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「ECなし」で和歌山から世界に羽ばたく日本酒業界の異端「平和酒造」〜CEO Japan Summit 2019レポート〜

2019年5月15日・16日にホテル椿山荘東京で開催された「CEO Japan Summit 2019」。このイベントは、各業界で注目される企業の経営者が登壇し、経営課題に対する向き合い方、課題解決の方法など、実体験に基づいた貴重な体験を聞くことができるセミナーとなっています。

今回、同イベントの中から、今、日本酒業界で最も注目されている和歌山の酒蔵、「平和酒造株式会社」の代表取締役社長、山本典正さんの講演をレポートします。

目次:

日本酒業界の異端、「平和酒造」とは

イベントレポートの前に、まず平和酒造とは一体、今の日本酒業界においてどんな存在であるのかについて、普段お酒を飲まない方にも知っていただくために、簡単にまとめておきます。

昭和3年、和歌山県で創業した平和酒造は、第二次世界大戦の影響などもあり、一時は廃業の危機に晒されたり、京都の大手酒造メーカーの桶売り蔵としての経営を余儀されなくなったりと、波乱万丈な歴史を歩んできていました。

そんな酒蔵を、日本を代表する日本酒メーカーとしてのポジションに押し上げたのが「紀土(KID)」という商品。そして、この日本酒をプロデュースしたのが、平和酒造四代目当主・山本典正さんです。

山本さんは、実家でもある平和酒造に様々な変革をもたらしています。それは、酒蔵の核となる酒造りだけにとどまらず、ブランディングや人材戦略など多岐に渡っています。

日本酒業界の常識にとらわれない山本さんの戦略・戦術は各方面から注目されていますが、「ECのミライを考えるメディア」としてフォーカスしたいのは、平和酒造の販売戦略です。

直営の販売チャネルをあえて持たない理由

平和酒造は、世界から注目されるプロダクトを持っているにも関わらず、現状直営の販売チャネルを一切持っていません。

これは日本酒業界の常識から考えるとかなり異端と言えます。それでも、平和酒造の売り上げは、年々順調に伸び続けているのです。

CEO Japan Summitでは、山本さんが「経営の荒波をくぐり抜けた先に目指すもの」というテーマのパネルディスカッションに、株式会社セブン&アイ・ホールディングス シニアオフィサーの脇田氏、オルビス株式会社 代表取締役社長の小林氏と共に登壇。山本さんがどのように社員のモチベーションを高め、質の高い酒造りを可能にしてきたかという、人材戦略についてのお話が中心となっていました。

今回、そちらのレポートに加えて、DtoCが世界的なトレンドとなりつつある今、なぜ直営の販売チャネルを持たないのか、平和酒造の販売戦略や、そこに込められた想い、今後の展望などについても、お話を伺いました。

講演者プロフィール:山本典正(やまもと のりまさ)
1978年和歌山県海南市出身。京都大学経済学部卒。人材系ベンチャー企業勤務を経て、実家でもある酒蔵、平和酒造四代目当主。平和酒造変革のきっかけとなる日本酒「紀土」をはじめ、オリジナルのクラフトビール「HEIWA CRAFT」の開発や、業界の常識を覆す様々な日本酒イベントを次々とプロデュースするなど精力的に活動を続ける、平和酒造の垣根を超えた日本酒業界のホープ。
画像提供:平和酒造株式会社様

パネルディスカッションレポート:Part1「今の環境にどう対応しているのか、していくのか?」

※講演はパネルディスカッション形式でしたが、本レポートは山本氏の発言のみを抜き出して再編集したものとなります。

山本さん(以下敬称略):まず、簡単に自己紹介させていただきます。私は京都大学の経済学部を卒業した後に、人材系のベンチャー企業で働きまして、実家の酒蔵に戻ったのが今から14年前です。

当時戻った酒蔵は、父の時代に安価なパック酒で業務を拡大していましたが、そこから高品質のものづくりに転換して行きました。

それに伴って、伝統産業である酒蔵が従来持っていた「職人気質」というものも含めた組織変革を行なっています。

日本酒産業は衰退産業と言われていますが、私はすごく可能性がある産業だと思っているんですね。例えば、フランスのワイン輸出金額は年間で1兆円です。レートの加減もありますが、だいたい1兆円なんです。それに対して日本酒の輸出金額は年間で200億円。これをマイナスと取るか、プラスと取るかで日本酒産業に対しての価値観が変わってくるのかなと考えています。

画像提供:平和酒造株式会社様

今、うちの酒蔵が直面している変化は3つあります。

1つが人の問題です。雇用環境がずいぶん変わってきたなということです。
2つめがITの普及です。私たちは酒蔵ですが、やはりITの普及というのは経営環境にも非常に大きな影響を与えているかなと思います。
3つめが、ここ何年かの話になりますが、社会の目が地方に向いている、ということ。
以上の3つが、弊社として感じているところです。

1、雇用環境の変化

雇用の問題ということで考えると、すぐにブラックだホワイトだと言われますけれど、弊社も大卒新卒を採用しますと、非常に特徴的なのが働き始めて1ヶ月2ヶ月で「うちの会社ってどうなんだろう」とチェックが始まるんですね。
SNSを通じてよその会社と比べて、うちってブラックじゃない?ということをツイッターとかでつぶやき始めるわけです。

昔だったら「3年は頑張れ、大変なのは当たり前だ。やりがいは3年後にあるんだ」
と言われていたものが、今はもうすぐにチェックが始まる。これが今直面している変化なのですが、私は実は15年前からこの変化をある程度予想していたんですね。なので、大卒新卒の採用をその時点から始めたのです。

というのも、父の時代の会社には、労働者側に非常に強い「労使」という意識があったからです。

わかりやすいエピソードで言うと、例えば、私だけ飲み会に誘われないんですね。皆同じ20代であるにも関わらず。なぜかと言うと、「専務は経営者側ですやん」と。この一言なんです。

この根源的な理由というのは、経営者側が「労働者を使う」という意識を持っていたからです。今の時代、当然それでは無理なんですよね。「お前は単なる労働力だ、ただの一兵卒だ」と言える時代じゃないんですよ。
一人一人が自己実現をしたいと思っていますから、そうした人のモチベーションをいかに上げていくかということに変わってきているのが今の時代です。働き方改革とか、ブラックとかホワイトというのは非常に表層的な話で、一人の人間が仕事でも人生を謳歌したい、という当たり前のことを追求し始めているという状況に変わってきているんじゃないかと思います。

2、ITの普及~スピード感とグローバル~

次に、ITの普及で言いますと、うちは酒蔵ですから「ITってどういうことやねん」と思われるところもあるのですが、とはいえ、弊社も当然、FacebookやInstagramを活用して情報発信をしています。また、社員間のグループ・メッセンジャーなどを通して、ダイレクトに、即時情報を交換するということをやっているんですね。

例えば酒造りの時に、蔵の中に普段置いていないところにバケツが置いてあるとします。「誰や、これ!」と。昔だったら、それを見つけた人が自分で片付けるか、そのままほったらかしになっていたのが、今の弊社の社員たちはすぐにスマホで写真を撮って、グループ・メッセンジャーで「これ誰?」と問いかけます。すると「あ、私です。すみませんすぐ片付けます」「次から気をつけてね」とすぐに話が完結します。製造において、このスピード感というのはすごく大切なんですね。

それから、ITの普及は、酒蔵にとって非常に有効なんです。何が有効かというと、私のFacebookの情報発信を見て、すごく反応してくれる人がいることです。良く反応してくれるのは海外の方です。なぜなら、海外の方は、日本における日本酒の評価をすごく気にしているからです。

これは、フランスワインを価値づけているのはフランス人である、フランス国内の評価がワインの価値を決めているというのと同じことで、結局、ITを通じて海外、世界との繋がりが広がっているのを実感しています。私が情報を発信すると、「それじゃ、20ケースちょうだい」というようにすぐに海外から注文が入ります。そういったことが現実に起きているのです。

3、社会的な地方への注目

最後の、地方についてなんですが、変な話、私がここにいる、というのがかつてから考えると非常におかしな状況だと思うんですね。昭和の時代でしたら、地方の、和歌山の、年商12億の小さな酒蔵の人間がここにいて皆さんの前でお話をするというのは異常な状態なんですよ。

でも、今の時代だと、社会的に見て、何かそこにヒントがあるのではないかということで「山本さん、ちょっと話をしてもらえますか」と言われるわけなんですね。中田英寿さんや堀江貴文さんからもお声がかかると。

これってすごく面白い状況じゃないかと思っています。私は、日本という国が明治維新から続く富国強兵策によって大きな会社を作る、大きな産業を作るということから、それでは立ち行かないということがわかり始めて、何か他にいいものがあるんじゃないかと思い出した流れが、この「地方への還流」なんじゃないかと思っています。そういう意味で、先ほどお話したワインの1兆円と日本酒の200億円という話も、日本各地の日本酒産業にとっても面白いんじゃないかと。

日本酒はご存知の通り米で作ります。原料が日本だけで生産できるんです。仮に、1兆円産業が生まれた時に、各地の田園風景や農村が非常に助かるんですね。こんなにいいものが日本にもあるよというところを、地方還流の動きの中で社会的に見つけようとしているというのが、私は大きな変化だと思っています。

パネルディスカッションレポート:Part2「直面してきた困難と、その乗り越え方」

山本:リーダーシップやマネジメントという観点でお話しますと、うちの酒蔵は、今までパック酒を造っていた人たちに、「いいものを造ろうよ」と言っていくわけですね。それで、これまで造ってきた日本酒をみんなで利き酒して、20代の私がダメ出ししていくんです。

これがどういうことかというと、ずっと酒造りをしてきた人からしたらとんでもないことですよね。その時うちが採用していた人たちというのは、ハローワークで、とりあえず働けるからということで応募してくれた人たちなんです。
大きい会社には入れないから、平和酒造という、なんだかよくわからないがお酒を造っているメーカーなら働けるんじゃないか、という感覚で、「とりあえず働けたらいい」というモチベーションの人たちに「日本酒業界を変えていくぞ、高品質にしていくんだ、それが僕らの未来に繋がるんだ」みたいなことを強く伝えていくわけです。

酒造会社ならではの雇用環境問題

そこで何が起きたかというと、社内がめちゃくちゃギスギスしたんですね。それで1週間で4人辞めていくというようなことが起きました。経営者に対してNGを出したいから、そんな風に辞めていくわけです。

ここには日本酒業界ならではの問題があるのです。一つは「職人性」です。酒蔵は一般的な雇用環境とは全然違うわけです。
何が違うのかというと、酒蔵は冬だけ酒造りをして、夏場は仕事がないんですね。江戸時代から続く杜氏制、蔵人制というのは、要するに出稼ぎ制だからなのです。雪国の農村の人たちは、夏は農業をして、冬は何もないと。だから酒蔵に酒造りに来る。杜氏の里、蔵人の里というのは全国の雪国にあるんです。そういう職人たちが冬に酒造りをして、春になると帰っていくのです。

うちの酒蔵の場合は、父の時代に梅酒を出していたので、夏は梅酒造りができたんですね。その時点から社員を正社員で雇用し始めた、という環境だったんです。ただ、この職人の杜氏に酒造りを教わっているので、悪い意味での職人気質が若い人たちに伝承されていました。

何が起きていたかというと、大卒新卒の有能な人を採用します。人材系の会社で働いていた私が優秀だなと思える、目をキラキラさせた子を採用して、「よしやるぞ、日本酒業界を一緒に変えていこう」と、ベンチャーのように手と手を握り合ったメンバーが、一年も経たないうちに「日本酒業界最悪」と言って辞めていくのです。酒造りなんか二度としたくない、専務の顔なんか二度と見たくないと言って。

職人気質からの脱却

最初はなぜかわからなかったんです。雇用環境が悪いのかとも思いました。酒造りは朝5時半から始まります。冬場は休みなしです。「冬場」と言っても真冬だけじゃありません。10月から3月という長期に渡って休みなしなんです。なので、これをちょっと変えていこうかということで「働き方改革」を進めました。始業が朝6時半になりました…あんまりホワイトにはなってないですね(笑)。これまで休みは月1回だったのですが、今年は月5回まで増やしました…まあ、あまりホワイトにはなってないですね(笑)。

そんな「改革」をしても、やっぱり辞めていくんですね。なんでやろうな、と考えて行き着いたのが、先ほど申し上げた悪い意味での「職人気質」です。

その、冬の農村から来ている人たちというのは、仕事を、技術を若い子たちに教えないんですね。「背中を見て学べ」と。なぜかというと、結局職人制ですから、半年間雇用されて帰っていくと。で、もし安い人件費の若い人材に技術を教えてしまったら、自分はもう二度と呼ばれないと感じるのです。生活がかかっていますから、そう感じてしまったら教えないですよね。うちの社員にも、それと同じスピリットがあったということです。

それを少しずつ「必ずしも技術を教えることが皆さんの不幸にはなれへんよ、むしろ一緒の船に乗っているわけやから、若い人に教えていくことで、みんながよくなるんやよ」ということを丁寧に伝え続けてきました。

画像提供:平和酒造株式会社様

困難を乗り越えられた理由は「覚悟」と「光」

——数々の困難を乗り越え、反発されてもブレなかった数々の意思決定を支えたものは何だったのでしょうか?

山本:「自分がやるしかない」という覚悟ですね。私は後継者ということで、いろんなチャンスを捨てて戻っていますので、戻ってから5年10年と経つうちに腹を括り出したんですね。退路を絶ったんです。もうここしかないと。僕は日本酒業界に人生をかけてやっていこうと。

かつてはベンチャー企業にすごく憧れていました。でも、日本酒に関わり出して、「この業界はめちゃおもろいな」と思いました。やりようによってはめちゃくちゃ面白くなるぞと。
和歌山県って、日本酒産業で考えたら割とネガティブな地域なんです。和歌山と聞いて日本酒のイメージを持っている方は非常に少ないですから。でも、これって「魅力的なギャップやん」と思っていまして。

もう一つは、光が見えたことですね。

それは小さな光で、「この光は嘘かも知れへんけど、これちゃうかな」という。それは、「いい日本酒を造ると、すごくお客さんに広がっていく」というところです。

例えば、ニューヨークとかに日本酒を持っていくと、とても輝いて見えるんですね。海外の方がすごくお洒落な飲み物として飲んでいる。それを日本にも持ち込めるんじゃないかと思い出したのが、僕に見えた光です。

日本酒にあった成長速度での拡大

——今後の展望を教えてください。

山本:ここ5年ぐらいのスパンで考えますと、売上自体は十分伸ばしていけるだろうなと想像していまして。ただ、日本酒業界は急拡大させずに、緩やかな伸び方をさせて行かなくてはいけないと考えているんですね。

私たちがやっている酒造りというのは、高品質なものを、付加価値をよく理解していただいた上で売っていくというやり方です。したがって値引きも一切しないんですね。こういうものって、売りすぎると価値が下がる可能性が高いので、緩やかに伸ばしていかなくてはいけません。

5年とか10年、20年、私の中でなんとなく、伸ばしていけばこれぐらいの売上になるのだろうなというのはあります。海外マーケットという不確定要素はありますが、それによって日本酒がバズる可能性もあります。

ただ一方で、それだけだと僕の人生が面白くないなと。「経営課題」ではなく、「経営人生」として面白くないと思っているところがありまして。そこで、もう少し成長スピードの速いビジネス、お酒から派生するようなビジネスにチャレンジしたいと思っています。

追加インタビュー:世界へ羽ばたき育っていく子供、「紀土(KID)」

——改めて、平和酒造株式会社様の代表的なプロダクトである「紀土」についてご紹介いただけますか?

山本さん(以下敬称略):紀州の風土というところから「紀土」という名前を付けました。蔵がある海南市溝ノ口は、高野山からの伏流水に恵まれた土地で、柔らかで綺麗な味わいが特徴です。

そうした水の味わいを活かし、飲みやすさにこだわった「紀土」は、日本酒に親しみがない方にも日本酒への門戸を開く1本になればとの願いを込めています。

我々の造ったこのお酒が日本、そして世界へ羽ばたいて、日本酒の文化を育てていきたいという意味合いからもKID(キッド)、つまり子供を意味する音になっています。

「価値のイノベーション」が日本酒業界を変える

——近年、「紀土」をはじめ、「獺祭」や「十四代」など人気銘柄が数多く生まれ、海外への輸出量が増えるとともに、海外にも酒造メーカーが生まれるなど大きな変化が生まれています。日本酒業界にさらなる変化をもたらす「次のホットキーワード」は何だと思われますか?

山本:「価値のイノベーション」。日本酒業界では品質上のイノベーションは十分に起きていると考えています
現在、全国の多くの酒造が高品質のものづくりを目指し技術を磨いています。しかし、様々なメディア・SNSからの情報が溢れる現代において、残念ながら「良いものを造る=その価値が認められる」という時代ではありません。
私たち酒蔵自身が積極的に「日本酒ってかっこいい」「日本酒って面白い」と思わせられる情報発信やプロモーションを行っていく必要があります。

いかに国内外の方の価値観を変えられるか、消費者の方にその価値をわかっていただけるか、というのが次のキーワードになってきます。

「酒販店を最初のファン」にすることが重要

——平和酒造では自社で小売販売を行っていません。どのような判断から直営で小売販売しないことを決めたのでしょうか?

山本:私たちが造るお酒は、蔵元そして醸造家一人ひとりの想いや物語が込められています。「紀土」も、ただ売上を目的に飲みやすい酒を目指したのではなく、これらの日本酒文化の発展を願いブランディングしています。

そうした私たちの想いに共感をいただいた酒販店様にお取り扱いいただくことが、消費者の方へ私たちの想いを伝えていただく上でメリットになると考えたためです。

直営販売をしない方が、私どもに共感を抱ける方を増やし、私どもの想いを正しく伝えて頂ける方を増やせると感じているのです。酒販店様自身に平和酒造のファンになっていただき(そうなるよう努力し)、酒販店様がさらに来店されたお客様の中で「平和酒造ファン」を作っていく。そうしたことを目的としています。

——直営で小売販売しないことによるメリットと、(もしあれば)デメリットを教えてください。

山本:メリットについては今お話した内容ですね。私たちのブランドの熱量が、失われることなく消費者に届くことに尽きます。一方、デメリット、とはちょっと違いますが、ダイレクトで販売しないぶん、より品質が高いものを造ることに気を配らなくてはなりません。

そして、お酒が消費者に届くまでその品質が保たれていることも徹底する必要があるので、そこは大変ですね。具体的には、酒販店様により品質管理の仕方等については様々な形態がありますので、弊社と酒販店様と必ず互いに足を運び、理解を深めます。社内での工夫としては、瓶詰後に商品ごとの適切な温度管理の徹底を行っています。

それから、酒造りに専念するとはいえ、TwitterやFacebookなど、SNSでの主体的な情報発信の強化がとても大切だと考えています。

美化されていない、よりリアルな情報を自ら発信していく

——自社ECサイトなどの直営チャネルがない中で、メーカーとしてのブランディングやプロダクトごとのプロモーションはどのように行っていますか?

山本:SNSなどでの情報発信と、高品質なものづくりによって品評会やコンペティションで好成績を納めることで行っています。

SNSはTwitterやFacebookに蔵元や杜氏のみならず、若手の醸造家が頻繁に投稿することによって、より身近でリアルな情報をお届けするよう心がけています。YouTubeでも「平和酒造チャンネル」を設立し、「蔵から」という動画コンテンツを定期的にアップしています。
【平和酒造チャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCyqIP4XdgKYcaL3WIJBbLjQ

そういったコンテンツを通じて、なかなかイメージしにくい「酒蔵」や「酒造り」を体感いただけたらと考えています。

コンペティションでは、直近ですと国外最大の日本酒コンペティションであるIWC2019(International Wine Challenge 2019)で、「紀土 純米大吟醸 Sparkling」がスパークリング部門でスパークリングトロフィーを受賞しました。IWC2018でもリージョナルトロフィーをいただいています。

毎年行われる、全国新酒鑑評会では4年連続金賞を受賞しまして、ANAやJALに幾度も搭載されました。おかげさまで、それがより多くの方に「紀土」を知っていただくきっかけにもなったと思っています。

画像提供:平和酒造株式会社様

——今「DtoC(Direct to Customer)」が世界的なトレンドとなっていますが、今後、直営で新たな販売チャネルを設ける計画はありますか?

山本:まだお話できる段階ではありませんが、構想はあります。「和歌山」というフィールドを土台に面白いことができないかと考えています。

さいごに

価値のイノベーション、「情報にこそ物を売る価値がある」という考え方は、今後小売業界でもメインストリームとなっていくのではないかと感じました。

重要なのは、ものづくりとして品質を徹底的に追求しきっていることが大前提である、というところ。平和酒造はそれを全社的なコンセンサスを持って追求していることが山本さんのお話からも伝わってきました。これは、どんなに小規模な企業であっても、決して簡単なことではなく、山本さんのブレない芯の強さが際立っている証拠なのではないでしょうか。

美味しい日本酒はもちろんのこと、機が熟したら彼らがそのスピリットを持ってローンチするであろう「未来の直営チャネル」がどのようなものになるのか、今から楽しみで仕方ありません。

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