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CtoCの市場規模は1兆円超に!シェアリングやスキル売買にも拡大

個人間の取引CtoCの市場は、ここ数年で大幅な拡大傾向をみせています。
メルカリに代表される物品の取引だけでなく、家事代行やシェアリングサービス、民泊といったCtoC分野も急成長を遂げており、サービスやスキルを個人間でやりとりすることが増えています。そこには、大手仲介サービスの存在が欠かせません。

この記事では、拡大成長を続けるCtoCサービスの各分野における最新動向についてと、そこに介在する大型サービス企業各社について、そしてCtoC増加で必要性が叫ばれるようになったCtoCビジネス向けの法整備についてまとめています。

目次:

CtoCサービスは1兆円を突破する巨大市場に

「2018〜2019年の国内個人間取引(CtoC)は、前年比17.4%増の1兆1,800億円規模になる」。マーケティングリサーチや市場調査を実施する矢野経済研究所は、2019年11月25日にそうした予想を公表しました。
数年前は、CtoCサービスといえばヤフオクやメルカリといったフリマサービスが一般的でしたが、現在では民泊やスキル売買サービスの活用も規模が拡大しています。
矢野経済研究所がCtoCのジャンルとして挙げたのは、

  • 民泊
  • スペースシェア
  • カーシェア
  • 家事代行・ベビーシッター
  • 教育・生涯学習

の5分野で、いずれも前年比で大きな伸びをみせています。
なお、矢野経済研究所が公表した数字は、あくまでインターネットを介したCtoCの現状であり、バザーやガレージセールといったリアルな場所での売買、金融系サービスは除外されています。

CtoCは大企業の独占状態になりつつある

CtoCといっても、個人と個人が顔を突き合わせて取引をおこなっているわけではありません。購入希望者と売却希望者を引き合わせる場を運営する企業や仲介サービスが、存在しています。
こうした仲介企業は、中小規模のサービスが数年のうちに撤退を余儀なくされ、現在は代表的な企業がその市場を独占する状態にあります。
代表的なジャンルについてと、そこに介在する企業やプラットフォームについては次にまとめました。

CtoCジャンルごとのデータ

CtoCでは、物品、スペース、スキルの3つが主に売買されています。
具体的には、個人間で物品を売買するフリマアプリに代表されるような取引のほかに、空いている駐車スペースや部屋、車といった「財産」をシェアする民泊やカーシェア、個人の有するスキルをやりとりする家事代行や学習サービスなどがあり、それらは以下のジャンルに分類することができます。

CtoC:物販

自分にとっては不用品でも、第三者にとっては必要なものという言葉を実感できるのが、ヤフオクやメルカリ、ラクマといった物販のCtoCです。
現在、もっともポピュラーなCtoCで、不用品の売買にとどまらず、ハンドメイド作品や買いつけた海外製品など、あらゆる品物がオンラインで売買されています。

CtoC:民泊

民泊は、個人間で自宅や使っていない別荘の部屋などを第三者に有償で貸し出すCtoCです。
日本では、有償で宿泊先を提供するといえば、旅館やホテル、民宿しか存在しませんでしたが、訪日外国人観光客の増加や海外でのサービス台頭にともなって徐々にその存在が知られるようになりました。

また、CtoCとはいえませんが、不動産業者が空いている部屋を民泊向けに貸し出すこともあります。この場合、民泊という呼称以外に海外で用いられている「ホームシェアリング」、「バケーションレンタル」というサービス名になっているところもあります。

民泊ジャンルでは、世界192カ国にサービスを展開するSNSサイトAirbnb(エアビーアンドビー)が圧倒的なシェアを獲得しています。
Airbnbは2008年に設立され、世界中の宿泊施設や民泊を貸し出す人向けにウェブサイトを運営しています。
サイトには世界中の宿泊可能な宿泊先が登録されており、試しに日本国内を検索したところ、300件以上の宿泊先がヒットしました。バスルームやキッチン、冷暖房の有無や、部屋タイプなどさまざまな検索条件で宿泊先を絞り込むこともできます。

なお、部屋を貸し出したい人も、無料で部屋情報を掲載することができ、ホスティングの予想収入なども事前に分かるようになっています。
矢野経済研究所が発表した2019年の市場規模予想は758億円で、前年比119.7%です。

・Airbnb

https://www.airbnb.jp/?logo=1

CtoC:スペースシェア

空いた空間や空き時間といった「空きリソース」を活用する動きは、シェリングエコノミーとともに、日本でも徐々に一般的な概念になりつつあります。
スペースシェアは、空いている部屋や会議室、倉庫などを有償で貸し借りするシェアリングを意味し、「スペースマーケット」がその代表的サービスとして知られています。
「スペースシェア」では、最短30分からさまざまな利用目的とエリア、利用日に合わせてレンタルスペースを検索することができ、Airbnbのように宿泊スペースを探すこともできるようになっています。
主な利用目的は、会議などのビジネス利用、結婚パーティや子連れで集まる催し、料理教室、撮影などで、キッチンや防音設備、駐車場の有無などをかけあわせて検索できます。
現在、1万2,000件以上のスペース登録があるようです。
矢野経済研究所が発表したスペースシェア全体の2019年の市場規模予想は130億円で、前年比128.7%です。

・スペースマーケット

https://www.spacemarket.com/

CtoC:カーシェア

カーシェアリングは、個人で自動車を所有することなく、会員間で共有するシステムです。
車を購入したり維持したりする費用よりも割安に、そして気軽に利用できることから若者を中心に利用が広がっているシェアリングサービスの代表格といえます。
15分などの短期間でも借りられること、24時間好きな時に利用できることなどがレンタカーよりも手軽な点として挙げられます。一方で、車内清掃は各自負担のために状態が悪い車を利用せざるを得ないシチュエーションが起こりうること、長時間の利用はレンタカーより割高になってしまうなど、デメリットもあります。
BtoCのカーシェアは、タイムズカーシェアやトヨタ、オリックス、ニッポンレンタカーの運営するカーシェアリングサービスなどさまざまありますが、CtoCでは「Anyca(エニカ)」が有名です。
単に車を貸し借りするだけにとどまらず、「乗ってみたい」車を運転する体験としてのサービスが人気の理由かもしれません。会員は、気に入った車に予約リクエストを出し、予約が承認されたら待ち合わせ場所で車のレンタル手続きをおこなうシステムになっています。
矢野経済研究所が発表した2019年のCtoCカーシェア市場規模予想は30億円で、前年比115.74です。

・タイムズカーシェア

https://share.timescar.jp/fare/

CtoC:スキルシェア「家事代行・ベビーシッター」

家事代行やベビーシッターは、物品ではなく「スキル」や「時間」を売買する取引です。

家事代行

現在、家事代行には特別な資格は必要ありませんが、プラットフォーム内の口コミや認定ランクなどによって、料金体系やできることがカテゴリ分けされているケースもあります。
家事代行や家政婦のマッチングサイトを利用すると、大手の掃除代行や料理代行を利用するよりも割安で依頼できることが多いため、利用が広がっています。、家事代行は興味をもつ人は増加傾向にあるものの、実際の利用者は伸び悩む傾向があり、CtoCにおいても覇権を握る企業やプラットフォームはまだあらわれていないといえます。

ベビーシッター

一方、ベビーシッターは、2015年にローンチされた「キッズライン」が、主流サービスのひとつとして知られます。
育児サポートが必要な親と育児スキルをもつ人をつなぐCtoCプラットフォームとして運営されており、現在シッター登録者は2,700名ほどと公表されています。主に保育士や幼稚園教諭の資格を有する人や、育児経験のある女性が登録をしています。
依頼者は1時間1,000円からオンラインで予約をすることができ、登録シッターは自ら時給を設定して依頼を受ける方法が確立されています。
キッズラインは2018年11月から家事代行のプラットフォームも新しく運営しており、今後の活動に注目したいところです。
矢野経済研究所が発表した2019年のCtoC家事代行・ベビーシッターの市場規模予想は50億円で、前年比156.3%です。150%超という伸び率は、今後のサービス拡大を予感させます。

・キッズライン

https://kidsline.me/

CtoC:スキルシェア「教育・生涯学習」

教育・生涯学習ジャンルのCtoCも、個人がもつ技能を売買するスキルシェアのひとつです。
CtoCに介在するプラットフォームとしては、ベネッセホールディングスによるCtoCモデルの学習サービス「Udemy」や、教える人と教わりたい人のマッチングをおこなうサービス「MENTA」などがありますが、どちらも独占的な状態にあるとまではいえない状況です。
家事代行と同様、CtoCにおいては過渡期にあるジャンルなので、これから伸びていく可能性があるかもしれません。
矢野経済研究所が発表した2019年のCtoC教育・生涯学習における市場規模予想は70億円で、前年比125.0%です。こちらも、家事代行・ベビーシッターやスペースシェアに迫る伸び率を見せています。

・Undemy

https://www.udemy.com/ja/popular-courses/

CtoCのジャンルは今後多様化するか

現在は以上のように分類できるCtoC市場ですが、インターネット上で新たなサービスやプラットフォームが多数開発されるなかで、そのジャンルは今後細分化されたり、新規開拓されたりする可能性が大いにあるといえます。
ジャンルが細分化されれば市場規模もまた大きくなることが予想されるため、2020年も、CtoC市場は成長を続けるのではないでしょうか。

CtoC市場が無法地帯とならないための法整備は課題

CtoC市場の活発な動向は、参入企業やプラットフォームを提供する側にとって喜ばしいことです。一方で、CtoCのサービスにおいては法人間のようなルールと慣習が整備されていないジャンルも少なくなく、本来の用途からはずれる悪質な利用やトラブルも発生しています。
民泊利用者が深夜に騒いだりゴミを放置したりして周囲の住民が迷惑をこうむる、フリマアプリで詐欺まがいの取引を繰り返して事件に発展するというケースは報道もされており、モラルや常識に頼らずに何らかの法律を定めるべきという世論もあります。

中国でも、2019年1月にECをおこなう者すべてに登録を義務づける旨を定めた電子商務法が施行され、日本でも爆買いをしていたソーシャルバイヤーたちは制度に適応するか代行業をやめるかの二択を迫られました。

日本では、2018年6月から「民泊新法」が施行されていますが、そのほかのジャンルに関してはグレーゾーンなことや法整備がなされていない事柄も多く、これ以上手口が巧妙化したりトラブルが深刻化したりする前に、CtoCに関する何らかの規制が必要となるでしょう。

まとめ

CtoC市場は、物だけでなく空いているスペースやもっているスキルを有効活用したいと考える人が集まってきています。持っている人は有効活用することで利益を得られ、使う人は割安に利用できる、両者ともにメリットを感じられるのがCtoCの特徴といえます。
双方にとって、大企業のプラットフォームや仲介サイトを利用することは安心材料になるため、今後もひとつの企業がCtoCにおいて独占状態となる傾向は続くと考えられます。しかし、法整備などによって参入障壁が低くなると新規プラットフォームが増える、市場が細分化するといった状況に変わる可能性もあるでしょう。

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