ブランドサイトとECサイトを統合するメリットは?目的の違いや実例をご紹介
ユーザーの獲得や情報発信ツールとして、今やサイトを設けていない企業は少ないでしょう。オンラインショッピングの市場拡大に伴い、ECサイトを展開している企業も増加しています。
企業が作るサイトには、コーポレートサイトやブランドサイト、ECサイトなどが挙げられます。これらは、ニーズや目的が異なるため、これまでは別々に作られていることが一般的でした。
しかし、海外ではブランドサイトとECサイトを統合することが当たり前に。日本でも、統合を実施する企業が増えてきています。
この記事では、それぞれのサイトの違いやサイト統合によるメリット・デメリット、国内の統合事例についてご説明します。
【目次】
【ブランドサイトの目的】
自社のサービス・商品の情報を発信し求めている客層にリーチさせることで、購入に結びつけられるのです。
ブランドが演出する「空気感」に好感を抱いてもらうことで、ファンを獲得できます。ファンの存在は、ブランド構築のうえでも重要です。
両者の違いは名前だけではありません。サイトが目的とするターゲット層、合わせて掲載すべき情報にも違いがあるのです。
そのため、掲載される情報には、以下のものが挙げられます。
【コーポレートサイトの掲載情報】
サイトデザインの雰囲気は幅広く、必要な情報を淡々と伝えるビジネス仕様のものからデザイン性の高いものまで、企業によって異なります。デザイン性にもこだわっているものは、以下で説明するブランドサイトに近しいサイトであるといえるでしょう。
想定している閲覧者には、一般顧客(ユーザー)だけではなく、取引先、求職者も含まれます。
そのため、コーポレートサイトと同じ商品の紹介であっても、ブランドサイトでは「見せ方」に重点が置かれます。
【独立したブランドサイトによるメリット】
ECサイトのほかにブランドサイト、またはコーポレートサイトがきちんと作られていることは、ユーザーが「この販売元は信頼できるだろう」と判断できる材料になるのです。
ニーズに合わせた情報をEC・ブランドサイトに分けて提示することで、ユーザーにとってわかりやすいサイトを作れます。その結果、ユーザーの母数を増加させられるでしょう。
そうしたなか、ECサイトとブランドサイトを別で作ることは、SEOに有効であるという意見があります。目的に沿って作りこむことで、サイトごとの専門性を高められるためです。
SEO対策が功を奏せば、検索の上位表示が可能になります。上位に表示されることにより、新たなユーザーに情報を届けられる確率が上がるのです。
そのため、統合サイトに適用できる人材や外注先はおのずと少なくなります。独立したブランドサイトは、依頼できる人材が幅広いこともメリットだといえるでしょう。
ブランドサイトとECサイトを統合するメリットには、以下の3点が挙げられます。
【統合サイトのメリット】
反対に、ECサイトで商品を気に入った人が、商品を販売しているブランドにも興味を抱いた場合にも同じことが起こります。
統合サイトであれば、ブランドの情報と商品販売とを一元化させられるため、ユーザーがスムーズにサイト内を回遊できるでしょう。
統合サイトの場合、SEO的に有利になるのはECサイトです。その理由は、テキスト量にあります。近年のECサイトはランディングページのように商品を画像化して販売ページを作ることが多く、検索エンジンに引っかかるテキスト部分が少ないのです。
テキストでの情報発信部分が多いブランドサイトと統合させることで、おのずとECサイトにも検索流入が期待できるようになります。
統合サイトにすると、少ない人員数でもサイト運営ができるようになります。
【統合サイトのデメリット】
ECサイトは、デザイン性よりもユーザーがお目当ての商品を探しやすくするための機能性や利便性を重視。一方で、ブランドサイトは目を惹くデザイン性、シンプルで伝わりやすい情報提供を重視しているのです。
双方を両立させるデザインは難しく、サイト設計ができるディレクターも希少です。また、統合サイトに対応したCMSもあまり出回っていません。既存CMSを活用できなければ、サイトの構築にもコストがかかるため、予算面でもデメリットがあるといえるでしょう。
ここを誤ってしまうと、ユーザビリティの低いサイトになってしまうのです。
いずれにも余裕があり、独立サイト・統合サイトのどちらでいくか決められない場合は、ユーザーに興味を持ってほしい内容で判断することをおすすめします。
「とにかく商品ラインナップに興味を抱いてほしい」場合は、独立サイトの方が目的を果たせるでしょう。ブランドサイトは別で用意することで、ユーザーがスムーズに回遊できます。
一方、会社のブランド自体にも興味を抱いてほしい場合や、EC事業以外のものも知ってほしいといった場合は、統合サイトの利点が活かせるでしょう。
直営店舗スタッフによるブログや、SNSやアプリなどとも連携。ゴールドウィンに関する情報のハブとしての役割も担っているサイトです。
予算・人員面といった現実的な状況も踏まえながら、検討してみてはいかがでしょうか。
企業が作るサイトには、コーポレートサイトやブランドサイト、ECサイトなどが挙げられます。これらは、ニーズや目的が異なるため、これまでは別々に作られていることが一般的でした。
しかし、海外ではブランドサイトとECサイトを統合することが当たり前に。日本でも、統合を実施する企業が増えてきています。
この記事では、それぞれのサイトの違いやサイト統合によるメリット・デメリット、国内の統合事例についてご説明します。
【目次】
- ブランドサイトの目的
- ブランドサイトとコーポレートサイトとの違い
- ブランドサイトを独立して作るメリット
- ブランドサイトとコーポレートサイトとの統合
- ブランドサイトとECサイトとを統合するメリット
- ブランドサイトとECサイトとを統合するデメリット
- ブランドサイトとECサイトを統合する判断目安
- ブランドサイトとECサイトを統合した実例
ブランドサイトの目的
ブランドサイトの目的には、以下の3点が挙げられます。【ブランドサイトの目的】
- ブランドの認知向上
- 消費者の商品・サービスへのロイヤリティ獲得
- 自社サイト内のハブ
ブランドの認知向上
顧客の認知度を上げることは、企業にとって重要なミッションです。ホームページは情報を拡散する力に長けているため、多額な広告費をかけずとも直接ユーザーに訴えかけることができます。自社のサービス・商品の情報を発信し求めている客層にリーチさせることで、購入に結びつけられるのです。
消費者の商品・サービスへのロイヤリティ獲得
ブランドサイトのもっとも大きな目的は、ユーザーのロイヤリティを獲得することでしょう。ブランドが演出する「空気感」に好感を抱いてもらうことで、ファンを獲得できます。ファンの存在は、ブランド構築のうえでも重要です。
自社サイト内のハブ
ブランドサイトを自社サイト内の「ハブ」として位置付けることもできます。パッとブランドのイメージを認識しやすいブランドサイトから、興味を抱いた人が詳細な情報ページや会社概要ページに飛べるようにしておくことが大切です。ブランドサイトとコーポレートサイトとの違い
ブランドサイトと似たようなものに、「コーポレートサイト」があります。そもそも、ブランドサイトと聞いたときにコーポレートサイトを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。両者の違いは名前だけではありません。サイトが目的とするターゲット層、合わせて掲載すべき情報にも違いがあるのです。
コーポレートサイトの特徴
コーポレートサイトの主な目的は、「どのような企業なのか」を閲覧者に伝えることです。そのため、掲載される情報には、以下のものが挙げられます。
【コーポレートサイトの掲載情報】
- 企業理念
- 業務内容
- 所在地
- 役員名
- IR情報
- 採用情報
サイトデザインの雰囲気は幅広く、必要な情報を淡々と伝えるビジネス仕様のものからデザイン性の高いものまで、企業によって異なります。デザイン性にもこだわっているものは、以下で説明するブランドサイトに近しいサイトであるといえるでしょう。
想定している閲覧者には、一般顧客(ユーザー)だけではなく、取引先、求職者も含まれます。
ブランドサイトの特徴
コーポレートサイトに対し、ブランドサイトの主な目的は、「ユーザーのロイヤリティ獲得」です。商品やサービスの認知度を上げ、体験を通じて「買ってみたい」「使ってみたい」という思いに導いていきます。想定している閲覧者は、一般顧客です。そのため、コーポレートサイトと同じ商品の紹介であっても、ブランドサイトでは「見せ方」に重点が置かれます。
- コーポレートサイトの商品紹介…規格、原材料など詳細情報
- ブランドサイトの商品紹介…ビジュアル、デザインなど「空気感」を重視
ブランドサイトを独立して作るメリット
ブランドサイトを独立して作ることでのメリットには、以下のものが挙げられます。【独立したブランドサイトによるメリット】
- ブランドへの信頼度に繋がる
- 幅広いユーザー層へのアプローチが可能
- SEO対策として有効
- 対応できる技術者が多いため作りこみやすい
- ユーザビリティの高さを担保しやすい
ブランドへの信頼度に繋がる
ECサイトが乱立するなか、なかには信ぴょう性の低いサイトがあることも現実です。ユーザーは、似たような商品・同じ商品を購入する際には、価格や送料といった金銭面の違いのほか、販売元の信頼性を判断基準にします。ECサイトのほかにブランドサイト、またはコーポレートサイトがきちんと作られていることは、ユーザーが「この販売元は信頼できるだろう」と判断できる材料になるのです。
幅広いユーザー層へのアプローチが可能
ECサイトとブランドサイトとは、訪れるユーザー層に違いがあります。ECサイトに訪れるユーザーには「販売されている商品」にしか興味がない人も少なくないでしょう。一方、ブランドサイトを訪れる人は、「ブランド」「会社」自体に興味があるといえます。ニーズに合わせた情報をEC・ブランドサイトに分けて提示することで、ユーザーにとってわかりやすいサイトを作れます。その結果、ユーザーの母数を増加させられるでしょう。
SEO対策として有効
検索エンジンに絶対的なルールはありません。常に最適化をするために変化し続けるものだからです。そうしたなか、ECサイトとブランドサイトを別で作ることは、SEOに有効であるという意見があります。目的に沿って作りこむことで、サイトごとの専門性を高められるためです。
SEO対策が功を奏せば、検索の上位表示が可能になります。上位に表示されることにより、新たなユーザーに情報を届けられる確率が上がるのです。
対応できる技術者が多いため作りこみやすい
同じエンジニアやデザイナーであっても、それぞれ得意とする領域は異なります。ECサイトとブランドサイトは、それぞれ求められるものが異なるため、エンジニア・デザイナーのすべてが得意とするわけではないのです。そのため、統合サイトに適用できる人材や外注先はおのずと少なくなります。独立したブランドサイトは、依頼できる人材が幅広いこともメリットだといえるでしょう。
ユーザビリティ―の高さを担保しやすい
独立させたブランドサイトは、特定の目的に沿って作りこめます。そのため、ユーザーが回遊しやすいサイト設計がしやすい点がメリットです。ブランドサイトとコーポレートサイトとの統合
ブランドサイトとコーポレートサイトとは、前述したとおり目的が異なります。しかし、コーポレートサイトのコンテンツの一枠にブランドサイトを作ったり、ブランドサイトのなかにコーポレートサイトに掲載すべき情報を載せるページを設けたりすることも可能です。ブランドサイトとECサイトとを統合するメリット
ブランドサイトとECサイトとの統合は、海外で当たり前のように行われてきました。しかし、近年では日本でも統合サイトを作る企業が増加しています。ブランドサイトとECサイトを統合するメリットには、以下の3点が挙げられます。
【統合サイトのメリット】
- 情報提供と販売を一元化できる
- SEO対策にも繋がる
- 運営の手間を減らせる
情報提供と販売を一元化できる
ECサイトとブランドサイトが別で作られている場合、ブランドサイトを訪れたユーザーが商品を購入する際には、ブランドサイトから離脱してECサイトに飛ばなければなりません。反対に、ECサイトで商品を気に入った人が、商品を販売しているブランドにも興味を抱いた場合にも同じことが起こります。
統合サイトであれば、ブランドの情報と商品販売とを一元化させられるため、ユーザーがスムーズにサイト内を回遊できるでしょう。
SEO対策にも繋がる
独立したブランドサイトがSEO対策に有利だと説明しました。それと相反するようですが、統合サイトも作り方次第でSEO対策に有効なのです。統合サイトの場合、SEO的に有利になるのはECサイトです。その理由は、テキスト量にあります。近年のECサイトはランディングページのように商品を画像化して販売ページを作ることが多く、検索エンジンに引っかかるテキスト部分が少ないのです。
テキストでの情報発信部分が多いブランドサイトと統合させることで、おのずとECサイトにも検索流入が期待できるようになります。
運営の手間を減らせる
ECサイトとブランドサイトを別で運営していると、更新や編集に関わる人を増やさざるを得ません。統合サイトにすると、少ない人員数でもサイト運営ができるようになります。
ブランドサイトとECサイトとを統合するデメリット
一方で、ブランドサイトとECサイトとを統合するにはデメリットもあります。【統合サイトのデメリット】
- 両立させるデザインを構築する技術が難しい
- ユーザビリティが低下するおそれがある
両立させるデザインを構築する技術が難しい
独立したブランドサイトのメリットのところでも触れましたが、ECサイト、ブランドサイトは設計する際に重視する点が異なります。ECサイトは、デザイン性よりもユーザーがお目当ての商品を探しやすくするための機能性や利便性を重視。一方で、ブランドサイトは目を惹くデザイン性、シンプルで伝わりやすい情報提供を重視しているのです。
双方を両立させるデザインは難しく、サイト設計ができるディレクターも希少です。また、統合サイトに対応したCMSもあまり出回っていません。既存CMSを活用できなければ、サイトの構築にもコストがかかるため、予算面でもデメリットがあるといえるでしょう。
ユーザビリティが低下するおそれがある
統合サイトを作る場合は、ユーザーがサイト内で迷わないよう、コンテンツメニューをわかりやすく設計する必要があります。ここを誤ってしまうと、ユーザビリティの低いサイトになってしまうのです。
ブランドサイトとECサイトを統合する判断目安
ブランドサイトとECサイトを統合するかどうかの判断は、まず予算・人員の余裕の有無から考えてみましょう。いずれにも余裕があり、独立サイト・統合サイトのどちらでいくか決められない場合は、ユーザーに興味を持ってほしい内容で判断することをおすすめします。
「とにかく商品ラインナップに興味を抱いてほしい」場合は、独立サイトの方が目的を果たせるでしょう。ブランドサイトは別で用意することで、ユーザーがスムーズに回遊できます。
一方、会社のブランド自体にも興味を抱いてほしい場合や、EC事業以外のものも知ってほしいといった場合は、統合サイトの利点が活かせるでしょう。
ブランドサイトとECサイトを統合した実例
ブランドサイトとECサイトとを統合している企業の多くは、アパレル関連企業です。ここでは、ユナイテッドアローズ、ゴールドウィン、ビームスの3社の実例をご紹介します。ユナイテッドアローズ
ユナイテッドアローズは、2017年4月に統合サイトにリニューアルしました。ブランドサイトで発信していた特集記事や、店舗スタッフによる「スタッフレコメンド」をECサイトに掲載することで、購買意欲の向上を図っています。ゴールドウィン
ゴールドウィンは、2017年8月に統合サイトにリニューアルしました。オンラインショッピングを楽しむための会員ログインがブランドサイトからもできるため、ブランド情報を見ながら購入までがシームレスに楽しめるようになっています。直営店舗スタッフによるブログや、SNSやアプリなどとも連携。ゴールドウィンに関する情報のハブとしての役割も担っているサイトです。
ビームス
BEAMS(ビームス)は、2016年9月に統合サイトにリニューアルしました。現在のトップページには、ブランドの雰囲気や商品開発の裏側がわかるコンテンツが並び、トップの「アイテム」メニューから通常のECショップに飛べる仕組みです。まとめ
国内でも徐々に増加傾向にあるブランド・ECの統合サイト。メリット・デメリット双方がありますが、「ただモノを買う」思考から「ブランドの考え方・世界観が好きだから買う」思考を持つユーザーが増えるに従い、メリットはより大きくなっていくでしょう。予算・人員面といった現実的な状況も踏まえながら、検討してみてはいかがでしょうか。