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2012年:情報キオスク端末の海外トレンド

今年も残すところ後わずかです。
2012年の情報キオスク端末の海外トレンドお伝えしたいと思います。
(引用元:BeYOND
技術革新の視点からすると、ひとつのアイテムが業界を席巻し、他社製品がそれに追随するという形が常識となりつつあります。タブレットにおいて、その座を奪ったのはアップル社のiPadであることは明らかと言えるでしょう。その影響は情報キオスク端末にも及んでいます。

アメリカ国内の情報キオスク端末を導入している、または導入を考えている業者対象の調査でこのような調査結果が出ました。

89パーセントの業者がキオスクディスプレイならタッチスクリーンを、そして84パーセントの業者がタブレットを導入するならばiPadを選ぶという結果でした。米国のキオスク端末向けiPadアプリ開発者、マイク・ジェームズ氏はこう語っています。「情報キオスク端末業者でiPadを扱う業者は発売当初は12社ほどに過ぎなかったが、今では50社ほどに増えている」

ジェームズ氏はこうも語っています。「タブレット型キオスク端末がもたらす経費削減や投資収益率を見る限り、業界のPCベースの端末への回帰はありえない」「発売当初は一度に10台から20台ほどだった発注も、今では250台から500台ほどに増えた」と。

この数字は様子見、お試し期間の段階は終わり、タブレット端末導入の有益さを企業が確信したことの表れと言えるでしょう。どのような企業がどのようにiPadをキオスク端末として利用をしているのか簡単にまとめてみました。

背景にあるデバイスと使い手、双方の習熟

顧客が自分で操作する情報キオスク端末を設置するのは、顧客と交流し、一部のサービスを自動化するには最適です。以前は情報キオスク端末の設置と運用は高価で複雑でしたが、iPadがあれば、「Kiosk Pro」のようなアプリを使って、以前よりも素早く、最低限のコストで情報キオスク端末を設置することができるようになりました。

もうひとつの背景として、スマートフォン利用者の拡大があると言えます。米国での携帯保有者のうちスマホ率は50パーセントを超えており(日本国内では25パーセント前後:米comScore調べ)スマホでタッチスクリーンに慣れた利用者が、スムーズにタブレット型キオスク端末を利用できたことが要因として挙げられます。

iPhoneでタッチスクリーンに慣れた利用者が店舗や施設でiPadキオスク端末を利用するという、アップルの囲い込み戦略が奏功した結果と言えるでしょう。

小売業者のツールとしてのスマートフォン

一方でスマホは情報端末として海外小売業者でどのような利用をされているのでしょうか。セルフチェックアウト、支払い、マッピングなどのアプリ事情を見てみたいと思います。

ウォルマートはスマホを使って商品をスキャンし、レジで精算できるスキャン&ゴーというアプリを開発し、実験的に導入しました。買い物をしながら商品をスキャンすると買い物カゴに入って現在のバスケット価格を表示、セルフレジでスマホに表示されるコードをスキャンし、お金を支払うというものです。決済システムとは連動していないので今まで通りセルフレジでお金を支払う必要があるのですが、今後決済までをスマホで済ませる方向に持っていく目論見があると伺えます。

このアプリ開発の背景には、アメリカの巨大スーパーマーケット特有のレジ待ちの長蛇の列を何とか解消したいという狙いがあります。このあたりは日本のスーパーではあまりピンとこないかもしれません。

また少額の買い物でもクレジットカードを使うアメリカのカード文化もこの流れを加速させる可能性があります。

今後こういった流れが日本にも波及するかと言えば、アメリカでの買い物事情がそのまま日本にも当てはまるとは限らないので、その文化の違いを見極める必要があると言えます。ショッピングモールの店舗案内用のキオスク端末を提供する業者もスマホを警戒しています。

(引用元:GDS
ワイファイGPSを利用した屋内位置検索・店舗案内アプリを提供する小売業者がますます増えています。これにより買い物客は広大なショッピングモールで自分がどこにいるか、目当ての店はどこかといった情報を手に入れることができます。

ITコンサルタント会社、グリズリー・アナリスティクスのモバイル戦略担当、ブルース・クルルウィッチ氏はこう語っています。「あと2、3年以内に屋内マッピング・位置検索の規模は現在の屋外用のものと同等になる」と。

一方、グーグルが提供するインドアGoogleマップも徐々に屋内マップの提供範囲を広げています。大都市の空港や駅、デパートと一部の施設に限られてはいますが、小売業者サイドからのアプリ導入も含め、屋内マッピングが広がっていくことは間違いないと言えるでしょう。

日本における展望

以上、海外では情報キオスク端末としてiPadがその存在感を高めているということ、小売業者がスマホアプリを積極的に利用しているということをお伝えしました。電子情報技術産業協会(JEITA)によれば、2012年10月の日本の携帯販売数のうちスマホ率は6割を超え、前年同月比で216パーセントということでした。

日本でもますますスマホが普及しており、その中でも首位を走るのがiPhoneです。その現状を企業が踏まえれば、iPhoneと親和性を持つiPadは決して無視できないデバイスとなり得るでしょう。当然のことですが、すでに日本企業も続々とiPadを導入し始めています。

小売業者のスマホアプリ導入の流れが日本波及するかという点については、買い物文化の違いを見極める必要があると先ほど述べました。日本でのカルフールの撤退やウォルマートの苦戦がありつつ、しかしコストコの成功という例もあります。外資の小売が日本で成功するという事例がある以上、そのスマホ戦略についてもアンテナを張る必要があると言えます。

海外での事例がそのまま日本に当てはまるとは限りませんが、技術進歩と変化の著しい世の中だけに、目を離さずに動向をチェックする必要があると言えます。
この記事はKiosk Marketplace.comの記事をOrange Blogが日本向けに編集したものです。