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Amazonのイノベーティブ配送から小売のミライを考える

オンラインで販売を行う小売業界では配送効率化の競争が激しくなっています。明日届くのは当たり前、送料無料も当たり前。まさにそんな時代になりつつあります。これからの配送はどのように進化を遂げていくのでしょうか。無人飛行機や予測など、Amazonが盛んに取り組む「イノベーティブ配送」をもとに、配送のこれからを考えてみたいと思います。

目次

配送時間の短縮に徹底して取り組むAmazon

オンラインショッピング業界において圧倒的な地位を築くAmazonは配送の効率化施策を次々に進めています。昨年発表した、無人ヘリコプターによる配送「Prime Air」の構想も話題となりました。

Amazonの無人飛行機 Prime Air

※Amazon、ドローンでの配送サービス「Prime Air」構想を発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1312/02/news056.html

このPrime Airの目標は、無人飛行機を用いてWebでの注文から30分で商品を届けることです。実現すれば消費者にとっては、ちょっと部屋の掃除をしている間に商品が届く、というような、全く新しい経験を提供できることになります。

また、Amazonは、新たな「予測出荷」という手法で特許も取得しました。

※Amazon、「予測出荷」の特許を取得 ― 注文される前に商品を出荷
http://jp.techcrunch.com/2014/01/20/20140118amazon-pre-ships/

簡単にいえば、その商品が購入されると考えられる地域へ、商品を事前に配送しておくというものです。配送元となるセンターが近くなれば、商品の到着までにかかる時間を短縮できます。Amazonは下記のデータを利用することで、この予測配送が可能になるとしています。

★ほしいものリスト

顧客がほしいものリストに追加している商品を近くの倉庫へ配送しておきます。「近くの配送拠点に在庫が有るため、すぐに配達出来ます」という表示が出ると、購入の後押しになりそうです。

★顧客のクリック回数

商品の比較検討で、何度も商品をクリックしている商品は、買う可能性も高いと言えます。

★エリア別の売れ行き

エリアによって、利用する消費者の年齢層も把握が可能でしょう。商品カテゴリ単位でもエリアによってある程度のデータを取得できそうです。

以上の2つの試みの目的は、いずれも「商品を受け取るまでの時間を短縮すること」にあります。実現可能性への議論はあるでしょうが、徹底して配送時間の短縮に取り組む姿勢が、Amazonを今の地位に立ち続けることを可能にしているのでしょう。

Amazonの取り組みに見るこれからの配送にとって必要なこと

Amazonの取り組みをもとに考えてみると、配送手段と配送拠点の2つの観点から、配送時間の短縮を考えることが出来ます。

★配送手段のイノベーション

・新たな配送手段の登場

無人飛行機のように、これまでになかった配送手段の登場は、配送の時間短縮を可能とします。現在は、配送ルートにそって、荷物を配送していく方法が一般的です。無人飛行機のように、特定の配送先へ直線的に配送できるようになると、大きく時間を短縮できるというわけです。
日本で無人飛行機が飛ぶようになるかは定かではありませんが、それに変わるものが登場するかもしれません。

・あえて「人」を利用する

ヤマダ電機では、WEBでの注文が入ると、社員が配送します。このように自社の社員が直接商品を届けることで、消費者への配送時間を短縮しています。あえてアナログな方法を取ることで、顧客が満足できるサービスとなっています。

ヤマダ電機 社員お届けサービス

http://www.yamada-denkiweb.com/contents.php/special/guide3/

★配送拠点のイノベーション~「受け取りに行ける配送拠点」が重要~

「会いにいけるアイドル」ではないですが、「受け取りに行ける」ということが、消費者にとって「体感配送時間」を大きく短縮する要因になります。

・「再配達を待つ」から、「受け取りに行く」への転換

ECで購入した商品を受け取ることが出来ず、再配達を行ったことがある方は多いと思います。この再配達には、配送のコストはもちろん、商品を受け取るまでの時間も、非常にムダが多いと思います。
一般的な再配達は大体21:00で終了します。急な用事で帰りが22時になった場合、1時間早ければ受け取れた商品が、実際には最短でも翌日8:00にならないと受け取れません。また、◯日の◯時には家にいないといけないという、時間的な拘束を受けると、人はストレスを感じるものです。このストレスを考えると、再配達を待つという受け身の姿勢ではなく、「受け取りに行く」という能動的な選択を行う消費者は潜在的に多いと考えます。

では、商品を受け取る拠点にはどのような場所が考えられるでしょうか。

・配送・受取拠点として第1候補はコンビニ

既に日本でも、同様のサービスとして、商品のコンビニ受け取りがあります。商品を消費者の玄関先に運ぶのではなく、近くの拠点まで配送し、そこへ消費者に取りに来てもらうという考え方は同じです。24時間営業のコンビニに配送されていれば、22時だろうが、朝の7時だろうが、消費者のタイミングで商品を受け取ることが出来ます。消費者のタイミングで商品を受け取れることは、間違いなく消費者にとって良い体験になります。

また、昨今コンビニは配送サービスを展開しています。例えば、セブンイレブンでは、自宅配達サービスや、配食サービスを展開しています。この配送網を活用することで、受け取り拠点となるだけでなく、配送拠点として玄関先までの配送が可能です。

セブン-イレブン セブンミール

http://www.7meal.jp/

・実店舗は、配送拠点も兼ねることができる

実店舗での商品受け取りも既に行われています。実店舗の利点は、既にそこに商品があれば、倉庫からわざわざ店舗へ配送する必要がありません。こうした実店舗での受け取りは、店頭での追加商品購入につながることも期待できます。
海外の事例ですが、Amazonに対抗するウォルマートは、全米に約4100店舗存在し、各店舗から5マイル(約8km)以内に住んでいる人の数はトータルで全人口の3分の2を超えるといいます。実店舗を持つウォルマートは、この店舗をミニ配送拠点として利用することを構想しています。

・多くの人の生活の拠点である駅/キオスク

多くの人にとって生活の拠点となるのが駅です。とりわけ都心部では、毎日利用する人も多いと思います。毎日使う駅が受け取り拠点となり、消費者が駅で商品を受け取ることができれば便利です。

特に、構内にあるキオスクやコンビニは活用できるでしょう。

・公共施設も民間と連携すれば活用可能

市役所や公民館、図書館等、地域住民が集まる場所も受け取り拠点の候補と言えます。佐賀県武雄市の図書館は、民間による運営で有名ですが、官民の連携により、サービスが展開していくことも期待できるのではないでしょうか。

・隣人受け取りの復活

誰にとっても最も近い受け取り拠点は、隣人宅です。昔は、隣人が荷物を預かってくれることも珍しくありませんでしたが、最近では、個人情報の観点からか、なくなってしまったと思われます。例えば、Facebookのように、実名のアカウントを用いたSNSを利用し、相互に承認し合った状態であれば、受け取りを依頼することができるサービスなども考えられます。

配送時間を短縮して顧客に「良い体験」を

オンラインショッピングにおける配送、特に配送にかかる時間は、消費者の選択に直結します。これからの消費においては、顧客に「良い体験」を提供することが必要とされています。

※「顧客体験」の変革が、オムニチャネル時代を勝ち抜く鍵
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130924/506414/

例えば、急に必要になったものをWebで注文して、近くのコンビニですぐ受け取ることができた。このような「便利だった」、「助かった」と言う経験が、顧客にとって「良い体験」として認識されます。そして、その体験が口コミとなり人々の間で広まっていくのです。企業の取り組みを見ていると、これからの数年間で配送はより効率的に、私達の消費活動はより便利に進化していくでしょう。
日本の小売企業にもあっと驚くようなイノベーションを期待したいところです。

この記事を書いた人
大工 峻平

エスキュービズムにて、タブレットPOSシステム導入を担当。タブレットPOS、Handyシステムの導入営業からはじまり、納品・教育・保守まで幅広い業務領域に携わっています。

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