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小売店舗に活気を取り戻すキーワードは「ソフトウェア」「モバイル」「動向調査」

90年代にEbayやAmazonといった企業が小売業界の形態を根底から変革させて以来、実店舗型

小売業者は長年にわたってEコマース・スタイルの業者に顧客を取られる形で苦戦を強いられてきました。2014年に入ってからも、モバイルショッピングシステムやソーシャル・ネットワークメディアといったところがオンライン上での勢いを増してきています。

このように過熱する一方の販売競争を受けて、アメリカの小売業者の多くは実際の店舗での買い物におけるサービス向上を実現する最新テクノロジーに対し投資を始めています。事実、企業のブランド展開を専門に手がけるJack Morton Worldwide社が実施した調査結果によると、80%の消費者は「印象に残るサービスなどが提供されるのであれば、喜んで店舗足を運んで買い物をする」とも答えています。

したがって、企業側としては実店舗へより多くの消費者の足を向けさせるために、積極的に最新テクノロジーを採用した上で従来のスタイルそのものを一新させていく必要があるのです。例えば、買い物の手助けとなる機能を備えたモバイルアプリの活用やRFID(電波式ID認識)マイクロチップの採用、さらには顔スキャンテクノロジーなども取り入れることで、普通のウィンドーショッピングにさえ近未来的な要素を盛り込むことが可能になるのです。

Burberryが採用したRFID(電波式ID認識)マイクロチップ

先頃Burberryの前CEOアンジェラ・アーレンツ氏がBurberry を離れてAppleの小売部門に活躍の場を移した事例からも、一般にはトレンチコートなどで有名なBurberryがいかにテクノロジーを活用した事業展開をしているかが見て取れます。この事実は、前出のJack Morton Worldwide社が報告した同社の実験プロジェクトを通しても明らかになっています。

このプロジェクトとは「Burberry の実店舗において、RFID(電波式ID認識)マイクロチップが取り付けられた商品のコートを試着してRFID対応型の鏡の前に立つと、コートに使用されている生地の材質などの各種商品情報が鏡に表示される」というものです。また、ロンドンにある同社の一号店は通称「未来型ストア」と呼ばれるに相応しく、俗に言う「マジカル・トレイ」に商品のハンドバッグを置くと、ディスプレイ上に商品の細かな情報な表示されるというシステムが採用されています。

同社の前クリエーティブ・ディレクターで、アーレンツ氏の後を受けた現CEOは次のように述べています。

「消費者は一般的に商品がどのようにして作られたか、といったような製作背景に興味があり、目に見えないところに存在する付加価値を商品の中に見出そうとするものです。」

したがってこれからの小売販売における成功のカギは、こういった昔ながらの買い物スタイルに最新のEコマース関連技術を織り込んだ「ハイブリッド式サービス」が握っていると言えるのです。

Sephoraが店舗用ソフトウェア開発を手がけるScentsaを買収

化粧品販売を専門とするSephora は、このたび特定の商品に合わせておススメの香水を紹介するというサービスを提供しているScentsaを傘下に収めたことで、同社の持つ店舗用テクノロジーをより活用していく方針を明らかにしています。

具体的には、買い物客が特定の商品(ジュエリー・洋服・アクセサリーなど)の購入を検討するにあたり、店内のタッチスクリーン・キオスクを利用したり商品をスキャンする際に、Scentsaのデータベースとアルゴリズムに基づいてその商品にマッチする香水を特定し、おススメ商品として紹介するというシステムです。

SephoraのCEOジュリー・ボーンスタイン氏は、Scentsa買収の理由を「このテクノロジーがライバル会社の手に渡ることを防ぐと同時に、より素早く新しい店舗商品の開発を進めていくため」としています。

Nordstromが採用した店舗内顧客動向調査システムとは

大手デパートNordstromはこのたび店舗内分析ソフトウェア開発を手がけるRetailNext社と提携を結び、一部店舗にて試験的に買い物客の動向調査システムの使用を開始しました。このRetailNextの提供するサービスは、CCTVカメラを利用して買い物客がどういった順路で店内を検索して回るか、また店内ディスプレイにどのような反応を見せるかといった点を分析し、販売側の理解を深めることを可能とするものです。

一般的には「買い物客が通路の終わりまで来たら右に曲がる割合はどれほどか」といったことはさほど重要ではないように思われるかもしれませんが、マーケットの専門家や店舗のデザイナーにとってはこのようなデータを活用して店舗レイアウト自体に大きな工夫を凝らすことができるのです。

今回Nordstromが利用するソフトウェアアプリでは、ビデオ画像を分析する際に性別・行動傾向・さらにその時の気分まで把握することができます。この他にも買い物客のスマホのシグナルを分析したり、携帯電話アプリの使用状況なども解析することができ、こうして得られたデータから買い物客がどのコーナーで立ち止まり、どの商品に対しどれほど時間をかけて品定めしているかという事なども明らかにすることができます。

Baked By Melissaが採用するショーウィンドー・ディスプレイ用モバイルトラッキングシステム

カップケーキで有名なお店「Baked By Melissa」は、ショーウィンドーのデザインやディスプレイにおけるレイアウトの効果を測定するためにモバイルトラッキングシステムを採用しています。これは通りがかりの人が持つスマホからのBluetooth や Wi-Fiのシグナルを利用するもので、お店側としてはショーウィンドーがどれほど実際の売り上げに結びついているかを測ることが出来るという仕組みです。

このサービスは店舗用テクノロジーを専門とするNomi社によって開発・提供され、スマホからの無線シグナルを利用してユーザーの場所を1メートル単位で計測することができるものです。これを活用することで、お店側としては2種類のディスプレイ候補のどちらがより効果的か、ということなども調査することが可能となります。

この他にもこのようなNomi社のテクノロジーを活用することで、それぞれのお客様がリピーターなのか初めてお店に来られたのかといった情報も得ることができますし、使い勝手を第一にデザインされたこのようなソフトウェアアプリを通して得られる情報を、お店側はより効果的に活用しながら既存の販売戦略に組み込んでいく形になります。

また、その他の追加オプションとしては共同購入型クーポン「Groupon」や地域限定セールなどと連動させることで、それらの売り上げ効果との結びつきを調査することも可能です。

店舗ショッピングとテクノロジー

今の時代、一般消費者は1日あたり4時間30分もの間デジタルテクノロジーに触れているという事実を見ても明らかなように、小売業者としては店舗販売においてもこういったテクノロジーを積極的にサービスに活用していく必要に迫られています。

オンラインショッピングに対抗し店舗での売り上げ増大を実現させる為には、消費者の興味関心は急速に移り変わるものであることを踏まえたうえで、最新の画期的なシステムを採用した店内サービスを実施していくことが求められています。

この記事はSoftware, Mobile and Beacons Will Revitalize Brick-and-Mortar Retail ShoppingをOrange Blogが日本向けに編集したものです。

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