海外向けECにはスマートフォンがカギとなる理由~各国の普及率から見る越境ECの可能性~
目次
- 世界のスマートフォン普及率
- スマートフォン利用の電子取引はこれから増える
- アプリのダウンロード数とECサイト売上の効果
- スマートフォンのプッシュ機能の効果
- まとめ
わからないことについて調べるときや、緊急時の連絡には欠かせないものとなりました。空いた時間に操作できるという利便性から、肌身離さず使用しているという方もいます。
スマートフォンはすでに一人に一台という時代になってきています。
これは、ECを用いてビジネスを行う人にとってはまさに最強の宣伝ツールとなります。
日本ではスマートフォンを利用したネット通販はもはや普通のこととして取り入れられていますが、海外ではどうでしょうか。
今回は世界におけるスマートフォンを利用したインターネット通販についてデータを確認しながら見ていきたいと思います。
世界のスマートフォン普及率
世界ではどれくらいの人がスマートフォンを使用しているのでしょうか。アウンコンサルティング株式会社が世界のスマートフォン普及率について国別にまとめた統計があります。
まず、日本・韓国・中国のデータを見ていきましょう。
OS別に分かれていますが、日本は6割超がiOSを使用していることからApple社のiPhoneを使用していることがわかります。
韓国と中国はAndroidの使用が多いことが分かり、iPhoneは18%~23%といった割合です。
どの国も総人口の半数以上がスマートフォンを利用していることから、普及率の高さが伺えます。
次にアメリカ・カナダ・メキシコについて見ていくと、上記のアジア3カ国よりスマートフォンの保有率は高くありません。
ヨーロッパ各国では、概ね60%から70%の保有率となっていますが、中でもスペインでは保有率80%と高い数値を示しています。
(出典:アウンコンサルティング株式会社「世界40カ国、主要OS・機種シェア状況 【2016年2月】~インバウンドwebプロモーションにシェア状況データを生かす~」
https://www.globalmarketingchannel.com/press/survey20160318)
スマートフォン利用の電子取引はこれから増える
今は日本の消費者向けだけではなく海外の消費者向けに越境ECサイトを構築することも可能です。越境ECサイトを立ち上げる際、どの国の・どのような消費者をターゲットにして商品の販売を行うかを最初に考えることでしょう。
サイトを構築する際には上記のようなデバイスについてのデータは販売促進の意味でも非常に参考になります。
webgrowによるスマートフォンを使用した電子商取引の予測では、2020年までに全世界の人口の7割がスマートフォンを保有するとしており、スマートフォンを利用する人がさらに増えることを示しています。
以下の図は世界各地域のスマートフォン保有率をまとめたもので、2014年〜2020年までの予測値を示しています。
次に中東・アフリカが伸びると予測されています。
2014年と比較すると、2020年までに全世界で35億人が新たにスマートフォンを保有するとされています。
また、Remarketyによる2015年の電子取引による売上規模とトレンドについてのデータがあり、国別に確認することができます。
※クリックすると別ウィンドウで拡大画像が確認いただけます。
(出典:Remarkety 「Global eCommerce Sales, Trends and Statistics 2015」特筆すべきは、日本・韓国でのスマートフォンを利用した電子取引が非常に多いことでしょう。
https://www.remarkety.com/global-ecommerce-sales-trends-and-statistics-2015)
以下、全てではありませんが、図のデータをもとに各国別の特徴を簡単に表しました。
ECを利用した売上額1位の中国では平均的なインターネットユーザーは25歳であり、オンラインでの買い物は急成長している分野です。パソコン利用は7割近くありますが、スマートフォン・タブレットの利用が各33%と決して低くない数値です。
第2位のアメリカはパソコンを利用したオンラインショッピングが盛ん。
第3位のイギリスもアメリカと同じくパソコンを用いたオンラインショッピングが主流です。
4位の日本はインターネットユーザの97%がオンラインショッピングを利用していると記載されています。
5位のドイツでは、AmazonまたはOttoを利用したオンラインショッピングが売上の2分の1を占め、この二つのECサイトの人気の高さが伺えます。
6位のフランスはパソコンの利用が多いですが、人口の68%程度しかインターネットショッピングを利用しないと記載されています。また、オンラインショッピングのうち19%はフランスのネットショップではないところで購入しているようです。
7位の韓国は世界でも最速のインターネット環境が備わっており、オンラインショッピングを利用する人の多くは夜10時〜12時の間に利用するそうです。
アプリのダウンロード数とECサイト売上の効果
スマートフォン向けのECサイト表示においてはアプリがダウンロードされることが重要です。スマホアプリのダウンロード数とECサイト売上には関連性があります。
アパレル販売で有名なZOZO TOWN(株式会社スタートトゥデイ)を例に挙げると、アプリの機能を最大限に利用した宣伝が成功し、売上増につながっています。
スタートトゥデイは2013年にWEARというアプリを開始しました。
このWEARというアプリを2015年にリニューアルしてから、WEARのアクセス数は伸び続け、さらにZOZO TOWNのアクセス数も伸びました。
仕組みはこうです。
WEARで販売されているファッションを選ぶと、それに合わせたコーディネイト例を提案してくれます。これはZOZO TOWN内で販売されている商品でもあるので、WEARとZOZO TOWNの両方のサイトを消費者が交互に見ることにより、どちらのサイトもアクセス数が伸びるという仕組みで、「消費者の囲い込み」が効果的に生かされています。
他にもSNS等で影響力のある「インフルエンサー」と呼ばれる一般人に対して10万円分の買い物ポイントを贈ることにより、商品の宣伝をしてもらうというアイデアも大いに売上に貢献しています。
結果的にWEARを経由した売上は10億円を超えました。
(出典: fashionsnap.com 「コーディネートアプリ「WEAR」経由のEC売上が月間10億円を突破」 http://www.fashionsnap.com/news/2015-10-30/wear-2years/)また、アプリはダウンロードされることによってプッシュ機能を送信することを可能にしたり、ホーム画面に置かれることでアイコンバッジの表示によりアプリが起動されるというメリットにもつながります。
スマートフォンのプッシュ機能の効果
スマートフォンのプッシュ機能は、販促ツールとして効果的です。プッシュ機能をオンにしている消費者は積極的に新しい情報を求めているので、このような購買意欲が強い消費者に効果的です。しかしプッシュ機能はあまりにも多く送信しすぎると疎まれる傾向にあり、最悪アプリをアンインストールされることもあるので、時間帯や送信内容、送信回数などについての分析が必要です。
まとめ
海外に向けたECサイト構築において、その国における電子取引の規模やトレンドについて掴むことは事前準備であり、必要なマーケティング分析です。上記に挙げたデータから、欧米・ヨーロッパ諸国においてはパソコンを利用したオンラインでのネット通販が主流ですが、アジア圏においてはスマートフォンやタブレットを利用したネット通販が盛んなことがわかりました。
アジア諸国においては、パソコンと並んでスマートフォンによる販売も重要なことであり、そのトレンドはまだ続くでしょう。
スマートフォンで情報を確認することは日常茶飯事の行動であり、いつでも・どこでも欲しい情報を得ることができます。
ECサイトを成功させるには、いかに効果的に消費者の関心を引きつけることができるかが鍵となります。
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