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キュレーションサイトはマーケティングツールとして活用すべき!忙しい現代人のために「まとめる」提案

 


目次
●アパレル通販はキュレーションサイトからの誘導が効果的
●便利なキュレーションサイトが抱える問題
●キュレーションサイトがAIとつながる
●まとめ

インターネット上ではキュレーションサイトが人気です。

キュレーションサイトは、他のサイトで紹介されている記事をつなぎ合わせて作られたもので、一言で表すと「キーワードのまとめサイト」です。

ユーザが特定のキーワードについて知りたい時にインターネットで検索をして、ざっと目を通せば短時間で簡単に要点をつかむことができるため、有益な情報となりえます。

時間がない現代人にとって、あらかじめ知りたい情報についてまとめられているキュレーションサイトを利用することは効率的と言えます。

このようなまとめサイトは検索エンジンに「ユーザにとって有益なウェブサイト」と認識されるため(またキュレーションサイトがSEO対策を意識的に行っているため)、ユーザが特定のキーワードについて検索した際に検索結果の上位に表示されるのです。

これによってさらに多くの人の目に留まるというしくみになっています。

キュレーションサイトをうまく活用することによって、ECサイトの売上を伸ばすことも不可能ではありません。

アパレル通販はキュレーションサイトからの誘導が効果的

アパレル業界は流行り廃りが激しい業界です。1シーズンごとに流行のアイテムが変わるため、消費を促進させるという効果もあります。

ファッション雑誌では「この時期は◯◯が流行る!」というキャッチコピーが読者に受けているように、トレンドを取り入れたいと思う読者が多いことがわかります。

一旦そのシーズンのトレンドが広まると、街中を歩いているだけで一斉に同じようなアイテムを着用している人が多いことに気づくと思います。

しかし、ファッション雑誌自体はこれから売れなくなると予想できます。

ファッション雑誌の不利な点

20代の女性に絶大な人気を誇っていたAneCanが2016年の冬に休刊となりました。日経新聞の記事によると、同誌の発行部数の減少はピーク時の4分の1と報じられています。

2010年に32万部だった発行部数は約8万部まで減少していた。スマートフォンの普及や若者の書店離れで、休刊に追い込まれる雑誌が増えている。
(出典:日本経済新聞「小学館「AneCan」10年の歴史に幕」http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ07ILH_X01C16A1TI5000/)

ネット上の情報と違い、手元に取って置けるという保管性の高さは、逆に言えばデメリットにもなります。雑誌は持ち運びが大変な上、いらなくなったら捨てなければいけないという作業が発生します。

また、ページを繰って探すという方法は、自分が求めている情報にアクセスできるまでに時間がかかるか、求めている情報が見つからないということもあります。

さらにファッション雑誌は月刊の形態が多く、情報の新鮮さではネットのキュレーションサイトには劣ってしまいます。

情報をリアルタイムで発信できるキュレーションサイト

その点、インターネットではトレンドのアイテムを検索するだけで求めている情報を見つけることができるので、時間の短縮にもつながります。
さらに、雑誌と違ってリアルタイムの情報が入手できるのもメリットです。

キュレーションサイトではアイテムについて様々な角度から情報を得ることができます。コーディネート例、コスパの良さなどのヒントも得ることができます。しかもそれがほとんどの場合無料で利用できるという点も利用者が増えている理由です。

さらに、キュレーションサイトから直接またはリンク先で通販ができるとなれば、当然便利な方に人が流れていくのは必然と言えます。

キュレーションサイトの成功事例として、アパレル販売のZOZO TOWNと連携しているWEARというアプリが挙げられます。

WEARと連携していることにより、WEARからもZOZO TOWNからも商品の購入が行えることから利用者数が増えており、売上増大につながりました。ユーザの動線をよく読んでいる好例と言えます。

(参考:株式会社スタートトゥディ「WEAR600万DL・月間利用者数600万人を突破、経由売上が月間10億円に」https://www.starttoday.jp/news/20151030-880/)

便利なキュレーションサイトが抱える問題

キュレーションサイトはその便利さから順調にアクセス数を伸ばしていきました。

しかし、近年になって株式会社DeNAが運営する健康・医療に関するキュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」で医学的に不正確な情報を掲載していたことが発端となり、キュレーションサイトの情報の正確性が問題となりました。

(参考:読売ONLINE 「DeNA「WELQ(ウェルク)」休止…まとめサイトの問題点と背景は」
http://www.yomiuri.co.jp/science/goshinjyutsu/20161212-OYT8T50096.html)

その後、多くのキュレーションサイトで保有する記事の正確性や著作権に違反したものを掲載していないか見直しが進められました。DeNAが運営していたいくつかのウェブサイトは非公開となっています。

なぜこのような問題が起きたのかというと、運営会社がアクセス数を増やして広告収入を集めることを優先していたため、記事の質については重視されていなかったのです。

検索エンジンの上位に表示されるための『記事の書き方マニュアル』のようなものを用意して、初心者でも書けるような記事を大量に求めました

記事の情報の正確性については後回しとなり、それどころか記事をチェックする運営会社自体がコピー&ペーストやリライト(元の記事を無断で使用し、語尾だけを変えた程度のもの)を容認していたため、そのツケが回ってきたと言えます。
※コピー&ペーストやリライトは著作権法違反に抵触する可能性があります。

キュレーションサイトがAIとつながる

キュレーションメディアは、上記のWELQの問題によりネガティブなイメージを与えました。

しかし今、ネガティブなイメージを払拭するような新しいキュレーションサイトができようとしています。

2016年8月に、講談社がインターネット関連事業を行っている株式会社デジタルガレージとDK Mediaという合弁企業を設立しました。

(参考:産経ニュース 「デジタルガレージと講談社、女性誌のコンテンツとAI技術を組み合わせたデジタルメディアを共同開発」http://www.sankei.com/economy/news/170126/prl1701260183-n1.html)

デジタルガレージは価格.comや食べログといったサイトを手がけた企業であり、コンテンツマーケティングに強い企業です。

講談社とデジタルガレージがタッグを組むことによって、以下のキュレーションサイトが出来上がります。

1、許可を得た版元の書籍や雑誌などのコンテンツを蓄積
2、AI(人工知能)が記事の評価を行う
3、AIが選別した結果についてさらに責任者が選別を行う

このプロセスを経ることで初めてコンテンツが閲覧者に提供されます。

優良なコンテンツに触れることができることに加え、より関連性の高い記事を表示することで閲覧者が長時間ウェブサイトを見ることにつながると予想されます。

(参考:Tech Crunch Japan デジガレと講談社が女性向けにキュレーションならぬコンピレーションメディア——「HOLICS」は雑誌記事を人とAIで再編して配信
http://jp.techcrunch.com/2017/06/28/digital-media-holics-launches/)

信頼性のあるコンテンツに基づいてキュレーションサイトを作成することは、特定のコンテンツを読ませることにより閲覧数を上げるだけではなく、キュレーションサイトで頻繁に槍玉に挙げられている「著作権の問題を適正にクリアしている」という点で高く評価できます。

AIが選別した記事に対して人間がさらに校閲を行うという点においてはやや冗長かもしれませんが、それだけ優良なコンテンツを提供しようという意気込みが見て取れるとも言えます。

まとめ

上記の二つの例は、キュレーションサイトをうまく利用した宣伝方法と言えます。

これからのキュレーションサイトは、

1、的確な情報を提供しているか
2、他のウェブサイトと差別化が図れているか
3、ユーザにとって利便性の高い情報を提供できているか

という3点においてブランディングを果たしていくことになるでしょう。

人気のウェブサイトになればなるほど広告主もキュレーションサイトに広告費を投じることになります。従来の雑誌にかける広告ではなく、閲覧者が多く関連性の高いウェブサイトに広告の比重が写っていくことになると予想されます。

時代の変化とともに、情報の扱い方も変容してきていると言えます。

キュレーションサイトの隆盛は今後も続くことになるでしょう。