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小売業界に「新しく」登場した難題とは?

近年の小売業界ではオムニチャネル化が一般的となり、それに伴って販売業者は消費者に対して個別対応した「パーソナル」なサービスの提供に力を入れていますが、商品を消費者の元へ効率的かつ様々な方法を駆使して配送を実現させるというような、目に見えないところでの努力があるという事実も忘れてはいけません。

基本的には、現代の小売業者は個別対応サービスを実施するだけでなく、支払い方法、オーダーの変更、配送・返品などといった分野で柔軟な対応が求められているのです。

実際に今日の小売業界では実店舗、オンライン、モバイルアプリに関わらず、非常に多くの注文オプションが用意されています。この他にも、オンライン予約購入、店舗引き取り、同日配送、配送センターでの引き取り、さらには無人飛行機(ドローン)での配達など、オプションの種類は多岐に渡ります。

ところが、消費者の要求にしっかり対応しながら一定の利益を上げるということは簡単に成し得る事ではありません。そこで、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、配送センターや供給チェーンの効率化といったところが最も重要になってくるのです。


(引用元:Sealey Warehouse / toolstop
消費者というのは、オンラインで注文した商品が速やかに手元に届かないとすぐに他のサイトに移ってしまうものです。最近では2013年の年末にUPSやFedExが悪天候の影響、ならびに予想を超える量の駆け込みショッピングに対応しきれず、配送に大幅な遅れが出た事例が記憶に新しいところです。

近年では、モバイルやオンラインで買い物をする消費者は商品がどれだけ早く配送され、またどれだけ安く購入できるかを重視する傾向が高まる一方です。これを受けて、IBMは現在カリフォルニアに本拠を置くビジネスコンサルタント企業Delivと提携し、全ての小売業者が同日配送を可能にすべく力を注いでいます。
まだ同日配送に対応したシステムを導入していない企業は、オーダーごとに費用を支払う事でDelivに同日配送サービスを委託することが出来、1-800-FLOWERS.comのような既存のサービス利用者は、配送費を販売側が負担するか購入者が負担するかを状況に応じて選択することができます。
このように、よりフレキシブルな配送を実践するに当たっては、まず最初に自社から供給チェーンにまで至る各段階において正確でリアルタイムな在庫状況を確認出来ることが大切です。

この際にクラウドを利用したデータ分析ならびにオーダー管理が大きな力を発揮します。つまり、小売業者にとってはリアルタイムで在庫商品をリアルタイムで把握し、配送センター毎の配送オプション、オーダーの入った商品、さらに直接製造会社より発送された商品の情報などをまとめて管理することが出来るのです。この機能を利用することで、近い将来配送システムを最適化するにはどのオプションが最も効率的であるかという状況も見て取ることが出来ます。

その例として、ヨーロッパで2番目の規模を誇り、さらにSearsや Macy’sと共に世界でも5本の指に入るデパートチェーンであるエル・コルテ・イングレスは、先ごろ分析機能を備えた新しいコマース・ソリューションを採用し、異なる販売チャネル間において注文、配送、返品の各プロセスの統合化をスムースに実現することに成功しています。

ここでは、リアルタイムで注文の進行状況が配送予定日を含めて視覚的に確認できるため、店舗や倉庫の総合的な状況把握が可能となるのです。

基本的に、配送に関して消費者が気を留めるのは、ほとんどが「送料が非常に高い」もしくは「商品が予定通りに届かない」といった場合に限られます。従って、配送管理というのは普通は舞台裏で速やかかつ正確に実行されるものなのです。

現在のように、常に変化をし続けながら競争も激化する一方の小売業界で生き残ろうとするには、迅速かつコストパフォーマンスの良い配送システムの整備は欠かすことができません。今の時点でそのような柔軟で素早い対応が可能な配送システムが構築されていない場合は、一刻も早いシステム開発、整備が必要となってきます。

今日のオムニチャネル小売業界においては、これから先は効率的な供給チェーンの構築ならびに配送センターの対応能力の強化といったところが最も重要なポイントとなってくることが予想されます。その際には、これまでのように消費者に直接関わる部分から、舞台裏においてスムースかつ効率的なプロセスの実行を実現させることに焦点を移すことに成功する企業のみが、利益を確保しつつ同時に消費者の需要をも満たす理想的な事業展開が可能になると言えるのです。

この記事はThe Toughest Challenge in Retail? (It’s Not What You Think)の記事を海外小売最前線が日本向けに編集したものです。

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