ユニクロアプリにAIチャットボット機能「UNIQLO IQ」が登場!
- ユニクロアプリにAIチャットボット「UNIQLO IQ」が実装
- AIチャットボット「UNIQLO IQ」は、米GoogleのDialogflowを使って開発されている
- AIチャットボット「UNIQLO IQ」ではテキスト入力によるコーディネート検索ができる
- バーコード読み取り機能などによりオンラインストアだけでなく実店舗もアプリと密に連携
ユニクロアプリのAIチャットボット
ユニクロのAIチャットボットサービス「UNIQLO IQ」は、「ユニクロアプリ」内で利用可能な機能です。「UNIQLO IQ」は、2017年9月からまず2,000人に対して先行提供をおこない、その試験運用人数を15万人まで継続的に増やしながらボットの回答精度を上げてきました。現在はすべてのユーザーが利用できるようになっています。UNIQLO IQ情報
AIチャットボットUNIQLO IQは、米Googleの提供する対話アプリ開発プラットフォーム「Dialogflow Enterprise Edition(旧api.ai)」を用いて開発されています。「Dialogflow」は、機械学習によりユーザーの入力する会話内容を認識し、自然な会話を可能にしています。会話の中から時間や日付、数字といった情報を抽出してテキスト入力をおこなったユーザーの意図を認識するのです。
ユニクロのグローバルデジタルコマース部ディレクターの松山真哉氏は、この「Dialogflow」によって新しいショッピング体験を利用者に提供し、将来的には音声認識への拡張や多言語対応も検討しているとコメントを発表しています。
・Dialogflow
https://cloud.google.com/dialogflow-enterprise/
AIによるチャットボットとオペレーターの併用でスムーズな対応
UNIQLO IQの回答は、店舗スタッフが実際に受けたことがある問い合わせや、顧客への聞き取りといった情報をAIが学習し構成されています。ユニクロでは、2018年5月の時点で電話やメールといった従来の問い合わせの半数がAIチャットボット経由になっており、これにともなって受付可能な問い合わせが前年同期比2倍にアップしたことを明らかにしています。なお、AIがまだ理解できない、すなわちUNIQLO IQが回答できないと判断された問い合わせは、これまで通りカスタマーセンターのオペレーターが引き継いで対応します。
Google アシスタントでも自動回答サービスを提供中
ユニクロは、今回のAIチャットボット開発で利用している「Dialogflow」を使った「Googleアシスタントアプリ」も、2018年6月から提供をスタートしています。「Google アシスタント」は話しかけることで検索やリマインダの登録、電話や自撮りなどさまざまな動作ができるアプリです。
スマートフォンに「Google アシスタント」のアプリをインストールし、インストールした端末でユニクロウェブサイト中の「Google アシスタントでお問い合わせ」ボタンをタップするか、Google アシスタントマイクに「ユニクロ問い合わせにつなぐ」と話しかけることで起動します。Googleアシスタントでは、ユニクロ商品の注文確認や配送、および返品交換に対する問い合わせに対して自動音声の回答を得ることができます。
LINEの問い合わせ機能
LINE上では2018年3月から、オンラインストアの利用方法、注文商品の配送状況といったよくある問い合わせに対応するサービスを運用しています。現在は定型的な問い合わせに対する回答のみですが、将来的には機能拡張にくわえ、買い物を楽しめる体制を作っていくとしています。UNIQLO IQでできること
UNIQLO IQは、アプリの右下にある「IQで探す」ボタンから利用できます。実際にどのような仕様になっているか、できることをみてみましょう。性別を選んでスタート
AIチャットボットUNIQLO IQ(以下IQ)を起動させると、はじめに性別を選ぶようにメッセージが出ます。性別を選択するとおすすめ商品が数点表示されてオンラインストアの接続について質問が出ますが、オンラインストアにつながない状態でも商品検索ができます。人気ランキング
AIチャット画面の下部にある「人気ランキング」ボタンをタップすると、48時間以内の売り上げランキングを見ることができます。アウターやトップス、ボトムスなどのカテゴリによって人気商品をさらに絞り込んで検索することができます。おすすめコーデ
「おすすめコーデ」ボタンを押し、テキスト入力欄に「オフィス」、「おでかけ」、「学校行事」などと任意のワードを入力すると、シーンに合わせたコーディネート一覧を見ることができます。また、特定の場所やイベントに限らず「ばっちり決めたい」、「動きやすい」、「カジュアル」といった雰囲気ワードからも検索が可能です。提案されたコーディネートは着用アイテムを1点ずつ閲覧できるほか、お気に入り登録をしてデータを保存しておくこともできます。
今日のラッキーカラー
星座をセレクトすると、ラッキーカラーとそれに応じたアイテムを表示する機能です。表示されたアイテムから商品詳細ページや店舗の在庫チェック、コーディネートなどのページにジャンプすることができます。トレンドワード
SNSで話題になっているトレンドワードが表示され、ワードを選んでタップするとトレンドにマッチした商品一覧を見ることができます。トレンドワードは一週間ごとに更新され、毎週金曜日に新しいワードに切り替えられます。UTファインダー/ジーンズファインダー
IQでは、Tシャツとジーンズに特化した検索もおこなうことができます。Tシャツはデザインやキャラクター、ジャパンカルチャー、価格といったカテゴリから、ジーンズはシルエットやカラー、加工といったカテゴリから、それぞれ絞り込み検索が可能です。
店舗利用
ユニクロ店舗内でIQを起動させ、カメラボタンで任意の商品のバーコードを読み込むと、店舗在庫とおすすめのコーディネートが表示されます。オンラインストアだけでなく、実店舗とも連携させていることがIQの強みといえます。
ユニクロアプリでできること
AIチャットボット機能以外にも、ユニクロアプリでは実店舗と組み合わせたさまざまなサービスを提供しています。SCAN DE CHANCE
ユニクロアプリでは、アプリに登録した会員バーコードを実店舗のレジで読み取り、利用に応じてクーポンが当たるキャンペーンを実施しています。税抜き1,000円ごとに1回チャレンジできる抽選で、この抽選券は購入日の翌日中に付与され、1,000円ごとに抽選に参加できるものです。また、任天堂提供による「ハコボーイ!」のミニゲームも搭載されており、ゲームを週3日間クリアするとクーポンが付与される特典があります。
購入履歴の記録
アプリユーザーの購入履歴を記録して、おすすめ商品の案内や利用店舗の絞り込みなど、ユーザーに合わせたサービスを提供できるようにしています。バーコードスキャン機能
ユニクロのアプリユーザーは、商品のバーコードをスキャンすることでオンラインストアと各店舗の商品在庫を確認することができます。またアイテムごとのレビューを閲覧する機能もついています。商品情報の通知機能
購入を検討している商品をお気に入り登録することで、ユーザーは該当商品の値下げ、限定アイテムの販売開始日などの情報を受けとることができます。今週のチラシ
アプリでは、レディース、メンズ、キッズ、ベビーなどのカテゴリ別に商品を検索できるほか、チラシをチェックすることもできます。今週の限定商品や値下げ商品をまとめてチェックできるこの機能は、さまざまな世代のいるファミリー層ユーザーにとって使いやすい機能といえるでしょう。UNIQLO UPDATE
UNIQLO UPDATEでは、お客様の声やデザインの見直しによって変更された各商品のアップデート内容を確認することができます。2017年と2018年の商品の差異や、素材の変更などが分かりやすくまとめられています。まとめ
ユニクロアプリに登場したAIチャットボットUNIQLO IQは、「カジュアル」や「授業参観」といったぼんやりとした単語でもおすすめのコーディネートを提供してくれるという、新しいショッピング体験に注目が集まりそうです。これはAI技術のなせる技といえます。また、バーコードを読み取ることでユーザーもかんたんに店舗内在庫が確認できる仕組みは、ユニクロのオムニチャネル化をさらに促進するはたらきを担っているといえるでしょう。