ギフトもOMOの時代。贈り物はソーシャルギフトがニュースタンダード 〜「MOO:D MARK BY ISETAN」体験レポート〜
令和元年もあっという間に残り1ヶ月となり、小売業界はギフトシーズンへと突入しています。
SNSで繋がっている相手であれば気軽に、しかもちゃんと気の利いた商品を贈ることができるソーシャルギフトは、贈り手も貰い手も、スマホを起点にしていつでもどこでもギフトを購入、あるいは好きな日時と受け取り場所を指定できる、まさにOMOが具現化されたサービスと言えるのではないでしょうか。
最近では国内でもソーシャルギフトを提供するサービスが増えてきていますが、その中でも要注目なのが、三越伊勢丹が展開する「MOO:D MARK BY ISETAN(ムードマーク・バイ・イセタン)」です。
本稿では、実際にムードマークを利用してみた体験レポートをお届けします。
目次:
しかし、それも今は昔。家族や友人はもちろん、取引先、あるコミュニティだけでの繋がりなど、どんな形の人間関係であっても、SNS上で繫がっているだけで贈り物を手配できるソーシャルギフトは、実はかなり使い勝手がいいサービスです。
「ギフトを贈りたいから住所を教えて」と聞くことは、贈り手にしても貰い手にしても、心理的ハードルが意外と高いものです。なぜなら、そのコミュニケーションが発生することで貰い手は「一応、遠慮する」というリアクションを取りがちだからです。直接手渡すにしても、商品や相手の状況によっては荷物になってしまうと考えるとアイテムを選ぶのに気を遣います。
それらの心理的ハードルを全て取り払い、お祝いの気持ちを伝えると同時に贈り物をスマートに届けられるのがソーシャルギフトなのです。
受け取る側のメリットは届け先の住所と日時は自由に入力できるため、相手に住所を知らせることも、「一度は遠慮するリアクション」も必要なく、素直に感謝の気持ちをメッセージ上で伝えることができます。
現状でも国内にはソーシャルギフトサービスが複数存在していますが、その多くは比較的カジュアルな用途(例えば、日常の中で、上司が部下を激励するためにメッセージとともにコンビニスイーツやスターバックスのコーヒーを贈るなど)に向いているものが多い印象です。
その中で、ちょっと気の利いた贈り物をしたい、という時にピッタリなのが、三越伊勢丹の「MOO:D MARK BY ISETAN(ムードマーク・バイ・イセタン)」です。
老舗の百貨店が満を持して立ち上げ、2019年10月にローンチされたばかりの同サービスは、メインターゲット層となるミレニアルズに向けて用意されている商品はもちろん、贈り手、貰い手それぞれのUI/UXの設計に至るまで細部に渡って作り込まれています。
取り扱い商品としてラインナップされているのは、ピエール・エルメやバルミューダ、ヒポポタマスなど、ミレニアルズから支持を受ける国内外の230ブランドで、そのうち7割は伊勢丹新宿本店で取り扱いのあるものとなっています。
元同僚とはSNS上では繋がりがあるものの、現住所は知りません。しかも前職を離れてしばらく時間が経っており、連絡を取り合う機会もなかったため、「聞いたよ、結婚おめでとう!お祝いを贈りたいから住所を教えてくれる?」というメッセージのやり取りをするのは心理的にハードルがある状態でした。
これはまさに、ムードマークを利用してソーシャルギフトを贈るのにうってつけの場面です。
まず、サイトを開くとそのデザインの良さ(ミレニアルズに受け入れられそうな、という意味で)が目を惹きます。せっかく心を込めて贈り物をするのだから、選ぶ側としてもワクワクしたいもの。そういう意味で、ムードマークは、ソーシャルギフトを利用したいミレニアルズがサービス比較をした時に、圧倒的に選ばれるサイトになっていると感じます。
会員登録を済ませ、クレジットカード情報を入力します(ゲスト購入も可能となっています)。
ギフトは商品カテゴリー、ブランド、シーン(結婚や出産、誕生日など)、特集など、様々な切り口で検索することができるようになっていて、商品カテゴリーも食品から生活雑貨、キッチン家電、ベビー用品、ファッションと幅広く、セレクトも絶妙、という感じで、選んでいるうちに自分でも欲しくなってしまうような楽しい時間を過ごせます。
強いて言えば、多肉植物などの観葉植物の扱いがあると、ミレニアルズにはもっと重宝されるのではないかなと感じました。
カート画面で「ソーシャルギフトで贈る」のボタンを選択します。ちなみに、贈り先の住所をすでに知っている場合は、通常のギフトとして購入・配送することも可能です。
次に包装紙の指定、手提げ袋の有無、のし紙の指定などの選択、そしてデジタルメッセージカードの指定を行います。
カードの種類は全部で12種類、使用シーンによって選択し、フリーメッセージも入力できるようになっています。それぞれのイラストやデザインも非常に洗練された印象で、フォントの種類、大きさ、色などもカスタマイズできます。
次に進むと、請求先情報を入力するフォームが開くのですが、ここでは名前とともに自分の住所を入力する必要があるため、「あれ?住所はギフトを贈った相手が入力するはずでは?」と混乱してしまいました。「請求先情報」の意味を冷静に考えれば理解できるのですが、それまでに随分と時間をロスしてしまいました。
「ソーシャルギフト=相手が住所を入力するもの」という前提に立ってしまって、筆者と同じように混乱するユーザーは多そうです。ここは「請求先情報として自分の住所も入力する必要があります」といった注釈があったほうがより親切であると感じました。
購入内容の明細は見やすく、軽減税率対策もしっかりとされています。今回購入した商品は食品だったため、商品そのものの消費税は8%、配送料の消費税は10%です。
注文を確定させると、贈り相手にシェアする受取専用URLを取得します。ムードマークでは、LINEがメインという位置付けとなっており、「LINEでギフトを贈る」を選択すれば、そのままLINEアプリが立ち上がり、直接URLを送ることができます。
その他、Facebookメッセンジャーやメール等のSNSを利用する場合は「ギフト受取URLをコピーする」を選択し、任意のアプリ上でそのURLを貼り付けて送ります。
やはり「いったん住所を聞く」というコミュニケーションがないだけで、お祝いを贈るというアクションに対する心理的ハードルが全くなくなり、元同僚の結婚を知ってからお祝いを贈るまでの時間が圧倒的に短くなり、手配も非常にスムーズだった印象です。
もしソーシャルギフトという手段がなかったら「タイミングを見てお祝いでも送らなきゃ」とは思っても、いまだになんのアクションも取っていなかったかも知れません。
そして何より、贈った相手から、すぐに「メッセージカードがとても可愛くてほっこりした」とリアクションがあった時、次回も何かお祝いしたい人がいたら使おうと確信しました。(つまり、リピート利用をすでに決めているという状態)
ムードマークは、そのような贈った相手とのメッセージのやり取りまで含めた部分までをUXと捉えて、贈り物というエモーショナルな行動を支えるECがどうあるべきか、ということがとてもよく考えられ、作り込まれていると感じました。
言い方を変えれば、それは顧客一人あたりに対する販売機会が大きく広がる可能性があるということです。そう考えると、ソーシャルギフトは今後ECに搭載すべき必須機能として捉えるべきなのかも知れません。
SNSで繋がっている相手であれば気軽に、しかもちゃんと気の利いた商品を贈ることができるソーシャルギフトは、贈り手も貰い手も、スマホを起点にしていつでもどこでもギフトを購入、あるいは好きな日時と受け取り場所を指定できる、まさにOMOが具現化されたサービスと言えるのではないでしょうか。
最近では国内でもソーシャルギフトを提供するサービスが増えてきていますが、その中でも要注目なのが、三越伊勢丹が展開する「MOO:D MARK BY ISETAN(ムードマーク・バイ・イセタン)」です。
本稿では、実際にムードマークを利用してみた体験レポートをお届けします。
目次:
- ソーシャルギフトは贈り物を気軽なものにしてくれる
- ミレニアルズに特化したソーシャルギフトサービス「MOO:D MARK BY ISETAN」
- 結婚祝いに、ムードマークを実際に使ってみた
- ムードマークは、もっと贈り物をしたくなる(=リピートしたくなる)
- ソーシャルギフトが販売機会を広げるECのマスト機能になる?
ソーシャルギフトは贈り物を気軽なものにしてくれる
かつては、お歳暮や結婚祝い、プレゼントなどのギフトを贈る場合、相手の現住所を入手した上で手配するなど準備にそれなりの手間暇がかかったり、直接手渡すにしても、ある程度深い人間関係の構築が必要だったものでした。しかし、それも今は昔。家族や友人はもちろん、取引先、あるコミュニティだけでの繋がりなど、どんな形の人間関係であっても、SNS上で繫がっているだけで贈り物を手配できるソーシャルギフトは、実はかなり使い勝手がいいサービスです。
「ギフトを贈りたいから住所を教えて」と聞くことは、贈り手にしても貰い手にしても、心理的ハードルが意外と高いものです。なぜなら、そのコミュニケーションが発生することで貰い手は「一応、遠慮する」というリアクションを取りがちだからです。直接手渡すにしても、商品や相手の状況によっては荷物になってしまうと考えるとアイテムを選ぶのに気を遣います。
それらの心理的ハードルを全て取り払い、お祝いの気持ちを伝えると同時に贈り物をスマートに届けられるのがソーシャルギフトなのです。
受け取る側のメリットは届け先の住所と日時は自由に入力できるため、相手に住所を知らせることも、「一度は遠慮するリアクション」も必要なく、素直に感謝の気持ちをメッセージ上で伝えることができます。
ミレニアルズに特化したソーシャルギフトサービス「MOO:D MARK BY ISETAN」
ソーシャルギフトは海外ではかなりスタンダードになっていますが、国内ではまだまだ利用者数が少なく、それだけに今後ソーシャルギフト市場にはかなりのポテンシャルがあると言えます。現状でも国内にはソーシャルギフトサービスが複数存在していますが、その多くは比較的カジュアルな用途(例えば、日常の中で、上司が部下を激励するためにメッセージとともにコンビニスイーツやスターバックスのコーヒーを贈るなど)に向いているものが多い印象です。
その中で、ちょっと気の利いた贈り物をしたい、という時にピッタリなのが、三越伊勢丹の「MOO:D MARK BY ISETAN(ムードマーク・バイ・イセタン)」です。
老舗の百貨店が満を持して立ち上げ、2019年10月にローンチされたばかりの同サービスは、メインターゲット層となるミレニアルズに向けて用意されている商品はもちろん、贈り手、貰い手それぞれのUI/UXの設計に至るまで細部に渡って作り込まれています。
取り扱い商品としてラインナップされているのは、ピエール・エルメやバルミューダ、ヒポポタマスなど、ミレニアルズから支持を受ける国内外の230ブランドで、そのうち7割は伊勢丹新宿本店で取り扱いのあるものとなっています。
結婚祝いに、ムードマークを実際に使ってみた
たまたま本稿を執筆中、前職の同僚(ミレニアル世代真っ只中)が結婚するという報告を受けました。元同僚とはSNS上では繋がりがあるものの、現住所は知りません。しかも前職を離れてしばらく時間が経っており、連絡を取り合う機会もなかったため、「聞いたよ、結婚おめでとう!お祝いを贈りたいから住所を教えてくれる?」というメッセージのやり取りをするのは心理的にハードルがある状態でした。
これはまさに、ムードマークを利用してソーシャルギフトを贈るのにうってつけの場面です。
まず、サイトを開くとそのデザインの良さ(ミレニアルズに受け入れられそうな、という意味で)が目を惹きます。せっかく心を込めて贈り物をするのだから、選ぶ側としてもワクワクしたいもの。そういう意味で、ムードマークは、ソーシャルギフトを利用したいミレニアルズがサービス比較をした時に、圧倒的に選ばれるサイトになっていると感じます。
会員登録を済ませ、クレジットカード情報を入力します(ゲスト購入も可能となっています)。
ギフトは商品カテゴリー、ブランド、シーン(結婚や出産、誕生日など)、特集など、様々な切り口で検索することができるようになっていて、商品カテゴリーも食品から生活雑貨、キッチン家電、ベビー用品、ファッションと幅広く、セレクトも絶妙、という感じで、選んでいるうちに自分でも欲しくなってしまうような楽しい時間を過ごせます。
強いて言えば、多肉植物などの観葉植物の扱いがあると、ミレニアルズにはもっと重宝されるのではないかなと感じました。
商品選びのサポート機能
ムードマークには、商品選びをサポートする機能がいくつか搭載されています。1、ギフトコンシェルジュ
一つ目は「ギフトコンシェルジュ」で、画面右下のアイコンをタップすると、商品選びに悩んだ時にアドバイスをくれるようになっています。ただ、これはチャットボット形式ではなく、メールフォームが立ち上がるか、もしくはあらかじめ用意された選択肢を選びながら的を絞っていくアンケートタイプのアドバイスなので、そこまで使い勝手はよくないかもしれません。ただ、膨大な商品数の中からある程度方向性を絞って一覧性を高めるためには分岐型のアンケートは役立ちそうです。2、ギフトボード
そしてもう一つが「ギフトボード」という機能です。これは、何を贈るのがいいか複数の商品で迷った時に、候補商品を一時的にクリップしておけるダッシュボードのようなもので、ギフトボードのURLを共同出資者などにシェアして意見を求めることができるようになっています。ソーシャルギフトを贈ってみる
商品が決まったらカートに入れます。このあたりは通常のECサイトと同じアクションです。ボタンも押しやすく、スムーズに操作できます。カート画面で「ソーシャルギフトで贈る」のボタンを選択します。ちなみに、贈り先の住所をすでに知っている場合は、通常のギフトとして購入・配送することも可能です。
次に包装紙の指定、手提げ袋の有無、のし紙の指定などの選択、そしてデジタルメッセージカードの指定を行います。
カードの種類は全部で12種類、使用シーンによって選択し、フリーメッセージも入力できるようになっています。それぞれのイラストやデザインも非常に洗練された印象で、フォントの種類、大きさ、色などもカスタマイズできます。
次に進むと、請求先情報を入力するフォームが開くのですが、ここでは名前とともに自分の住所を入力する必要があるため、「あれ?住所はギフトを贈った相手が入力するはずでは?」と混乱してしまいました。「請求先情報」の意味を冷静に考えれば理解できるのですが、それまでに随分と時間をロスしてしまいました。
「ソーシャルギフト=相手が住所を入力するもの」という前提に立ってしまって、筆者と同じように混乱するユーザーは多そうです。ここは「請求先情報として自分の住所も入力する必要があります」といった注釈があったほうがより親切であると感じました。
購入内容の明細は見やすく、軽減税率対策もしっかりとされています。今回購入した商品は食品だったため、商品そのものの消費税は8%、配送料の消費税は10%です。
注文を確定させると、贈り相手にシェアする受取専用URLを取得します。ムードマークでは、LINEがメインという位置付けとなっており、「LINEでギフトを贈る」を選択すれば、そのままLINEアプリが立ち上がり、直接URLを送ることができます。
その他、Facebookメッセンジャーやメール等のSNSを利用する場合は「ギフト受取URLをコピーする」を選択し、任意のアプリ上でそのURLを貼り付けて送ります。
ムードマークは、もっと贈り物をしたくなる(=リピートしたくなる)
これで、ソーシャルギフトの手配は完了です。やはり「いったん住所を聞く」というコミュニケーションがないだけで、お祝いを贈るというアクションに対する心理的ハードルが全くなくなり、元同僚の結婚を知ってからお祝いを贈るまでの時間が圧倒的に短くなり、手配も非常にスムーズだった印象です。
もしソーシャルギフトという手段がなかったら「タイミングを見てお祝いでも送らなきゃ」とは思っても、いまだになんのアクションも取っていなかったかも知れません。
そして何より、贈った相手から、すぐに「メッセージカードがとても可愛くてほっこりした」とリアクションがあった時、次回も何かお祝いしたい人がいたら使おうと確信しました。(つまり、リピート利用をすでに決めているという状態)
ムードマークは、そのような贈った相手とのメッセージのやり取りまで含めた部分までをUXと捉えて、贈り物というエモーショナルな行動を支えるECがどうあるべきか、ということがとてもよく考えられ、作り込まれていると感じました。
ソーシャルギフトが販売機会を広げるECのマスト機能になる?
ソーシャルギフトには、まだまだ様々な使い方の可能性があると思います。例えば、初対面の人の誕生日がたまたま今日だということを知った時や、趣味のオンラインコミュニティで親しくなった人へ、など、これまでだったら「贈り物をする」という考えに思い至らない場面でも、気軽にギフトを贈ることをスタンダードにさせる可能性を秘めていると言えるでしょう。言い方を変えれば、それは顧客一人あたりに対する販売機会が大きく広がる可能性があるということです。そう考えると、ソーシャルギフトは今後ECに搭載すべき必須機能として捉えるべきなのかも知れません。