UXデザインがユーザの購買意欲に影響をもたらす理由
目次
●UXデザインはユーザの心理的ストレスを減らす
●ユーザに合わせたUXデザインがECサイトの売上に影響する
●ウェブサイトのデザインを整えることはECサイト運営には欠かせない
●まとめ
ウェブサイトをデザインする際に意識しなければいけないのが、ユーザ・エクスペリエンス。ユーザ体験とも言われますが、通称UX(ユーエックス)とも呼ばれています。
UXは一般的な人(以下、ユーザ)が製品やサービスを利用する際、操作がしやすいかどうかを体験することを指します。
たまに「UXデザイン」について耳にすることもあるかと思いますが、UXデザインはユーザにとって製品やサービスを操作しやすく、または利用しやすくすることでユーザの満足度を上げることを意味しています。
ECサイト構築する上で意識しなければいけないのが、UXデザインです。
しかし、なぜUXを意識しなければいけないのでしょうか。
理由は、実際にウェブサイトを閲覧して操作するのはユーザであるからです。
ユーザにウェブサイトを閲覧・操作をしてもらうことで商品やサービスを理解してもらうことに繋がり、さらにその商品が魅力的に映れば購入に至るため、UXは重要であるのです。
UXデザインはユーザの心理的ストレスを減らす
誰しも経験があると思いますが、ウェブサイトを初めて訪問した際、以下が原因でストレスを感じたことがあるはずです。・ボタンが押しにくい、または違うリンクを押してしまう
・どこに何があるのかわからない
・文字ばかりでどれが重要な情報かわからない
・時代遅れのデザイン
・パソコンまたはスマホで閲覧した際に、デザインが崩れている
・(ECサイトの場合)商品の写真のクオリティが低い
・ページの遷移に時間がかかる
・会員登録の方法が煩雑で面倒
これらのストレスを感じた場合、多くの人はウェブサイトを閲覧することを諦めます。使いづらいウェブサイトでストレスを溜めながら閲覧・操作するよりは、操作しやすいウェブサイトを選ぶためです。
例えば計算機があるとして、配置されたボタンが極端に小さいものは押しにくいですよね。
ボタンの間隔が極端に狭いと間違って自分が望んでいないボタンを押してしまい、最初からやり直す必要があります。
このような面倒な手間が増えるのであれば、人はもっと使いやすい計算機を新たに手に入れようとするでしょう。
つまり、ストレスを与えうるものをわざわざ選ぶ人はいません。
上記に挙げたストレスを取り除くようなデザインを心がけることがUXデザインの効果です。
ストレスを取り除くための改善案
上記の問題については、以下のような改善案が考えられます。参考にしてみてはいかがでしょうか。・ボタンが押しにくい/違うリンクを押してしまう →リンクの間隔を十分に空ける
・どこに何があるのかわからない →検索窓・サイトマップを設置する
・文字ばかりでどれが重要な情報かわからない →情報を整理する
・時代遅れのデザイン →デザインを変える
・パソコンまたはスマホで閲覧した際に、デザインが崩れている →デバイス別にデザインを整える
・(ECサイトの場合)商品の写真のクオリティが低い →可能であれば写真家に依頼する
・ページの遷移に時間がかかる →サーバーやウェブサイトの問題を解決する
・会員登録の方法が煩雑で面倒 →登録フォームを簡素化する
ユーザに合わせたUXデザインがECサイトの売上に影響する
ウェブサイト構築においてターゲットとするペルソナの設定は重要です。例えば、10代~20代前半の女性をターゲットにした商品を販売しているECサイトであればカラフルでポップなイメージ、30代女性であれば落ち着いたデザインにするという風に、ターゲットとする年代や性別によってデザインを変える必要があるのです。
また、ウェブサイトが表示されるデバイスに合わせたサイト構築も重要です。
空き時間にスマホでECサイトを見ているというユーザも多いため、PCからの閲覧を重視したサイト構築ではなく、スマホユーザーに使いやすいUXデザインを適用するべきです。
ずっと見ていたくなるような見やすいウェブサイトを構築することによって他の商品ページも見る確率が上がり、ユーザが求めていた商品に加え他の商品も購入する確率が高まるためです。
UXデザインの改善によってコンバージョン率をアップ
ウェブサイト閲覧者がサイトに訪問して商品やサービスを購入する確率をコンバージョン率(CVR)と呼びます。UXデザインを整えることによって、CVRを向上させることも不可能ではありません。
ウェブサイトのデザインを整えることはECサイト運営には欠かせない
ECサイトを運営するにあたって、ウェブサイトの「見やすさ」「使いやすさ」はウェブサイトを訪問した人にとっての気配りとなります。■関連記事:ECサイト構築においてデザインにこだわるべき理由
例えば、購入したい商品がいくつかあるとして、いざ購入しようとなった際、会員登録を求めるポップアップがでてきます。
新規会員登録する際に入力する箇所があまりにも多いと、ユーザが購入に行きつくまでに操作をやめてしまうことがあります。会員登録をやめてしまう理由は、 1、面倒
2、時間がない
3、会員登録をしてまで買い物をしたくない
のいずれかです。
そうなると商品が買い物かごに残ったままとなり、最悪商品の購入を忘れてしまいます。いわゆる「かご落ち」という状態での離脱となります。
会員登録さえスムーズに(もしくは会員登録なしで)行えていたら、購入に至ったかもしれないのです。
購入をあきらめてしまう理由
以下の表は2014年10月のデータで、ショッピングカートに商品を残したまま購入を諦めたアジア人に対して調査を行ったものです。調査対象人数については記載がありませんでしたが、参考程度に見ていくことにします(日本語訳は筆者)。
(出典:Statista 「Reasons for abandoning digital shopping carts among online shoppers in Asia as of October 2014」)第1位: 購入までの準備ができていなかった、商品をカートに入れておきたかった 58%
第2位: 購入までの準備ができていなかったが、他のサイトと送料にかかるコストの比較を行いたかった 50%
第3位: カートの合計金額が思っていたより高かった 43%
第4位: 送料無料の最低購入額まで自分の合計金額が達していなかった 42%
第5位: 購入を完了させたかったが、他のことに気を取られた、また忘れてしまった 33%
第6位: 希望の決済方法が提供されていなかった 30%
第1位と2位については購入までに至る意思が弱かったため起こっているとも読み取れます。
ただし、第3位〜5位については、UXデザインによって改善を図ることができるかもしれません。
UXデザインの改善で離脱を防ぐ
3位のカートの合計金額については、「楽しく買い物をしていたのに、購入する段階で合計金額を確認したら一気に現実に戻って購買意欲がなくなってしまった」というイメージが浮かびます。もしそうだとしたら、この問題を解決するには買い物かごに商品を入れた時点で合計金額を表示させるという方法が有効かもしれません。
合計金額を表示させることで自分の予算に対してどれくらい商品買うことができるか確認しながらの買い物になるので、購入に至る確率が上がる可能性もあります。
4位の送料無料までの金額に達していなかった問題に対しては、「あと◯◯◯円で送料無料」とカウントダウン形式で金額を表示させることにより、送料無料までの金額にちょうどいい価格帯の商品を併せて購入するかもしれません。
5位の他のことに気をとられた・忘れてしまったという理由については、外的要因も多分にありますが、ウェブサイトのデザインが閲覧者にとって離脱しやすいものである可能性もあります。
まとめ
ECサイトにおいてUXデザインはユーザの購買意欲を促進、あるいは減退させる効果があるため、「たかがデザイン」と軽視することはできません。ECサイト構築において大切なことは、細部に至るまでユーザが使いやすいウェブサイトであることです。
ウェブサイトの使いやすさと見やすさはユーザの購買意欲を高めるだけでなく、次回も積極的に買い物をしたいと思わせる効果もあるため、リピーターを増やすことにもつながるのです。
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