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今さら聞けないBtoB、BtoC、BtoE、BtoG、CtoC、GtoCの意味を解説

「日々仕事はしているけど、ビジネス用語は全然わからない…。」

そんなかたのために、ビジネスにおける取引で使われる用語をまとめています。

この記事で紹介するビジネス用語は、主に「BtoB」「BtoC」「BtoE」「BtoG」「CtoC」「GtoC」の6つです。

「to」の部分を「2」に置き換えてB2B、C2Cと表現することもあります。

BtoBやBtoCなどの用語を知ったうえで、他業界のビジネスモデルを参考にしてみると、売上アップにつながる思わぬアイデアが生まれるかもしれません。

よく似た用語ばかりでわかりにくいですが、用語の意味がわかると、見分けるのは簡単です。

まずは、それぞれの用語の意味をこの記事で理解していきましょう!
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取引別にジャンル分けが行われる理由

一口に取引といっても、分類してみると上のような種類に分かれます。しかし、このような種類分けによってどのような意味があるのでしょうか。

取引によって異なる要素

実は、分類を行う意味とは、取引に応じてそこに生じる要素に微妙な違いが生まれてくるためです。
商品の違い
例えば扱う商品の違いです。BtoCであれば普段プライベートで私たちが買い物をするエンドユーザー向けの商品である一方、BtoBは企業間の取引となり、個人ではなく企業が必要とする資材やツールとなります。

■特集:BtoB ECサイト■
ブランド意識の違い
あるいはブランド意識の違いです。販売相手がエンドユーザーの場合、売り手がブランドを確立することで安定した顧客の獲得に繋がりますが、BtoBの場合はそこまでブランド意識は必要とされません。
現金化までの時間
また、現金化されるまでの時間にも差があります。BtoCの場合は出荷から納品、そして販売、売上報告となりますが、BtoBは納品すればすぐに現金となって確実に手元にお金が入ってくるようになっています。
マーケティング手法の差
マーケティングにも差があります。BtoCは消費者の感情に訴えかけることで購買力を促進させますが、BtoBの場合は論理的に自社の製品がいかに優れているかを営業先に伝えなければいけません。

BtoB、BtoCは上の用語の中では最も使われるケースの多いものですが、こういった違いは別の用語でも当てはまります。

フリマアプリの登場などで話題になっているCtoCも、こういった違いに当てはめて考えてみると興味深い商取引でしょう。


次の項からは用語ごとの特徴の解説を行って行きます。

BtoBとは企業どうしの取引

BtoBにおける「B」とは「Business」、つまり「企業」の略です。BtoBは、企業どうしの取引を指します。商品を販売する側も、購入する側も企業というわけです。

BtoB企業はマス向けのプロモーションを行わないため、地味なイメージを抱かれがちですが、それはやはり顧客が企業であり、感情的なインセンティブが少ないためです。

個人ではなく法人が顧客のBtoB

上述の通り、BtoBはその会社にとって利益につながる商品を販売する商売です。そのため営業にはロジカルな視点と説明が求められ、個人ではなく企業の意思決定によって取引するか否かが決められます。

どれだけ営業相手を感動させても、意思決定者が良しと言わなければ購入には繋がらないのが企業間取引の特徴です。


BtoB企業の例

有名なところだと事務用品通販のアスクルは、BtoBのECサイトにおいて代表と言えるでしょう。

他にも
  • 工具などを販売する「モノタロウ」
  • 精密機械部品を販売する「ミスミ」
などがあります。

なお、ECにおけるBtoBの市場規模は商品単価がとても高いため、後で紹介するBtoC(企業と消費者の取引)の約20倍だそうです。



BtoCとは企業と消費者の取引

次に紹介するのはBtoCです。

BtoBと同じように、BtoCの「B」は「Business」、企業のことを指しています。
そして「C」は「Consumer」、つまりは消費者のことです。

消費者感情に訴えられるマーケティングとブランディングを

BtoBの時とは打って変わって、BtoCで重要なのは消費者の心を掴むことです。

例えば、BtoC企業が盛んにキャラクターを投入したり、色鮮やかな広告をTVで流すといった施策を展開するのは、それを消費者の脳裏にポジティブなものとして記憶してもらうためです。

そして、購入までの意思決定も企業に比べてはるかに早いのもBtoCの特徴です。なぜなら、組織ではなく個人として取引を行うので、だれかに相談するというプロセスが必要ではないためです。

欲しくなったらすぐ購入。この仕組みをいかに整えるかが、BtoCビジネスを展開する上で重要になります。

身近なBtoCの事例

具体的には
  • Amazon
  • 楽天
  • LOHACO
などのポピュラーなネットショップは全てBtoCです。いずれも消費者に商品・サービスを販売し、購入までの導線が短く収まっているのに注目です。

ECはそもそも店舗に行く必要がなく、クリックだけで購入できるという魅力を持っているのは大きいと言えます。


BtoEとは企業と従業員の取引

一般的とは言いにくいですが、BtoEも押さえておきましょう。

おさらいになりますが、BtoEの「B」は「Business」、企業という意味ですね。
そしてBtoEの「E」は「Employee」、従業員を指しています。
BtoEとは、企業が従業員に対して提供するサービスです。

★参考事例記事:目指したのは最先端のオフィスビルに相応しい「BtoBtoE」という価値提供。新サービス「mot.」の複雑な仕組みを支えるシステムインテグレーション

個人としての従業員

従業員は組織に属しているとはいえ、日常生活では消費者、つまり個人として取引をすることもあるのが当たり前です。例えば仕事の合間にコンビニへ行ったり、昼食を食べにレストランへ行ったときはBではなくCとなるわけです。

そこに注目して誕生したのがBtoEという取引です。BtoEでは自社、あるいは他社の従業員をターゲットに、日々の生活の支えとなる商品やサービスを展開するというものです。どちらかというと社員に向けた福利厚生としての要素が強い取引です。

食堂はもちろん、今話題のケータリングサービスやオフィスコンビニもここに含まれるでしょう。

オフィスのランチ宅配サービス「シャショクラブ」など、福利厚生の一つとされることが多いですね。

BtoEでは、イントラネット(社内ネットワーク)などで、社員に対して商品・サービスを通常よりも安く提供します。

その企業の製品・サービスを扱うこともあれば、他企業と契約して購入代金が安くなる形態もありますね。

BtoGとは企業と行政の取引

BtoGは、企業(Business=「B」)と行政(Government=「G」)の間で行われる取引のことです。

簡単にいえば、国を顧客として考える取引です。国が企業を相手に取引をする意味でGtoBという言葉が使われることもありますが、一般的にはどちらも同じ意味で使われることが多いようです。

BtoGで取引される商品の例

BtoGでは、
  • 消耗品(ノート、筆記具など)
  • 道路などの工事
  • コンサルティング
などのモノ・サービスを企業が販売し、それらのサービスを政府や自治体が購入します。

商品やサービスの取引をインターネット上で行う「電子入札」は、BtoGにおけるECの代表例ですね。

CtoCとは消費者どうしの取引

CtoCは、消費者(Consumer)どうしで行う取引という意味です。BtoCの場合は売り手が企業でしたが、CtoCでは売り手も買い手も消費者というのが大きな特徴です。


比較的BtoCに近い取引

CtoCは全く新しい取引のように思えますが、買い手が消費者という意味では、BtoCに近い取引であると考えておくとわかりやすいかと思います。

いわゆるフリマアプリなどを利用してみるとわかりますが、買い手が実際に購入する際のプロセスはAmazonなどで用いられているものと大きな差はありませんし、そういったものと同等サービスが求められることもあります。

また、売り手に関しても買い手の感情に訴えるマーケティング施策を取ることが多く、他の商品との差別化を独自に行うことで、少しでも高く素早く売ろうとする様子を伺うことができます。

ちなみにCtoCはそれを可能にするインターネットサービスが発達したことでポピュラーな取引となりました。消費者間に公正かつスムーズな取引を行う環境を提供し、手数料をとっているのは企業です。

ポピュラーなサービスを挙げると、
  • メルカリ
  • BUYMA
  • eBay
  • ヤフーオークション
といったものがあります。ユーザーのニーズがどんどん多様化・細分化されていくなかで、ECにおけるCtoC市場は今後も伸びていくことが考えられます。

Daniel Krason / Shutterstock.com


GtoCとは行政と消費者の取引

最後に紹介するのはGtoCです。

これは、行政(Goverment)と消費者(Consumer)、あるいは市民(Citizen)の取引を指します。
消費者と市民で何かが変わるわけではありませんが、国と国民の取引という特殊なケースにのみ適用されるということでそう表現されることもあります。

国が個人を相手に提供するサービスというのは、主に日本で暮らしていく中で必要な書類の手続きなどが含まれます。

具体的には、
  • 住民票
  • 戸籍謄本
  • パスポート
などの電子申請や、
  • e-Taxによる、インターネット上での確定申告
  • スポーツ施設などの電子予約
があります。政府や自治体が提供するサービスを、消費者が購入するのがGtoCですね。

ちなみにGtoGという取引のケースも存在します。これは、自治体間でのやり取りを簡潔に表現したもので、稀に耳にすることもあるでしょう。

補足:次々と生まれる「XtoX」用語

BtoB、BtoCのような「XtoX(何かから何かへ)」という形の用語は、だんだんと増えつつあります。

例えば以下のようなものがあります。
  • BtoS:企業と社会の取引
  • BtoP:企業と人(個人・法人)の取引
  • CtoB:個人と企業の取引
時代の変化によって取引の形態も変化していくため、それに合わせて用語も増えていくのです。

逆に言えば新たな用語が生まれた業界はチャンスが多いとも言えます。事業の幅を広げるためにも、ビジネス用語はしっかりおさえておきたいところです。

ビジネス用語を理解して、事業の幅を広げる

ここまでで紹介したビジネス用語をまとめると、
  1. BtoB:企業どうしの取引
  2. BtoC:企業と消費者の取引
  3. BtoE:企業と従業員の取引
  4. BtoG:企業と行政の取引
  5. CtoC:消費者どうしの取引
  6. GtoC:行政と消費者の取引
の6つがありましたね。

おそらく最も耳にするのはBtoB、BtoC、そしてCtoCの三つです。最近は働き方改革というキーワードの流行も伴い、BtoEに分類される新しいサービスも誕生しつつあります。

さらにBtoSやBtoPなど新たな用語も生まれ続けています。

耳にはしなくとも、そのサービスがどの取引に分類されるかを考えながら眺めてみると、新しい発見が自分の中で生まれるかもしれません。

まずはこの記事で用語の意味を理解して、より幅広いビジネス展開を目指していきましょう!


この記事を書いた人
佐々木 ゴウ
大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。