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「カスタマーサクセス」をアップデート デジタルを駆使した顧客接点づくり

SaaSやシェアリングエコノミー、サブスクリプションモデルなど、あらゆるビジネスにおいて「モノ」よりも「サービス」が中心となりつつある今、カスタマーサクセスの重要性は以前にも増して高まっていると言えます。

属人的に顧客に尽くすことだけがカスタマーサクセスの作り方ではありません。あらゆるタッチポイントでデジタルを活用することにより、カスタマーサクセスの質は高まり、そしてそれがさらなるビジネスのドライブに繋がるのです。

本稿では、これからの時代に求められるカスタマーサクセスについて考察していきます。

目次:

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経営者にとってのカスタマーサクセス

ずっと以前から、「顧客第一主義」という言葉がビジネスの基本として唱えられてきました。顧客の成功を第一に考える、という意味で、「カスタマーサクセス」も「顧客第一主義」と同様のもの、と捉えている方もいるかもしれません。

しかし、ある意味で“形骸化”している節もある「顧客第一主義」とは違い、カスタマーサクセスは真の意味で顧客の成功にコミットする必要があります。なぜなら、現代のビジネスは「モノが売れれば良い」という考え方では成り立たないからです。

SaaSやシェアリングエコノミー、サブスクリプションモデルなどに代表されるように、サービスとして如何に継続的に利用してもらうかがビジネスとして重要であり、あらゆる業種・業態において優れたサービスを提供する企業が増えている今となっては、消費者も自然にそれを求めるようになっています。

それを踏まえると、カスタマーサクセスという考え方が必要なのはプロダクトを売る現場だけではありません。上流の経営目標からカスタマーサクセスを念頭に置いたものになっていなければ、成功することが難しくなってきているとさえ言えるでしょう。

もし、経営目標が売上や利益だけを重要視する傾向にあるのであれば、まずそれを見直すべきです。「自社にとっての顧客の成功とは何か」を明確に可視化し、サービスの継続率、建前でなく、真の意味でのプロダクトに対する満足度に全社員が本音で向き合う企業文化を構築することから始めましょう。カスタマーサクセスは一朝一夕で成果が出るものではないのです。

BtoBとBtoC、どちらもカスタマーサクセスは必要

「カスタマーサクセス」という言葉は、クラウドを駆使した顧客管理システムを提供する「セールスフォース・ドットコム」が提唱したとされています。つまり、もともとはIT業界のBtoBビジネスにおける考え方だったと言えます。

BtoBで考えれば、カスタマーサクセスは比較的容易に想像がつきやすいでしょう。顧客のビジネスを成功させるために必要な手段や機能は何かを突き詰め、プロダクトに実装していけばよいからです。クラウドを活用したサブスクリプションモデルにすることで、システム構築のイニシャルコストが抑えられる、というのもカスタマーサクセスの一例です。BtoBにおけるカスタマーは、「ビジネスの成功」が欲しいため、いくらスペックの高いシステムでも、自社にとって蛇足となる機能は必要ありませんし、コストもできる限り抑えたいというわけです。

これからの時においては、BtoCでも全く同様のコンセプトが求められます。ドリルの話が有名ですが、消費者はハイスペックのドリルが欲しいわけではなく、最終的には壁に空いた穴が必要なのです。この「穴」が自社のビジネスにおいては何になるかを突き詰める必要があります。

特に、BtoCにおけるプロダクトは、「それを使っている自分が好き」と消費者に思わせることこそが究極のカスタマーサクセスです。それがブランドの力であり、「これからの時代は体験(CX)が重要」と言われる所以でもあります。

カスタマーサクセスのためのタッチポイント作り

カスタマーサクセスに繋がる「体験」は一種類ではありません。細かなものからインパクトのあるものまで様々な形があり、それらが消費者の中で積み重なって確固たるカスタマーサクセスとなり、継続的な利用を実現します。

自社にとってのカスタマーサクセスを構築するためには、顧客接点を三つのレイヤーに分解し、それぞれにレイヤーで必要な手段を検討することが有効です。

テックタッチ

名前の通り、メールやチャットツール、アプリなどテクノロジーを活かして作ることができる接点です。不特定多数の顧客に対して効率よく接点を持つことができます。クイックなレスポンスや便利さを提供することに優れたタッチポイントである一方で、テックタッチでは一般的に一人一人の顧客に対して深いエンゲージを生むことは難しいとされています。

ロータッチ

1対n(不特定多数)という関係性の接点です。セミナー/勉強会やワークショップなど、リアルな場においてサービス提供側が大勢を相手にする接点です。楽しい、学びがある、コミュニティに触れられる、など、ロータッチでの体験を通じて、ポジティブな感情を持ってもらうことが可能であり、ブランドに対する信頼や理解を一歩進めることが得意です。

ハイタッチ

リアル店舗での1対1の接客、顧客の自宅へ訪問するなど、サービスの提供側と顧客が1対1の関係になる接点です。最も属人的なタッチポイントとなり、顧客に相対する人次第で、強力な感動を生み出すことができますが、同時に一つの失敗で信頼を失うリスクも高いと言えます。それゆえに、人的コストが最もかかる接点になります。

近年、DXの重要性が説かれているのは、これらのタッチポイントを構築し、そこから取得した顧客データを分析、その結果をさらなるサービスの改善に繋げることがビジネスの成長に欠かせないからである、という側面が大きいのです。

この時に誤解しないようにしたいのは、DXだからといって、テックタッチのみを構築すれば良いというものではないということです。

もちろん、テックタッチの構築は顧客理解のためのベースとして重要ですが、そこで得られたデータをロータッチ、ハイタッチ側にもフィードバックできる仕組みの構築までが必要なのです。

今はリアル店舗など、これまでロータッチ、ハイタッチの場としてのみ捉えられていた場所も、センサーデバイスやAI/IoTの進化によって、テックタッチを活かせる場になりつつあるという部分にも注目しておきたいところです。リアルな場でテックタッチを駆使できれば、顧客理解の質と量は飛躍的に高まるからです。

様々なカスタマーサクセス

カスタマーサクセスを、上記のような顧客接点ごとに分解して考えることによって、実行すべきことが見えてきます。

例として先ほど挙げた「ドリルの穴」を用いて考えてみましょう。

この場合、顧客の最終的なサクセスは、「壁に開けた穴」を使って何をするか、です。一旦ここでは「気分の上がるアートを飾るため」と仮定しましょう。

すると、テックタッチでできることは意外とたくさんあります。オウンドメディアなどで、絵の大きさ、重さによって必要な穴の大きさと数を正しく伝えたり、失敗しないドリルの使い方を伝えたり、ということも考えられるでしょうし、スペック・コスト的に最も最適なモデルを伝える、ということもあるでしょう。ECであれば商品をいかに素早く選べて、ストレスなく決済まで完了できるか、というUIが大事になりますし、クリックアンドコレクトや即日配送など、物流の仕組みを整えることで「早さ」でカスタマーサクセスに寄与する、ということも考えられます。

ロータッチに目を移せば、この顧客を含むターゲット層は純粋にアートが好きなのではなく、気分の上がる部屋を作り込むことが好きなのだとわかっていれば、DIYで作るインテリアコーディネートのワークショップなどのアイデアも出てきます。

最も人的リソースがかかるハイタッチの部分でも、そのような顧客の解像度が高くなっていればいるほど、話題や提案を合わせに行くことができますし、それが得意な人材をあらかじめ用意しておくことも可能かもしれません。

もちろん、実際にカスタマーサクセスを生み出すことは、ここで挙げたほど単純ではありません。しかし、ターゲットを明確にし、ペルソナまで落とし込めていれば、どのような施策がカスタマーサクセスに繋がるのかを描きやすくなります。

そして大事なのは、何を実施し、何を実施しないのかの優先順位を的確につけられることです。なぜなら、カスタマーサクセスを生み出すための施策とは、思いついたものは全て「やった方がいいこと」に決まっているからです。それらが「絶対に必要なこと」なのか「やらないよりはやった方がマシなこと」なのかを見極めることは、限られたコストの中で成果を出さなければならない状況において、最も難しく、同時に重要なことと言えるでしょう。

いかに顧客の身になって考えるか

これまで述べてきたように、カスタマーサクセスを重要事項として捉える場合、数字の部分でもそれを念頭に置いてKPIを持つべきでしょう。プロダクトがサブスクリプションモデルなどのサービスであれば、特に重要なのは、購入されたプロダクトの利用率、リテンションレート(契約更改率)、LTVなどです。

そして、プロダクトの在り方については、以下の点について留意しましょう。

  • 本当に消費者が利用したいものを、(コスト的、物理的に)気軽に始められるようにすること
  • いつでもやめられるようにしておくこと。やめられる方法がすぐにわかること
  • 常にプロダクトが最新の状態にアップデートされていること
  • そのプロダクトを利用するためなら、喜んである程度の個人情報データを取得されることに協力してくれること

気軽に始められ、いつでもやめられるけれども、そこに自分にとっての「サクセス」があるから結果的に使い続ける、という状態こそが、今の時代に求められるサービスの形です。今伸びているサービスを挙げていけば、概ねこの条件に当てはまっていることに気づかれると思います。

これまでのように、押し付けに近い形で顧客を“無理やり”囲い込む、という考え方は捨てた方がよいでしょう。

徹頭徹尾カスタマーサクセスを考え抜いた結果、利用者が増え、そこで得られた顧客データを再度カスタマーサクセスのために還元する、というポジティブなループを生み出せるか。そのような大きな絵を描けるかどうかが、今後のビジネスでは重要になってくるのです。

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