営業の新たなスタイル「インサイトセールス」とは?AI時代を勝ち抜くセールスと従来の手法の違いまでを一挙解説!
今、AI時代を勝ち抜く新たな営業の手法として、「インサイトセールス」が注目されています。
従来の営業との違いや、インサイトセールスの可能性について詳しくみていきましょう。
【目次】
また、従来のセールス方法について理解していなければ、インサイトセールスの強みを活かすこともできません。
まずは、これまでとられてきた代表的な営業の手法についてみてみましょう。
企業が扱う商品やサービスについて紹介する電話を顧客候補へかけ、アポイントメント(会う約束)をとりつけるのがテレアポのやり方です。
テレアポは、FAXやメールのない時代にはそれなりに功を奏したかもしれません。しかし、現在では電話よりもメールのやり取りの方が一般化しつつあるためか、以前ほど成果が上がらなくなっている傾向にあります。
テレアポの特徴は、商品やサービスを売り込む前の段階で「売り込んでいいかの確認をとっている」ことです。企業に対して営業のマナーとでもいうべき手順をきちんととっているという印象を与えられるのは、メリットといってよいでしょう。
デメリットは、関連企業に片っ端から営業電話をかけ続けるようなことをしているとあまり効率がよくないということです。
また、実際問題としてアポイントメントがなかなか取れなかったり、口頭だけでは売り込む商品やサービスの特徴を充分に伝えられなかったりすることも少なくありません。
メール営業は、アポイントメントを取る、商品やサービスについて説明する、このどちらにも対応できるスタイルです。
また、定型文を作成しておけば宛先や宛名のみを変更して数百件のメールを短時間で送ることもできます。
顧客候補の企業としても、電話のように時と場所を選ばずに内容の確認ができるので、利便性は高いといえるでしょう。
一方で、メールのやり取りは実際に面談するやり方と比べて商談を進めるのに時間がかかるというデメリットもあります。
なお、メールは相手が読んでいるかどうかが分からないため、あまり一方的なセールスレターだと開封されずに削除されてしまう危険性もあります。
これはある種の賭けともいえる、危険な営業方法といえるでしょう。
なぜなら、いきなり訪問したことで非常識な企業とみなされ、出入り禁止になるケースもあるからです。
ゆえに、あまりオススメはできない営業方法ですが、絶対悪というわけではなく時にはうまくいくこともあるかもしれません。顧客候補の社風や、今後の取引ができなくなるリスクなども考慮した上で実行する必要があるでしょう。
展示会や実演販売では、宣伝だけでなく実際の契約までを一気に完了させるケースもあります。
CMやチラシ広告といった宣伝は、もともと商品やサービスに興味がない層も取り込める可能性があり、一気に多数の顧客候補へアピールできるチャンス。展示会や実演販売は、商品やサービスの特徴を
目の前で多くの企業にプレゼンできます。売り込むアイテムの魅力を伝えやすく、なおかつ効率の良い営業方法といえるでしょう。
ただし、メディアを使った宣伝や、展示会に出展しての営業活動は、ほかの3つの営業手法よりも多額の経費を必要とします。
ゆえに、現実問題としてすべての企業が反響営業をおこなえるわけではありません。
インサイトセールスとソリューションセールスは、「顧客の課題を解決する営業」という性質においては同様ですが、次のような明らかな違いがあります。
現状困っている、自社だけでは解決できない問題をかかえているといった時に売り込みをするのがソリューションセールスです。
つまり、顧客が現状では気づいていない課題を洗い出し、課題を明らかにしてさらにその解決策を提示する営業方法です。 顧客が把握していない課題を外部から指摘する、それは一見すると難しいことのように思えます。しかし、顧客が商品やサービスの存在を知ることで今まで想定をしていなかった課題を発見するというのは、インターネットやソフトウェアに関連した分野では意外とよくあることです。
顧客の課題がないと可能性が発生しにくいソリューション営業とは異なり、営業が率先して課題を探していくインサイト営業には可能性が広がっています。
つまり、電話やメールを通して顧客とコミュニケーションをはかる営業のことをいいます。ここで重要なのは、テレアポや一方的なセールスレターの送信はインサイドセールスには含まれないということです。
インサイドセールスといえる電話やメールのやり取りには、次のような定義があります。
すなわち、外回り(アウトサイド)営業とインサイド営業はセールスの形態であり、インサイト営業はセールスの1つの手法なのです。
従来おこなってきたテレアポやメール営業、飛び込み営業はこの型に該当します。
商品やサービスについて積極的に売り込んでいくことで、自社製品の特徴を知ってもらいやすいというメリットは大きいものの、かかる労力と比較すると売上や成果が出にくいというデメリットがありました。
そのため、一部ではアウトバウンドセールスのみで展開する営業は時代遅れという見方もあります。
一方で、顧客が興味をもってくれなければ商談がスタートしないため、営業の実績を築くまでに時間がかかってしまうというデメリットもあります。
【4つの営業手法】
【営業のスタイル】
外回り(アウトサイド)セールスとインサイドセールスは、それを「どこで」おこなうかというスタイルの違いです。
【営業の型】
つまり、現代の営業は「手法」と「スタイル」と「型」、この3つの要素を的確に組み合わせ、最大限効率よく売上を上げるためにはどうしたらよいかを考えていくべきということになるでしょう。
ですが、AIが正確なレコメンと機能や企業同士のマッチングをおこなえるようになるまでにはまだ時間がかかると予想されます。現在のAI技術が得意とするのはさまざまな分析であって、その分析結果から人間のように考え、行動するまでにはまだいくつものステップが必要になるからです。
インサイトセールスのスキルを高めるためには、顧客以上に顧客企業のことを理解し、その未来をシミュレーションできる深い洞察力が不可欠です。 従来の営業で培ってきた経験を土台にしつつ、新しい技術も応用しながら臨機応変にユニークな視点で顧客をみることが重要になってきます。
どの営業スタイルにもいえることですが、すべての企業にインサイトセールスが向いているわけではなく、扱う商品やサービスによって向き不向きはあります。
自社営業の適性を把握するために研修をおこなうというのも、企業の成長にとって有益かもしれません。
従来の営業との違いや、インサイトセールスの可能性について詳しくみていきましょう。
【目次】
- インサイトセールスの意味:顧客のニーズを見抜く営業
- 従来の営業手法4つを把握してインサイトセールスを理解する
- インサイトセールスとソリューションセールスの違い
- インサイトセールスとインサイドセールスの違い
- 営業スタイルと型を組み合わせて自社に最適な営業を確立しよう
- 洞察力が重要!インサイトセールススキル
- インサイトセールスは企業研修もおこなわれている
インサイトセールスの意味:顧客のニーズを見抜く営業
インサイトセールスは、顧客が気づいていない課題やニーズを見抜き、そのポイントに自社の商品やサービスを売り込む営業方法です。 スタイルとしては、課題を解決したり革新的な変化をもたらすソリューション営業の変化形ともいえます。従来の営業手法4つを把握してインサイトセールスを理解する
インサイトセールスはどのような業態でも可能な営業方法というわけではありません。企業や商材によって適性があります。また、従来のセールス方法について理解していなければ、インサイトセールスの強みを活かすこともできません。
まずは、これまでとられてきた代表的な営業の手法についてみてみましょう。
従来の代表的な営業1. 顧客に電話をする「テレアポ」
テレアポは、テレフォン・アポイントメントを略したもので、昭和の時代から企業の一般的な営業方法として用いられてきました。企業が扱う商品やサービスについて紹介する電話を顧客候補へかけ、アポイントメント(会う約束)をとりつけるのがテレアポのやり方です。
テレアポは、FAXやメールのない時代にはそれなりに功を奏したかもしれません。しかし、現在では電話よりもメールのやり取りの方が一般化しつつあるためか、以前ほど成果が上がらなくなっている傾向にあります。
テレアポの特徴は、商品やサービスを売り込む前の段階で「売り込んでいいかの確認をとっている」ことです。企業に対して営業のマナーとでもいうべき手順をきちんととっているという印象を与えられるのは、メリットといってよいでしょう。
デメリットは、関連企業に片っ端から営業電話をかけ続けるようなことをしているとあまり効率がよくないということです。
また、実際問題としてアポイントメントがなかなか取れなかったり、口頭だけでは売り込む商品やサービスの特徴を充分に伝えられなかったりすることも少なくありません。
従来の代表的な営業2. アポ取りも商品説明も可能な「メール営業」
FAXや電話に代わるビジネスツールとして急速に浸透したのが、メールです。メール営業は、アポイントメントを取る、商品やサービスについて説明する、このどちらにも対応できるスタイルです。
また、定型文を作成しておけば宛先や宛名のみを変更して数百件のメールを短時間で送ることもできます。
顧客候補の企業としても、電話のように時と場所を選ばずに内容の確認ができるので、利便性は高いといえるでしょう。
一方で、メールのやり取りは実際に面談するやり方と比べて商談を進めるのに時間がかかるというデメリットもあります。
なお、メールは相手が読んでいるかどうかが分からないため、あまり一方的なセールスレターだと開封されずに削除されてしまう危険性もあります。
従来の代表的な営業3. アポなし訪問に賭ける「飛び込み営業」
顧客や個人宅を訪問する際は、事前に会う約束を取り付けるのが一般的なマナーです。それを無視していきなり訪問し、扱う商品やサービスの紹介をすることは飛び込み営業といわれます。これはある種の賭けともいえる、危険な営業方法といえるでしょう。
なぜなら、いきなり訪問したことで非常識な企業とみなされ、出入り禁止になるケースもあるからです。
- 担当者が不在
- 事前にアポを取っていた他社と打ち合わせ中である
- 顧客は話を聞く準備が整っていないので具体的な話が詰められない
ゆえに、あまりオススメはできない営業方法ですが、絶対悪というわけではなく時にはうまくいくこともあるかもしれません。顧客候補の社風や、今後の取引ができなくなるリスクなども考慮した上で実行する必要があるでしょう。
従来の代表的な営業4. 展示会やメディアを活用する「反響営業」
これまで紹介した営業スタイルは、主に一対一でおこなわれるものでした。一方で反響営業は、一度の機会に多数の企業や人へ宣伝する営業手法をいいます。- メディア(TV、インターネット、雑誌広告)
- 企業が集まる展示会
- スーパーやモールなどで開催する実演販売
展示会や実演販売では、宣伝だけでなく実際の契約までを一気に完了させるケースもあります。
CMやチラシ広告といった宣伝は、もともと商品やサービスに興味がない層も取り込める可能性があり、一気に多数の顧客候補へアピールできるチャンス。展示会や実演販売は、商品やサービスの特徴を
目の前で多くの企業にプレゼンできます。売り込むアイテムの魅力を伝えやすく、なおかつ効率の良い営業方法といえるでしょう。
ただし、メディアを使った宣伝や、展示会に出展しての営業活動は、ほかの3つの営業手法よりも多額の経費を必要とします。
ゆえに、現実問題としてすべての企業が反響営業をおこなえるわけではありません。
インサイトセールスとソリューションセールスの違い
インサイトセールスは、顧客がかかえている潜在的な課題を解決するためのアイデアを提供する営業スタイルです。 そこでよく聞かれるのがソリューションセールスとの違いです。インサイトセールスとソリューションセールスは、「顧客の課題を解決する営業」という性質においては同様ですが、次のような明らかな違いがあります。
見える課題を解決する:ソリューション営業
ソリューション営業は、すでに顧客が課題を認識しているところに、その課題を解決するための商品やサービスを売り込むスタイルをいいます。現状困っている、自社だけでは解決できない問題をかかえているといった時に売り込みをするのがソリューションセールスです。
見えない課題を見つけて解決:インサイト営業
インサイト営業は、潜在的な課題に対する解決策を売り込むスタイルです。つまり、顧客が現状では気づいていない課題を洗い出し、課題を明らかにしてさらにその解決策を提示する営業方法です。 顧客が把握していない課題を外部から指摘する、それは一見すると難しいことのように思えます。しかし、顧客が商品やサービスの存在を知ることで今まで想定をしていなかった課題を発見するというのは、インターネットやソフトウェアに関連した分野では意外とよくあることです。
顧客の課題がないと可能性が発生しにくいソリューション営業とは異なり、営業が率先して課題を探していくインサイト営業には可能性が広がっています。
インサイトセールスとインサイドセールスの違い
同じく意味を混同しやすいキーワードに、インサイドセールスがあります。文字にすると1文字違いですが、インサイドセールスは外回り営業(アウトサイド)の対義語的なスタイルです。つまり、電話やメールを通して顧客とコミュニケーションをはかる営業のことをいいます。ここで重要なのは、テレアポや一方的なセールスレターの送信はインサイドセールスには含まれないということです。
インサイドセールスといえる電話やメールのやり取りには、次のような定義があります。
- 事前にヒアリングした懸案事項のその後を尋ねるような「継続的」なコミュニケーションであること
- アポ取りではなく営業案件の発掘や確約などが成果として出ていること
- マニュアル的なセールストークではなく、顧客に特化した内容や商談であること
すなわち、外回り(アウトサイド)営業とインサイド営業はセールスの形態であり、インサイト営業はセールスの1つの手法なのです。
営業スタイルと型を組み合わせて自社に最適な営業を確立しよう
営業のスタイルと形態についての知識をおさえたところで、最後にセールスにおける2つの型についてみていきましょう。アウトバウンドセールス:営業→顧客
商品やサービスを販売する営業から、顧客となる企業へ働きかける営業の型を「アウトバウンドセールス」といいます。従来おこなってきたテレアポやメール営業、飛び込み営業はこの型に該当します。
商品やサービスについて積極的に売り込んでいくことで、自社製品の特徴を知ってもらいやすいというメリットは大きいものの、かかる労力と比較すると売上や成果が出にくいというデメリットがありました。
そのため、一部ではアウトバウンドセールスのみで展開する営業は時代遅れという見方もあります。
インバウンドセールス:顧客→営業
インバウンドセールスは、顧客から営業へ商談を持っていくという型です。この場合、顧客は当初から営業の扱う商品やサービスに興味をもっている状態なので、アウトバウンドよりも成果が上がりやすい傾向にあります。一方で、顧客が興味をもってくれなければ商談がスタートしないため、営業の実績を築くまでに時間がかかってしまうというデメリットもあります。
インサイトセールスをはじめとした営業スタイル、型を的確に組み合わせる
では、営業についてまとめてみましょう。【4つの営業手法】
- テレアポ営業
- メール営業
- 飛び込み営業
- 反響営業(展示会など)
【営業のスタイル】
- インサイトセールス
- ソリューションセールス
- 外回り(アウトサイド)セールス
- インサイドセールス
外回り(アウトサイド)セールスとインサイドセールスは、それを「どこで」おこなうかというスタイルの違いです。
【営業の型】
- アウトバウンドセールス
- インバウンドセールス
つまり、現代の営業は「手法」と「スタイル」と「型」、この3つの要素を的確に組み合わせ、最大限効率よく売上を上げるためにはどうしたらよいかを考えていくべきということになるでしょう。
洞察力が重要!インサイトセールススキル
AIがビジネスのあらゆる面で影響を及ぼし始めている昨今、レコメンド機能やマッチング機能の精度が高まれば営業は不要になると考えている人もいるかもしれません。ですが、AIが正確なレコメンと機能や企業同士のマッチングをおこなえるようになるまでにはまだ時間がかかると予想されます。現在のAI技術が得意とするのはさまざまな分析であって、その分析結果から人間のように考え、行動するまでにはまだいくつものステップが必要になるからです。
インサイトセールスのスキルを高めるためには、顧客以上に顧客企業のことを理解し、その未来をシミュレーションできる深い洞察力が不可欠です。 従来の営業で培ってきた経験を土台にしつつ、新しい技術も応用しながら臨機応変にユニークな視点で顧客をみることが重要になってきます。
インサイトセールスは企業研修もおこなわれている
インサイトセールスは、その確立のために企業内で研修がおこなわれることもあります。どの営業スタイルにもいえることですが、すべての企業にインサイトセールスが向いているわけではなく、扱う商品やサービスによって向き不向きはあります。
自社営業の適性を把握するために研修をおこなうというのも、企業の成長にとって有益かもしれません。