Eビジネスを推進するORANGEシリーズ

EC-ORANGE
お役立ち資料ダウンロード ニュースレター登録

越境EC、NFT、データ売買をも取り込むECマーケットプレイスの変遷


マーケットプレイスは1990年代〜2000年代はじめに誕生し、コロナ禍をきっかけとして急速にそのシェアを伸ばしました。



スタートしてからおよそ20年が経ち、それまでに様々な変遷を辿ってきたマーケットプレイスですが、ここに来て新たな進化が見られます。これまでのマーケットプレイスは、BtoC、BtoB、CtoCともに「物」が取引されてきましたが、近年はNFTやデジタル商材、サービス、ビッグデータといった形のないコンテンツが取引されるようになってきたのです。



また、2023年はウィズコロナや円安の影響もあって、越境ECにも活路が見いだせると予測されており、ECのマーケットプレイスも世界を見据えた展開が求められています。



本稿では、ECにおけるマーケットプレイスの変遷とその役割について改めて振り返るとともに、これからのマーケットプレイス、すなわちNFTやVRを含めた新しい可能性について紹介しています。



また、マーケットプレイスと類似の販売手法であるドロップシップ(ドロップシッピング)についても解説を掲載しています。


無料メルマガ登録はこちら:最新のデジタルシフト事例やノウハウをお届け


ECにおけるマーケットプレイスとは



ECにおいてマーケットプレイスとは、物を取引する場所を提供するサービスを意味します。



具体的な例として最も分かりやすいのは、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonマーケットプレイスでしょう。



ショッピングモール型のサイトである「楽天市場」は1996年にスタートし、同様の形態である「Yahoo!ショッピング」は1999年からサービス提供が始まりました。



Amazonは、書籍販売に特化したECサイトを2000年にスタートさせ、翌年の2001年に出店型の販売形式「Amazonマーケットプレイス」を始めています。この1990年代後半がECサイトの黎明期と言えるでしょう。



取引の場を提供するサービス



2000年は、Googleで日本語検索が可能になった年でもあり、ウェブサービスが身近になり始めた年代でもあります。



2007年になると、スマホの代名詞的な存在であるiPhoneの初代がリリースされました。今でこそ、手のひらの端末ひとつでネット購入ができるのは当たり前となりましたが、その手軽さの第一歩は2007年のiPhone発売と見なす事ができるかもしれません。



Amazonは、iPhone発売と同時期にフルフィルメントby
Amazonのサービス提供を始めています。商品の保管から配送までを一手に引き受けるこのサービスは、配送業務に時間を取られがちなEC事業者にとって革新的なものでした。



2010年以降は、SNSが急速に広がってその特徴を活用したマーケティングが多くみられました。



数が集まると共同購入によって割引クーポンが使えるというフラッシュマーケティングが流行したのも、この時期です。SNSで共同購入を呼びかける事で消費者は安く商品を購入できる、EC事業者は宣伝も兼ねられるというマーケティング方法でした。



また、SNSをコミュニケーションツールとして活用する事で、商品の使用例を発信する、SNSの投稿から直接ECサイトに遷移して購入に結びつけるといった動きも見られました。



BtoC、BtoB、CtoCなど様々な取引でEC市場が発展



マーケットプレイスは、どのような関係性で物の取引を行うかによって様々な特徴を持ちます。



例えば、BtoCのマーケットプレイスは商品を見つけやすい機能がある、サポート体制が充実しているといった特徴が見受けられます。



BtoBのマーケットプレイスであれば、企業同士のマッチングによって継続的な取引がしやすくなる、大口注文や紙ベースでやり取りする契約の流れをそのままオンラインに落とし込むシステムがある、といった特徴を備えている場合があります。



一方、消費者同士が取引するCtoCでは、信頼できる売買システムを強みとして挙げる事で利用を促す施策が多くみられます。



BtoC、BtoBのマーケットプレイスに向いている企業は、配送業務にコストをかけられない企業や、流通経路が複雑化していてマーケットプレイスに置き換えた方がコスト削減を期待できるような企業です。



また、商品の品質と納期が安定していて、継続的に製品、商品を提供できるような企業も向いています。



一方で、マーケットプレイス経由での販売が却ってコスト増に結びつくケースもあり、取引先の顔が見えにくいといった点から顧客分析に使えるデータ収集が上手くいかないというケースもあります。



BtoC、BtoB、CtoCと様々な取引が一般化したからこそ、マーケットプレイスの利点を知って正しく活用する事が求められているのかもしれません。



そして今、マーケットプレイスはまた進化を遂げようとしています。







これからのマーケットプレイス



形のある商品しか販売できない、国内にしか対応していない、そうしたマーケットプレイスは過去のものになるかもしれません。これからのマーケットプレイスでは、越境ECとしての展開、NFTやサービス、デジタル商材といった形のないものを取り扱う場所になりつつあります。



越境ECをマーケットプレイスで展開



2023年は、国内で越境ECが注目されている年です。円安は旅行等個人の視点から見るとデメリットしかないように思われがちですが、越境ECではむしろ円安が追い風となって作用します。



また、世界的に見ても越境ECの市場規模が拡大傾向にあります。世界の越境EC市場規模は、年間平均で30%もの拡大を続けるという予測もあり、まさに今が「売り時・稼ぎ時」と言えるかもしれません。



例えば、日本ではすでに成熟している業界であっても、他国では新興ジャンルとして扱われている場合、日本の強みを活かした越境ECを展開していく事ができます。



世界的に見て市場規模が大きいのは中国と米国ですが、特に中国の市場規模は大きく日本製品への信頼も厚いため戦略次第で大きな成果を挙げられる可能性があります。



また、地方ならではの商品や製品を販売する事で、越境ECを地方活性化策として展開する動きもあります。「日本でしか買えない」、「日本限定デザイン」といった付加価値をつけたり、その地方でしか作り得ない商品を越境ECで販売したりして地元産業の活性化をはかる事も可能です。



デジタル商材にNFTを付与して販売するマーケットプレイス



いくらでも複製できるデジタル商材に、NFTを付与して販売するマーケットプレイスも新しい形態です。



NFTは、非代替性トークン(non-fungible token)の頭文字を取ったもので、NFTをデジタル商材に付与すれば個別情報を与えて、唯一性を持たせる事ができます。



これにより、NFTを所有している人だけができる体験や特典といったものも、マーケットプレイスで販売できるようになります。



LINEは2022年4月から、LINEのアカウントがあれば誰でも売買できる「LINE
NFT」をスタートさせています。



クリエイターから直接購入できる「ストア」、他ユーザーから購入できる「マーケット」があり、様々なデジタルコンテンツが販売されています。



ソフトバンクは2023年3月から「NFT
LAB」をスタートさせました。「NFT LAB」は、「使える・遊べるNFT」がコンセプトとなっていて、XRコンテンツを豊富に取り揃えているのが特徴です。



具体的にはデジタル3Dフィギュア、VR(仮想現実)映像等で、メタバースとの連携やリアルイベントとの連動といったNFT所有者が楽しめる特典も用意されています。好きなキャラクターと仮想空間で写真を撮ったり、VRでアーティストのライブを楽しんだりといった体験価値を提供するサービスも、今後はECマーケットプレイス上で「当たり前」の商品となる日が来るのかもしれません。



サービス、スキル、投資先、ビッグデータ活用もマーケットプレイスで



スキルや投資先、ビッグデータといった形のないものをマーケットプレイスで取り扱う動きも見られます。



例えば、企業が取得した流動人口データをマーケットプレイスで販売して、他社の戦略構築やデータ分析に活用してもらう、アプリケーションやクエリ対応のライブデータを販売する等、BtoB向けのデータやサービスも、マーケットプレイスという形で販売され始めています。



先に、マーケットプレイスに向いている企業の条件として、「配送業務にコストをかけられない企業」、「流通経路が複雑化していてマーケットプレイスに置き換えた方がコスト削減を期待できる企業」、「商品の品質と納期が安定している企業」等を挙げましたが、形のないサービス、データを取り扱うのであればこのような前提条件は不要となるケースが殆どと言えるでしょう。



デジタルコンテンツをはじめとする形のない商品(サービス)をマーケットプレイスで売買するのが一般的になれば、コスト感覚や企業としての成長戦略にも別の指標が必要になってくるはずです。



マーケットプレイスを活用したビジネス創出



2000年代から約20年で急速に全世界に広がったマーケットプレイスですが、ここへ来てNFTや形のないサービスやデータの売買といった新しい販売の形が見受けられるようになりました。マーケットプレイスはデジタルコンテンツやVRといった新たな文化を内包して、これからどのように進化していくのでしょうか。



世界の動向としては、マーケットプレイスとドロップシップ(ドロップシッピング)いずれかの参入を検討している企業が多く見られます。



ドロップシップとは、「産地直送」という意味です。具体的には、商品の在庫がない状態で注文を受けて、メーカー及びドロップシッピング事業者から直接消費者へ商品を発送するという販売方法を言います。



市場では、マーケットプレイスとドロップシップのメリットを兼ね備えたハイブリッド型のアプローチをする事もあり、自社に合ったシステム構築を各社が模索しているところです。



進化し続けるマーケットプレイスを活用したビジネス創出は、デジタルツールの活用や追い風が吹いている越境ECを見越した戦略等、多角的な視点が求められます。



次世代のマーケットプレイスで、何が販売されて何が購入されるのか、今後の動きに注目したいところです。