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2020年始動!次世代高速移動通信「5G」がEコマースに与える影響とは

1980年代に携帯電話が普及し始めてから、およそ40年。外出先で通話ができるだけで驚きだった時代は遠い昔。今ではどこにいても、スマホでの動画視聴が当たり前になりました。

そんな驚異のサービス進化の裏にあるのが、ドコモ・ソフトバンク・KDDIといった携帯キャリアが保持している無線データ通信網の技術革新です。
今の主流は「4G」ですが、これは飛躍的な通信速度が向上した節目を表しており、英語のGeneration(時代)の頭文字をとって名付けられています。

すなわち、現在は通信速度が大幅に向上した4世代目ということ。2019年4月には総務省の電波監理審議会が通信各社に電波を割り当て、2020年に「5G」が始動することになりました。

<目次>

「5G」はなぜ必要?

IoTという言葉をよく耳にするようになった昨今、IoT化が進むと、身の回りのありとあらゆるモノがインターネットと繋がることになります。家電に、時計やメガネといったウェアラブル端末、それに自動運転の車など、生活必需品がインターネットに繋がっているわけです。
便利になる様子が容易に目に浮かびますが、これらは間違いなくワイヤレスで通信をおこなうのです。そのために必要となるのが、これまでにない規模の通信技術。

IoT時代の5Gに必要とされているのが、「多接続性」と「低遅延の実現」。数兆個におよぶ機器がインターネットに接続されることが考えられるIoT時代には、通信機器のキャパシティを大きく見直す必要があります。

また、自動運転技術や遠隔手術など、通信スピードが遅延すると人の命に関わる技術も今後増えていく見通しのため、通信技術の革新が急務となっているのです。
通信スピードの遅延(レイテンシ)はほぼゼロになると言われています。


そんな5Gには4つのメリットがあると言われています。

1、高速通信・大容量

従来の通信技術の約1,000倍以上の容量になるため、通信速度は4Gの最大100倍といわれており、4Kや8Kといった高画質の動画も、美しく快適に視聴できるようになります。

2、無線区間での低遅延

無線区間でも通信ができるように、1msという細かな単位に通信技術を短縮することが目標とされ、開発が進んでいます。

3、多数端末接続

IoT時代を迎え、身の回りのありとあらゆるモノがインターネットにつながるということは、端末数が莫大になるということです。
5Gでは現在の規格より端末数が100倍となっても対応できるほど、複数の端のが同時接続が可能となります。こちらがIoT化に向けての技術革新の部分ですが、お正月や災害時などの通信制限がかかりやすい時にも、快適に通信できることも目標とされています。

4、節電

従来の2分の1から3分の1の程度、電力を削減できると言われているため、今まで以上に充電が長く持つというメリットも挙げられます。

「5G」で動画が躍進する?

若者を中心に、スマホ動画に見慣れる層が増えています。
おもしろくない動画は数秒で他の動画へ。テレビCMなどのこれまでの動画広告にはないノウハウが必要とされる中で、大手通信会社がこぞって、スマホ動画制作系のスタートアップを買収している動きも見られます。

5Gが普及するとされる2020年には、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)との組み合わせで動画が視聴されることが予測されています。
例えば、スポーツ観戦を競技場でしながら、手に持ったスマホでは選手の視点で映像が見られたり、スマホ画面をかざすだけで、選手についての詳細な情報が見られたりといった手法です。

これまでの生活では想像できない便利さが当たり前となる中で、これから生まれる新世代にはもちろんのこと、今の若い世代にでさえも、動画なしでのアプローチは不可能となります。そうした世代を掴むためにも、各社、動画サービスの活用が必須だと感じはじめています。

動画がEコマース市場に与える影響とは?

躍進を続ける動画が与える影響は、コンテンツだけにとどまりません。サイトページ上にあるテキストと画像での訴求が中心だったEコマースの世界にも、多大な影響を与えると考えられています。「動画コマース」や「ライブコマース」それに「VRコマース」と呼ばれる世界です。それぞれの特徴について、簡単にご説明しておきます。

動画コマース

動画コマースとは、動画を視聴しながらLP(ランディングページ)と呼ばれる商品購入ページに遷移せずとも、直感的に商品を購入できる仕組み。動画上でそのまま商品購入が可能になる点が特徴で、最新の技術では動画上で購入決済ができるものも開発が進んでいます。

動画視聴から何度もページを遷移しなければならない現在の仕組みでは、購入者にストレスを与えたり、サイト遷移の間に購入意欲がそぎ落とされたりする懸念があります。
動画コマースでは、こうしたデメリットを払拭できるため、Eコマース界では画期的な技術となっています。


ライブコマース

動画コマースと混同されることが多いのがライブコマース。大きく異なるのは生放送で配信される点です。
タレントや一般人のインフルエンサーなど、視聴者からの人気が高い人が動画に出演し、商品を紹介・販売することが多いのが特徴です。

また、生放送のため視聴者からリアルタイムに質問やコメントが受け付けられるので、質問の多いものには出演者が回答するなど、双方向のコミュニケーションをとりながら商品販売ができる点も魅力です。
先行している国は中国で、中には数時間で数億円の売り上げを作るインフルエンサーもいて、日本でも関連するアプリが続々と開発されているのが現状です。


VRコマース

海外を中心にEコマース業界で盛り上がりを見せているのが、こちらのVRコマースです。
そもそもVRとはVirtual Reality(仮想現実)のことで、ゲームや動画の世界では主流となりつつあります。

テレビ番組などで大きなゴーグルをつけたタレントなどが、あたかもゲームの世界に足を踏み入れたような体験をし、驚きの体験をしている様子を観たことがある人もいるでしょう。そんな世界が、Eコマース業界にもやってくるのです。

こちらも先行しているのは中国。Eコマース最大手のアリババグループ「タオバオ」では、2016年11月に「BUY+」でVRコマースを公開したところ、35歳以下の若い世代を中心に800万人もの人が買い物をしたのだとか。仮想現実なので、自分が行ったことのない街や、有名な映画やゲームの世界でも、買い物が可能となる画期的すぎる技術なのです。


また、日本でもセブン&アイホールディングスが2018年1月にVRコマースの実証実験店舗を期間限定で運営しました。
バレンタインチョコの専門店で、ヘッドマウントディスプレイ(VRゴーグル)がなくてもブラウザ上で体験できるVRショップでした。
実証実験において、スマホからのアクセスは8割以上と、ますます5Gの必要性を感じる結果となりました。


技術革新に思いを巡らし、最先端の買い物に触れると、今のEコマースの主流であるLPの購入ボタンをクリックして、決済ページに飛んで、情報入力を済ませて・・・。といった購入フェーズが、恐ろしくアナログに感じられますね。大手を中心に、Eコマースを運営している会社では、このような技術革新に自社のサービスを適合させるアイデアを考え続けています。

5Gは、買い物に驚きと感動を与える通信技術

身の回りの様々なものがインターネットと繋がり始め、世界は便利で快適なものへと進化する歩みを止めません。
そんな革新を見えない力で支えるのが「5G」だと言えます。

5Gの普及は、Eコマースに与える影響も多大で、買い物という行為に驚きと感動を与えることは確かとなりそうです。憧れのハリウッドスターがいる映画の世界に飛び込み、一緒に買い物をしてみたり、そのハリウッドスターが着ているドレスをその場で購入できたり。はたまた、大好きなゲームの世界に入り込んで、主人公が身につけるコスチュームやアイテムをも、購入することができるでしょう。そして、そんな買い物の形が当たり前になるのも、そう遠い未来ではないのです。

2020年の5Gの普及に向けて、Eコマース事業に関わる人は、自社サイトについての様々なアイデアを巡らせておく必要がありそうですね。