DXの定義とは?事例とともに簡単にわかりやすく解説
この記事では「DXって最近よく聞くけど、じっさい何のことなんだろう。」という疑問を解決します。
テレワークやペーパーレスなど、ITを活用した職場の変化はここ数年で身近に感じられるようになりました。
しかし、実はテレワークもペーパーレス化もそれだけではDXとは言えないのです。
そこで、この記事ではDXについて、その定義を事例とともに以下の順で解説します。
まずはこの記事でDXについて大まかに理解しましょう。
そもそもはウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、教授は「ICT(情報通信技術)の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義しています。
DXの目的はビジネスのつくりを変えて競合よりも優位に立つことです。
簡単にいえば、DXはデータやデジタル技術を使って、ビジネスをよりよい方向へ変えて、ひいては社会の変革まで引き起こすことと表現できます。
そこで、ここでは総務省が参照している「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の定義をもとに解説します。
そのためペーパーレス化のような単純な「アナログ→デジタル」の変化はDXとまでは呼べません。
例えるなら、従来のタクシーがUberやGOなどのアプリで乗れるようになり、今では「タクシーに乗るときはアプリからの予約が当たり前」となったのはDXと言えるでしょう。
ですが、略しても「DT」ではなく、あくまで「DX」です。
その理由は、英語圏では「Trans」を省略するさいに「X」を使うから。そのためデジタルトランスフォーメーションも「T」ではなく「X」となり、略称は「DX」と表記されています。
【DX】 データやデジタル技術を使って、ビジネスをよりよい方向へ変えて、ひいては社会の変革まで引き起こすこと。
例:タクシー→Uber、GO
【デジタル化】 手作業で進められていたアナログ業務をデジタルに置き換えることでコストを削減すること。
例:ペーパーレス化
【IT化】 ビジネスモデルをITの力で変えて、新たな事業や顧客体験を生み出すこと。
例:チャットボットを活用したホームページ
同社では2030年にありたい会社の姿を「”Intelligence Factory 2030“」と名付け、まだまだアナログな作業が残っている金属加工の現場をデジタル化・自動化するなどの変革を進めています。
また他社のデジタル化による生産性アップにも取り組んでおり、ものづくり業界全体へとアプローチしているのは特徴的です。
同社は自社で生産管理システムを開発し、原価や工程、在庫を見える化するなどのデジタル化を実現しました。
社内で「チームIoT」と呼ばれる組織をつくり、現場の声を吸い上げてIoTで解決する流れを作ったのは大きな変革といえます。
同社はスマートフォンでも部品の検査ができるシステムを自社で作り、低価格で他社にも提供しています。
また油圧装置を遠隔でメンテナンスできるサービスも提供予定です。
Amazonの「FBA(フルフィルメント by Amazon)」は、DX化によって配送を根底から変えた好例です。
FBAとは、Amazonの倉庫に自社商品を入れておいて、在庫管理や販売、決済、配送などをAmazonが代行するものです。出品者は商品を用意するだけで、あとの管理や配送などをする必要はありません。
AmazonはFBAの提供にあたって、受注から発送までの工程をデジタル化。結果として「注文したものが即日・翌日に届く」という素早いサービスを提供しています。
ネット通販は注文してから届くまでに時間がかかるという業界の常識を変えた事例といえます。
DXは社会の大きな変化にデジタルの力で対応していこうとする流れです。
そのためには一人ひとりがITスキルを身に着けていく必要があります。
「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」では無料でデジタルスキルを学べるオンライン講座を紹介しているので、これからDXに取り組みたい企業の方はぜひ一度ご覧ください。
「デジタルガバナンス・コード2.0」ではデジタルの力で企業が新たな価値を作れるように、経営者が実践したいことをまとめています。
時代の変化に対してデジタルの力で対応していきたい経営者の方は、一度目を通しておくのがおすすめです。
おさらいするとDXとは、世の中の変化に対してITを使った新たなビジネスモデルで対応し、社会にまで影響を与えるような変革を起こすことです。
書類がパソコン上でも閲覧できるようになるような、いわゆるIT化より一歩踏み込んでおり、企業の構造や戦略から変わっていくことを指します。
時代の変化に対応できる企業を作っていくためにも、事例を参考に自社でもできることがないか検討することからはじめてみてください。
テレワークやペーパーレスなど、ITを活用した職場の変化はここ数年で身近に感じられるようになりました。
しかし、実はテレワークもペーパーレス化もそれだけではDXとは言えないのです。
そこで、この記事ではDXについて、その定義を事例とともに以下の順で解説します。
- そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
- DXとデジタル化、IT化の違い
- 【日本】経済産業省が選定した中小企業の社内DX事例
- 【アメリカ】企業のDX事例
- 経済産業省の「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」とは
まずはこの記事でDXについて大まかに理解しましょう。
そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の活用でビジネスの構造からガラッと再構築して、社会まで変えてしまうことです。そもそもはウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、教授は「ICT(情報通信技術)の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義しています。
DXの目的はビジネスのつくりを変えて競合よりも優位に立つことです。
簡単にいえば、DXはデータやデジタル技術を使って、ビジネスをよりよい方向へ変えて、ひいては社会の変革まで引き起こすことと表現できます。
総務省が定義する「DX」とは
ここまでの解説で「DXは大まかに言えばデジタル化なのはわかったけど、定義が広すぎる」と思ったかもしれません。そこで、ここでは総務省が参照している「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の定義をもとに解説します。
Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)わかりやすくいえば、DXはITの力で新たなビジネスモデルをつくり、世の中の大きな変化に負けず、競争に勝っていこうとする活動ともいえます。
企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること
出典:総務省「令和3年 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112210.html
そのためペーパーレス化のような単純な「アナログ→デジタル」の変化はDXとまでは呼べません。
例えるなら、従来のタクシーがUberやGOなどのアプリで乗れるようになり、今では「タクシーに乗るときはアプリからの予約が当たり前」となったのはDXと言えるでしょう。
DXの「X」とは?
デジタルトランスフォーメーションは英語だと「Digital Transformation」と書きます。ですが、略しても「DT」ではなく、あくまで「DX」です。
その理由は、英語圏では「Trans」を省略するさいに「X」を使うから。そのためデジタルトランスフォーメーションも「T」ではなく「X」となり、略称は「DX」と表記されています。
DXとデジタル化、IT化の違い
DXとデジタル化、IT化には以下のような違いがあります。DXは社会にまで影響を与えることが特徴的です。【DX】 データやデジタル技術を使って、ビジネスをよりよい方向へ変えて、ひいては社会の変革まで引き起こすこと。
例:タクシー→Uber、GO
【デジタル化】 手作業で進められていたアナログ業務をデジタルに置き換えることでコストを削減すること。
例:ペーパーレス化
【IT化】 ビジネスモデルをITの力で変えて、新たな事業や顧客体験を生み出すこと。
例:チャットボットを活用したホームページ
【日本】経済産業省が選定した中小企業の社内DX事例
ここからは経産省「DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)」をもとに、中小企業のDX事例を紹介します。参考:経済産業省「DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-selection/dx-selection.html
株式会社山本金属製作所
株式会社山本金属製作所は、金属加工にまつわる製品を販売する大阪府の企業です。同社では2030年にありたい会社の姿を「”Intelligence Factory 2030“」と名付け、まだまだアナログな作業が残っている金属加工の現場をデジタル化・自動化するなどの変革を進めています。
また他社のデジタル化による生産性アップにも取り組んでおり、ものづくり業界全体へとアプローチしているのは特徴的です。
株式会社日東電機製作所
株式会社日東電機製作所は、機械の電力を制御する「配電盤」を製造する群馬県の企業です。同社は自社で生産管理システムを開発し、原価や工程、在庫を見える化するなどのデジタル化を実現しました。
社内で「チームIoT」と呼ばれる組織をつくり、現場の声を吸い上げてIoTで解決する流れを作ったのは大きな変革といえます。
株式会社リョーワ
株式会社リョーワは油圧装置の販売や修理、メンテナンスを手がける福岡県の企業です。同社はスマートフォンでも部品の検査ができるシステムを自社で作り、低価格で他社にも提供しています。
また油圧装置を遠隔でメンテナンスできるサービスも提供予定です。
【アメリカ】企業のDX事例
DXは世界的な流れであり、例えばアメリカでもDXは進んでいます。Amazonの「FBA(フルフィルメント by Amazon)」は、DX化によって配送を根底から変えた好例です。
FBAとは、Amazonの倉庫に自社商品を入れておいて、在庫管理や販売、決済、配送などをAmazonが代行するものです。出品者は商品を用意するだけで、あとの管理や配送などをする必要はありません。
AmazonはFBAの提供にあたって、受注から発送までの工程をデジタル化。結果として「注文したものが即日・翌日に届く」という素早いサービスを提供しています。
ネット通販は注文してから届くまでに時間がかかるという業界の常識を変えた事例といえます。
経済産業省の「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」とは
経産省では自宅にいながらITスキルを身につけることができる講座を紹介する「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」を提供しています。DXは社会の大きな変化にデジタルの力で対応していこうとする流れです。
そのためには一人ひとりがITスキルを身に着けていく必要があります。
「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」では無料でデジタルスキルを学べるオンライン講座を紹介しているので、これからDXに取り組みたい企業の方はぜひ一度ご覧ください。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/sugomori/index.html
【最新】経産省は旧DX推進ガイドラインを「デジタルガバナンス・コード2.0」に統合
経済産業省では以前から企業のDX推進を目指すためのガイドラインを出していましたが、今ではそれが「デジタルガバナンス・コード2.0」と呼ばれるものに統合されました。「デジタルガバナンス・コード2.0」ではデジタルの力で企業が新たな価値を作れるように、経営者が実践したいことをまとめています。
時代の変化に対してデジタルの力で対応していきたい経営者の方は、一度目を通しておくのがおすすめです。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
DXはただのIT化ではない。経営を持続するためにも検討を
ここまでDXについて、定義や事例、省庁の提供しているサービスなどを紹介しました。おさらいするとDXとは、世の中の変化に対してITを使った新たなビジネスモデルで対応し、社会にまで影響を与えるような変革を起こすことです。
書類がパソコン上でも閲覧できるようになるような、いわゆるIT化より一歩踏み込んでおり、企業の構造や戦略から変わっていくことを指します。
時代の変化に対応できる企業を作っていくためにも、事例を参考に自社でもできることがないか検討することからはじめてみてください。