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越境ECで変わる買い物の未来

●目次●
・越境ECとはどういう意味か?
・どのような人が利用している?
・どの商品が人気なのか?
・越境ECの経済規模
・越境ECの問題点
・越境ECが変えたこと
・まとめ
最近、テレビや新聞で「越境EC」という言葉を見かけるようになりました。

越境ECとは、国境を越えて物品の売買を可能にするしくみのことを指します。
「商品の輸出入を行う貿易と同じことでは?」と疑問に思う方もいらっしゃると思うので、越境ECについて詳しく掘り下げていきたいと思います。

越境ECとはどういう意味?

上記でも少し触れましたが、越境ECは国境を越えた商取引のことです。
例えば中国にいながらにして、日本製品など他の国で売られている商品をすぐに手に入れることができます。

全ての物の売買がオンライン上で完結してしまうので、海外へわざわざ買い物に行かなくても商品が手に入ってしまいます。それも煩わしい手続きがほとんどないため、国内のインターネット通販のように手軽に買い物ができるのです。

これは越境ECを運営している個人または企業が、消費者に買い物をしやすいウェブサイトを構築しているためです。
越境ECは一見企業が行っている輸出入と混同しがちですが、少々異なります。

一般企業が行っている輸出入は企業間の商取引が主ですが(これをBusiness to Business, 通称B to Bといいます)、越境ECは企業と個人(Business to Consumer, 通称B to C)または個人間(Consumer to Consumer, 通称C to C)の商取引が主です。


また輸出入に関して、越境ECは税区分が異なることがあります。国が定めている関税などの規定によって変わりますが、例えば中国では最近まで越境ECで輸入されている商品に対しての“行郵税“が適用され、一般貨物より低い税金が適用されていました。

※越境ECに適用される行郵税は、一般貨物にかかる税金が低く抑えられるので不公平ということで、2016年に廃止されました。

これに対して一般貨物は関税・消費税・増値税がかかります。
越境ECに特化した企業もありますが、個人間でも商品の取引が比較的簡単にできてしまうため、個人でも越境ECを行っている人が増えてきています。

どのような人が利用している?

基本的にどの国の人でも海外から物を買ったり売ったりすれば越境ECを利用しているということになりますが、最近この言葉が日本で知られるようになってきた背景には越境EC利用の拡大が挙げられます。

スマートフォンやタブレットの普及により、いつでも・どこでも欲しい商品を見ることができ、注文まで一貫して行えるため、その手軽さが越境EC拡大の要因のひとつにもなっています。ECサイトを構築するにあたってはPCのみならずスマホやタブレットでも見やすいサイト構築が重要になってきます。

中国で有名な越境ECサービスを提供している企業は、中国のIT企業であるアリババが行っているTmall(中国語では天猫)やタオバオ(淘宝網)といったamazonのような総合ショッピングサイトのようなものから、家電商品を扱うジンドン(京東)、婦人服を扱うウェイピンフイ(唯品会)といった専門商品に特化したECサイトも多くあり、これを使い分けています。

どの商品が人気なのか?

中国人を対象にした場合、どの商品が人気なのでしょうか?
日本製品でいうと、ベビー用品やサニタリー用品、化粧品、食品などが人気です。日本製品は高い技術水準と安全性の高さという点で、中国人にとって魅力的に見えているようです。

一時期爆買いで粉ミルクが飛ぶように売れましたが、それには中国製品に対する不信感が背景にありました。現在も粉ミルクをはじめとしたベビー用品は売れ続けています。

化粧品が売れていることも特筆に価するでしょう。越境ECを利用する世代として20~30歳代の若年層の存在があります。安全で高品質なものを求める若者世代が、日本の化粧品や高級化粧品を購入しています。

越境ECの経済規模

経済産業省の発表によると、越境ECの経済規模は、アメリカ・中国の消費者からの購入が1兆円を越えたと言われています(2015年)。

日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模

平成28年において、日本の消費者による米国及び中国事業者からの越境EC(越境電子商取引)による購入額は2.4千億円(前年比7.5%増)、米国の消費者による日本及び中国事業者からの越境ECによる購入額は1.0兆円(前年比15.2%増)、中国の消費者による日本及び米国事業者からの越境ECによる購入額は2.2兆円(前年比32.6%増)となりました。
(出典:経済産業省 「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」調査結果要旨http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001.html)
また2019年には3兆円越えになる見通しとしています。これからも越境ECは拡大していくもの見られています。

2019 年までの越境 EC 市場規模を試算したところ、消費国としての推計市場規模は、2015 年から 2019 年までの間に日本は約 1.5 倍、米国は約 1.6 倍、中国は約 2.9 倍の規模となり、日米中3か国間における越境 EC による購入総額 合計は、2019 年までに約 6.6 兆円にまで拡大する可能性があることが分かりました。
図表2-2 日本、米国、中国相互間の消費者向け越境EC市場規模ポテンシャル(推計値)
各国越境EC市場規模推計(2015年~2019年)
(単位:億円)
(出典:経済産業省 「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」調査結果要旨
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001-1.pdf)

越境ECの問題点

越境ECが抱える問題としては、輸入国側での税金の制度や為替の影響が挙げられます。

中国に関しては行郵税が廃止されて新税制制度になったので、商品によっては従来と比べかかる税金が増えた、もしくは減ったといった変化がありました。とは言っても、中国が越境ECに消極的な訳ではなく、より良いものにしようとしているので、これによって越境ECが衰退していくというわけではありません。

例えばアパレル・ファッションや家電製品については、250元以上の購入だと行郵税が適用されている時より税金が低くなっています。他にも100元以上の化粧品に関しても課される税金は低くなるので、これらの商品に関してはより消費を促進させるものとみられます。

近年越境ECがさかんになってきたため、法整備に関しては細かな変更がなされていくことでしょう。

さらにもう一点は為替の問題です。自国通貨が他の国の通貨より高くなり過ぎれば当然消費は落ち込むので、為替の振れにも敏感になる必要があります。

越境ECが変えたこと

越境ECによって自国では手に入らない商品が簡単に手に入るようになったことは大きな変化です。自国のECサイトで見つからない場合は実際に現地へ行って買うという従来の方法もありますが、越境ECが扱う商品が拡大し続けるならばもう現地へ出向く必要性すらなくなるでしょう。

買い物をすればそれだけ大量の荷物を持ち運ばなくてはならず、場合によっては税関への届け出、煩雑な配送手配もしなくてはいけないため、越境ECを利用するとそう言った悩みを考えなくても済みます。

これからは人が移動するのではなく、物が多く移動することになります。それは一時期の爆買い目的で日本を訪れる中国人の数が下火になったことからも明らかです。越境ECは私たちの生活をより便利で快適にしてくれるツールのひとつなのです。

まとめ

越境ECはこれまでの海外での買い物につきまとう不便を便利なものに変えました。何かを消費するということは、「より良い物を得たい」という欲求から来ています。自国商品だけでなく他国の商品も流入するようになれば、競合が増えることによってさらに良い商品が生まれていくことになります。

越境ECは現代のニーズに合った買い物として、「より良いものを得る」というシンプルな欲求のためにこれからもますます拡大していくことでしょう。

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