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オムニチャネルサービス成功への長い道のり【グラフあり】

オムニチャネルサービスの重要性

近年のテクノロジー進化や変化を続ける消費者の行動傾向といったところは、小売業者にとって常にチェックしておきたい重要なエリアです。
一般的には、常にスムースなサービスを全販売チャネルにおいて実践するというのはどの業者も目指すところですが、オムニチャネルサービスといった概念に関するアプローチは様々なのが実情です。

それでも今年だけで小売業界におけるセールスは8~12%アップするとみられており、その中でもデジタル経由でのセールス効果は大きく成長を続けるという予測を考えると、オムニチャネルの重要性はますます注目を浴びることとなりそうです。

■特集:ECから考えるオムニチャネル・OMO■

オムニチャネルサービスの浸透度

2015年に実施された調査の中では、モバイル対応Eメール、ウェブサイト、ライブオンラインチャット、オンラインオーダーの店舗引き渡し、オンラインでの在庫確認などといったオムニチャネルサービスの浸透具合が調べられました。
その結果、小売業者としてはオムニチャネル化の重要性は理解しているものの、実践に向けてはまだまだ大きな課題がある事が分かりましたが、その傾向は2年たった現在も変わってはいません。
事実、効果的とされるオムニチャネルオプションのうち、平均して55%ほどしか実践はされていないようです。

統計1:実際に採用しているオムニチャネルサービス

調査によって見えてきた傾向

今回実施したNRF、FitForCommerce、Omnichannel Retail Indexという3つの調査では、120社の小売企業を対象にオムニチャネルやデジタル戦略の実情について様々な角度から検証したのですが、その結果いくつかの傾向が見えてきました。

1.より複雑な複数チャネル間をまたいだサービスの実施は浸透が進んでいない

オムニチャネルサービスの典型的な例としては、オンラインで商品を購入して実店舗で引き取りができるといったものが挙げられますが、このサービスの実践度はオンラインで購入したものを実店舗で返品できるサービスの浸透度に比べると進んでいないのが実情です。

一方で、商品のおススメやモバイル対応Eメールなどの効果的な機能はほとんどの小売業者において実施されており、よりスピーディかつ簡単、さらにコストも安く済ませられるといった点が魅力です。

消費者が実店舗での在庫の有無をチェックできる機能は、対象企業のうちでわずか20%以下の実施率ですが、必要に応じて他の店舗やオンラインストアでの在庫をチェックすると答えた企業は70%を占めています。

また、全体的にはオムニチャネルの充実度においては大手デパートチェーンが先んじている事も明らかになっています。

統計2:年別サービス採用状況


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2.便利なサービスも小売業者側は採用に消極的

一般的に、消費者は無料返品サービスを提供するオンラインショップからはより商品購入をする傾向にあるということが分かっていますが、一方で小売業者側でこのサービスをなかなか採用していないということも調査の結果明らかになっています。
ただ単に返品のケースが増えるだけでセールスアップには必ずしもつながらないというのがその理由ですが、この点に関しては消費者満足度とのバランスをよく考えた上で決断したいところです。

統計3:無料返品サービス採用小売業者の割合


3.進むカスタマーサービス充実への動き

カスタマーサービスの充実は多くの小売業者にとって最重要課題として実践されており、調査対象となった企業のうち98%が問い合わせ窓口を複数用意しており、54%はライブチャット式を採用しています。

その一方で、実店舗で買い物をした後にEメールにレシートを送るサービスをしている企業は20%にとどまっています。
この数字は2015年に比べると8%上昇していますが、まだまだ多くの企業がせっかくの消費者データ(ここではEメールアドレス)獲得のチャンスをみすみす逃してしまっているという状況です。

さらに、およそ80%の小売業者がソーシャルメディア上で「いいね」や「シェア」を活用していますが、実際に商品を購入した消費者に商品写真をアップさせる機能を採用しているケースはわずかそのうち3分の1にとどまっています。

統計4:実店舗購入商品のレシートをEメールで送信


4.言うは易し行うは難し

既存のテクノロジーと新しい技術との効果的な融合はオムニチャネルサービスにおいて大きな可能性を秘めていますが、まだまだ多くの課題が山積みされているのも事実です。
今回の調査で第一位にランクされた小売業者ですら点数を付けると76点しか与えられていないことを見ても、オムニチャネルの分野において最も成功を収めている小売業者ですら改良の余地が多く残されているということが分かるのです。
この記事はTHE LONG ROAD TO OMNICHANNEL SUCCESSの記事を本ブログが日本向けに編集したものです。

ECのミライを考えるメディア:編集部より

オムニチャネルは複数の接点を一人の顧客に対して持つことで、顧客満足度を上げつつ売上アップを図る方法です。
日本でもまだまだ大企業が取り組みを本格化させている段階ですが、今回の記事を参考に、「やるべき施策」を検討してみてはいかがでしょうか。

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