小売販売だけじゃない!事例でみるEC事業おすすめの活かし方
「ECサイト」「ネットショップ」といっても、規模や業種、販売方法は様々です。
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手モールに出店するパターンや、ASPを活用し一部をカスタマイズして手軽に出店するパターン、逆に自社でECサイトを構築するパターンなど、店舗の規模や運営方針に応じた方法を選択して開業となります。
参考記事:【徹底解説】ECサイト構築4つの方法と成功の4法則
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ECサイトの市場規模
ECサイトの市場規模は2015年で13.8兆円となり、前年比7.6%増となりました。
引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模は13.8兆円に成長~経済産業省発表資料より
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001.html
この数字はBtoC市場に限ったものなので、フリーマーケットやオークションサイトのCtoCサイトでの流通金額も加えると当然これ以上の金額が電子商取引として成立していることになります。
EC事業おすすめの活かし方
ECサイト、オンラインショップの一番のメリットは、物品販売を主力事業においていない企業でも、また実店舗という形態を持たなくても、EC事業に参入できるところにあるでしょう。
近年はもともと「小売店」ではない、メーカー企業や通信事業者など、他業種からのEC事業本格参入も相次いでいます。
そうした新規参入の企業が、どのような経緯でEC事業を行ったのか、まとめてみました。
事例1 観光業界:オンラインギフトショップ運営
Orange ECは標準機能が豊富な点が魅力でした。他社だとオプション扱いだった、ギフトサイトに必要な機能が全て網羅されていました。
ホテル事業を中心に、多角的経営を行っているF社。ブライダル事業はホテル事業の中でも中核を担ってきたといいます。
結婚式といえば、引き出物。結婚後、出産や七五三、ご入学など、次々と訪れる家族のお祝いの場面で厳選された引き出物(ギフト)を、ECサイトで購入できるようにと企画されました。
ギフトサイトでは「のし」や「配送」に非常に気を使います。のし紙の有無だけでなく、外のしや内のしなど包装方法や、配送先についてもきめ細かく指定する必要がありました。こうした配送先・熨斗の設定に加え、モール機能があることが「Orange EC mall」を選択した決め手になりました。
ホテルに宿泊するのは短い時間でも、ギフトショップを通じて長く接点を持つことができるのもEC事業を行う利点かもしれません。
事例2 ふるさと納税業界:ふるさと納税申込サイト
Orange ECはどのシステムよりも、これまでの導入実績がとても豊富で、さまざまなナレッジを保持しているという点が優れていました。
寄付を通じて地域の人を応援、お礼品を通じてあらたな地域の魅力を知る「ふるさと納税」。自治体に直接寄付を申し込む形から、最近ではECサイトでお買い物をするような感覚で寄付ができる方式が増えてきました。
ふるさと納税を推進し、地域活性化を促進するための総合サイトとして企画された「さとふる」は、2014年にオープンしました。
7月に会社設立、10月にサイトオープンという短期でのスモールスタートができるパッケージであること、サイトの拡張性があることが「Orange EC mall」を選択した決め手となりました。
リリース後、多様な決済方法の導入、年度ごとに変わる制度に対応するなど、成長著しいサイトとなりました。
返礼品を通じて生まれる交流から、やがて納税した場所へ旅行をしたり、移住したりするきっかけになるかもしれません。
ふるさと納税だけでなく地域と交流できるような仕組みで地域活性化を目指すさとふるは、まったく新しいECサイトの活用方法といえるのではないでしょうか。
事例3 料理教室業界:オリジナルグッズ販売ストア
独自の機能を追加できるカスタマイズ性によって新しいことにチャレンジできる
全国各地に展開するスタジオで開かれている料理教室。生徒さんだけでなく、一般の方向けの体験レッスンやスタジオ限定のレッスン、ワークショップなども開催する「ABC Cooking Studio」では、「教室で使っている道具が欲しい」、「どこで売っているのか知りたい」という強い声にお答えし、ABCオリジナルのキッチングッズや手作り料理キットなどを販売するECサイト『ABC Cooking MARKET』を運営していました。
2007年にオープンし、システムが古くなってきたことと、生徒さんから「売り切れになっている商品を予約で取り置きたい」という要望に応えてのリニューアルとなりました。
『ABC Cooking MARKET』ならではの独自の機能を追加できるカスタマイズ性に魅力を感じ、「Orange EC shop」の導入を決められました。
予約購入、定期購入、スマホ対応、購入商品を全国のスタジオで受け取ることができる配送機能などが追加され、機能性の高いサイトに生まれ変わっています。
全国各店舗で生徒さんやスタッフが使った感想や、オンラインストアでの販売の成果をフィードバックし、新たな商品開発へつなげていくという仕組みをより一層進め、スタジオと連動した企画の実現へとステップアップすることができました。
事例4 旅行業界:タイ国内旅行サイト
多様性を提供することで、ユーザーの離脱を最小化
タイをはじめとするASEAN諸国では、GDPの向上に伴って、旅行をする方が年々増加しています。タイ人の旅行消費額における海外旅行比率は飛躍的に伸びているとはいえ、依然国内旅行の消費額の方が大きい状況です。H.I.S.タイランドでは「TOOK TRIP」をOrange EC Globalパッケージで構築し、タイ国内旅行の予約ができるサイトとして運用されています。
日本では旅行会社の大手であるH.I.S.も、タイ人ローカルへの知名度は高くなく、今後の事業拡大に向けて早急に策を講じる必要がありました。
そこで、従来型のモデルである宿泊日を指定して予約する通常のホテル予約サービスのほか、ホテルの予約権利を購入するバウチャー販売の機能を追加しました。バウチャーは予約権利クーポンで、安価で譲渡もしやすい商品です。ホテルだけでなく、レストランやテーマパーク、アクティビティなどもバウチャー販売し、お客様に利便性を提供しています。
バウチャー販売に加え、物販も行うことで、多様性を提供し、ユーザーの離脱を最小化する狙いです。
H.I.S.の店舗、ECサイトに行けば海外だけでなくタイ国内も、旅行については何でも扱っている、とタイの方に知ってもらうことを目指しています。
ECサイトと実店舗の融合
いかがでしたか?
単なる小売販売ではない、新しい形の「商取引」には、意外なアイデアもあるのではないでしょうか。
また、ご紹介した事例では店舗業態を持つ企業はどこもECサイトと連動したマーケティングを行っていることも特長です。もし実店舗を持っているのであれば、ECサイトのデータベースと連携させない手はありません。
『ABC Cooking MARKET』の例のように、ECサイトで購入し、全国のスタジオで受け取るなど、統合データベースを活用することにより、オムニチャネル化をすすめることもできます。
実店舗とECサイトでマーケティング結果を共有・反映すればより顧客満足度の高い運営も可能ではないでしょうか。
※事例の内容は掲載当時のものです。最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。