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企業間取引にもEコマースの積極的な導入を!

はじめに、次のようなシナリオを思い浮かべてみてください。
一週間の業務を終えたアパレルショップのマネジャーが休日前の夜帰宅します。ソファーでくつろぎつつ、たまったDVDを観ながら、同時にパソコンを開いてオンラインショッピングのサイトを次から次へとブラウズしていくうちについつい衝動買いを、、、。


(引用元:Friday: 12.5.2008 / Jesse757
さて、新しい週が始まっていつもの通りお店に出勤した彼女は来月分の在庫商品オーダーの作業に取り掛かります。

その際にこのマネジャーはわざわざ業者に電話して値段を確かめたり、分厚いカタログを隅から隅まで目を通してその後発注フォームに記入したりするでしょうか?

実際にはそのような手間のかかることはまずしないでしょう。ではどうするかというと、インターネットで検索しながら週末に自分が楽しんだオンラインショッピングと同じ感覚で在庫用商品の発注を済ませようとするのです。ところが、この際に個人で購入するように簡単にはいかないことが大変多いのが実情です。

現在、このような企業間取引(BtoBコマース)に大きな変化が起きています。つまり急速にオンラインを中心としたオムニチャネル化が進む中で、これを効率的に導入し実践することができる企業こそが顧客獲得・維持において成功を収めるという流れになってきています。BtoBコマースの取引量は企業と一般消費者間(BtoC)での取引量の倍以上で、2013年の取引総額は5590億ドルにものぼります。このことからも分かるように、BtoBコマースのシステムは現在大変革の真っただ中にあるのです。


BtoBコマースにおける大改革のはじまり

実際のところ、BtoBコマースを専門とする企業のほとんどはすでに変化の流れをキャッチしています。Forrester Research社が実施した最近の調査では、アメリカ・カナダにおけるBtoB専門業者のうち67%がEコマースは企業間取引のカタチを根底から変えてきていると認識していることが示されています。

しかし、ここで見落とされがちなのは自社の競合相手は他の同業者だけではなく、BtoB取引にはAmazon、Google、eBay、さらにAlibabaといったオンライン販売大手も参入し始めており、これらの企業がBtoCにおいて実現したような購買システムがBtoBにおいても急速に実現しつつあるという点です。つまりBtoBで在庫用商品を購入する際も、ウェブサイトやアプリを活用することで簡単に発注を済ませられることが当たり前だとみられる時代になってきているのです。
ですから、先ほどのショップマネジャーが在庫用商品を発注しようとする際に、基本的には自分が休日にプライベートで利用した一般消費者用のオンラインショップにアクセスすることになるのはごく自然な成り行きなのです。

モバイルの力:

今やスマートフォンやタブレット端末を使用した商品購入は当たり前になってきていますが、BtoBにおいては発注側ではモバイル端末を活用して商品検索などを行っているのにも関わらず、販売側はいまだに多くの企業がパソコン対応のウェブサイト上での取り扱いのみに限定されているのが一般的です。前出のForrester社の調査では、オンライン販売を実施しているBtoB専門業者のうち54%が自社の取引先がスマートフォンで商品検索をしていると回答し、実際に52%がモバイル端末から商品発注をしていると答えています。確かにスマートフォンを使って店舗フロアに居ながらにして簡単に商品の発注ができればこれに越したことはないのは当然でもあります。

デジタルチャネルの役割:

BtoB専門業者の多くは営業的な観点から、チャネル間の相性を改善させたりオムニチャネルコマースへのアプローチに対する障害などへの対応に労力を費やしているのが現状です。

ところが、Forrester社の調査ではオンラインにおけるBtoB顧客はオンラインを利用しない顧客よりも平均発注量が多くなるというデータが出ており、このことからも「変化」はすでに実際に起こっているということが分かるのです。つまり、先に述べたようにいまだにシステム整備に右往左往しているBtoB専門業者にとって、モバイルやデジタルチャネルへの対応は待ったなしのところまで来ており、これをいかに迅速かつ効率的に実現させるかどうかが最大のカギとなってくるのです。

BtoBコマースのシステムを最大限活用するには

AmazonやAlibabaといった世界的なEコマース大手企業がBtoBビジネスにも参入してきていることを考えると、BtoB専門業者がこの動きに対抗するには一刻も早く効率的なカスタマーサービスシステムを構築し提供していくことが求められてきています。

BtoBサービスへの積極的な投資を惜しむな:

競合他社がどのようなオムニチャネルサービスを提供しているかなどは気にせずに、自社の顧客が求めるサービスを実際に提供できるように集中することが大切になってきます。Amazonはこの点において非常に優れた対応を見せており、その結果がオンラインマーケットでの強烈な存在感につながっているのです。まずオンラインにおける購買システムを最高のものにするために初期投資、継続投資を惜しまずに行い、テクノロジーをアップデートしながら常に質の高いサービスを時と場所を選ばずにすべての販売チャネルで提供できるようにすることが最も重要になってきます。


(引用元:Money / 401(K) 2013

モバイル端末への対応を最優先に:

モバイル端末こそ次世代型オムニチャネルコマース戦略において中心的役割を担う重要なチャネルであり、実際にモバイル関連の販売システムは急速な勢いで発達してきています。

例えば、モバイルチャネルを活用することで場所にとらわれずに商品販売を行うことが可能になり、個人情報を有効利用して隅々まで行き届いたカスタマーサービの提供が実現するのです。Forrester社の調査ではBtoBとして商品を購入する際に、52%がスマートフォンを使って商品を検索しているというデータが上がってきており、この数字は見逃すことができません。

より多くの取引先をオムニチャネルへ導け:

オンラインを通して顧客と取引を行っているBtoB専門業者のうち、オンラインを含んだオムニチャネルを利用して取引を行う場合に「収益効果が高い」と答えた割合は約80%にのぼり、この数値はオンラインのみで取引を行う場合の57%、またオンライン以外のみの場合での53%に比べて際立っています。つまり、オムニチャネルを利用した顧客こそが企業にとって重要な取引先と認知されるものであり、これからは少しでも多くの取引先を単一チャネル(例:オンラインまたは店舗を通してのみ)での取引からオムニチャネルを利用した取引形態に導いていくことによって、顧客維持やセールスアップといった効果へと結びつけていくことが必要とされているのです。


(引用元:Designed by Freepik

競合会社に対する概念を広げよ:

BtoBにおける供給チェーンの中にある卸し・配給・制作といった各業者が直接販売を行うケースが今までになく増えてきているのを受け、最近では「競合会社」の意識付けに対しても変化が求められてきています。Forrester社の調査では、調査対象となったBtoB専門業者のうち41%が、卸し・配給・制作業者も自社と同じ顧客と直接取引を行っているという事実が明らかになっています。したがって、皮肉にも自社にとって大切な商品供給元として位置づけられる会社と同じ顧客を取り合うといったことになることも十分にあり得ると覚悟しなくてはなりません。

結局のところ、時代の流れに取り残されないようにすることが最も重要です。そのためには、取引先が求める製品・サービスの種類に関わらず今や簡単な取引プロセスが準備されていることはある種当然でもあることを踏まえると、ウェブサイトやモバイルでの購入手段を活用してその他の販売チャネルと連動して機能させることができるオムニチャネル式サービスはまさに最適なオプションと言えます。

また、この先成功を収めることのできるBtoB専門業者というのは、モバイルを活用したオムニチャネルの実践で、BtoCに勝るとも劣らないサービスを提供しながらその中で直面するさまざまな問題にも対応していくことができると予想されます。実際のところBtoCに比べてもBtoBの方が顧客傾向の理解度は大幅に深いわけですから、その事実を反映させて取引先が利用しやすく関連性の深いカスタマーサービスを提供できないはずはないのです。

BtoB専門業者にとって、確かにテクノロジーはこれからの時代欠かすことのできない重要なマーケティングツールではありますが、効果的なオムニチャネル化というのはただ単にテクノロジーを利用するということにとどまらず、事業構成など企業におけるより深い部分や、いかにして人員削減の機能を果たせられるかといったところにも関わってくるものなのです。しかし、顧客側のアプローチが変わり始めている今こそ、各企業がこの先も生き延びていけるかどうかという点では大変重要な時なのです。業界における変化の潮流をしっかりとつかんで、ビジネスチャンスを取り逃さないようにしたいものです。


この記事はWhy E-Commerce Still Isn’t Clicking with B2B Executivesを海外小売最前線が日本向けに編集したものです。