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Amazonに対抗するのはわずか10人の企業?Boxedが想像する新しい買い物のカタチ

AmazonがオンラインのウォルマートならばBoxedはオンラインのコストコを目指している。オンラインでホールセールを展開するBoxedはわずか半年前にスタートした10人程度の企業。成長著しいBoxedのビジネスモデルと提案する新しい買い物のカタチを知る

BoxedはAmazonのようにオンラインストアで買ったものを玄関先まで届けてくれます。ただしBoxedの場合はホールセール、箱買いのみです。AmazonがオンラインのウォルマートならばBoxedはオンラインのコストコといえます。
Boxedがeコマースのプラットホームを構築したのはたった半年前のことで、初期費用は100万ドル程度でした。三ヶ月後にはiPhoneアプリの配信を開始し、試験的にニューヨークとニュージャージーで配送を開始しました。Boxedはすぐさま拡大し、11月には米国本土の48州で配送が可能になりました。75ドル以上の商品の配送は無料でニューヨークでもロサンゼルスでもワシントンDCでもどこでも二日以内の配送が可能です。

Boxedへのアクセスはモバイルアプリでのみ可能です。エンジニアやプロジェクトマネージャーはわずか10人で、多くがモバイルゲーム業界出身です。
少数精鋭で全国展開する小売りを運営できる秘密のひとつは、リアルでの作業の多くを外部委託することです。

Boxedが提供するアプリ

配送サービス業者のUPSに委託することでBoxedが自社のトラックを保有する必要はなく、配送前の商品をストックしておく賃貸の倉庫スペースを用意するだけでこれほど広い配送網を確立しました。(同様にAmazonも配送を他業者に委託しています)ホールセール商品は製造業者から直接配送され、Boxedが再包装する必要はありません。

つまりBoxedのメインの課題はソフトウェアということになります。そのひとつが在庫管理です。Boxedは早い段階で既存の在庫管理システムが(TargetやAmazonのシステムは別にして)役に立たないことに気づいていました。

コストコのような低価格と無料配送を実現するために配送網の最適化を目指したBoxedはどこに商品を保管するか綿密に検討しました。その結果が選んだのがニュージャージーでした。西海岸でも同じように配送網の最適化を考えたBoxedはラスベガスに倉庫を借りました。これによりロサンゼルスまで一晩で配送することが可能になり、そして全国への配送のハブとして機能しています。
Boxedは将来的に自社倉庫を建設する予定です。一方でAmazonは2010年以降、50の自社倉庫建設に140億ドルを投じ、配送時間の短縮を図っています。

もうひとつの課題はアプリとその根元にあるeコマース・プラットホームです
その構築にかかった時間はわずか三ヶ月半です。CEOのChieh Huang氏は「ゲームを作るよりも簡単だった」と述べています。Boxed のエンジニアやデザイナーの多くは彼が創設したゲーム会社出身であり、Boxedの前身はゲーム会社だったと言っても過言ではありません。その経験もあってかアプリには遊び心のあるアイコンやキャラクターが登場します。

効率の良い商品展開

Boxed は創業以来収益を生み続けており、75ドル以上の商品配送を無料化した以降は商品項目を絞ることで低コストを維持しています(現在600項目)。
人気商品を選定していますがボトル入りの水や何十キロもあるペットフードのような商品は除外しています。理由は重量があって低価格の商品はビジネスモデルを破壊する恐れがあるからです。
「3ドルのボトル入りの水を売ると30ドルの損失になるので現段階では割に合わない」とHuang氏は述べています。

Boxedの存在意義は?

それではAmazonが支配するオンラインショッピングにおいてBoxedの存在意義は一体何でしょうか。Huang氏は「Amazonはホールセールを行わない。Boxedが販売するサイズの商品をAmazonは在庫として抱えないし、もしくは別の業者に売るだろう。その業者の販売価格は我々より25~30%は高い。オンラインにおいて一個あたりの価格を比較したらBoxedより安いものは少ない」と述べています。

当初Boxedはコンピューターに精通した都会の若い男性がメインの客層になるだろうと予想していました。しかし実際は週末を混雑したコストコでの買い物で費やすよりも子育てに費やしたい母親層に受けています。

将来的にトイレットペーパーを買いに行かなくなる?

ニッチ市場を開拓したBoxedは次に人々がよりスマートに買い物する手助けをしようとしています。そのベースとなるのがBoxedのエンジニアがスクラッチから開発した買い物予測アルゴリズムです。
Amazonは顧客の買い物履歴を他者のものと比較することで顧客にレコメンドしています。他のオンライン業者も同様です。Boxedはさらにその先の、どのように顧客が生活し、どれほどのペースで商品を消費するかまでを理解しようとしています。これにより例えばトイレットペーパーやシリアルがそろそろ尽きそうな頃合いを見計い、Boxedから購入をお勧めを通知するといったことが可能になります。
Boxedの狙いが実現すれば、足りないもの必要なものに自分で気づかなくても、お店側から教えてくれるという新しい買い物スタイルが到来するかもしれません。

この記事はHow 10 people built a competitor to Amazon.com for $1 million—in 90 daysをOrange Blogが日本向けに編集したものです。

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