RFIDとは?RFID活用事例27選と最新無人店舗化RFID動向【最新版】
ECサイトなら、「よく見られている商品」や「買い物カゴに入ったけど買われなかった商品」など商品ごとに販売分析ができます。また、パーソナライズされたレコメンド機能で販促活動もできるのが当たり前です。
しかし、リアル店舗で同じ分析をするとなると、ぐっとハードルがあがります。まず「どの店舗にどの商品の在庫があるかを正確に把握」し、可能なら「手に取られたけど買われなかった」という情報までも取得しなければなりません。
オムニチャネル時代に、実店舗でもWEBと同様の分析、販促を行うためのツールとして期待されつつあるのがRFIDです。
目次:
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RFIDの特徴は、次の3つにまとめることができます。
パレットや商品ケースごとに貼られていたICタグを、1つ1つの商品に貼ることで、倉庫~物流~店舗という過程のどこに商品があるのか、どの棚に陳列され、レジに持って行かれたのかという店舗内の動線まで追跡できるようになります。
店舗でおこなう棚卸も、商品を1つずつ数える必要はなく、一気に片づけることができます。
バーコードは、商品ごとにコードを1つずつバーコードスキャナで読み取らなければなりません。
また、RFIDと比較すると登録できる情報量は少なく、いつどこの工場で生産されたか、どのようなルートを通ってきたかといった詳細な情報は登録することができません。また、一度登録した情報を書き換えることも不可能です。
無線通信のため、棚にRFIDタグを読み取る装置をつけておけば、該当商品の在庫が一定量を下回った段階で補充を促したり、自動発注するような仕組みを作ることができます。人手を多く使わなくても、一括で複数の情報を読み取ることができるため、人的コストの削減にもつながります。
しかし、無線タグが大型である、タグが高価である(1個1,000円以上)といったことから、スーパーやコンビニといった単価の安い商品1つ1つにつけることは不可能でした。
2002年に、米国の最大手小売であるウォルマートが商品の1つ1つにICタグをつけて管理すると発表したことを皮切りにRFIDの導入実験が盛んになり、価格が下がったことで、国内の小売店でも導入されるようになっていきます。
2018年2月14日から23日までに、無人レジで電子タグとキャッシュレス決済をおこなうデモ、RFIDを読み取るハンディーターミナルを使用した検品や棚卸をトライアルとして実施。この実験にはファミリーマート、ローソン、ミニストップという3つのコンビニ業者が連携して参加しただけではありません。
コンビニに商品を提供する食品・雑貨のメーカーとしてUCC上島珈琲、江崎グリコ、カルビー、東洋水産、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、ヤマザキ製パン、ライオンが協力、大日本印刷や物流、卸売事業者も関わった一大プロジェクトでした。
実証実験には、複数の企業で在庫と出荷、そして販売の情報を共有し、サプライチェーン各層の連携強化と、全体の効率化をはかるシステム作りを試すことも含まれています。これまでの商品販売情報は、小売店舗のみに蓄積され、メーカーの生産計画や卸の配送計画にいかすことはできませんでした。
しかし、RFIDタグを活用して販売状況を企業や事業者が共有することで、日々の計画を柔軟に変更できるようになります。これは廃棄ロスの削減も期待されています。
経済産業省は、2025年を目安にコンビニエンスストア、ドラッグチェーンでのRFID導入を可能にするようはたらきかけており、今回の実験も推進行動の一つといえるでしょう。
★詳しくは、「ファミリーマート経済産業省店が取り組む、RFIDを活用したコンビニ実証実験とは」もご覧ください。
経済産業省では、2025年にICチップの単価1円という目標を立てていますが、RFID関連の特許に対して、1.5円を米国に払うことが定められているため、今後どんなにコストが下がるとしても、国内では1円よりも安くなることはないのでは?という意見もきかれます。
なお、2018年現在、日本でのICチップの最安値は2.3円ほど。国内で本格的に導入する場合、初期設備投資としては8,000億円程度が必要になると想定されています。
国内でのRFID、食品への導入は先の話になるかもしれませんが、ICチップを活用した無人レジが増えれば、店舗における買い物の仕方にも大きな変化が起こるかもしれません。
1位:ナクシス https://www.naxis.net/
2位:東京吉岡 http://www.tokyo-yoshioka.co.jp/
3位:テンタック https://www.tentac.co.jp/
なお、電波式のRFIDタグを使う場合は、総務省の構内無線局へ申請が必要となります。3つの領域が連携する以外にも、導入に際してやるべきことは多くあるため、計画的に取り組むとよいでしょう。
出口センサーもその一つです。
この領域において現在シェアの大きな部分を握っているのは、株式会社三宅です。株式会社三宅は、セキュリティゲートのほかにも、万引き防止や徘徊防止システムなどを運用し、「RFID持ち出し管理システム」も開発しています。
またユニクロと同じくファーストリテイリングの子会社組織であるGUでも、国内店舗数の半分にRFIDタグを導入しています。
専用の装置に複数の商品を置いても、パナソニックのロボティクス開発室長いうところの「秘密の微調整」により、誤作動はほぼゼロだといわれています。
「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店が次世代の小売を追求!スマートストアの姿とは」では詳しく解説しています。
高品質でありながら低価格を実現するためには、あらゆる無駄を排除する必要があるのですが、RFIDを早くから導入することでコストを削減し、価格の維持に貢献しています。
このシステムは、店内にある数百台のカメラが商品をチェックし、そのデータを読み取ることで機能しており、RFIDの技術は使われていないとのことですが、今後のどこかの企業が類似サービスを展開する時は、RFIDと組み合せたシステムが運用されるかもしれません。
「Amazon GO1号店がついにオープン!レジがないAIコンビニの全貌とは」も参考になさってください。
AmazonはAmazon Freshなどのサービスを展開し、生鮮食品の販売にも着手しています。ECと生鮮食品ではイメージの相性が悪く、浸透が進まないことが懸念されていますが、実店舗のホールフーズを押さえ、これまでのノウハウを生かした合理的なRFIDを含む商品管理システムを最大限活用することで、イメージとクオリティの両方でECサイトでも新鮮な食品が購入できるという可能性を提示しています。
取り扱う規模の大きさゆえ、合理化に対する意識の高さは他の追随を許さない面もあり、個人店舗においても応用できる側面は多く見受けられます。
RFIDタグが備えられた食品と管理するためのリーダーが備わった自販機があれば、一般的な自動販売機のように街中で販売機を放置しておくだけで美味しい食品を自動で提供し、入荷・交換の必要性が生じた際にはタグの情報から必要なぶんだけ自販機に補充するだけで良いため、人件費の大きな削減につながります。
タグが導入されたチケットやリストバンドなどをあらかじめ配布することで、行列の発生を抑えながら購入機会の損失を防ぐことができるでしょう。
そのため従来のRFIDタグでは極端に温度の高い場所での保管や冷凍庫での使用が敬遠されてきたというケースもあるのですが、最近では冷凍庫での活躍が保証されているタグもリリースされています。
万が一商品に問題が生じた際にはタグの情報から問題を把握し、素早いサポートを実現することが期待されています。
しかし、リアル店舗で同じ分析をするとなると、ぐっとハードルがあがります。まず「どの店舗にどの商品の在庫があるかを正確に把握」し、可能なら「手に取られたけど買われなかった」という情報までも取得しなければなりません。
オムニチャネル時代に、実店舗でもWEBと同様の分析、販促を行うためのツールとして期待されつつあるのがRFIDです。
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RFIDとは
RFIDの特徴
RFID(Radio Frequency Identification)は、記録媒体であるICタグ(RFIDタグ)に登録された情報を、無線電波によって接触することなく読み書きする仕組みのことです。 SuicaやPASMOといった交通系ICカードや、高速道路のETCカードが身近な実例。回転寿司のスシローでは、皿の裏にRFIDタグを貼って、鮮度管理をおこなうシステムを使っています。RFIDの特徴は、次の3つにまとめることができます。
- 非接触でデータの読み書き(Read/Write)が可能
- 電波や電磁界で交信するため、タグの表面が見えなくても機能する
- 複数タグの一括読み取りができる
RFIDの原理と種類
RFIDには、HF帯(短波帯)の周波数帯で電磁波を発する「電磁誘導タイプ」と、UHF帯(極超短波)などの電波を使う「電波方式」の2つがあります。どちらもリーダーとタグの間で信号をやり取りすることには変わりありませんが、- 電磁誘導タイプ:エネルギー効率がよく、通信距離は短い
- 電波方式:指向性は小さいが、通信距離は長い
物流管理におけるRFID
非接触で複数タグの読み書きが可能という利点から、RFIDは物流管理のシーンで活用されてきました。RFIDを導入したことで入出庫時の検品や棚卸を、1件ずつではなく一括で処理できるようになり、作業効率が大幅に改善しています。パレットや商品ケースごとに貼られていたICタグを、1つ1つの商品に貼ることで、倉庫~物流~店舗という過程のどこに商品があるのか、どの棚に陳列され、レジに持って行かれたのかという店舗内の動線まで追跡できるようになります。
店舗でおこなう棚卸も、商品を1つずつ数える必要はなく、一気に片づけることができます。
バーコードとRFIDの違い
次にバーコードとRFIDの違いについてみてみましょう。バーコードは、商品ごとにコードを1つずつバーコードスキャナで読み取らなければなりません。
また、RFIDと比較すると登録できる情報量は少なく、いつどこの工場で生産されたか、どのようなルートを通ってきたかといった詳細な情報は登録することができません。また、一度登録した情報を書き換えることも不可能です。
日本でよく見かけるバーコード(JANコード)は、ほとんどが企業コードで
商品アイテムを管理しているのは3~5桁に過ぎない
無線通信のため、棚にRFIDタグを読み取る装置をつけておけば、該当商品の在庫が一定量を下回った段階で補充を促したり、自動発注するような仕組みを作ることができます。人手を多く使わなくても、一括で複数の情報を読み取ることができるため、人的コストの削減にもつながります。
ICタグの単価が下がり導入しやすく
RFIDの歴史は古く、1980年頃には欧米を中心に広まった技術です。日本でも開発が進められており、小売の現場での活用も当時から期待されていました。しかし、無線タグが大型である、タグが高価である(1個1,000円以上)といったことから、スーパーやコンビニといった単価の安い商品1つ1つにつけることは不可能でした。
2002年に、米国の最大手小売であるウォルマートが商品の1つ1つにICタグをつけて管理すると発表したことを皮切りにRFIDの導入実験が盛んになり、価格が下がったことで、国内の小売店でも導入されるようになっていきます。
ウォルマートはジーンズや肌着にRFIDタグを取り付け
商品追跡、在庫管理の向上をはかる
国内におけるRFID関連の動向
経産省による実証実験に複数の企業が参加
経済産業省は、経済産業省本館地下1階「ファミリーマート経済産業省店」、「ローソン丸の内パークビル店」、「ミニストップ神田錦町3丁目店」の3店舗で、RFIDタグの実証実験をおこないました。2018年2月14日から23日までに、無人レジで電子タグとキャッシュレス決済をおこなうデモ、RFIDを読み取るハンディーターミナルを使用した検品や棚卸をトライアルとして実施。この実験にはファミリーマート、ローソン、ミニストップという3つのコンビニ業者が連携して参加しただけではありません。
コンビニに商品を提供する食品・雑貨のメーカーとしてUCC上島珈琲、江崎グリコ、カルビー、東洋水産、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、ヤマザキ製パン、ライオンが協力、大日本印刷や物流、卸売事業者も関わった一大プロジェクトでした。
実証実験には、複数の企業で在庫と出荷、そして販売の情報を共有し、サプライチェーン各層の連携強化と、全体の効率化をはかるシステム作りを試すことも含まれています。これまでの商品販売情報は、小売店舗のみに蓄積され、メーカーの生産計画や卸の配送計画にいかすことはできませんでした。
しかし、RFIDタグを活用して販売状況を企業や事業者が共有することで、日々の計画を柔軟に変更できるようになります。これは廃棄ロスの削減も期待されています。
経済産業省は、2025年を目安にコンビニエンスストア、ドラッグチェーンでのRFID導入を可能にするようはたらきかけており、今回の実験も推進行動の一つといえるでしょう。
★詳しくは、「ファミリーマート経済産業省店が取り組む、RFIDを活用したコンビニ実証実験とは」もご覧ください。
RFIDの価格と特許について
現在、ICチップの特許は米軍が取得しています。また、埋め込み印刷の技術は米国シアトルに本社を置く2000年設立のRFIDメーカー、インピンジ(IMPINJ)の特許技術で、インピンジの日本代理店は日鉄住金物産株式会社となっています。経済産業省では、2025年にICチップの単価1円という目標を立てていますが、RFID関連の特許に対して、1.5円を米国に払うことが定められているため、今後どんなにコストが下がるとしても、国内では1円よりも安くなることはないのでは?という意見もきかれます。
なお、2018年現在、日本でのICチップの最安値は2.3円ほど。国内で本格的に導入する場合、初期設備投資としては8,000億円程度が必要になると想定されています。
国内でのRFID、食品への導入は先の話になるかもしれませんが、ICチップを活用した無人レジが増えれば、店舗における買い物の仕方にも大きな変化が起こるかもしれません。
RFID導入に不可欠な3つの事業領域
RFIDを商品に取りつけて運用するためには、ICチップとアンテナ、それに埋め込みという合わせて3つの事業領域による連携が必要です。埋め込み印刷の特許はインピンジが握っていますが、印刷ではない埋め込み系の上位企業は、次のとおりです。1位:ナクシス https://www.naxis.net/
2位:東京吉岡 http://www.tokyo-yoshioka.co.jp/
3位:テンタック https://www.tentac.co.jp/
なお、電波式のRFIDタグを使う場合は、総務省の構内無線局へ申請が必要となります。3つの領域が連携する以外にも、導入に際してやるべきことは多くあるため、計画的に取り組むとよいでしょう。
出口センサーもその一つです。
RFIDタグにおけるセキュリティ
RFIDタグの活用において、もう一つ考慮するべきもの、それは出口センサーです。センサーの設置には、- ゲート(横からの読み取り)
- 天井(上からの読み取り)
- マット(下からの読み取り)
この領域において現在シェアの大きな部分を握っているのは、株式会社三宅です。株式会社三宅は、セキュリティゲートのほかにも、万引き防止や徘徊防止システムなどを運用し、「RFID持ち出し管理システム」も開発しています。
参考:株式会社三宅
http://miyake-sec.com/index.php
小売業でのRFID活用事例
1:ユニクロ
ユニクロは、国内外に展開する約2,000店舗全店において、RFIDタグの導入を決定、運用しています。初期投資は数百億円とも噂されていますが、在庫管理にかける時間を短縮でき、会計の待ち時間や欠品数を減らすなど、いくつかのメリットを得られることから、費用対効果は大きいとしています。またユニクロと同じくファーストリテイリングの子会社組織であるGUでも、国内店舗数の半分にRFIDタグを導入しています。
2:ローソン
ローソンはパナソニックと共同で、RFIDを使った精算システムの実証実験をおこないました。専用の装置に複数の商品を置いても、パナソニックのロボティクス開発室長いうところの「秘密の微調整」により、誤作動はほぼゼロだといわれています。
3:トライアル
トライアルラボ店にて、RFIDによる自動会計の実証実験を行いました。スーパーセンタートライアルアイランドシティ店と並び、店舗のスマート化・無人化に力を入れています。「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店が次世代の小売を追求!スマートストアの姿とは」では詳しく解説しています。
4:ビームスでの作業効率30倍の成果
ファッション性の高いアパレル販売で有名なビームスにおいてもRFIDタグを導入することで、作業効率を従来の30倍まで向上させ、高い費用対効果を上げている早期の事例と言えます。棚卸しのコストを大きく減少させ、人件費の削減にもつながったとのことです。5:メーカーズシャツ鎌倉
低い利益率ながらも高品質のメンズシャツ販売で現在はニューヨークにも店舗を持っているという鎌倉シャツにおいても、RFIDタグの導入が進んでいます。高品質でありながら低価格を実現するためには、あらゆる無駄を排除する必要があるのですが、RFIDを早くから導入することでコストを削減し、価格の維持に貢献しています。
小売業界で進む店舗のスマート化
6:Amazon GO
棚に並んだペットボトルやお菓子の中から商品を選び、自分のバッグに入れるだけ。レジも買い物かごも必要のない新しく、そして近未来な購買体験を実現しているのが、Amazon GOです。買い物袋に入れた商品は、店舗のゲートを通ることで自動的に会計がおこなわれ、アマゾンのアカウントに請求がいく仕組み。このシステムは、店内にある数百台のカメラが商品をチェックし、そのデータを読み取ることで機能しており、RFIDの技術は使われていないとのことですが、今後のどこかの企業が類似サービスを展開する時は、RFIDと組み合せたシステムが運用されるかもしれません。
「Amazon GO1号店がついにオープン!レジがないAIコンビニの全貌とは」も参考になさってください。
7:Amazonのホールフーズマーケット買収
アメリカ最大手のオーガニック食品スーパーであるWhole Foods(ホールフーズ)をAmazonが買収したのもRFIDを最大限活用できる機会の獲得であると言えます。AmazonはAmazon Freshなどのサービスを展開し、生鮮食品の販売にも着手しています。ECと生鮮食品ではイメージの相性が悪く、浸透が進まないことが懸念されていますが、実店舗のホールフーズを押さえ、これまでのノウハウを生かした合理的なRFIDを含む商品管理システムを最大限活用することで、イメージとクオリティの両方でECサイトでも新鮮な食品が購入できるという可能性を提示しています。
8:BINGO BOX
「BINGO BOX」は、ICタグを活用した中国のコンテナ型無人コンビニです。アルミホイルに包まれた商品のタグが読み取れなかったり、電子レンジに対応していないため売上が思ったほど上がらないという困難に直面した時期もありましたが、ICタグで徹底した在庫管理を継続する一方、画像認証や重量認証といった別の技術を合わせ技として用いて、消費者が利用しやすい店舗へ改革を進めています。9:モノタロウの無人店舗
米国、中国につぐ国内の無人AIストアが、佐賀大学の本庄キャンパス内にある「モノタロウAIストア powered by OPTiM」です。軍手や作業服、切削や研磨のための工具まで、研究に必要な約2,000アイテムを無人で販売しています。RFIDタグではなく、専用のアプリにログインすると表示されるQRコードをかざして入店し、商品や棚のバーコードをスキャンして決済するシステムですが、今後同様の運用形態では、ICチップと連携したシステム作りがおこなわれるのではないでしょうか。10:早期からRFID導入していたウォルマート
米国最大手のスーパーマーケットであるウォルマートは、その規模の大きさからかなり早い段階でRFIDの導入を進めていた事例の一つです。取り扱う規模の大きさゆえ、合理化に対する意識の高さは他の追随を許さない面もあり、個人店舗においても応用できる側面は多く見受けられます。
小売での活用アイデア
11:賞味期限の把握
RFIDは食品管理にも大きな役割を果たします。食品は人の口に入るものである以上、他の商品に比べてよりデリケートな管理が必要になりますが、RFIDで賞味期限・消費期限を記録することにより、期限切れ製品が店頭に並ぶリスクを小さくすることができるでしょう。12:廃棄ロスの削減
食品に関する事例としてもう一つ挙げられるのが、廃棄ロスの問題です。食べ物を商品として取り扱う分野であれば、期限内に売れなければ在庫分は廃棄にせざるを得ず、ここのロスをどれだけ減らせるかが大きな要素となります。RFIDタグの活用により鮮度管理、売上予測精度の向上を図ることで、廃棄ロスを大きく減らすことができると期待されています。13:食品の自動販売
RFIDタグが食品に重用されるようになれば、人の手を介さずとも質の高い食品を販売することが可能になるでしょう。RFIDタグが備えられた食品と管理するためのリーダーが備わった自販機があれば、一般的な自動販売機のように街中で販売機を放置しておくだけで美味しい食品を自動で提供し、入荷・交換の必要性が生じた際にはタグの情報から必要なぶんだけ自販機に補充するだけで良いため、人件費の大きな削減につながります。
14:ECサイトにおける販売機会損失の削減
RFIDタグの導入は、実店舗とECサイトを連動させてオムニチャネル化を図る上でも有効です。RFIDによって在庫情報をリアルタイムに反映させ、ネットでサイズを確認してから在庫のある店舗で直接購入といったアプローチを取ることが可能になります。15:RFIDによる入場制限
最近ではアパレルブランドの新作リリースの際などに、店舗や販売会場の前で長蛇の列が生まれるということも当たり前になりつつありますが、店舗ではとても処理しきれない人の数からトラブルの発生を防ぐのにもRFIDタグは役立ちます。タグが導入されたチケットやリストバンドなどをあらかじめ配布することで、行列の発生を抑えながら購入機会の損失を防ぐことができるでしょう。
16:フロアごとの資産管理効率化
RFIDタグはリーダーにタグを読み込ませることで商品の状況をリアルタイムに把握するというものですが、リーダーとアンテナ、そしてそれらを押し歩くための荷台があれば、商品をカテゴリごとに分別しながら、わざわざ一つ一つをリーダーで読み込みながら一度に大量の商品情報を更新することが可能となります。17:ハンディリーダーでの管理
もちろん小規模の商品管理にもRFIDは有効です。ハンディタイプのリーダーを使用することで、リーダーを山積みとなった商品に向けてかざしながらなぞるだけで、大量の商品の入荷情報等を一斉に管理することができます。18:生産から小売までの一括管理
企業によっては小売だけでなく、自社生産・自社販売を行っているところもあります。生産から販売まで全ての工程を同じタグで管理することにより、生産から販売までのプロセスの合理化や、無駄のない生産量のコントロールを可能にしてくれます。19:生産過程の可視化
生産過程においてRFIDタグを用いることで、自社製品の品質管理にはもちろん、発注者側にもそのプロセスが可視化されることで、さらなる合理化の可能性を追求することが可能になるでしょう。20:食品製造・入荷における品質管理
食品の品質はその調理・保管方法や輸送時間によって大きく変化するものですので、RFIDタグによる追跡は特に有効であると考えられています。見た目ではその品質の変化に差が生まれにくいぶん、製造工程から湯増ルート、保管場所の記録を全て一括でタグ管理してしまうことで、質の高い食品管理システムを実現することが可能になります。21:極端な環境下でも機能するRFID
バーコードとは異なり、RFIDはチップを読み込むことで機能するため、チップに何らかの異常が発生すればタグとしての機能を失いかねません。そのため従来のRFIDタグでは極端に温度の高い場所での保管や冷凍庫での使用が敬遠されてきたというケースもあるのですが、最近では冷凍庫での活躍が保証されているタグもリリースされています。
22:購入後のアフターサービス改善
RFIDタグは購入までのクオリティを向上させるだけでなく、商品購入後の管理にも有効です。いつどこで誰が買ったのかを記録し、その際の購入時のやり取りで、顧客情報に深みを持たせることができます。万が一商品に問題が生じた際にはタグの情報から問題を把握し、素早いサポートを実現することが期待されています。
23:自動車の洗車サービス
購入後のアフターサービスや、RFIDタグによる情報記録機能を活用し、RFIDによって自動車を識別し、購入者がどのような人物か、商品の特徴はどのようなものかを識別することで、質の高い洗車サービスを提供している事例も存在します。24:従業員の管理
RFIDタグは商品の管理だけでなく、従業員の勤怠などを管理する上でも大いに活用が進められています。個人店舗はもちろん、特に大きな倉庫などでの人員管理はそれだけでもコストが生じてしまうため、タグを活用することで効率的・確実な人員管理が可能になります。25:勤怠管理と合わせた食券管理システム
社員食堂のように、一度に大量の食品を提供することが前提となる現場においても廃棄ロスは深刻な問題となっていますが、RFIDによる勤怠管理と連動することで、効率的にその日に必要な食品量を効果的に予測し、無駄のない食堂運営を実現しているケースもあります。26:託児所での児童管理
共働き家庭にとって、就業中の子どもの世話も大きく頭を悩ませる問題ですが、子どもたちの管理にRFIDタグを備えたカードなどを導入し、地域や保護者のニーズに合わせた子どもの世話を受け持ってくれる幼稚園・託児所も増加傾向にあるようです。27:機器の省スペース化で個人経営店舗でも導入可能に
RFIDをめぐる話題の高まりは、ハードウェアの改良にも大きく影響を与えます。大規模小売業者だけでなく個人規模の小さな店舗でも導入が進む事で、富士通が提供するハードのように省スペース性に特化したモデルもリリースされるようになってきています。http://www.fujitsu.com/jp/group/frontech/resources/news/press-releases/2016/1213.html