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知っておきたいティーザー広告の上手な使い方


・今風の広告にはぴったりのティーザー広告
・効果的な手法だが、デメリットも
・消費者の「ティーザー疲れ」にも注意



エンタメ業界を中心に、最近ではすっかり定番となったティーザー広告。



ティーザーサイトやティーザー動画、ティーザー画像など、ありとあらゆる広告に用いられる「ティーザー」ですが、そもそもティーザー広告と一般的な広告との違いが分からなかったり、どう使えばいいのか分からないことはないでしょうか。



ティーザー広告は確かにトレンドの広告スタイルかもしれませんが、使い方を誤れば消費者を誤った方向に導いてしまったり、会社のイメージダウンにもつながってしまうため、多用すれば良いというものではありません。



ティーザー広告を取り入れてみたいという方に向けて、今回はティーザー広告の主なスタイルやメリットとデメリット、そしてティーザー広告の効果的な使い方をご紹介します。



ティーザー広告とは



ティーザー広告は分かりやすく言えば焦らし広告のことを指します。英語のteaser、つまり焦らす人を語源に持つこの広告は、本来広告の中で紹介されるべき商品の要素をあえていくつか隠すことで、消費者の注目を集めることを目的としているのが主な特徴です。



これまでの広告は派手な色使いや売り文句、見所などの情報をいかに限られたスペースに盛り込むかといった、いわゆる「押し」の姿勢が重要とされていた一方、ティーザー広告はいかに少ない情報で商品の魅力を伝えるかが重要視される、「引き」の姿勢であるとも言えます。



Appleのスマートな広告



AppleのMac Proの例はムダなく、そしてスマートに商品を紹介する良い例だと言えます。







コンピュータの紹介は細かく始めてしまうとついつい冗長になってしまいがちですが、スマートなイメージを追求するAppleはやはり広告もスマートです。



こちらの動画は本体の光の反射で近未来的=高性能であることを印象づけるところから始まり、後半では円形=自然物、惑星、宇宙といった親しみやすく、かつ神秘的なイメージに帰結させていることがよくわかる内容になっています。



一切コンピュータとしてのスペックの話はしていないのにもかかわらず、素人目で見ても「なんだかAppleの新型Macはすごいらしい」と、他の人に話をしたくなる気持ちを掻き立てられてしまう、優れた広告ではないでしょうか。



このAppleの例でお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、ティーザー広告はコンピューターや車など、詳しい性能や役割について細かな説明を要する商品を端的にアピールするのには優れた方法であると言えるでしょう。



詳細な説明で客足を遠ざけてしまうこともありませんし、スマートな広告のイメージがハイテクノロジーとうまくマッチするからです。



車のティーザーサイト



ティーザーサイトという言葉もよく耳にするかと思いますが、車の場合は以下のようなサイトが例に挙げられます。



車の印象的なパーツなどを切り取った大きな画像から入り、ビジュアルで訪問者の注目を集めたところで、車のコンセプトや動画などを紹介し、別ページで詳細な機能について紹介する方法は、多くの自動車メーカーが取り入れているティーザー広告の手法です。



ティーザーイメージ例






アーティスティックなイメージの演出にも効果的



ティーザー広告はスマートなイメージを顧客に与えることができるほか、より奇抜な要素の抜き出しを行うことで衝撃的、あるいはアーティスティックな印象を与えることも可能です。



例えば昨年話題になった映画、「シン・ゴジラ」のティーザートレーラーは、映像の切り取り方から不明瞭・混乱・リアリティといった、パニック映画には欠かせない感情を視聴者は煽られ、非常に印象に残るティーザー広告として仕上がっています。







またSFやミステリー映画にもティーザー広告は相性が良く、「オチはどうなるんだ」という気持ちを高ぶらせられるよう、うまく映像をつなぎ合わせることで視聴者は好奇心を刺激されてしまいます。



記憶に新しい例としては、映画の「メッセージ」が挙げられます。







正体不明の物体の謎を一介の学者が解読しようとするという、どうにも説明の難しいテーマでも、ティーザーという要素抜き出し型の広告であれば、視聴者には「全く状況は飲み込めないけど、続きが観たいぞ」と思ってもらえることができるのです。



ティーザー広告のデメリットと効果的な使い方



切り取り方に注意



ティーザー広告は確かに今風の宣伝としては優れた広告手段かもしれませんが、上手に要素を抜き出して紹介するのは意外にも難しいものです。



紹介したい商品はあるが、果たしてその商品の何をどういうふうに紹介するのが良いのかや、誰に向けて広告を打つのかということをきちんと定めず、とりあえず意味ありげにティーザー風広告を作るだけでは、広告の受け手にはその商品の良さは伝わりません。



加えて商品の要素を隠しすぎたり、おおっぴらに紹介しすぎるのもティーザーとしては良いとは言えず、結果的には商品の魅力が伝わらなかったり、まとまりのない広告になってしまうこともあるのです。



ティーザー広告の効果的な使い方



ティーザー広告を作る場合は、まず商品の何を訴求ポイントとするのかをきちんと絞ることが重要です。そしてその訴求ポイントを最大限に引き出す広告の打ち方に集中することで、人々の注目を集められるティーザーを生み出すことが可能になります。



要素の切り取り方のコツとしては、商品のどうでも良い部分を見せるというよりも、その大事なキャラクターのわかりやすい部分を紹介するという意識で制作するのがポイントです。



ビジュアルでも性能でも、商品のことをよくわからない人が一目見て「とりあえずすごいんだな」と思ってもらえるポイントがあれば、そこをプッシュしていきましょう。



前述のMacの例は、本体のユニークな形も相まって、ビジュアルから連想されるあらゆるイメージがわずかな時間の動画内に詰め込まれていました。コンピューターらしからぬ円柱の形は、パソコンに詳しい人でなくとも注意を引きますから、製品のキャラクターを良く理解しているティーザー広告でした。



商品の優れたところを全て紹介したい気持ちもわかりますが、まずは抑えて一歩引いた商品紹介を行う。それがスマートなティーザー広告作りには欠かせない心構えなのです。



「消費者のティーザー疲れ」も考慮すべき



消費物であれなんであれ、流行りものはとりあえず使ってみたくなるのが人間の性というものですが、最近ではあまりのティーザー広告の流行に、消費者はそういった「出し惜しみ広告」にうんざりしているという話もあります。



映画しかりコンピューターしかり、あまりティーザー広告を乱用してしまうと、「また出し惜しみか」と消費者の反感を買ってしまったり、過度な期待を煽りすぎることでコンテンツの力が追いつかず、誇大広告として取り扱われる危険性もはらんでいるため、ティーザー広告に頼りすぎるのも考えものです。



ともすれば会社のイメージダウンにも繋がる恐れもあるので、必ずしもティーザー広告を打てば注目を集められるとは限らないことも留意しておきましょう。



商品の注目を集めたいがために消費者の感情を煽ると、煽ったぶんだけ商品や会社にプレッシャーがかかっているということも、広告を制作する人は考慮しなければなりません。



あくまでも等身大の広告制作を心がけ、顧客をがっかりさせてしまわないよう注意しておきましょう。





終わりに



効果的な広告手段は必ずしもティーザーだけとは限らず、場合によっては古典的な派手でわかりやすい広告が人の目を引くこともありますし、新しいものが絶対に正しいとは限りません。



商品のキャラクターやブランドイメージに合わせて、最適の方法を見つけてあげることこそ、良い広告制作には欠かせない心がけではないでしょうか。