというのは、ある意味では当たり前のことなのかもしれません。まとめると

  • 評価額10億ドル(1,100億円)以上
  • 設立10年以内
  • 非上場である
  • テクノロジー企業である
この4つの条件すべてに当てはまる企業が、ユニコーン企業と呼ばれていることになります。

【2018年版】中国・米国強し!世界の代表的なユニコーン企業

ここからは、世界のユニコーン企業の動向についてチェックしてみましょう。
調査会社CB Insightによる2019年9月の報告では、世界にあるユニコーン企業は394社。
国別のユニコーン企業の数は、

  • 第1位:米国151社 (前年度118社)
  • 第2位:中国82社 (前年度62社)
  • 第3位:イギリス16社 (前年度13社)
  • 第4位:インド13社 (前年度9社)
となっています。全体の内訳は米国が全体の38.3%、中国が20.6%で、二強が第3位以下を大きく引き離している状況といえるでしょう。

中国のユニコーン企業の特徴と代表的な企業リスト

中国のユニコーン企業は、消費や商業サービス業界に集中する傾向があります。 CB Insightの調査では82社にとどまっていますが、中国科学技術部は、2018年3月に自国のユニコーン企業は164社であると発表しています。
これは、

  • 一部上場企業の中の独立採算関連会社を数えている
  • ベンチャーキャピタルからの資金調達をより詳細に把握している
という2つのポイントによって変化した数字だと考えられています。
では、具体的に中国のユニコーン企業について一部を紹介します。

中国ユニコーン企業「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」

アント・フィナンシャル(螞蟻金服)はアリババ・グループの金融関連会社です。
オンライン&モバイル決済プラットフォームである「アリペイ(Alipay)」、世界最大のファンド「ユエバオ(余額宝)」の運営をおこなっており、世界最大のユニコーン企業といわれています。

画像出典:螞蟻金服
https://www.antfin.com/




中国のユニコーン企業「ディディチューシン(滴滴出行)」

「ディディチューシン(滴滴出行)」は、配車アプリを通じてライドシェアサービスを提供している企業です。
中国のインターネット巨人企業と異名をとるアリババ、百度、テンセントの3社すべてから投資を受けた企業としても有名。ここから独立した自動車総合サービスを提供する「小桔車服」も、「滴滴出行」から10億ドルの新規投資を受けてユニコーン企業となっています。

画像出典:滴滴出行
https://www.didiglobal.com/


中国のユニコーン企業「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」

「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」は、スターバックスにとってかわるのではないかと噂されているコーヒーの振興チェーンです。
シンガポール政府投資公社(GIC)らから投資され、2018年1月に起業して一年もたたないうちにユニコーン企業の仲間入りをしました。オンライン注文や、安価な配達料金、大規模なチェーン展開によって、シェアを大きく伸ばしています。

画像出典:瑞幸珈琲
https://www.luckincoffee.com/



中国のユニコーン企業「シャオミ(小米科技)」

「シャオミ(小米科技)」はスマートフォンメーカーとして2010年に創業し、現在は総合家電メーカーとして白物家電、電動バイク、炊飯器などを扱っています。
なお、2018年7月に上場したため、厳密にいうと「元」ユニコーン企業ということになります。
ちなみに2018年9月に上場を果たした「美団大衆点評」も、上場の噂がささやかれていた「元」巨大ユニコーン企業でした。「美団大衆点評」は、飲食店の口コミやフードデリバリーに関連するサービスやサイトを提供しています。


【2020年版】技術革新による企業多数!米国のユニコーン企業リスト

次は米国のユニコーン企業についてチェックしてみましょう。
米国のユニコーン企業は、人工知能(AI)やビッグデータ、医療、保険といった分野に特化しているのが特徴です。

米国のユニコーン企業「エアビーアンドビー(Airbnb)」

「エアビーアンドビー(Airbnb)」は、近く上場して「元」ユニコーン企業、元デカコーン企業になるのではないか、と噂されている企業です。
2008年に設立され、世界192カ国の3万3,000の都市で宿泊施設を提供、利用されています。年間ベースで数十億ドルの売上を上げ続けているために上場が噂されていますが、正式な発表はなされていません。現在の企業価値は293億ドルと発表されています。

画像出典:Airbnb
https://www.airbnb.jp/


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米国のユニコーン企業「SpaceX」

「SpaceX」は、ロケットや宇宙船の開発と打ち上げ事業をおこなう企業です。イーロン・マスクによって設立され、民間月旅行なども提案しています。初の搭乗客がZOZOTOWNで知られるスタートトゥデイの前社長、前澤友作氏であることも話題となりました。

画像出典:SpaceX
https://www.spacex.com/



米国のユニコーン企業「ドアダッシュ(DoorDash)」

「ドアダッシュ(DoorDash)」は、2015年にフォーブス誌が「次世代スタートアップ(ユニコーン企業候補)」として選出した25社のうちの1社です。

  • 注文者
  • レストラン
  • 配達者
といった3つのニーズを独自のアルゴリズムでマッチングし、できたての料理を求める人へ、最適のタイミングで届けることを実現しています。

画像出典:DoorDash
https://www.doordash.com/



米国のユニコーン企業「ピンタレスト(Pinterest)」

ピンボード風のおしゃれなデザインが全世界で支持されている写真共有SNS「ピンタレスト(Pinterest)」は、現在2億5千万人の月間ユーザーを獲得しています。
日本では、1日に130万個の写真(アイデア)が保存されているといわれています。2016年頃から上場間近といわれている企業のひとつです。

画像出典:Pinterest
https://www.pinterest.jp/



米国のユニコーン企業「ウーバー(Uber)」

来年をめどに新規株式公開(IPO)を検討し、ユニコーン企業(デカコーン)から卒業するとみられているのが、配車サービスを運営するウーバー(Uber)です。
ソフトバンクグループが傘下のビジョンファンドを通すことによって筆頭株主になっており、上場した場合の株式時価総額は1,200億ドル(およそ13兆円)に達すると予想されています。

画像出典:Uber
https://www.uber.com/jp/ja/



【2020年版】6社に増加!日本のユニコーン企業

世界のユニコーン企業ランキングに入っていなかったことからも分かるように、国内におけるユニコーン企業は決して多くありません。 以前は、フリーマーケットアプリの「メルカリ」が代表格でしたが、東証マザーズへ上場したため条件から外れ、ユニコーン企業から卒業したかたちになっています。

2019年に発表された日本のユニコーン企業は、プリファード・ネットワークス社以外にもTBM、エリーパワー、Freeeなどがユニコーン企業リストに加わっています。

日本のユニコーン企業「プリファード・ネットワークス(Preferred Networks)」

「プリファード・ネットワークス(Preferred Netwaorks)」は、AIのディープラーニングによって制御技術の開発をおこなう企業です。
企業の評価額は2,326億円といわれ、トヨタ自動車、日立製作所、NTTといった国内のさまざまな大手企業と提携を結んでいます。

  • 自動運転やコネクテッドカーなどに関連する交通システム
  • 物体認識や制御そして最適化技術の研究と開発
  • 医療用画像の解析や早期診断技術の開発
といった3本の事業を軸として、海外からも「次世代のソニー」などと称されるなど期待を寄せられています。

画像出典:Preferred Networks
https://www.preferred-networks.jp/ja/


ユニコーン企業に昇格「エリーパワー」

大型リチウムイオンを開発している「エリーパワー」は、企業価値404億円といわれています。
エネルギー消費を節約する「省エネ」と、再生可能エネルギーから電力を得るという「創エネ」の精神、そして効率的な蓄電システムという「蓄エネ」という3つの理念を元に開発をおこなっています。

ユニコーン企業に昇格「フリー(freee)」

クラウド会計システム「フリー(freee)」の評価価値は394億円とされています。
1,100億円には遠いように思えますが、クラウドを利用したテクノロジーであること、フリーランスや多様な働き方が一般的になりつつあり、確定申告やさまざまな会計処理が身近な存在になっていることを考えると、今後大きな成長が見込めるかもしれません。

ユニコーン企業手前に位置する「Sansan株式会社」

1,100億円の評価額には届かないものの、さらなる成長が見込める次世代のユニコーン企業の一つが、Sansan株式会社です。
社内の名刺を一括管理することで名刺を共有資産とするCRMソリューションを提供するSansan株式会社の企業評価額は、505億円と伝えられています。

画像出典:Sansan株式会社
https://jp.sansan.com/



まとめ

ユニコーン企業は、中国と米国にほぼ集中している状況です。
国内の次世代ユニコーン企業が今後どのような成長を遂げていくか、注目していきたいところです。