採寸精度99%のBtoB向け自動採寸アプリ「Bodygram」がすごい。オーダーメイド市場拡大に拍車をかける?
「スマホで撮った写真2枚で、精度99%の採寸ができるアプリ」Bodygramをご存知でしょうか?
BtoB向けアプリとして2018年11月にリリースされたBodygramは、オーダーメイド市場活性化のカギとしてアパレル業界からも大きな注目を集めています。
とはいえ、Bodygramは専門用語が多そうでとっつきにくく感じますよね。
今回は、Bodygramがどういったアプリで、どんな機能を持つのか、他採寸サービスとどう違うのかを紹介します。
これを読めば、話題のBodygramおよび国内の採寸アプリとの違いについてしっかり理解できます。
【目次】
このBodygramの特徴は、
これは、撮影・採寸にディープラーニングをはじめとするさまざまな機械学習アルゴリズムを用いているためです。
また、撮影の際は服を着たままでよく、従来の自動採寸にありがちな服の着脱や特殊なスーツの導入などが必要ない点もポイントといえます。
さまざまな人種・体型の800名を集め、実寸との誤差を比較した採寸テストでは、ほとんどの部位の実寸との誤差はそれぞれ1cm以内でした。
平均採寸精度は99%という結果になり、これはスマートフォンのカメラだけで測定する機能としては驚異的といって差し支えありません。
このBodygramを開発したのは、2014年にシリコンバレーでスタートした、オンラインオーダーメイドシャツブランド「Original Stitch」を販売するOriginal社です。
今回開発したBodygramは、Original Stitch開発の経験をもとに生み出されたもので、同サービスで培ったノウハウが多く活かされています。
なお、Original社は2018年8月に初の海外子会社としてOriginal Japan社も設立しており、日本展開もスタートさせています。
BodyBankには、企業がそれぞれのサービスにおいて採寸したデータが蓄積・共有され、世代毎の体型や身長・体重のデータが確認できます。
こうしたデータを活用し、既製品ブランドのサイズマッチングに関する課題解決や、それに伴う返品率の減少などに利用できるのがBodygramの魅力です。
また、BodygramおよびBodyBankはアパレルブランド以外にも活用できますので、多様な展開が期待できるサービスとなる予定でもあります。
その名残か、ユーザビリティと精度を両立させているのが大きな特徴・メリットです。
具体的には、以下のような3つの特徴を持っています。
ZOZOスーツを着て測定するのが面倒だった方も、Bodygramならスマホで正面・側面の写真を撮るだけでOKです。
なお、計測は1人ではほぼ不可能なので、2人1組で撮影するか、もしくはスマホ用の三脚などを準備する必要がある点には注意しなくてはなりません。
誤差は1cm以内とされていますが、1cm程度の誤差であればオーダーメイドであってもサイズ設定に大きな影響は及ぼさないことを考えると、ほとんど「正確に計れる」と言ってしまって良いのではないでしょうか。
したがって、Bodygramを利用する企業が増えれば増えるほど、蓄積されるデータの価値はより高まっていくのは間違いありません。
何万・何十万の顧客の身長・体重や各部位の細かい採寸データは、特にアパレルブランドのマーケティング担当者からすれば間違いなく欲しい情報でしょう。
オーダーメイドスーツなどが脚光を浴びている昨今、これによりオーダーメイド市場の活性化にさらなる拍車がかかりそうです。
続いては、以下のようなサービスとの違いを解説していきますね。
ZOZOスーツはECアパレルブランドのZOZOが開発した採寸スーツです。国内では、自動採寸サービスの先駆けとして一時期大きな注目を集めていました。
仕組みとしては、無料で自宅に届くスーツを着て、スマートフォンで採寸することで、ZOZOスーツに対応した半オーダーメイドのTシャツ・ジーンズなどを購入できるといったものです。
Bodygramとは「無料でスーツを注文する必要がある」という点、「ZOZOのPB製品を購入する以外には使えない」点で異なっています。
前評判はかなり高かったZOZOスーツを使った自動採寸ですが、実際に商品が届いてみると、明らかにサイズに合っていないなどオーダーメイドにあるまじき評判が目立ち、いまいち評判は振るいませんでした。
この失敗が響いたのか、それともやはり技術的には限界があったのか、ZOZOは2018年10月の決算説明会で事実上のZOZOスーツ撤退を表明しています。
紳士服のコナカは、2018年11月に自社製品向けの「DIFFERENCE AI画像採寸アプリ」をリリース。
本アプリの開発には東大初ベンチャー「Arithmer(アリスマー)」が協力しており、国内企業の協業によって生み出されました。
iOS、Androidに対応し、まずオーダーメイドワイシャツ・オーダーメイドスーツの注文への利用を目指すとしています。
Bodygramとの違いは、ZOZOスーツと同じく「自社製品向けのアプリ」である点。それから「コナカはAndroidにも対応している」点でも異なります。
利用は、まず撮影者と被写体の2人1組になって身長や体重を入力したあと、カメラで体の前後左右4枚の全身写真を撮影するだけでOK。
AIによって、写真から自動的にサイズを算出してくれます。
イスラエルの「MySizeID」によって開発された、セルフ採寸アプリ。iOSのみ対応しており、無料でダウンロードできます。
2019年2月時点での現行アプリの中ではもっともBodygramに近い存在ですが、Bodygramとの違いは、「アパレルブランドのサイズ表と照らし合わせる汎用性の高さ」「BtoC向け」という点で異なります。
仕組みとしては、アプリをインストールしたスマートフォンを体の各部位に当てると、センサーを使って寸法を正確に測定するといったもの。
収集した体型データは、ECアパレルブランドのサイズ表と同期させることで体型に合ったアイテムを自動で選び出せます。
これにより、「サイズが合わない」や「イメージと違う」などで返品する可能性を極限まで減らすことができ、ユーザーの満足度が向上するのがメリットです。
さらに返品・交換に必要なコストの削減にも繋がるなど、事業者・消費者双方にメリットをもたらすアプリといえます。
スーツ・学生服ではオーダーメイドのシェアが増大しており、これを受けた光和衣料は自動採寸によるオーダーメイド学生服を生産する計画を立ち上げました。
こうして生まれたのが、アプリやスーツではなく実際に3Dボディスキャナーで採寸して、データを自社サーバーに転送する方式の採寸サービスです。
これにより、一人あたり5分、人件費もかかっていた採寸をわずか0.5秒で完了させ、18分後には自動で本社にデータが送られるようになりました。
これは自動採寸には顧客データの蓄積だけでなく、業務効率化というメリットもあるという事例です。
すでに日本展開も始まっていますので、これからの国内展開に期待が持てそうです。
なお、Originalは、2018年8月に寝具メーカー「エアウィーヴ」と提携しました。
これにより、Bodygramで計測したユーザーの体型データを利用し、硬さを調節した寝具を生産するなどすでにアパレル業界以外での活用も開始しています。
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BtoB向けアプリとして2018年11月にリリースされたBodygramは、オーダーメイド市場活性化のカギとしてアパレル業界からも大きな注目を集めています。
とはいえ、Bodygramは専門用語が多そうでとっつきにくく感じますよね。
今回は、Bodygramがどういったアプリで、どんな機能を持つのか、他採寸サービスとどう違うのかを紹介します。
これを読めば、話題のBodygramおよび国内の採寸アプリとの違いについてしっかり理解できます。
【目次】
- カメラだけで精度99%の自動採寸を提供。Bodygramの特徴
- Bodygramの特徴とメリット
- 国内展開している他の自動採寸アプリ、システムとの違いは?
- 手軽、正確、便利なBtoB向け採寸アプリ「Bodygram」。アパレルだけに留まらない展開を目指す
カメラだけで精度99%の自動採寸を提供。Bodygramの特徴
2019年11月に正式リリースを果たしたBodygramは、スマホアプリで瞬時に全身16カ所を採寸できる「BtoB向け自動採寸アプリ」です。このBodygramの特徴は、
- スマートフォンで正面・側面の全身写真2枚を撮影
- 身長、体重、性別、年齢を入力
- アプリで送信する
これは、撮影・採寸にディープラーニングをはじめとするさまざまな機械学習アルゴリズムを用いているためです。
また、撮影の際は服を着たままでよく、従来の自動採寸にありがちな服の着脱や特殊なスーツの導入などが必要ない点もポイントといえます。
さまざまな人種・体型の800名を集め、実寸との誤差を比較した採寸テストでは、ほとんどの部位の実寸との誤差はそれぞれ1cm以内でした。
平均採寸精度は99%という結果になり、これはスマートフォンのカメラだけで測定する機能としては驚異的といって差し支えありません。
このBodygramを開発したのは、2014年にシリコンバレーでスタートした、オンラインオーダーメイドシャツブランド「Original Stitch」を販売するOriginal社です。
今回開発したBodygramは、Original Stitch開発の経験をもとに生み出されたもので、同サービスで培ったノウハウが多く活かされています。
なお、Original社は2018年8月に初の海外子会社としてOriginal Japan社も設立しており、日本展開もスタートさせています。
採寸データを蓄積して活用するクラウドプラットフォーム「BodyBank」も同時提供
さらに、Bodygramを導入した企業は、Bodygramで採寸したデータを蓄積する「BodyBank」にもアクセス可能です。BodyBankには、企業がそれぞれのサービスにおいて採寸したデータが蓄積・共有され、世代毎の体型や身長・体重のデータが確認できます。
こうしたデータを活用し、既製品ブランドのサイズマッチングに関する課題解決や、それに伴う返品率の減少などに利用できるのがBodygramの魅力です。
また、BodygramおよびBodyBankはアパレルブランド以外にも活用できますので、多様な展開が期待できるサービスとなる予定でもあります。
Bodygramの特徴とメリット
BodygramはBtoB向けのサービスですが、もともとはコンシューマ向けのツールとして開発されていたという経緯があります。その名残か、ユーザビリティと精度を両立させているのが大きな特徴・メリットです。
具体的には、以下のような3つの特徴を持っています。
1.服を着たまま、正面と横の写真2枚だけで正確に採寸できる
前述したように、衣服の着脱や特殊なスーツ・アイテムの導入などの手間は必要ありません。ZOZOスーツを着て測定するのが面倒だった方も、Bodygramならスマホで正面・側面の写真を撮るだけでOKです。
なお、計測は1人ではほぼ不可能なので、2人1組で撮影するか、もしくはスマホ用の三脚などを準備する必要がある点には注意しなくてはなりません。
2.採寸精度は99%。各部位の実寸との誤差は1cm以内
Bodygramは、服を着たままでも非常に高い採寸精度を誇ります。誤差は1cm以内とされていますが、1cm程度の誤差であればオーダーメイドであってもサイズ設定に大きな影響は及ぼさないことを考えると、ほとんど「正確に計れる」と言ってしまって良いのではないでしょうか。
3.採寸データをさまざまな企業が活用できる
ここが他企業の自動採寸サービスとの大きな違いなのですが、Bodygramで採寸したデータは他のさまざまな企業も使えるようにクラウドサービスに保管されます。したがって、Bodygramを利用する企業が増えれば増えるほど、蓄積されるデータの価値はより高まっていくのは間違いありません。
何万・何十万の顧客の身長・体重や各部位の細かい採寸データは、特にアパレルブランドのマーケティング担当者からすれば間違いなく欲しい情報でしょう。
オーダーメイドスーツなどが脚光を浴びている昨今、これによりオーダーメイド市場の活性化にさらなる拍車がかかりそうです。
国内展開している他の自動採寸アプリ、システムとの違いは?
上記のようなメリットを持つBodygramですが、国内展開している自動採寸アプリ・サービスは他にもいくつか存在します。続いては、以下のようなサービスとの違いを解説していきますね。
ZOZOスーツとBodygramとの違い
ZOZOスーツはECアパレルブランドのZOZOが開発した採寸スーツです。国内では、自動採寸サービスの先駆けとして一時期大きな注目を集めていました。
仕組みとしては、無料で自宅に届くスーツを着て、スマートフォンで採寸することで、ZOZOスーツに対応した半オーダーメイドのTシャツ・ジーンズなどを購入できるといったものです。
Bodygramとは「無料でスーツを注文する必要がある」という点、「ZOZOのPB製品を購入する以外には使えない」点で異なっています。
前評判はかなり高かったZOZOスーツを使った自動採寸ですが、実際に商品が届いてみると、明らかにサイズに合っていないなどオーダーメイドにあるまじき評判が目立ち、いまいち評判は振るいませんでした。
この失敗が響いたのか、それともやはり技術的には限界があったのか、ZOZOは2018年10月の決算説明会で事実上のZOZOスーツ撤退を表明しています。
コナカの「DIFFERENCE AI画像採寸アプリ」とBodygramの違い
紳士服のコナカは、2018年11月に自社製品向けの「DIFFERENCE AI画像採寸アプリ」をリリース。
本アプリの開発には東大初ベンチャー「Arithmer(アリスマー)」が協力しており、国内企業の協業によって生み出されました。
iOS、Androidに対応し、まずオーダーメイドワイシャツ・オーダーメイドスーツの注文への利用を目指すとしています。
Bodygramとの違いは、ZOZOスーツと同じく「自社製品向けのアプリ」である点。それから「コナカはAndroidにも対応している」点でも異なります。
利用は、まず撮影者と被写体の2人1組になって身長や体重を入力したあと、カメラで体の前後左右4枚の全身写真を撮影するだけでOK。
AIによって、写真から自動的にサイズを算出してくれます。
採寸アプリ「MySizeID」とBodygramの違い
イスラエルの「MySizeID」によって開発された、セルフ採寸アプリ。iOSのみ対応しており、無料でダウンロードできます。
2019年2月時点での現行アプリの中ではもっともBodygramに近い存在ですが、Bodygramとの違いは、「アパレルブランドのサイズ表と照らし合わせる汎用性の高さ」「BtoC向け」という点で異なります。
仕組みとしては、アプリをインストールしたスマートフォンを体の各部位に当てると、センサーを使って寸法を正確に測定するといったもの。
収集した体型データは、ECアパレルブランドのサイズ表と同期させることで体型に合ったアイテムを自動で選び出せます。
これにより、「サイズが合わない」や「イメージと違う」などで返品する可能性を極限まで減らすことができ、ユーザーの満足度が向上するのがメリットです。
さらに返品・交換に必要なコストの削減にも繋がるなど、事業者・消費者双方にメリットをもたらすアプリといえます。
光和衣料のシステムとBodygramの違い
こちらは、アプリやスーツではなく光和衣料が採寸のために独自に構築した自動採寸システムとなるので、参考程度に紹介します。スーツ・学生服ではオーダーメイドのシェアが増大しており、これを受けた光和衣料は自動採寸によるオーダーメイド学生服を生産する計画を立ち上げました。
こうして生まれたのが、アプリやスーツではなく実際に3Dボディスキャナーで採寸して、データを自社サーバーに転送する方式の採寸サービスです。
これにより、一人あたり5分、人件費もかかっていた採寸をわずか0.5秒で完了させ、18分後には自動で本社にデータが送られるようになりました。
これは自動採寸には顧客データの蓄積だけでなく、業務効率化というメリットもあるという事例です。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/228190
手軽、正確、便利なBtoB向け採寸アプリ「Bodygram」。アパレルだけに留まらない展開を目指す
Bodygramは、スマホの写真2枚で採寸できる手軽さと、ディープラーニングを利用した非常に優秀な採寸精度、採寸データの蓄積による市場拡大など革新的な機能をいくつも備えたサービスです。すでに日本展開も始まっていますので、これからの国内展開に期待が持てそうです。
なお、Originalは、2018年8月に寝具メーカー「エアウィーヴ」と提携しました。
これにより、Bodygramで計測したユーザーの体型データを利用し、硬さを調節した寝具を生産するなどすでにアパレル業界以外での活用も開始しています。